言葉の森の今年の夏期講習は、夏期休業中などのために通常のクラスに参加できない人のための夏期講習です。
学習塾で行われているような、夏休みに集中して勉強するための講習という性質のものではありません。
したがっって、夏期講習の日程は限られています。
作文クラスについては、多くのクラスがあるので、できるだけ他のクラスに振り替えて参加してください。
どの先生も、すべての学年に対応できます。
また、8月の夏期休業中の期間の作文のヒントは、動画としてアップロードしておきます。
作文以外の国語、数学、英語、創造発表、プログラミングなどの授業は、8月9日から15日までの間、朝の9時から全科目力クラスとして対応します。
このクラスの定員は4名ですので、通常の授業の振り替えとして参加される方は早めにご登録ください。
★ただ、注意していただくことは、通常の授業の振り替えで参加する場合は、「振替」の文字を押して参加してください。
この場合は無料です。
新規に参加したいという場合は、そのクラスの○印にチェックを入れて参加してください。
この場合は、1回2750円の有料となります。
夏期講習の日程は、オンラインクラス一覧表で見られます。
https://www.mori7.com/teraon/shlist.php
https://youtu.be/P6szh1eUc2E
◆◆点数をつけることが目的化する教育
大まかな言い方をすると、現在の学校教育は知識の詰め込みを中心に行われています。
もちろん知識は大切です。
特に、義務教育における知識は、その後のあらゆる勉強の土台となるものです。
だから、知識が正しく習得できているかどうかを評価するためにテストをして点数をつける。
これはもちろん良いことなのです。
しかし、点数をつけることを繰り返しているうちに、誰もがその知識を習得できるようにするという本来の目的から離れて、点数をつけることが目的化してしまうことがあります。
それはまた、多くの生徒にとって勉強の直近の目的が志望校の入試に合格することなので、点数をつけることがさらに教育の本来の目的のようになってしまうのです。
すると、教える先生は、点数の差がつくような問題を出したくなります。
◆◆算数・数学は「解法の知識」の勉強
そういう難しい問題を出しやすい教科のひとつが算数・数学です。
それが、難しいことを理解してほしいという気持ちからの問題であるのならいいのです。
しかし、そのためには、その難しい問題をほとんどすべての子ができるような教育をしなければなりません。
ただ単に、できる子とできない子を分けるだけであってはならないのです。
日本の子供たちの算数・数学の学力が国際的に高いにもかかわらず、算数・数学が苦手または嫌いという子が多いということが、現在の算数・数学の勉強の問題点を示しています。
算数・数学は、考える勉強であって知識の詰め込みではないのではないかと思う人もいると思います。
しかし、それは「解法」つまり「解き方の方法」という知識の勉強なのです。
◆◆本多静六に学ぶ数学の勉強法
本多静六は、家が貧しかったために、家の農作業を手伝いながら勉強をしていました。
東京農林学校(現在の東京大学農学部)には、作文が上手だったので合格しましたが、数学はよくできませんでした。
そのため、数学の試験で落第し、一時は死のうとまで思い詰めましたが、住み込み先の先生の励ましで気持ちを入れ替え数学の勉強に取り組みました。
その方法は、問題集の例題をすべて暗唱することでした。
それまで、農作業をしながらも暗唱の練習をしていたので、暗唱は得意だったのです。
すると、次の数学の試験からは高得点を取り、卒業時には首席となり銀時計を賜るまでになりました。
この本多静六の方法が、数学の勉強法の基本です。
解法を理解して、それをすっかり自分のものにできれば、数学ができるようになるのです。
しかし、それはもちろん勉強の数学の話であって、研究としての数学はまた別です。
勉強の数学の基本は、例題つまり解法という知識を覚えることです。
教科書または問題集の例題をすべて身につけることが数学の勉強法です。
◆◆差をつけるための教育になっている
しかし、今の教育では、例題を身につけただけでは解けないようなパズルのような問題を出して生徒に差をつける面があります。
つまり、誰もができるようになるための勉強ではなく、生徒に点数で差をつけるための勉強となっている面があるのです。
英語の勉強も同じです。
教科書で覚える以上の難しい単語を出して、生徒に差をつけようとします。
国語も同じです。
難しい言葉を出すだけでなく、時間内に到底解ききれないような長い文章を出して差をつけています。
つまり、教育が子供たちの学力を育てるための教育から、子供たちに差をつけるための教育になっているのです。
しかも、さらに問題なのは、そこで出される問題の中身が、現代の科挙の試験のようになっていることです。
◆◆考える力を育てる読書と作文――作文検定と推薦図書検定
学校教育がこのような知識の詰め込みの教育から抜け出せないのは、考える力をつける勉強が行われていないからです。
考える力をつけるためには、読書と作文の勉強が中心になります。
もちろん、数学の基本を習得することも必要です。
昔から言う「読み書きそろばん」です。
しかし今は、読書と作文の勉強よりも、知識の勉強が中心に行なわれています。
その理由は、読書と作文に客観的な評価がつけられないからです。
言葉の森が提案するのは、作文については作文検定で、作文を書く力がどれだけ進んだかを評価することです。
読書については、推薦図書検定で、読書がどれだけ進んだかを評価することです。
これらの評価に対応するために子供たちのすることは、本をよく読み、文章をよく考えて書くことです。
◆◆点数の差から個性の差へ
読書と作文も、点数によって差をつけることにつながるのではないかと思う人がいるかもしれません。
しかし、読書と作文は、あるレベルの点数から先は点数の差ではなく個性の差となります。
教科の勉強における点数の差が難問の差になっていくのに対して、読書と作文は個性の差となっていくのです。
個性の差とは、誰もが認められる差です。
このような個性を生かす勉強がこれから必要になります。
そのためには、現在のように、テストが終わればやがて忘れてしまう知識の詰め込みを中心とした教育ではなく、読んだこと書いたこと考えたことがその子の教養として残るような教育を行っていくことが必要なのです。
※言葉の森のnoteの記事もごらんください。
https://note.com/shine007