小1、小2の勉強では、やることがはっきり決まっています。漢字の書き取り、計算の練習、そこに少し難しい文章題があるくらいです。
やることが単純で明確ですから、この時期の教材は、紙の教材にしてもパソコンの教材にしても工夫されたものが多く、その工夫された教材をやっていれば、誰でも勉強ができるようになります。
しかし、誰でもできるからこそ、そこで逆に間違った勉強法を定着させてしまうことも多いのです。
間違った勉強法とは、第一に難しいことをやりすぎることです。第二に長い時間やらせすぎることです。第三に親がすぐに教えすぎることです。なぜこれらが間違っているかというと、今はよくても子供の将来の成長にとってはマイナスになるからです。
低学年のころは、難しいことをやらせても頭がよくなるわけではありません。それよりも勉強というものを嫌いになることが多いのです。長い時間やらせると、確かにその時点での成績は上がります。しかし、だらだらと勉強をする癖がついてしまいます。また、親がていねいに教えすぎると、親がいないとできないとか、誰かに教えられないとできないという自主性のない勉強になってしまうのです。
このようなことが結果として出てくるのが、小学校中高学年からです。しかし、そのころになると、いったんついた習慣はなかなか変えられません。だから、小学校低学年の簡単に勉強させられる時期に、正しい勉強の仕方をしていくことが大事なのです。
多くのお母さんが困っていることとして、子供に集中力がないということが挙げられます。集中してやればすぐにできることを、気が散ったり、ほかのことをしたり、ぐずぐずしたりして、結局時間ばかりがかかってしまうというようなことです。
しかし、少し想像力を働かせてみればわかるように、あまり面白くないことでも義務だからといって集中してできる子がいたら、それは勉強だけすればいい学生時代にはいい子かもしれませんが、社会生活の上ではそうではありません。社会生活の中で、他人と協同して仕事をしたり、人の上に立ってリーダーシップを発揮したりすることは、かえって難しくなることが多いのです。勉強の面でのいい子は、生活や人生の面では必ずしもいい子ではありません。
創造力のある子ほど、好きなことには集中しても、興味のないことにはすぐに飽きます。しかし、本人は、興味のないことであってもちゃんとやらなければならないことはある、とうすうす分かっているのです。
そういう子が、受験などで集中して勉強する必要を感じたときに、自分のそれまでの経験から、集中しにくいことをどうしたら集中できるかという工夫を自分なりに考え出していきます。だから、集中できないことも、それがかえって自分の貴重な経験になっているのです。
そのような一見無駄に見える経験をさせずに、集中してやらざるを得ないように、塾に入れるとか、賞罰でコントロールするとかいうことをしていると、子供はかえって自分の成長によって克服するということができなくなります。
子供の成長という観点から見ると、親のアドバイスも変わってきます。単に、「もっと集中してやりなさい」ではなく、集中の大切さを説明し、その困難さに共感し、集中するための工夫をいくつか提示してあげるのです。しかし、その工夫を生かすかどうかは本人の自主性と成長に任せます。
大事なことは、今すぐの結果ではなく、その子供の将来の成長なのです。