ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 3491番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/20
新しい推薦インターンシップ制で費用負担のない講座受講が可能に as/3491.html
森川林 2019/01/06 07:34 

 言葉の森のかつての講師採用は、作文試験と電話面接だけでした。
 採用の基準は、作文の場合は、誤字がないことと、雰囲気が明るいことで、電話面接の場合は、やはり明るいことと、話の中身にその人らしさがあることでした。

 ただ、ほとんどはこちらの側の印象ですから、すぐれた人が不採用になったことももちろんあったと思います。面接試験は水物で、私自身も面接でよく落とされたので、それほどあてになるものではないと思っています。

 誤字がないことは、作文試験では当然のことですが、800字程度の文章では、今の社会人の方のほとんどが1、2か所の誤字があると思います。
 そして、800字の文章で1,2か所の誤字がある人は、その誤字を直しても、毎回必ず同じような確率で誤字が出てきます。誤字のない文章を書けるようになるのは、とても大変なのです。
 これは、私自身も誤字が多かったので、その大変さがよくわかります。

 誤字があるかどうかというのは、頭のよさとは関係がありません。関係があるのは、真面目に勉強していたかどうかということです。
 だから、大体おいて真面目な人、しっかり勉強してきた人は誤字がありません。

 以上のような採用基準で、言葉の森の講師を採用してきました。倍率は10倍ぐらいでしたから、かなり難度の高い採用試験でした。
 私も昔、就職試験で何度も落とされたことがあるので、不採用の通知をするのはいつも心が痛みました。
 また、いったん不採用になった人を、再度採用して、その人がとてもよい先生で活躍していたということもあります。
 だから、採用試験などはある面であてにならないのです、ということを、不採用になった方には言っておきたいと思います。

 ところで、このようにして採用された講師は、みんな優れた人たちばかりでした。どの人も子供たちを教えることが好きで、親身になって指導にあたってくれたからです。また、どの人も仕事がよくできました。
 私が自分で教えているよりも、その人たちが教える方がずっと子供たちがよく成長したと思っています。

 さて、今の日本は就職率が上昇しているので、仕事をしようと思えばどこでも仕事ができるようです。2018年春の大学生の就職率は98.0%でした。
 ただ、それは仕事を選ばない場合であって、やはり自分のしたい仕事をしようと思えば、その仕事を探して就職するのはまだ難しいのが当然です。

 自分のしたい仕事ということを考えた場合、私は、教育の仕事は多くの人にとって魅力のある仕事になると思います。
 ただし、今の学校や学習塾で教育の仕事をするのは、かなりストレスがあるようです。

 学校は、教えること以外の仕事や行事が多すぎると思います。また、多くの学校は、教育の理想のようなことはあまり考えず、カリキュラムをこなす仕事が中心になっていると思います。

 学習塾の場合は、目的が成績を上げることや受験に合格させることですから、教育というよりも、ギブアンドテイクの教育サービスを販売しているような面があります。
 教えている先生は、みんな教育の理想というものを考えているのですが、現場ではそういうことは後回しにしなければならないという事情があると思います。

 もちろん、言葉の森にも似た状況はあります。しかし、言葉の森の場合は、点数や成績よりももっと先にあるものを目指しているので、教育の理想を実現する仕事に近いところにいます。
 先にあるものとは、作文を通して思考力、創造性、文化性を育てることです。まだ理想は先の方にありまますが、その理想を実現するために取り組んでいます。

 言葉の森が普通の学習塾と違うのは、学校の勉強などは普通にやっていればできて当然で、できないのはやっていないからだという考えを持っていることです。
 だから、勉強を教わるとか教えるということは、それほど重要視していません。聞かれれば教えるが、聞かれなければ特に教えないというという立場です。
 同じ理由から、私の子供も学習塾には行かずに学校と家だけで勉強していました。本当はそれで十分なのです

 ただし、受験に合格するということに関しては、勉強のやり方が合否を大きく左右するので、その点は受験指導を専門としている人に教わる必要はあります。

 言葉の森が今行っていて、またこれから行おうとしている教育は、多くの人にとって魅力のある仕事になると思います。
 特に、寺子屋オンラインの少人数クラスで、作文やそのほかの創造的な学習内容を教えることは、クラス運営が軌道に乗れば、教わる子供たちだけでなく、教える先生にとっても楽しい仕事になります。

