ログイン ログアウト 登録
 5月清書の森リン大賞から Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
Onlineスクール言葉の森・サイト Onlineスクール言葉の森
記事 1283番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/12/25
5月清書の森リン大賞から as/1283.html
森川林 2011/07/01 18:31 



 5月清書分の森リン大賞の中から、小6~中3の代表3作品を掲載します。

 毎月の森リン大賞は、ホームページの「森リンの丘」に掲載されています。

https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php

小6の部(120人中)

   日本語ッテムズカシイデス

かこちゃん

 どこの言語も初めは内輪の言語、部族言語だが、それが外国に広まりだすと、外の視点が入ってきて言語の刈りこみが行われてくる。だから、日本語を世界へ広めるためには、まず、外の視点を取り入れた日本語辞典をつくることだ。そのためには、日本はこらからどうやって日本語を刈りこんでいったら、国際普及の日本語になるかということを考えなければならない。わたしがこの話を読んで、一番そうだなと思ったのは、日本語を世界に広めるためにはもっと分かりやすくしなければならないといううことだ。なぜなら、テレビでも外国人が

「日本語ッテムズカシイデス。オモシロイノデスガ、複雑デス。」

と言っているのを見たことがあるからだ。

 わたしの通っている英語教室の先生は、外国人だ。日本語は少しくらいなら話すことができる。ある日、英語の文章を日本語に訳したときのことだ。「No,itisn’t.」 という文章を先生が、日本語でこういう意味だということを教えようとしてくれた。先生は慣れない日本語で、

「いいえ、そうですまん。」

と言った。わたしと一緒に習っている友人は、急いで頭をフル回転させて、先生は何を言いたいのか考えた。そして声をそろえて、

「いいえ、ちがいます。(?)」

と言った。先生は、

「そうそう、そう。日本語はムズカシイ。」と困った顔をした。

 また、外国人が日本語を学ぶとき、困ってしまうと思うのが方言である。なぜなら、方言というものは、一部の地いきで使われるもので、日本中で使われるものではないからだ。ある日わたしは、「はじめての秋田弁」というマンガを読んだ。秋田県へ引っ越してきた女子高校生が、周りの友達や先生から秋田弁を教わるというストーリーだ。よく使われるのが、「がっこ」、「せば」、「けれな(けねが)」だ。

「がっこ」とは単に、「漬け物」のことだ。「せば」というのは、「そうしたら」という意味だ。例としては、

「これをどうする?」

「せば、こうするか。」

という感じだ。「けれな」は、「~してね!」という意味だ。「けねが」は、「~してくれないか?」という意味だ。例として、

「わたしに何でも頼んでけれな!」

「せば、これを持っていってけねが?」

という感じだ。おもしろくてどんどんマンガを読んでいくうちに、これは日本語なのか!?と疑ってしまうような言葉まであった。

 わたしはこの話を読んで、日本人にとって日本語というものは、地方によっていろいろな方言があって、とてもなじみのあるものだと思う。しかし、それを広めていくとすると、もっと分かりやすく、外の視点を取り入れていかなければならないものだと思った。

中1の部(97人中)

   個人と集団

ミス・バニー

 小さな個人の集まりが、大きな社会を作っているということはつまり、個人をなしにして大きな社会はないということである。しかし砂粒集まって砂山を作り、動物や植物の体が無数の細胞から出来上がっているのと同じではない。一人一人の人間は、喜ぶことや悲しむことができ、自分が中心になって他のものまで動かすことができる。それが人の個人の集まりであって、喜ぶことも悲しむこともできない砂粒や、生きていても自分で考え行動することのできない細胞とも違うのである。

 私は去年、小学校の時の運動会で「心を一つに」の真の意味をはじめて知った。それまではただ、「心を一つに」を運動会などの団体で協力する場でキャッチフレーズに入れるとかっこいいと思っていた。そして去年のリレーチームの目標として「心を一つに」を入れた目標をクラスで立てた。表面上は、響きもいいし様になっているので私たちクラスメイトは満足していた。しかしそこで、当時担任の金八先生の様なTeacherが、「それじゃあ、お前たちは心をもぎ取って合体させるんだな?」といってきた。もちろん私たちは困惑した。そんなことを言う先生とは初めて出会ったし、大概の先生はこんな目標を立てたら「やっぱり○組は違う!すごい!」と絶賛してくれていたからだ。そこで、Teacherがあるゲームをしてくれた。そのゲームで分かったことが、何かの目標に向かってお互いが努力した結果、心が一つになるということであった。はじめから心を一つにすることが目標ではなく、努力して頑張ったら心が一つになるということをTeacherは言いたかったのだ。

 学級では毎日とはいかなくとも、話し合いや討論の時間があるだろう。討論をするにあたって一番良いのは一人の意見がもっとも最適なものであることだ。しかし、実際そううまくいくことはめったにないし、一人の意見を採用するのであれば誰かが決めるのと同じで、討論とはいえないだろう。ではなぜ討論をするのか。それは一定の考え方の個人個人の意見を知り、自分の思いもよらない奇想天外な意見から自分の考えを客観的に見るためだと思う。三人寄れば文殊の知恵。個人では堅い考え方を集団は柔らかくする。

 人間にとって集団社会というのは、ひろい考え方ができる場所だ。一人一人の力は弱く、小さい。しかし、一人が二人に、二人が三人の集団になることによって、強い大きな力が生まれる。日頃すべてを集団社会で暮らせということではなく、固い考え方の殻を破って沢山の考え方を知り、する事ができる集団生活の場も大切にしていきたい。

中3の部(56人中)

