ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 5月清書の森リン大賞から Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 1283番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/26
5月清書の森リン大賞から as/1283.html
森川林 2011/07/01 18:31 



 5月清書分の森リン大賞の中から、小6~中3の代表3作品を掲載します。

 毎月の森リン大賞は、ホームページの「森リンの丘」に掲載されています。

https://www.mori7.net/oka/moririn_seisyo.php

小6の部(120人中)

   日本語ッテムズカシイデス

かこちゃん

 どこの言語も初めは内輪の言語、部族言語だが、それが外国に広まりだすと、外の視点が入ってきて言語の刈りこみが行われてくる。だから、日本語を世界へ広めるためには、まず、外の視点を取り入れた日本語辞典をつくることだ。そのためには、日本はこらからどうやって日本語を刈りこんでいったら、国際普及の日本語になるかということを考えなければならない。わたしがこの話を読んで、一番そうだなと思ったのは、日本語を世界に広めるためにはもっと分かりやすくしなければならないといううことだ。なぜなら、テレビでも外国人が

「日本語ッテムズカシイデス。オモシロイノデスガ、複雑デス。」

と言っているのを見たことがあるからだ。

 わたしの通っている英語教室の先生は、外国人だ。日本語は少しくらいなら話すことができる。ある日、英語の文章を日本語に訳したときのことだ。「No,itisn’t.」 という文章を先生が、日本語でこういう意味だということを教えようとしてくれた。先生は慣れない日本語で、

「いいえ、そうですまん。」

と言った。わたしと一緒に習っている友人は、急いで頭をフル回転させて、先生は何を言いたいのか考えた。そして声をそろえて、

「いいえ、ちがいます。(?)」

と言った。先生は、

「そうそう、そう。日本語はムズカシイ。」と困った顔をした。

 また、外国人が日本語を学ぶとき、困ってしまうと思うのが方言である。なぜなら、方言というものは、一部の地いきで使われるもので、日本中で使われるものではないからだ。ある日わたしは、「はじめての秋田弁」というマンガを読んだ。秋田県へ引っ越してきた女子高校生が、周りの友達や先生から秋田弁を教わるというストーリーだ。よく使われるのが、「がっこ」、「せば」、「けれな(けねが)」だ。

「がっこ」とは単に、「漬け物」のことだ。「せば」というのは、「そうしたら」という意味だ。例としては、

「これをどうする?」

「せば、こうするか。」

という感じだ。「けれな」は、「~してね!」という意味だ。「けねが」は、「~してくれないか?」という意味だ。例として、

「わたしに何でも頼んでけれな!」

「せば、これを持っていってけねが?」

という感じだ。おもしろくてどんどんマンガを読んでいくうちに、これは日本語なのか!?と疑ってしまうような言葉まであった。

 わたしはこの話を読んで、日本人にとって日本語というものは、地方によっていろいろな方言があって、とてもなじみのあるものだと思う。しかし、それを広めていくとすると、もっと分かりやすく、外の視点を取り入れていかなければならないものだと思った。

中1の部(97人中)

   個人と集団

ミス・バニー

 小さな個人の集まりが、大きな社会を作っているということはつまり、個人をなしにして大きな社会はないということである。しかし砂粒集まって砂山を作り、動物や植物の体が無数の細胞から出来上がっているのと同じではない。一人一人の人間は、喜ぶことや悲しむことができ、自分が中心になって他のものまで動かすことができる。それが人の個人の集まりであって、喜ぶことも悲しむこともできない砂粒や、生きていても自分で考え行動することのできない細胞とも違うのである。

 私は去年、小学校の時の運動会で「心を一つに」の真の意味をはじめて知った。それまではただ、「心を一つに」を運動会などの団体で協力する場でキャッチフレーズに入れるとかっこいいと思っていた。そして去年のリレーチームの目標として「心を一つに」を入れた目標をクラスで立てた。表面上は、響きもいいし様になっているので私たちクラスメイトは満足していた。しかしそこで、当時担任の金八先生の様なTeacherが、「それじゃあ、お前たちは心をもぎ取って合体させるんだな?」といってきた。もちろん私たちは困惑した。そんなことを言う先生とは初めて出会ったし、大概の先生はこんな目標を立てたら「やっぱり○組は違う!すごい!」と絶賛してくれていたからだ。そこで、Teacherがあるゲームをしてくれた。そのゲームで分かったことが、何かの目標に向かってお互いが努力した結果、心が一つになるということであった。はじめから心を一つにすることが目標ではなく、努力して頑張ったら心が一つになるということをTeacherは言いたかったのだ。