 寺子屋オンラインクラスの今後のイメージは、子供たちが小学校低学年から始めて、小学校高学年、中学生、高校生と続け、その間、同じクラスの仲間と励まし合い学校の勉強もしっかりできるようにして、大学2年生ごろまで作文と読書の勉強を続けることです。
 そして、卒業したあとは、寺子屋オンラインの同窓生として年に何回か作文と読書の交流を行い、生涯の友達となることです。その生徒どうしの仲間に、クラスを指導していた先生も加わり、卒業後も同窓会で向上心のある交流を続けていくことです。

 こういう苦労もあるだろうがやりがいのある面白い教育の仕事に携わることを多くの人にすすめるために、言葉の森では、森林プロジェクトの作文講師資格講座や、寺オン講師育成講座を始めました。
 これらの講座が有料なのは、今の世の中は、有料なものでなければ回らないからで、どんな目標も回ることによって広がるものだからです。
 また、受講する人にとっても、この講座の受講料は費用ではなく将来回収できる投資と考えることができます。

 しかし、実際に、講座の費用負担があることにブレーキを感じる人も多いと思いましたので、受講料なしで講座の受講ができ、受講後にそのまま指導に携わることができる推薦インターンシップ制というものを作りました。

 推薦インターンシップ制は、既に森林プロジェクトの作文講師や寺オン講師になっている人から推薦された人に関しては、無料で講座の受講ができ、そのままインターンの講師として採用されるという仕組みです。
 そして、インターン講師の間は指導料はありませんが、講座受講料に相当する期間の指導後は、正式の講師として仕事ができます。
 もし、指導が続けられずに途中で辞める場合は、費用負担は何も発生しません。

 この推薦インターンシップ制による講座受講は、既に森林プロジェクトの講師をしている人か、寺子屋オンラインの講師をしている人か、いずれかからの推薦が必要になります。
 推薦を受けることを希望される方は、facebookグループ「森林プロジェクト」にその旨を投稿していただくか、又は言葉の森事務局にその旨をご連絡していただくかどちらかでお願いします。

 これから始まる未来に向けて、多くの寺オン講師の参加によって、日本に新しい教育を作っていきましょう。


この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

nane 20190106  
 新しいコンセプトの話が多いのでわかりにくいかもしれませんが、推薦インターンシップ制とは、要するに昔ながらの徒弟制です。仕事をしながら技術を身につけて独り立ちするという内容です。
 同様に、寺子屋オンラインとは、その名のとおりオンラインで寺子屋のような触れ合いのある授業をする教室という意味です。


nane 20190106  
 これからの新しい教育には、多くの講師の参加が必要です。
 だから、誰でも、意欲のある人なら、自分のできる範囲で費用負担なく手軽に始められる推薦インターンシップ制を作りました。


kei 20190109  
寺小屋オンライン講師育成講座を、私も受講できますか?


森川林 20190109  
keiさん
 もちろん大丈夫。

kei 20190110  
ありがとうございます。
インターシップ制寺小屋オンライン講師育成講座の受講を希望します。
よろしくお願いします。

ぴあの 20190112  
初めまして!
私、福岡在ですが、育成講座受講や講師になる事はできますか?
受講には、どんな環境があればよろしいですか?

森川林 20190112  
 ぴあのさん、もちろんできます。
 今、募集中ですので、ぜひやってください。
 環境として必要なのは、ウェブカメラのついたパソコンだけです。
 生徒はタブレットやスマホでもできますが、講師は動画を保存するようなこともあるので、パソコンの方がいいと思います。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
森林プロジェクト(50) 言葉の森のビジョン(51) 寺子屋オンライン(101) 

記事 3490番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/20
寺オン講師育成講座のビデオ視聴開始、インターンシップ制による見学・実習の受付開始 as/3490.html
森川林 2019/01/05 16:37 

 寺子屋オンライン講師育成講座は、今後参加者が増える寺子屋オンラインの生徒の作文指導を担当する講師を育成する講座です。
 寺オン講師育成講座の受講は、森林プロジェクトの作文講師資格を取得していることが条件となります。

 ただし、いずれも費用がかかることから、気にはしているがまだ受講をしていないという方もいると思いましたので、今回寺子屋オンラインのクラスの授業見学や教育実習をインターンシップ制で行えるようにしました。

