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受験作文の傾向は、題名課題から感想文課題へ as/721.html
森川林 2009/12/27 10:59 


 受験に作文を課す学校が増えています。受験作文は、最初の年は単純な題名課題で始まることが多いようです。例えば、「これまでの学校生活での思い出」とか「私がこれまでにがんばったこと」などの題名です。

 こういう題名でも、受験生の作文力には差が出ますが、すぐに受験生が課題に対して準備をしてくるようになります。すると、ほとんどの受験生の実力が向上するので、採点する側は点数をつけるのが大変になります。

 そこで、次第に難しい課題になります。題名課題よりも難しいのは感想文課題です。文章を読ませてそれに対して感想を書かせる形は読解力も要求されるので、題名課題のときよりも書くのが難しくなります。しかし、それでも要領のいい生徒は、課題文のキーワードを引用しつつ自分なりに準備してきた材料で書いていくことができます。

 本当は、作文の課題を一つだけではなく複数出すようにすれば、実力の差はもっとはっきり出てきます。しかし、そのやり方では採点の負担が大きくなりすぎます。昔、東大の後期試験で小論文課題を出していたことがありました。最初は単純な課題でしたが、だんだん文章を読ませる複雑な形になり、複数の小論文を書かせる形になりました。しかり、やはり採点者の負担が大きすぎたのでしょう。この小論文試験は廃止になりました。

 感想文の課題をもっと難しい形にしたものが、複数の文章を読ませて感想を書かせる感想文です。Aの文章とBの文章を読ませて、その両者に共通する点と相違する点を自分なりに整理してかくのですから、内容を理解していないと書けません。また、ただ一つの文章を読ませる感想文課題では、キーワードを入れれば何とか書けますが、複数の文章課題ではキーワードだけではなく複数の文章の内容を組み合わせないと書けません。この複数の文章による感想文課題が、受験作文の主流になっています。

 しかし、これも、実は採点する側にとっては負担の大きい試験なのです。600字ぐらいの短い受験作文の答案を次々と読んでいると、人間は、長いひとまとまりの文章を読んでいるときよりもはるかに疲労します。それを、文章の表現力についてだけではなく、そこに盛り込まれている内容が課題に合っているかどうかまで含めて読むとなると、その負担は更に大きくなります。


 私が考えるいちばんいい方法は、受験で作文を書かせるのではなく、あらかじめ作文検定のようなもので作文力を認定しておくというものです。

 しかし、その作文検定は客観的な評価が出せるものでなければなりません。そこで使うのは、文章の自動採点ソフト「森リン」です。ソフトが採点するのですから、ソフトの裏をかいて点数を上げようとする人が必ずいます。しかし、そういう弊害はソフトを改良することによってすぐに対応することができます。

 人間の採点は、裏をかくようなことはしにくいのですが、採点する人の主観によって大きな差が出ます。同じ人が気分が違うときに採点するだけでも違いが出てきます。正確さを期そうとすれば、1人の採点者が同じ日に数百人の採点をまとめてする必要がありますが、そういうことはまず不可能です。

 ソフトの採点による誤差は、試験の回数を重ねれば、無視していいぐらいのものになっていきます。作文検定で何級を取得したかということが入試の基準になれば、作文小論文の導入はもっと容易なものになっていくと思います。


 さて、複数の感想文課題に対する書き方はどのようにしたらいいのでしょうか。以下の説明は、ちょっとレベルの高い書き方です。

 AとBの二つの文章があったとします。

 二つの文章が共通している話題をCと考えます。


┏━C━┓
┃A・B┃
┗━━━┛


 Cという分野に関して自分の考えcを決めます。

 Aの文章のキーワード(又はキー概念)をaとします。

 Bの文章のキーワードををbとします。

 作文は、自分の考えであるcを通常の題名課題を書くのと同じ要領で、「説明→展開1→展開2→まとめ」と書いていきます。

 その展開1と展開2の部分にaとbを盛り込みます。

 つまり、作文の中心になるのは自分の考えcであり、そのcを補強するものとしてaとbを使うという考え方です。

 こういう書き方はレベルが高いので、採点する側にそのように書いたということがわかるようにする必要があります。そのために、AとBの文章のキーワードを意識的に使っていくのです。

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暗唱の目的は記憶ではなく反復 as/720.html
森川林 2009/12/25 12:41 


 暗唱の自習や音読の自習は、親がかつて子供時代にしたことのないものです。これが、九九などの学習との違いです。このため、子供の実態に合わないやり方をしてしまいがちです。

 特に暗唱は、その暗唱という言葉から、覚えることが目的だと思われがちです。覚えることが目的で、その方法として反復があると考えてしまうのです。すると、反復という方法は、手段であって、何しろ覚えればいいということになります。そして、理屈で覚えようとしてなかなか覚えられないから挫折するというのが、中学生高校生や大人に多いパターンです。

 また、小学校の低中学年に多いパターンとして、やさしい文章で短ければ数回で覚えられるので、それで覚えて終わりとしてしまうことです。このような音読の仕方では、暗唱した文章はすぐに忘れてしまい身につきません。また、逆に難しい文章になると、これまでと同じように簡単にはできないので、読むことが嫌になってしまうということが起こります。


 暗唱の意義は、四つ考えられます。

 第一は、記憶力を高める面があることです。暗唱していると、長く難しい内容でも自分には覚えられるという自信がつきます。これが、その後の勉強にとって大きなプラスになります。しかし、これは暗唱の二義的な意義です。

 第二の最も大事な意義は、理解力を高めることです。比喩的にいうと、これまで、スモールステップの学習で、小骨を抜いて、火にかけて、やわらかくして、味つけをしたものを少しずつしか食べられなかった子供が、骨ごと丸ごとバリバリと食べる咀嚼力を身につけるというような理解力がついてくるのです。これが、英語、数学、国語などすべての教科の学習に通じていきます。

 第三に派生的な効果として、理解のための語彙が、暗唱の反復によって表現のための語彙に進化するということがあります。読んで理解はできるが、自分では到底書くことも思いつかないというような言葉が、自分の表現として自然に使えるようになるのです。

 第四にもう一つの派生的な効果として、発想力が豊かになるということが挙げられます。暗唱がスムーズにできるようになると、左脳で理解して音読していた言葉が、右脳に蓄積されたイメージから引き出されるようになります。このような暗唱をしていると、左脳では限定されていた単独の言葉が、右脳ではいろいろな異なるイメージに干渉されて豊かになってくるのです。ちょうど夢を見ているときのような自由奔放なイメージが言葉と一緒に出てきます。これが発想力です。


 これらの意義を実現するために大事なことは、暗唱を、記憶することを目的とするのではなく反復することを目的として取り組むことです。その反復の回数の目安は、経験的に言うと100回です。しかし、100回同じ文章を音読するということは、現代ではなかなかできません。

 言葉の森の暗唱の方法は、毎日10分間やっていくと、30回を1日、10回を4日、4回を7日から10日読むことになるので、結局900字のどの文章も100回ぐらい読むことになります。

 最初から900字の文章を単純に100回読むということももちろんできなくはありませんが、それでは、子供にとってはかなり苦しい勉強になってしまいます。毎日10分間の勉強で1ヶ月で900字が暗唱できるという方法でやっていくことで、無理なく反復の学習ができるのです。


(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)

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