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保護者の皆様からいただいたご意見、ご要望に対するお返事の一部を紹介します。
個々のお返事は、父母の広場に掲載しています。1件ずつ入れていますので、お返事が遅れる場合があります。
●「通学教室に通って意欲を持たせたい」という声に対して(小2保護者)
現在、通学教室を全国に作る方向で考えています。(が、まだ時間がかかると思います)
小学2年生の子が自宅で意欲的に取り組むようにさせるには、
1、毎日の暗唱や音読の自習を続け、言葉の森で作文の勉強をしているという意識が1週間続くようにする
2、暗唱や作文の結果について、お父さんと打ち合わせをしてときどき褒めてあげる
「おっ、なかなかうまいなあ」「やっぱり声を出して読んでいるからだね」「こんなによくがんばった」「本を読むのが好きなんだね」など簡単な一言で。
3、子供が「やりたくない」と言ったときも決して迷わずに、「この勉強だけは絶対に続けるんだから」とはっきり言っておく
そのうちに、
ほかの人や学校の先生などから褒められる機会があると、子供はだんだん自信を持つようになってきます。
自信を持たせるために、よく書けた作品はときどき小学生新聞などに応募されるといいと思います。
●「読み手の気持ちを考えて書けるようになってほしい」という声に対して(小3保護者)
年齢としては、小3から小4にかけての時期に、読み手を意識した作文を書くようになります。
ただし、その土台となるのは読む力です。語彙力が増えて、自分の言いたいことが自由に表現できるようになると、書くことが楽しくなります。
この時期は、コンクールなどにもどんどん応募して、表現の機会を増やしてあげるといいと思います。
しかし、作文の指導は、性急にやろうとすると、子供にとっては負担になります。
例えば、「書き出しの工夫」や「たとえ」や「声顔動作の様子」などは、表現の工夫の練習ですが、語彙力がまだ十分についていないうちは、どうしてもありきたりの書き方になります。
このありきたりの表現を個性的な表現にするのは、読む練習ですから、長い時間がかかります。作文指導の上だけで直そうとすると、子供は負担を感じるようになります。
子供にしてみると、言われていることはわかるが、どうしたらいいかわからないという状態だからです。
作文の力をつけるのは、スポーツや音楽の練習と同じで、長い時間がかかります。よいところを褒めて、暗唱や読書の自習を積み重ねていくことがいちばん近道になります。
できれば、もっとゆったりと見ていただけるといいと思います。
ただし、以上は、一般論です。
具体的なアドバイスは、作文そのものを見ないと何とも言えません。
よろしければ、作文を事務局にファクスで送っていただければ、より詳しいアドバイスができます。
FAX 0120-72-3987(24時間)
●「文学作品の暗唱も載せてほしい」という声に対して(小3保護者)
言葉の森の教材は、物語文よりも説明文に重点を置いています。
その理由は、物語文は普段でも読む機会が多いが、説明文はあまり読む機会がないからです。
そして、国語力の中心は、文学的な文章よりも論説的な文章の方にあるからです。
ただし、日本の国語の試験では、伝統的に物語文で心情を問うスタイルのものが多いので、文学的な文章を読む力ももちろん必要です。
教材については、今後バランスを考えていきたいと思います。
暗唱は、暗唱する教材も大事ですが、それ以上に暗唱の仕方を学ぶということが重要だと考えています。
言葉の森の長文で暗唱の仕方を身につければ、その方法で、自分の好きな文章を暗唱することもできます。また、中学生になれば、英語の教科書を暗唱することも抵抗なくできるようになります。
無理に覚えようとするのではなく、回数を決めて繰り返すことが暗唱のコツだと子供さんが実感できるようになれば、それが暗唱のいちばんの成果になると思います。
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保護者の皆様からいただいたご意見、ご要望に対するお返事の一部を紹介します。
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●「電話があるので、作文に取り組める」という声に対して(小2保護者)
電話があることが勉強の取り掛かりやすさになっていると思います。
この状態を維持するために、電話のあとすぐに始めるといやり方をこれからも続けていってください。
何か用事があって、電話のあとすぐに書くのが難しいときも、「あとでじっくりやろう」とはせずに、「短くてもいいから今やろう」としていくといいと思います。
●「先生の子供に対する配慮が行き届いている」という声に対して(小2保護者)
言葉の森の指導の方針は、明るく楽しく、いいところを褒める、です。
褒めていると、子供は不思議とその褒め言葉に合うように上手になっていくようです。
●「作文を書いていて行き詰ったとき親がどうアドバイスをしていいかわからない」という声に対して(小2保護者)
行き詰って10分ほどたっているようでしたら、教室にお電話ください。追加の説明をするので、すぐに書けるようになります。教室の受付時間外でしたら、次のようにしてください。
小学2年生の字数の目標は200字から400字です。
行き詰ったときは、「何しろ200字までがんばろう」と言って、200字のところに線を引いて目標にしてください。
そして、アドバイスは、
「そのときの会話を思い出してみよう」
「『どうしてかというと』と続けてみよう」
「『もし……だったら』と考えてみよう」
などです。
この場合、文章の流れが多少不自然になっても全くかまいません。
それでも書けない場合は、大人が続きの文を言ってそのとおりに書かせます。少し書き出すとそれが呼び水になって、そのあと自分で書いていくことができます。
そして、目標の200字まで行ったら、「せっかくここまで書いたんだから、もう少しがんばってみよう」などとは決して言わずに(笑)、「わあ、すごい。できた! よかったね。お祝いしよう!」と親子でおいしいものでも食べるといいと思います。
どんなやり方でもいいので、成功体験を積み重ねるのがコツです。
●「長文暗唱の300字の区切りをわかりやすくしてほしい」という声に対して(小2保護者)
できるだけ使いやすい教材をめざしていきますが、
言葉の森の教材の考え方は、言葉の森以外のものにも利用できる「お箸のような教材」です。
言葉の森の長文で300字の暗唱ができるようになったあと、子供が別の本や、あるいは将来英語の本を暗唱するようになったとき、同じ要領でできるように、300字程度を自分で決めるというようにしています。
というのは、文章によっては、100字や300字でちょうど区切られないものもかなりあるからです。1日目は80字ぐらい、2日目は120字ぐらい、3日目は文の区切りが悪いので、読点までで終わりにするというような臨機応変な対応の仕方をする勉強も兼ねていると考えて取り組んでいってくださるようお願いします。
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父母の方から、「学年ごとにどんな本を読ませたらよいか」という質問をいただきました。
以下は、その質問に対してのお返事で、父母の広場に掲載したものです。
読書は多読と難読に分けられます。
多読で裾野を広げ、難読で頂上を高くしていくというのが読書の理想の姿です。
多読のためには、面白いものをたくさん読むことが必要です。
この面白いものの中には、漫画、漫画的物語(怪傑ゾロリなど)、軽い小説(中村うさぎの本など)があります。
大人が見ると一見面白いだけのやや品のない本のように見えますが、読書好きな子は、ほぼ例外なくこういう本も好きです。
面白い本を多読することによって、読書の楽しさを知り、読む力の土台がついてきます。
そして、現代の面白い本と並行して、昔からの名作を読み、更に幅広く読書の楽しさを味わうようにしていきます。名作は、多読と難読の中間に位置します。
名作を読むときの参考になるのが、シリーズ化されている本です。フォア文庫、偕成社文庫、講談社青い鳥文庫などは、これまで人気のあった本をシリーズ化しています。しかし、子供に本の選択をまかせると、書名や表紙だけで選んでしまいますから、親が中身をざっと見てあげる必要があります。
子供が自分では読まないというときは、親が読み聞かせをしてあげます。内容に興味がわいてくると、続きを自分で読むようになります。
難読の初歩は、ノンフィクションです。
書店には、子供向けのノンフィクションの本はあまり出ていないので、図書館を利用します。ノンフィクションというのは、理科の本、社会の本、説明文、意見文の本です。鉄道に興味のある子であれば、鉄道に関する本は多少難しくても読もうとします。同様に、動物の本、虫の本、恐竜の本、歴史の本など、
子供が興味を持っている説明文の本が難読のスタートになります。
説明文の本は事実に基づいているので、どうしても難しい漢字が出てきます。その漢字にルビがふってあれば、漢字を読む力が自然に育ちます。読書好きの子は、学校で習っていない漢字もよく読めるという共通点があります。
説明的な文章を読む力がつくと、成長して自然科学、社会科学、人文科学の本を読むことに抵抗がなくなります。
中高生の説明文も、最初の選択の基準はシリーズ化されたものです。ちくま少年図書館、岩波ジュニア新書、中公新書などで、奥付の印刷回数を参考にするといい本に出合う確率が高くなります。
読書感想文を書かせることには多くの批判がありますが、全国学校図書館協議会がすすめる毎年の課題図書は優れた内容のものが多く参考になります。その年の課題図書だけではなく、過去の課題図書を探すと読み応えのある本が見つかります。