 子供たちにオンラインで作文やその他の勉強を教える仕事をしてみたいと思われる方は、この機会に寺オン講師育成講座にご参加ください。

●インターンシップ制による受講の流れは次のようになります。

○寺オン講師育成講座のインターンシップ受講の受付
https://www.mori7.com/fsiryou.php
(インターンシップの授業参加の欄にご記入ください)
 ↓
○寺オン講師育成講座のビデオ視聴(無料。約4時間半)
 ↓
○授業に参加できる曜日時間を調整
 ↓
○授業見学・教育実習2~4回→自分に向かないと思えば終了(費用はかかりません)
 ↓
○正式に受講を希望する場合
 ↓
○森林プロジェクトの作文講師資格講座を受講→受講後自分で森林プロジェクトの作文教室が開けます
(インターンシップ制で費用負担なく始めることができます)
(専任の森プロ相談担当者がつきます)
 ↓
○寺オン講師育成講座
(インターンシップ制で費用負担なく始めることができます)
(専任の寺オン相談担当者がつきます)
 ↓
○寺オン作文講師としてクラスを担当

●直接講師育成講座を受講される場合の受講の流れ

○森林プロジェクトの作文講師資格講座を受講→受講後自分で森林プロジェクトの作文教室が開けます
(専任の森プロ相談担当者がつきます)
https://www.mori7.com/fkouza.php
(直接講座をご受講ください)
 ↓
○寺オン講師育成講座(約4時間半)
(専任の寺オン相談担当者がつきます)
 ↓
○寺オン作文講師としてクラスを担当
(授業見学・教育実習は随時できます)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20190105  
 これからは、誰もが子供たちの教育に参加する時代です。
 それは、子供たちの思考力、創造性、文化性を育てることが、よりよい日本を作ることに結びついているからです。
 子供たちの教育は、子供を持つ親や子供を教える先生だけの仕事ではなく、すべての人の関心事なのです。
 寺子屋オンラインの少人数作文クラスは、まだ始まったばかりの新しい教育です。
 この寺子屋オンラインクラスで、未来の日本の教育を作っていきましょう。


nane 20190105  
 寺オン講師育成講座と寺子屋オンライン生徒募集を新年から本格スタートです。
 新しい未来の教育を作るつもりでやっていきたいと思います。
 目指すのは、点数や試験に還元されない教育です。
 それは、点数や試験から離れるのではなく、点数はよくて当然、試験はできて当然という教育です。
 点数や試験を越えたずっと先の方に目標を定めていくのです。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
森林プロジェクト(50) 寺子屋オンライン(101) 

記事 3489番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/20
ホームページを作り直し中――「google+コミュニティ」から「鳥の村」へ as/3489.html
森川林 2019/01/05 06:40 

 年末年始は、ホームページを作り直しています。
 見た目はあいかわらずごちゃごちゃしていますが、あまり表面には出ていないところで、大きな改良を進めています。

 いちばんの課題は、4月にgoogle+コミュニティが使えなくなることです。(終了日程が前倒しになりました。)
 そのため、寺子屋オンラインの資料室と発表室を、google+コミュニティとは別のところに移動させなければなりません。
 クラウドサービスは便利なのですが、こういう一方的なところが困ります。

 facebookは、実名が条件なので、敷居を高く感じる人もいるだろうと思いました。
 オープンSNSも考えたのですが、他人の作ったソフトだと、結局こちらのデータベースとの連携が難しくなります

 そこで、久しぶりに新しく掲示板を作り直すことにしました。
 掲示板の名前は、「鳥の村」です。
https://www.mori7.net/tori
 最近の技術は勉強していないので、昔ながらの手作業の仕事です。

 私は、日常的にパソコンを使っていて、スマホはほんのわずかの連絡にしか使いません。
 だから、これまでは、パソコンベースでホームページのデザインを考えがちでした。
 しかし、今はほとんどの人がスマホでインターネットを利用しているということなので、見やすくするために横に広がるテーブルタグは使わないことにしました。
 そのかわり、divのfloatプロパティを使って、パソコンのときは横に広がり、スマホのときは縦につながるようにしました。
 初歩的なことですが、これでかなり見やすくなったと思います。

 また、これまでのオープン教育の掲示板では、次々に新しい掲示板ができて全体が見にくくなったので、大分類と小分類に分け、小分類のページは表面からは見えないようにしました。
 例えば、大分類の「資料室」だけが表面に出るようにして、その内部の小1資料室~高3資料室は、表面には出さず、大分類の「資料室」をクリックすれば見られるというようにしました。

 現在、学年別の資料室と、クラス別の発表室の枠組みだけを作りました。
 今後、1月2週以降の資料は、この新しい資料室に入れておきたいと思います。
 そのほかの枠組はまだこれから作ります。

