↑言葉の森の文鳥「サク」
フォトリーディングという読み方を覚えると、いつか読もうと思って積んであった本もすぐに読めるようになります。何しろ、早ければ十分でひととおり読めるのですから、時間がなくても読む気になれます。
また、付箋をつけて読むので、途中で読むのを止めても、あとで読みかけの場所から再開することができます。
更に重要なことは、
一度読んで印象に残ったところに付箋がはってあるので、その部分を再読できるようになります。
この再読が、実は読書の中で最も重要な部分です。
読書と作文の関係は、一般に次のようになっていると思われています。
「読書」→「作文」
読む力が書く力の土台となるという点で、この考え方に間違いはありません。しかし、この単純な関係だけを見ると、現在の勉強のスタイルに似ていることに気がつきます。
「知識」→「試験」
つまり、吸収したものをどれだけ正確に再現できるか評価することによって、吸収の度合をテストするという発想です。「日本で一番長い川は」→「はい、信濃川です」というような勉強の仕方です。
同じことを読書と作文に当てはめると、読んだものをただ書くだけのコピー&ペーストの世界になってしまいます。これでは、右のものを左に移すような作文です。
読書と作文の関係は、単純な「読書」→「作文」ではなく、本当は次のようになっています。
「読書」→「思考」→「作文」
つまり、
読書と作文の間に、自分なりの思考が入っているのです。
この「読書」→「思考」における思考の材料を作るのが再読です。ある本を読みっぱなしにするのではなく、読んだ中で印象に残ったものを再読し、自分の中で消化して思考の材料とするというのが、読書の要になっているのです。
小学生の保護者から、「同じ本ばかり読んでいるのですが」という相談を受けることがありますが、
次々といろいろな本を読むよりも、同じ本を繰り返し読む方が確実に読む力がつきます。それは、繰り返し読む、つまり再読することによって本の中身が自分のものになるからです。
(つづく)
(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)
通常、人間が普通の努力をして無理なくできる速読は、分速1200字程度です。それ以上の3000字、4000字というような速読は、普通の速読ではなく、特別の練習で無理をして読むような速読です。ですから、そのような速度で読めるようになった人も、その後ずっと日常的にそういう読み方をするわけではなく、次第に普通の速度に戻って読むようになってしまうようです。
これに対して、フォトリーディングという本の読み方があります。これは、ページを開いて視野に入ったものは、たとえ文字として読まなくても、頭に入るというはずだという考えに基づいています。少なくともその人にとって必要なものは、頭に入るという考えです。
読むという考えではなく、頭に入れるという考えですから、あまり無理がありません。もちろん、ところどころは読むのですが、全部の文字を猛スピードで読むという読み方ではないので、それほど苦しくはありません。難しい点があるとすれば、そういう読み方でもいいのだと納得することぐらいです。
実際、読書というものは、積んでおくだけでは、何の役にも立ちません。ページを開かなければ何も始まらないというのが読書です。そして、ページを開いて、たとえ一ヶ所でも自分にとって何か得る箇所が見つかれば、それは何も読まなかったことよりも、はるかに価値のあることになります。
また、そのようにして急いで読んだ本についても、興味があれば、あとでゆっくり読み返すことができます。
大事なのはまず積んである本を開いて読むこと、そして、できるだけ毎日読むことです。
そのためには、自分には速読ができ、一冊の本を急げは十分または二十分で読める、というような見通しのあることが必要になってきます。
時間がないと本が読めないというのは、読書は時間がかかるものでそれがどのくらいかかるかは読んでみないとわからないという気持ちがあるからです。
そこで、フォトリーディングを使った読書を、付箋をはって再読する読書に結びつけるような指導を考えました。
このやり方であれば、読書を宿題扱いにすることもできます。毎週、図書の貸出を行い、何しろ週に一冊は読んでくるようにします。
忙しいときは、フォトリーディングを使って十分か二十分で読んできます。面白そうな本なのでじっくり読みたいというときは、そのあと自分の好きなペースでゆっくり読み直すことができます。
そして、読みながら印象に残った箇所に付箋をはっておき、その付箋の箇所を教室で付箋をはがしながら再読するというような勉強法です。
フォトリーディングのような、これまでの読書の概念と異なるような読み方は、考え方の柔軟な年代の方が抵抗なくできるような気がします。
(つづく)
(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)