   原石に輝きを

さくら

 人々が毎日のように出すゴミは本当にもう役に立たないものなのだろうか。不要なものなのだろうか。空のペットボトルから私たちが着る洋服に変化したり、古紙が新しいコピー用紙にできるようになった今、ゴミも大切な資源の一つになっているのだろう。もう何にもリサイクルできないように見える生ゴミでさえ、堆肥として使えるということを総合の授業を通して改めて実感した。後日、家庭科の調理実習で調理した総合学習の一環として生ゴミを混ぜて作った土から収穫できた野菜は新鮮だった。人工的に作られた肥料を大量に使うより、環境にとっても良いのではないか。わたしはゴミや美しくない原石に輝きを与えられるような人になりたい。

 第一の方法としてはそこにあるものの良い面を見つけようとする心構えでいることだ。球技大会でクラス内で作ったソフトボールチームは、スポーツが得意な人が多いとはお世辞にも言えなかっただろう。むしろ苦手な人が多く、最初からベンチ入りを希望する人が何人もいる程だった。しかし、ルールさえ知らない人が多かった私のチームが、年上の、最終的には優勝したチームと互角に戦えるようになることができたのはなぜか。それはメンバー全員がほかのメンバーそれぞれの良い面を探すことができたからだ。悪い面を探すことは簡単で、人は悪い面が先行してしまうが、その裏には、必ず良い面が隠れている。チームの空気も最初は微妙な空気が漂っていたが、本番が近づくにつれ、一致団結していったと思う。ある人は走ることは得意でなかったが、送球された球を取るのが得意だった。したがってその人のポジションは一塁になった。これは話の一部分でしかないが、私は個人の力が最大限に発揮できるようなチームになりたいと思っていた。結局、ゲームは無念に終わったが、何ヶ月も経った今、後悔はあまりない。

 第二の方法として、マイナス面を見つけては直す減点主義の教育のような今の社会風土を変えていくことだ。あの偉大な発明家エジソンは幼い頃学校の先生に些細なことで質問することを繰り返して、授業の妨げになったため、学校を辞めることとなった。しかし彼の発明は世界各国の人々を幸せにしたであろう。これは幼少期の不明な点はどこまでも追及していくといった彼の探究心のおかげだと思う。学校ではエジソンはマイナスな評価をうけていたが、エジソンの行動が本当の意味でのマイナスであったか、と考えるとそうではないだろう。結果的に文明の発展に貢献した彼の人生でに発明をみると、その行動は世界の人々にとってプラスであったといえる。

 確かに今ある悪い面を直すことは大切である。しかし「勝負に勝つためには、苦手をなくすことよりも、得意技を持つことである。」という名言があるように、もともとある良い面を伸ばすことはそれ以上に大切なことだ。その方法をいかに上手にするかが問題であると思う。私は一見ゴミのように見えるものの役割を見出し、豊かに発展させていけるような人になりたい。原石は時間をかけて磨きつづけて初めて美しい宝石になるのだから。




コメント欄

コメントフォーム
5月清書の森リン大賞から 森川林 20110701 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
むめもや (スパム投稿を防ぐために五十音表の「むめもや」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
森リン(103) 子供たちの作文(59) 
コメント1~10件
森リン大賞が示 森川林
作文力を上達させるコツは、褒めることでも直すことでもなく、書 12/13
記事 5398番
作文コンクール 森川林
 子供たちの教育で大事なのは、知識の詰め込みではなく、読書と 12/10
記事 5395番
読書と作文が子 森川林
 小学生時代は、勉強よりも読書。  中学生以上は、勉強と同 12/9
記事 5394番
子どもの文章力 森川林
今の受験は知識の詰め込みの勉強になっています。 考える問題 12/8
記事 5392番
作検研究。森リ 森川林
作文は、褒められても注意されても、そこに客観的な基準がなけれ 12/7
記事 5391番
「作文検定」「 森川林
 今は、AI社会の前夜。  昔は新聞やテレビが中心だった。 12/7
記事 5390番
AI時代に子ど 森川林
AI時代には、先生の役割は「教えること」ではなくなります。 12/6
記事 5389番
【合格速報】順 森川林
Rさん、合格おめでとう!! よくがんばりましたね。 受験 12/4
記事 5387番
森リン大賞9月 森川林
 従来の作文評価は、小学校低学年では「正しい表記ができている 11/9
記事 5382番
作文の学習で大 森川林
 「何でも自由に書いてごらん。いつでも褒めてあげるから」とい 11/7
記事 5381番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
2025年12 森川林
 12月8日から、中根が休講してしまい、いろいろな連絡が遅れ 12/22
森の掲示板
3I/atla 森川林
日本にはかつて穏やかに何万年も続いた縄文文明があった。そのよ 12/12
森川林日記
Re: 11月 森川林
 これは、解き方の問題ではなく、読む力の問題です。  読解 12/5
国語読解掲示板
Re: ICレ 森川林
 ChatGPT、あまり文章うまくないなあ(笑)。  音声 12/5
森川林日記
ICレコーダと 森川林
AI時代に子どもが伸びる――全科学力クラスという新し 12/5
森川林日記
noteのペー 森川林
https://note.com/shine007 12/4
森川林日記
11月分 4  あういと
問題7と問題8が分かりません。 キーワードはわかるのですが 12/3
国語読解掲示板
Re: 森川林
 字がきれいだったのは、そのあとの日記の内容を見ると、弟が葛 11/30
国語読解掲示板
Re: 11月 森川林
 お返事遅れて失礼しました。  易しい国語問題は、「同じ言 11/30
国語読解掲示板
ともとも
小5の11月の読解検定のBの問題が誕生日だから字が綺麗だと思 11/28
国語読解掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン