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記事 751番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/25
暗唱は作文とセットで as/751.html
森川林 2010/01/23 18:48 


 暗唱という勉強の仕方に効果があることがわかってきました。しかし、今心配しているのは、この暗唱の学習が学校などでも取り入れられるようになり、勉強のスタイルとして常態化してしまうことです。

 暗唱は、親や先生が子供のころにやっていない勉強法なので、ついその効果だけに目を奪われてしまいがちです。すると、暗唱の自習が、人よりもいかに速くいかに多く暗唱できるかという競争になることも考えられます。競争によって、暗唱に力を入れるというのは最初のうちは効果がありますが、やがて弊害がでてきます。それは、じっくり考えるとか自分で考えを作り出すとかいう要素なしに、覚えることだけが目的になってしまうからです。

 江戸時代にも、素読という暗唱の勉強法はありました。そのころに暗唱のしすぎという弊害がなかったのは、子供たちが日常の遊びや仕事の中で、自分で考え判断し作り出す経験が豊富にあったからです。

 現在は、そうではありません。勉強以外の時間の多くを、非創造的なテレビやゲームやテレビやインターネットに費やしている子も多いのです。。

 自分で作り出すものがない中で、覚え込むことだけに力を入れると、人間の成長は歪んできます。

 吸収する勉強は、発表する勉強とセットにすることで初めてバランスよく力のつくものになるのです。これをわかりやすく比喩的に説明すると、次のようになります。

 まず、食べるだけで運動しないという生活をしていれば、次第に体が太ってきて、ますます運動が苦手になります。その一方で、食べることだけは得意になります。これを勉強にあてはめると、覚えることだけが得意になるという状態です。

 もう一つは、食べずに運動するという生活の仕方です。食べないので力が出ません。そこで、自分の無理のない最小限の範囲で運動をするようになります。勉強に当てはめると、本を読まないので、作文も細々としか書けないという状態です。食べずに運動するというのは、やがて食べないし運動もしないということと同じになります。

 最後に、食べて運動するという生活です。食べたものが運動によって血や肉となるので、どんどん力がついてきます。食べることと運動をすることが相互作用で発展していくので、どちらも楽しくなります。勉強に当てはめると、読書も作文もどちらも進んでいくという状態です。勉強と遊びとの対比で言えば、「よく学びよく遊べ」の状態と言ってもいいでしょう。

 運動というのは、国語の場合は作文ですが、数学や英語の場合は、問題を自分で考えることや文章を自分で作ることになります。それも、既にある答えを再現するような記憶力に依拠した問題や文章ではなく、自由に自分で考える問題や文章です。

 言葉の森の暗唱は、作文指導を充実させるために始めました。作文とセットでない暗唱は、暗唱のための暗唱になります。このような暗唱も最初のうちは効果がありますが、やがてやり過ぎによる弊害も出てくるでしょう。そうならないために、暗唱は作文という創造的な勉強とセットで行う必要があるのだと思います。

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素直にやらない子に、実は見所がある as/750.html
森川林 2010/01/22 21:51 


 素直に勉強する子がいます。親や先生が「これをしなさい」と言えば、素直に「はい」とやります。

 しかし、こういう素直すぎる子がどういう勉強をしているかというと、無理のない範囲で手を抜きながらそつなくやっていることも多いのです。

 これは、人間の本能的な対応で、嫌なことでも一生懸命やってしまうと、次にはもっと大きい負荷がかかってくるに決まっています。そうしたら、手を抜きながらぎりぎりのエネルギーでそつなくこなすしかないのです。何か、昔の社会主義諸国の仕事の仕方に似ているようです。^^;

 「休まず遅れず働かず」という勉強の仕方をすれば、外見上は親や先生の言うことをよく聞くよい子です。しかし、そういう勉強法では、実は大したことは身についていないのです。小学校低学年からこつこつ真面目に毎日勉強していた子が、それまでずっと遊んでいて中学生の後半から急にがんばりだした子にすぐに追いつかれてしまうのは、こういう事情があるからです。

