ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 500番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/30
自習をスムーズにさせるコツ(その1) as/500.html
森川林 2009/05/25 10:47 


 毎日同じことをさせるというのは、実はいちばん大変なことです。

 目先の変わったものを次々にさせるというのは、それに比べるとはるかに簡単です。例えば、今週はこっちのドリルをやってみて、それが終わったら、来週はあっちの問題集をやるというような勉強が簡単な勉強です。

 しかし、もちろん本当に力がつくのは、同じことを毎日同じようにやる勉強の方です。



 では、この勉強をどのようにすればいいのでしょうか。

 大事なことは、二つあります。



 第一は、やりやすい状況を作るということです。そのためには、自習をする時間を決めておきます。そして、ただ決めるだけではなく、その決まった時間が来る30分ぐらい前にひとこと、「あと30分ほどで勉強の時間ですよ」と声をかけておきます。そして、10分ほど前になったら、「あと10分ぐらいで勉強の時間ですよ」とまた声をかけておきます。そのように心の準備をさせておけば、その時間が来たときにスムーズに勉強に移行できます。

 これは、ゲームをやめさせるときも同じです。突然、「もう時間だからやめなさい」と言ってやめさせるのでは、子供はなかなかそれに従うことはできません。そうすると、「あと、もう少し」と言うことになり、親がその「もう少し」を認めてしまうと、決まったことは守らなくても何とかなるという家庭の文化を作ってしまいます。

 ゲームの時間を例えば30分と決めておいたら、途中で必ず「あと10分ぐらいで終わりですよ」と声をかけておくのです。そうすれば、心の準備ができるので、決まった時間にすぐに終えることができます。たとえ、ゲームの状況によってすぐには終えられないときでも、延長の時間はわずかです。

 そして、できればもうひとこと、「いつも時間が守れてえらいねえ」と褒めてあげます。成功させて褒める、というのが習慣作りの基本です。

 そこまでやらなければならないのか、という人もいると思いますが、子育ては仕事と同じです。そこまでやらないと、いい子にはならないのです。

 そして、これも仕事と同じで、いろいろなツールを上手に使うことが大事です。時間制限でよく使えるのがタイマーやアラームです。勉強時間の15分前にアラームが一度鳴るようにしておき、そこから15分後にタイマーが鳴るようにしておけば、勉強のスタート時間を守りやすくなります。また、このやり方に慣れてきたら、子供が自分でアラームやタイマーをセットすることもできます。


(つづく)


 「自習をさせるコツ」のあと、「付箋読書の仕方」を掲載します。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
家庭で教える作文(55) 

記事 499番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/30
構成図のフォーマット as/499.html
森川林 2009/05/24 17:09 


 通学教室で、構成図のフォーマットを使って書く練習をしたときの説明漫画です。

 構成図を書くときに大事なことは、思いついたことを自由にどんどん書くことです。テーマからはずれていても、あまり重要でないことでも一向にかまいません。

 たくさん書くことによって、書いた事柄相互の間にある空間に気づき、考えが深まっていくからです。

 したがって、構成図は、枠を全部埋めることが大事なルールになります。

 構成図のフォーマットを使って書くのは、書き方に慣れるためです。慣れてきたら、白紙に自由に書いていきます。


















この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
構成図(25) 

記事 498番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/30
構成図とマインドマップの違い as/498.html
森川林 2009/05/23 10:04 


 構成図とマインドマップは外見が似ていますが、本質的な違いがあります。

 マインドマップは、もともと記憶法として開発されました。記憶するために物事を整理するという発想です。中心から時計回りで枝葉を出していくような形で、情報を整理していきます。

 これは、欧米に伝統的な「世界はきれいに分類できる」という世界観に基づいています。欧米の本の伝統では、第1巻に1篇2篇3篇があり、その第1篇の中に1章2章3章があり、その第1章の中にABCがあり、そのAの中に、(A)(B)(C)があるというように、全体が整ったツリー構造で構成されているものが多くあります。世界は、混沌としたものではなく合理的に分類されうるものだという考え方が根本にあるのです。

 ツリー構造は、2次元と3次元の中間のような形になっています。この2.5次元のツリー構造を3次元的にビジュアル化したものがマインドマップの図と考えればわかりやすいと思います。

 マインドマップは、ツリー構造をビジュアル化したものですから、整理したものが頭に入りやすくなっています。したがって、本を読んでその本の内容を整理するときに活用すると、読んだものがよく理解できるという効果があります。ただし、方法的には、時間がかかりすぎるという面もあります。



 このマインドマップが作文にも使えるということが言われていますが、これはマインドマップの「ツリー構造で整理する」という部分よりもむしろ、マインドマップで「材料を引き出すことができる」というところで使われているのです。



 さて、マインドマップの物事を整理する方法と対極にあると思われるのが、川喜田二郎氏の開発したKJ法のような発想法です。

 KJ法で大事なことは、整理や分類を先行させないことだと言われています。複数の人数で行うKJ法で、リーダー的な人が全体の枠組みをわかりやすく整理したり分類したりすると、全員でやっていることから生まれる発想の創造性が生かせなくなってしまいます。