 ところで、発表室をgoogle+コミュニティから新しい発表室の掲示板「鳥の村」に移動すると、画像のアップロードや動画のアップロードが、ファイルの大きさによっては時間がかかったりできなかったり場合も出て来ます。
 そこで、今後は、発表の動画や画像は、生徒が自分のGoogleフォトなどにアップロードし、そのリンク先を「鳥の村」の掲示板に入れていただくようにしたいと思います。
 将来、自分の作った画像や動画を確実に保存しておくためにも、この自分のGoogleフォトにアップロードするというやり方がいいと思うので、使い方の詳細はまた追って説明します。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

nane 20190105  
 生徒用の掲示板を作り直しています。
 毎週の授業の資料などをアップし、ホームページから更新状況がわかるようにする予定です。


森川林 20190105  
 生徒用の掲示板に、カレンダーも設置しました。
 年間予定はここに表示されるようにし、全体の予定がわかるようにします。
 当面、2月1週は保護者懇談会、2月4週は作文検定試験です。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
言葉の森サイト(41) 

記事 3488番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/20
オンライン教育の要は不便さにある as/3488.html
森川林 2019/01/04 06:27 

 教育のオンライン化は、世界各地で進んでいます。
 それは既に止められない流れになっています。

 しかし、オンライン化を便利さという観点だけから見ると、それはむしろオンラインの負の側面になるでしょう。
 便利さを基準にして生き残るのは、比喩的に言えばアマゾン一社だからです。

 便利であるとか、コストがかからないとか、場所や時間の制約がないとかいう利点は、無味無臭の世界です。
 だから、その中身と方法は、すべてデジタルに還元され、たやすく国境を越えて広がります。
 今はまだある言語の壁も、これからますます低くなっていくでしょう。
 そして、最も速く広がるものは、最も資金力を動員できるものです。

 では、オンライン化の流れの中で、便利ではない何を大事にしなければならないのでしょうか。
 それは、言葉をただ逆にするだけなのですが、実は不便さなのです。

 オンライン化を生かす道は、その不便さにあるというのは、オンラインの利点を活かしつつも、ある特定の時間と、ある特定の友人や先生と、試行錯誤を含む時間をかけて、苦労して学ぶという不便さを大事にするということです。
 それが、人間味のあるオンラインです。

 このデジタルに還元されない教育を、寺子屋オンラインで実現していきたいと思っています。

 寺子屋オンライン作文講師育成講座を、時間に制約されないビデオ講座にし、いつでも受講できるようにしました。
 また、受講を考えている方が、費用負担なく講座の中身を体験できるようにインターンシップ制を開始しました。
 詳細は追ってホームページでお知らせします。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20190104  
 グローバル化が進んだのは、便利さや安さが基準になっていたからです。
 だから、かつてのダイエーの「よりよい品をより安く」や、松下幸之助の水道哲学の延長に、現代の経済があり、その代表が、世界の工場になっていた中国だったのです。
 しかし、これから来る教育と文化の時代は、グローバリズムに還元されない面を持っています。
 教育と文化は、時間と場所と人の制約があり、個人の興味や関心に基づくものであり、顔のない消費者ではなく、顔の見える創造者として参加する世界だからです。


nane 20190104  
 教育のオンライン化というと、多くの人は上流を目指します。
 しかし、上流はどんどん細くなり、最後は1人しか上れないような小さな川になります。
 なぜ多くの人がその方向に進もうとするかというと、教育の世界を消費の世界と考えているからです。
 しかし、これからの教育は消費されるものでなく、創造されるものになります。
 創造の世界は、下流に行けば行くほど広がるのです。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
寺子屋オンライン(101) MOOC(2) 

記事 3487番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/20
作文試験の進化の方向(その1) as/3487.html
森川林 2019/01/03 05:53 

 作文試験は、年々進化しています。
 今日は、その方向と今後の対策を書きたいと思います。

 なお、ここで、作文と言っているのは、小論文も含んだ文章のことです。
 世間では、作文と小論文は違うなどと言う人もいますが、同じ文章ということで大した違いはありません。
 強いて言えば、作文は事実中心の文章で、小論文は主題中心の文章ということです。
 しかし、この中間段階がいくつもあるのです。

 言葉の森で、小学1年生が書く文章は、事実中心です。
 高校3年生が書く文章は、主題中心です。
 しかし、その中間にある小学校高学年の生徒が書く文章は、半分が事実中心で、半分が主題中心です。

 題名で言えば、「私の家族」とか、「私の宝物」とかいう題名は、普通は事実中心になります。
 しかし、小学校高学年のよく書ける生徒は、こういう題名を事実中心に書くのでは、ものたりないと思うのです。
 そこで、いくつかの事実をまとめる、より抽象的な主題で結びの感想を書こうとします。
 その感想の書き方が、「わかったこと」や「一般化の主題」です。
 こうなると、これは、もう半分小論文です。

