ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4417番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/25
コミュニティの中で学ぶ――新しい教育のスタイル as/4417.html
森川林 2022/02/13 23:33 


 これまでの教育は、先生が生徒に教える教育だった。
 それは、決して普遍的な教育の姿ではなく、教材と、教場と、教師が限られている中で生まれた歴史的な教育の形態だった。
 しかし、それは、学校と教室と黒板と教科書とセットになっているので、あたかも教育の本来の形式のように思われていた。

 この集団一斉指導の教育は、無駄が多いので、それをカバーするために、宿題とテストと競争を必要とした。
 そして、やがて、教育は、子供の成長のための教育ではなく、テストのための教育になった。
 そのテストのための教育で最も恩恵を受けたのは、教師だ。

 集団一斉指導の効率の悪さをカバーするために生まれたのが、動画配信授業と一対一個別指導だった。
 動画を見る授業は、自分のペースでできるから、勉強の目的が明確な生徒であれば効果はある。それは、動画でなく、参考書による自主学習でも同じだ。
 一対一個別指導は、その場で勉強をせざるを得ないという意味で、誰にとってもそれなりの効果はある。問題は、多くの先生が教えすぎてしまい、子供に自分で考えさせる時間を持たせないことだ。これは、教えてくれるのが「いい先生」と考える親にも子にも原因がある。

 動画配信授業にも、一対一個別指導にも欠けているのは、勉強を通しての子供たちの交流だ。
 その交流とは、時々お楽しみ会をやるというようなものではなく(やってもいいが)、一緒に同じ問題を考えるとか、ほかの友達の答え方を聞くとかいう知的な交流のことだ。

 そもそも、小中学生の勉強は、それほど面白いものではない。それは、山登りの前の長い単調なアプローチのようなもので、その先に気持ちのいい尾根と山頂があるということは、話には聞いていても子供たちには実感がない。だから、往々にして、賞罰や競争が突出して勉強の意欲付けになる。

 それに対して、江戸時代の寺子屋は、なぜ、受験競争もない時代に、優れた教育を続けられたかというと、そこに子供たちの知的な交流があったからだ。
 この教育が、コミュニティの教育だ。

 コミュニティの教育の中には、作文の実例の一部を保護者に取材するという、家庭も含めたコミュニティもある。
 しかし、より大事なのは、一緒に勉強する子供たちどうしが、勉強を通して親しくなることだ。
 勉強の意欲は、親や先生の褒め言葉だけでなく、それ以上に、子供たちどうしの暗黙の交流の中で生まれる。
 例えば、ある子の読書紹介の翌週に、他の子が、その子が読んでいたのと同じ本を自分も読んだということ紹介する。そのとき、その二人の子供たちの間に伝わる連帯感は、学ぶことに対する感動とも言える。
 競争でも、賞罰でもなく、この感動が、勉強を続ける意欲になる。

 オンラインクラスで一緒に学んだ子供たちは、遠足やサマーキャンプで、自然に一緒に参加することが多い。勉強を通して知り合った子供たちだから、初対面でも気心が知れている。
 そこで生まれた学友意識が、卒業してからも続けられるように、ある先生のもとで学んだ子供たちが、いつでも好きなときに立ち寄れる場所を、それぞれの先生ごとにウェブ上に作っている。まだ、公開していないが(笑)。FacebookやTwitterやYouTubeのような既成のメディアは、もちろん使わない。

 人間の生きる目的のひとつは、幸福に生きることだ。
 そのほかに、向上すること、創造すること、貢献することがあるが。
 幸福に生きるための大きな要素が、コミュニティの中で生きることだ。
 言い換えれば、幸福な気持ちで勉強することが、コミュニティの教育である。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
言葉の森のビジョン(51) 教育論文化論(255) 

記事 4416番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/25
のびしろのある子を育てるために as/4416.html
森川林 2022/02/13 22:20 


 「二月の勝者」という本を見ると、ここには、すでに完成された世界がある。
 完成された世界というのは、言い換えれば、のりこえられた世界ということだ。
 それは、ピークの直前であり、末期症状の始まりでもある。

 しかし、科挙が、その歴史的役割を終えたあとも、無意味な秀才を輩出しつづけたように、その無意味さが明らかになるのは、欧米の侵略に対応できないことがわかってからだった。
 今の日本の秀才の危うさも、ここにある。

 小学3、4年生から、勉強や宿題が忙しすぎて、ゆっくり本を読む時間も取れない子供たちの未来は暗い。
 「読書は、行き帰りの電車の中だけで済ませなさい」という家庭さえある。
 そして、そこで身につける勉強で、社会に出てからも役立つものはほぼ何もない。
 ただ、受験に合格するためだけの勉強に、貴重な子供時代を過ごす。

 多くの保護者は、先生とか、医者とか、専門家とかいうものの権威に弱い。
 最も頼りにするものは、他人の権威ではなく、自分が生きてきた中で身につけた人生観だ。
 そのために大事なのは、権威に頼らない勇気だ。