 このKJ法の発想法と似ているものが構成図の発想です。構成図では、あるテーマに関して思いついたことをランダムに書いて矢印で結んでいきます。すると、思いついた言葉と言葉の間に、埋められていない概念の空間があることがわかってきます。この空間を埋めるのが創造性です。

 ですから、構成図は考えを整理するというよりも、考えを広げて深めるという思考のためのツールとして使っていくものです。



 ただし、白紙に自由に書くという形ですと、慣れないうちはどうしても書く量が少なくなりがちなので、構成図のフォーマットを作りました。このフォーマットをもとに書くと、小学校中学年から構成図が使えます。

 しかし、構成図のもともとの意図は、思考を深めるためのものですから、低中学年のうちは、構成図に慣れるということで使っていくことになります。

 現在、通学教室では小3以上の生徒が構成図のフォーマットをもとにを書く練習をしています。

 今後、通信教室でも、このフォーマットを使う形の構成図指導をしていきたいと思っています。



(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)



マインドマップ風構成図

 記事のもととなった構成図です。



(急いで書いたのでうまくありません)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
構成図(25) 

記事 497番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/30
構成図を使った作文指導(その1) as/497.html
森川林 2009/05/22 21:43 
 構成図のフォーマットを使って、小3以上の生徒に構成図を書いてもらいました。

 これまでは、白紙に自由に書く形で、中学生以上が構成図を書くことにしていましたが、今後はもう少し早い学年から構成図をスタートするようにしたいと思っています。


 構成図とマインドマップは、外見が似ていますが、本質的なところが違います。

 それは、マインドマップが整理を目的としているのに対して、構成図は創造を目的にしている点です。

(つづく)

 下記の例は、初めての指導で構成図を書いたので時間がかかっていますが、通常は7、8分で書き上げられます。

【小3の生徒の例】



【小5の生徒の例】



この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
構成図(25) 

記事 496番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/30
公立中高一貫校の対策は考える力をつけること(その3) as/496.html
森川林 2009/05/21 09:30 


 考える力は、中高一貫校の受験に役立つだけでなく、将来の大学入試にも当然役に立ちます。

 現在の大学入試の多くは、まだテストに現れる学力だけの評価になっています。もちろん学力があるということは当然の前提ですから、学力よりも大事なものがあるというのではありません。

 学力は大前提として大切ですが、実は学力の先にあるプラスαがあるかどうかが、人間の本当の実力になってくるのです。このプラスαは、読む力、書く力、考える力のように言うこともできますが、それらの力の根本にあるのが、テーマのある生き方です。つまり、求めるものがあるような生き方を可能にするのが、読書と知的な対話だということなのです。



 大学側でもこのことにだんだん気がついてきているので、今後、テストの形式は変わってくると思います。今はまだ、試行錯誤の段階なので、小論文や面接を取り入れる程度ですが、将来はこの取り入れ方も更に工夫されていくことが予想されます。

 しかし、どのようなスタイルの選抜試験であっても、その子に考える力さえあればすぐに対応できます。



 公立中高一貫校に合格する力を育てるのは、主に家庭での教育力です。公立校という条件から、受験勉強の訓練を特にしなくても解ける問題が出されるのが原則です。大事なのは、訓練よりも、生活の中で育っている力です。

 受験勉強で得点を上げる練習は、学習塾などで勉強した方が能率のよい面もあります。それは、出題されそうな問題に特化した練習ができるからです。しかし、考える力を問う問題は、一斉指導ではなかなかできません。それぞれの子の力に応じて対応した問題を出す必要があるからです。そういう問題を出せるのは、家庭で一緒に生活している両親なのです。

 そして、子供と知的な対話を楽しむような家庭に育った子供は、当面の受験や更に大学入試も超えて、将来の大きな可能性を持つようになると思います。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
中高一貫校(11) 公立中高一貫校(63) 
コメント1~10件
森リンベストの 森川林
じすけ君、ありがとう。 統合失調症のような、また似たような 4/21
森リンベストの じすけ
こわばんは 今日は元気一杯、体験発表をさせて頂きます。 4/20
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
テスト送信3 森川林
総合学力クラスの体験学習――能率のよい勉強で学力の基礎を作り 4/30
テスト送信 森川林
創造発表クラスの体験学習――AI時代には、知識の学力よりも 4/29
近所のローソン 森川林
毎日新聞を見たけど、記事はまだ載っていまでした。 4/25
毎日新聞に言葉 森川林
 しばらく前に、毎日新聞の人が取材に来ました。  そのとき 4/24
テスト送信 森川林
https://www.mori7.com/za2024d0 4/24
4月保護者懇談 森川林
シラン ●今後の「森からゆうびん」の学習デ 4/22
マスクにしても 森川林
マスクにしても、ワクチンにしても、消毒にしても、 自分たち 4/21
イエスも釈迦も 森川林
イエスも釈迦も、理想の社会を築きたいと思っていた。 しかし 4/21
日本復活の道筋 森川林
 工業製品を経済発展の原動力をした資本主義は終わりつつある。 4/17
メモ 森川林
https://www.mori7.com/za2024a0 4/16

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習