 だとすれば、言うことを素直に聞かない子には、まだそういう手抜き勉強の仕方に慣れてないという点で見所があるのです。

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記事 749番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/25
褒めるのがお母さんの役割 as/749.html
森川林 2010/01/22 21:49 
 子供に勉強をさせるときのコツは単純です。大事なことは、絶対に断固として尻を叩いてでもやらせる。しかし、内容については明るく楽しく褒めるだけ。この二つです。多くのお母さんは、この「断固として」という点が弱いのです。しかし、断固としてやらせられるお母さんの多くは、この「褒めるだけ」ができません。

 しかし、どちらかしかできないとすれば、お母さんの役割は、やはり「褒めるだけ」の方です。子供はいずれ社会に出て、嫌なことでも「断固として」やらなければならない状態に遭遇します。しかし、温かく「褒めるだけ」で接してくれる人に出会うことはまずありません。褒められて自分に対する肯定的な感情を持って生きていくためには、子供時代にお母さんにたっぷりかわいがられて育つ必要があるのです。

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記事 748番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/25
低学年は密着で as/748.html
森川林 2010/01/22 21:48 
 小学1年生の男の子のお母さんから、「暗唱の自習をなかなかしない」という質問がありました。

 以下は、そのお返事です。

====
 低学年のうちは、密着してお母さんのすぐ近くで読むようにして、1回読み終えるたびに、「よく読めたね」「上手、上手」「その調子」「はい、あと○回」「もう一息」「うまくなってきた」「さあ、ラスト○回」などの声かけをしてあげてください。その際、読み間違いなどは直さずに、読み方の注意もせずに、ただ褒めてあげるだけにした方がいいです。

 どんなにたどたどしい読み方でも、回数を繰り返すうちに自然にスムーズになっていき、そのうちに見ないでも言えるようになります。そうなると、自分でも、やればできるものなんだという自信がつきます。

 わずか10分だと思って(最初はもっと時間がかかるかもしれませんが)、その間は密着して聞いてあげてください。
====

 つまり、最初はつきっきりでやることが大事です。お母さんがすぐそばにいれば、だれでもしっかりやります。しかし、そのとき注意やアドバイスは一切せずに、ただ明るく褒めて励ますだけにします。

 やがて数日で、子供が自分でできるようになるので、そうしたら密着は必要ありません。しかし、ときどき褒めて励ましてあげてください。

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記事 747番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/25
暗唱の自習は無理にさせず楽しく書くことを優先して as/747.html
森川林 2010/01/22 21:43 
 暗唱の自習が軌道に乗っているのは、次のような状態のときです。

1、一応親が毎日「暗唱の自習をした?」と声をかけます。
(毎日の声かけなしに、子供が自動的に勉強をすることはまずありません。)

2、子供が、「あ、そうだった」と気づいて暗唱の自習を始めます。
(スムーズにできるようにするためには、毎日の勉強の大体の時間を決めておくことです。子供が遊びに熱中しているときに、突然「勉強した?」などと聞かないようにしてください。)

3、子供が読み終えたら、必ず一言褒めてあげます。
(褒め方は、「よく読めたね」「読み方が上手になったね」「難しいのを読んでいるね」などです。読んだあとは、褒めるだけです。読み方を注意したり、読み間違いを指摘したりしないでください。また、特に小学生の間は、親の見ていない子供部屋などでひとりで勉強をさせないようにしてください。低学年の子は、最初のうち親が密着して1回読むたびに褒めてあげてください)

 こういう状態が作れない場合は、暗唱の自習はしない方がいいと思います。

 というのは、親や子供が苦痛に感じるような形で勉強を進めることは、長い目で見てかえってマイナスになるからです。基準は、「親が叱る」か「子供が嫌がる」ような状態が1週間に1回はあるようなら、その勉強はしない方がいいということです。

 暗唱の自習をしなくても、毎週しっかり作文を書いていれば実力はつきます。しかし、書く力は読む力に支えられて上達しますから、本を読む時間は毎日できるだけ確保するようにしてください。

 しかし、「そうは言っても、何とか毎日の自習をやらせたい」という人もいると思います。その場合は、まず親が変わることです。子供が変わるのではなく、親が変わるのだと考えることが出発点になります。

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