 知識を詰め込んだ子供たちは、条件反射的に、いろいろな質問にすぐに答える。
 だから、一見賢そうに見える。というか、ある意味で賢い。
 しかし、自分で考えるべき問題になっても、考えることをせずに、ほかから答えを引用しようとする。
 ほとんど、AIのレベルの賢さだ。

 社会に出て、仕事をするときに、AIを仲間として仕事をしたい人がいるかどうかを考えればわかる。
 世の中で活躍できるのは、AIにはない個性と勇気と思考力と共感力のある人間だ。
 活躍ということでなく、自分に納得できる人生を送ることと言ってもいい。
 そういう先のことが見えないから、ほんの数年の目先の勝ち組になることが勝者だと勘違いする。

 世の中は、これから激変する。
 しかし、どういう変化があっても、その変化に乗れる人間になることが子育ての基準だ。
 そのために、第一に大事なことは、熱中できるものがあること、第二に大事なことは、読書をし続けることだ。
 一見、今の勉強の成績にはすぐには役立たないように見えるものこそが、子供の本当ののびしろになる。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
受験勉強の仕方(0) 教育論文化論(255) 

記事 4415番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/25
輸気とは何か as/4415.html
森川林 2022/02/12 18:05 


●動画:https://youtu.be/OVLe-sFKgEs

 それは、気を流すようなことが本質ではなく、
 相手のことを、心からよくなるように思うことだ。
 すると、まるで自分の体を癒やすように、相手を癒すことができる。
 大事なことは、自分がいて相手がいるのではなく、自分と相手が結局は一つの全体の一部なのだと知ることだ

 それは、教育にもつながる。

 いい子も、わるい子も、よくできる子も、よくできない子もいる。
 しかし、それは、子供を他人として見ているからだ。
 もし、その子が自分だったら、今あるありのままの状態で、最善の状態を目指すだろう。
 だから、どの子にとっても、道は無限に開けている。

 大事なことは、自分を、社会の既成の価値観の物指に合わせないことだ。
 物指は、自分自身だ。

 受験に落ちた子は、そのことを自分の誇りにしよう。
 自分を落とした学校は、自分よりレベルが低かったんだねと。

 考えてみると、私(森川林)は、いつもそうやって生きてきた(笑)。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 

記事 4414番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/25
【合格速報】東京都立武蔵高等学校附属中学校 as/4414.html
言葉の森 事務局 2022/02/10 10:33 
東京都立武蔵高等学校附属中学校 H.T.さん

<担当講師より>

 コツコツと長い間作文を継続してくださり、合格は言葉の森のおかげだとお話ししてくださいました。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
合格情報(27) 

記事 4413番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/25
【合格速報】鹿児島県立楠隼中学校 as/4413.html
言葉の森 事務局 2022/02/03 16:50 
鹿児島県立楠隼中学校 S.T.さん

<担当講師より 1>

 合格おめでとうございます。試験当日も、作文はしっかり書けたとのことでした。小学低学年からコツコツ積み上げてきた成果だと思います!

<担当講師より 2>

 スポーツに打ち込みながらメリハリをつけて勉強と両立させ見事合格をつかみ取りました。おめでとうございます。応援しています!

<担当講師より 3>
 
 合格おめでとうございます。
バスケットの練習の前にお勉強してから練習に行くなど時間工夫し集中して学習されていました。
いつも目標を持って取り組んでおられたのが印象的でした。
今後も期待しています。

 

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
合格情報(27) 
コメント1~10件
森リンベストの 森川林
じすけ君、ありがとう。 統合失調症のような、また似たような 4/21
森リンベストの じすけ
こわばんは 今日は元気一杯、体験発表をさせて頂きます。 4/20
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
近所のローソン 森川林
毎日新聞を見たけど、記事はまだ載っていまでした。 4/25
毎日新聞に言葉 森川林
 しばらく前に、毎日新聞の人が取材に来ました。  そのとき 4/24
テスト送信 森川林
https://www.mori7.com/za2024d0 4/24
4月保護者懇談 森川林
シラン ●今後の「森からゆうびん」の学習デ 4/22
マスクにしても 森川林
マスクにしても、ワクチンにしても、消毒にしても、 自分たち 4/21
イエスも釈迦も 森川林
イエスも釈迦も、理想の社会を築きたいと思っていた。 しかし 4/21
日本復活の道筋 森川林
 工業製品を経済発展の原動力をした資本主義は終わりつつある。 4/17
メモ 森川林
https://www.mori7.com/za2024a0 4/16
単なる作業 森川林
勝海舟は、辞書を買うお金がなかったので、ある人から夜中だけ辞 4/8
勉強は、人に教 森川林
勉強は、人に教えてもらうのではなく、 自分で学べばよい。 4/7

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習