 高校生が、同じ題名で書く場合も、「私の家族」だったら、「家族とは(人間にとって)……である」という大きい視点から見たまとめ方になるのが普通です。
 高校生が、「私の家族」という題名で、「私の家族はとても仲良しです。(おしまい)」となったら、その文章がどれほど上手でも、ものたりないと思うはずです。

 高校生を教えている先生は、高校生しか教えたことがないから、「作文と小論文は違う」などと言えるのです。
 小学生を教えている先生は、小学生しか教えたことがないから、作文の評価をミニ小説のように見てしまうのです。
 言葉の森は、小学生から高校生まで教えているので(正確には幼児年長から社会人までですが)、作文と小論文を一体のものとして、より作文的なものからより論文的なものへと進んでいく過程として見ています。
 だから、作文と小論文を言葉の上で分けることなく、まとめて、「作文」と呼んでいるのです。

 さて、その(小論文も含めた)作文試験の進化の方向です。
 最初のころの作文試験は、身近な題名課題でした。
 「○○学校時代の思い出」「これまででがんばったこと」などという題名です。
 この題名課題のいいところは、出題が簡単なことです。
 そして、受験する生徒が少なければ、こういう題名課題でも十分に作文力の評価はできるたです。

 しかし、こういう題名課題は、少し練習すれば誰でも上達します。
 言葉の森で勉強していれば、誰でも合格作文を書けるようになります。
 そうすると、今度は採点が大変になります。
 受験生のほとんどが合格レベルの作文を書くようになると、こういう題名課題ではやっていられなくなります。
 そこで、作文試験は、単純な題名課題から、より複雑な条件を伴う作文試験へと流れは進化していったのです。
(つづく)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

nane 20190103  
 作文試験の課題を見ると、学校ごとにさまざまな傾向があります。
 よく考えた問題を作っているところもあるし、あまり考えていない問題を作っているところもあります。
 よく考えた問題を作っていると思ったところは、いいことだから実名で書きますが、白鴎高校附属中の作文試験の問題でした。
 あまり考えていない問題を作っていると思ったところは、実名は挙げませんが、やたらに長い文章を読ませて、国語の記述問題のようなものをたくさん入れて、時間不足で点数の差が出るような問題を作っているところでした。
 条件反射力の試験のようでした(笑)。


森川林 20190103  
 作文試験の今後の方向は、条件を決めて書くことになると思います。
 しかし、これも良し悪しで、例えば、「三段落で書きなさい」という条件などを出しているところは、場合によっては、三段落でなければ大幅に減点とするところも出てくるのではないかと思います。
 試験というのは、こういう実力とはあまり関係のないところで評価されるところがあります。
 だから、作文試験などは特にじっくり評価することとが必要になります。
 そのためには、複数の作文を書かせて、複数の人が評価する仕組みにすることです。
 しかし、それよりも現実的だと思うのは、作文試験のかわりに、その子が受験前の1年間に書いた作文を12編提出させることです。
 小学6年生以上ならキーボード入力もできますから、毎月1本1200字の作文を書かかせて、それをテキストで提出させれば、きわめて正確な文章力や思考力の評価ができると思います。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
受験作文小論文(89) 
コメント1~10件
コメントは24時間以内に表示
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
【合格速報】東 森川林
 T君、いつも椅子に腹ばいになってずっと本を読んでいたものね 3/11
1月の森リン大 森川林
 小1から高3までの作文が並ぶと、学年に応じて、みんなの考え 3/11
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
日本復活の道筋 森川林
 工業製品を経済発展の原動力をした資本主義は終わりつつある。 4/17
メモ 森川林
https://www.mori7.com/za2024a0 4/16
単なる作業 森川林
勝海舟は、辞書を買うお金がなかったので、ある人から夜中だけ辞 4/8
勉強は、人に教 森川林
勉強は、人に教えてもらうのではなく、 自分で学べばよい。 4/7
タイマー勉強法 森川林
 勉強も、家事も、仕事も、やらなければならない細かいことがた 4/2
人間の役割 森川林
うちの子が1歳か2際のとき、 車で30分ほどの三浦海岸につ 4/2
舞岡のシラサギ 森川林
舞岡八幡宮に行ったら、帰りにシラサギがいた。 3/29
身体や物理的現 森川林
身体や物理的現実は、時間や空間に限定されているが、意識はそれ 3/29
メジロとか、ヒ 森川林
メジロとか、ヒヨドリとか、スズメとか、ヤマバトとかが、毎日わ 3/28
批判と創造 森川林
人を批判することはたやすい。 大事なことは、批判ではなく創 3/27

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習