ノンフィクションの本も、過去の課題図書も、書店ではなかなか見つかりません。しかし、図書館を利用して借りて読むだけでは何度も繰り返して読めません。
いい本は自宅に置いておき繰り返して読めるようにしておく必要があります。何度も読みたい本があったときは、アマゾンなどで中古の本を購入するといいと思います。
難読は、国語の入試問題を読む力になりますが、実際には、入試問題に出るレベルの本を自力で楽しみながら読める子はほとんどいません。そこで、国語力をつけるための読書として考えられるのが問題集読書です。読む力のある子は、問題集の問題文を読書のようなつもりで読みます。ただし、普通の読書のように何時間も読むというわけにはいきません。細切れの文章をいくつも読むというのは、一冊の本を通して読むよりも、ずっとくたびれるからです。毎日10ページ又は15分間などと決めて読んでいくと、国語の勉強を兼ねた読書ができます。
大学生になってからの読書の基本は、古典又は原典と呼ばれるものを読むことです。大学の教科書は、知識を整理するためのものです。
教科書以外の原典を自分で読まないと、本当の考える力は身につかないと思います。
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読書とは、言語を通して知識や経験を得ることですから、本を読むことに限りません。読み聞かせや対話も、広い意味の読書と言えます。
よく読み聞かせをしていると自分で本を読まなくなるのではないかと心配する人がいますが、そのようなことはありません。たっぷり読み聞かせをして言語経験を豊富にしていくことが、自分で読む読書につながります。その子にとって難しい本であっても、読み聞かせをしているうちに子供が内容に興味がわき続きを自分で読んでしまうということがあります。読み聞かせという形でなければ、子供が自ら決して読まなかったような本でもそういうことがあるのです。
しかし、そのためには、読み聞かせを楽しい雰囲気で行うことが大切です。子供が興味を持てるような本を楽しい雰囲気で読むというのが読み聞かせの基本です。
とは言っても、親もくたびれることがあります。読みたくもない本を子供のために読み聞かせるというのが毎日となると、やはり飽きることもあるのです。そのときのコツは創作です。親が自分で物語を創作して子供に聞かせるのです。人間は何かを創造しているときは飽きません。アドリブで物語を作りながらときどきギャグを入れるというのは、子供にとって楽しいだけでなく、親にとっても知的な楽しい時間の過ごし方になると思います。
私が子供によく聞かせた話は、次のようなものです。
子供:「ねえ、おもしろい話、して」
私:「よし、じゃあ、おもしろい話だよ。あるところに犬がいました。それは、真っ白な犬でした。手も白い、足も白い、背中も白い、お腹も白い、口も白い、鼻も白い、耳も白い、目も白い、何、目も白い? それじゃあ、死んでるだろー(笑)」
子供:「あはははは」
私:「そして、何とその犬は、尾も白かったのです。尾も白い、尾も白い、尾も白い。さあ、言ってみよう」
子供:「おもしろい」
私:「な、おもしろい話だったろ」
子供:「ううん。じゃあ、もう一個話をして」
私:「そうだなあ。では、あるところに、ロイさんという外人がいました。あるとき、ロイさんはたくあんを作ろうとしました。たくあんは、干した大根をたるのなかに入れて塩をまぜて上から大きい重たい石を乗せて作ります」
子供:「あ、わかった。重し、ロイだ」
私:「と思うだろう。それが違うんだよなあ」(とあわてて別のストーリーを考える)
子供:「……」
私:「そこで、ロイさんは、まず百済という国に行きました」(と「くだらない話」に切り替えようとする)
―以下略ー
私自身、子供のころ、母に「桃太郎」の話を何度も聞かせてもらいました。たいていは、話の途中で話している母が寝てしまうのですが、親が話してくれる物語というのは同じものを何度聞いても楽しいものでした。同じ話の反復というのは、言語能力の定着ということで暗唱の学習にも通じるものがあると思います。
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私は、桃太郎の話をアレンジして、毎回違ったストーリを作り、子供たちに聞かせていました。子供たちは、普通の桃太郎の話より喜んで聞いていました。
と、ここまで書いて少し不安が……。今度、子供たちに、本当の桃太郎の話を知っているかどうか確かめてみようと思います。(-_-;)
アレンジしたものの方が原作よりもおもしろいということはよくあります(笑)。特にお母さんがアレンジした場合は。
成長してから原作を読むと、新たな発見があると思います。
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