 学級では毎日とはいかなくとも、話し合いや討論の時間があるだろう。討論をするにあたって一番良いのは一人の意見がもっとも最適なものであることだ。しかし、実際そううまくいくことはめったにないし、一人の意見を採用するのであれば誰かが決めるのと同じで、討論とはいえないだろう。ではなぜ討論をするのか。それは一定の考え方の個人個人の意見を知り、自分の思いもよらない奇想天外な意見から自分の考えを客観的に見るためだと思う。三人寄れば文殊の知恵。個人では堅い考え方を集団は柔らかくする。

 人間にとって集団社会というのは、ひろい考え方ができる場所だ。一人一人の力は弱く、小さい。しかし、一人が二人に、二人が三人の集団になることによって、強い大きな力が生まれる。日頃すべてを集団社会で暮らせということではなく、固い考え方の殻を破って沢山の考え方を知り、する事ができる集団生活の場も大切にしていきたい。

中3の部(56人中)

   原石に輝きを

さくら

 人々が毎日のように出すゴミは本当にもう役に立たないものなのだろうか。不要なものなのだろうか。空のペットボトルから私たちが着る洋服に変化したり、古紙が新しいコピー用紙にできるようになった今、ゴミも大切な資源の一つになっているのだろう。もう何にもリサイクルできないように見える生ゴミでさえ、堆肥として使えるということを総合の授業を通して改めて実感した。後日、家庭科の調理実習で調理した総合学習の一環として生ゴミを混ぜて作った土から収穫できた野菜は新鮮だった。人工的に作られた肥料を大量に使うより、環境にとっても良いのではないか。わたしはゴミや美しくない原石に輝きを与えられるような人になりたい。

 第一の方法としてはそこにあるものの良い面を見つけようとする心構えでいることだ。球技大会でクラス内で作ったソフトボールチームは、スポーツが得意な人が多いとはお世辞にも言えなかっただろう。むしろ苦手な人が多く、最初からベンチ入りを希望する人が何人もいる程だった。しかし、ルールさえ知らない人が多かった私のチームが、年上の、最終的には優勝したチームと互角に戦えるようになることができたのはなぜか。それはメンバー全員がほかのメンバーそれぞれの良い面を探すことができたからだ。悪い面を探すことは簡単で、人は悪い面が先行してしまうが、その裏には、必ず良い面が隠れている。チームの空気も最初は微妙な空気が漂っていたが、本番が近づくにつれ、一致団結していったと思う。ある人は走ることは得意でなかったが、送球された球を取るのが得意だった。したがってその人のポジションは一塁になった。これは話の一部分でしかないが、私は個人の力が最大限に発揮できるようなチームになりたいと思っていた。結局、ゲームは無念に終わったが、何ヶ月も経った今、後悔はあまりない。

 第二の方法として、マイナス面を見つけては直す減点主義の教育のような今の社会風土を変えていくことだ。あの偉大な発明家エジソンは幼い頃学校の先生に些細なことで質問することを繰り返して、授業の妨げになったため、学校を辞めることとなった。しかし彼の発明は世界各国の人々を幸せにしたであろう。これは幼少期の不明な点はどこまでも追及していくといった彼の探究心のおかげだと思う。学校ではエジソンはマイナスな評価をうけていたが、エジソンの行動が本当の意味でのマイナスであったか、と考えるとそうではないだろう。結果的に文明の発展に貢献した彼の人生でに発明をみると、その行動は世界の人々にとってプラスであったといえる。

 確かに今ある悪い面を直すことは大切である。しかし「勝負に勝つためには、苦手をなくすことよりも、得意技を持つことである。」という名言があるように、もともとある良い面を伸ばすことはそれ以上に大切なことだ。その方法をいかに上手にするかが問題であると思う。私は一見ゴミのように見えるものの役割を見出し、豊かに発展させていけるような人になりたい。原石は時間をかけて磨きつづけて初めて美しい宝石になるのだから。



 国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
森リン(103) 子供たちの作文(59) 

コメント欄

コメントフォーム
5月清書の森リン大賞から 森川林 20110701 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
ひふへほ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「ひふへほ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
森リン(103) 子供たちの作文(59) 
コメント1~10件
森リンベストの 森川林
じすけ君、ありがとう。 統合失調症のような、また似たような 4/21
森リンベストの じすけ
こわばんは 今日は元気一杯、体験発表をさせて頂きます。 4/20
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
近所のローソン 森川林
毎日新聞を見たけど、記事はまだ載っていまでした。 4/25
毎日新聞に言葉 森川林
 しばらく前に、毎日新聞の人が取材に来ました。  そのとき 4/24
テスト送信 森川林
https://www.mori7.com/za2024d0 4/24
4月保護者懇談 森川林
シラン ●今後の「森からゆうびん」の学習デ 4/22
マスクにしても 森川林
マスクにしても、ワクチンにしても、消毒にしても、 自分たち 4/21
イエスも釈迦も 森川林
イエスも釈迦も、理想の社会を築きたいと思っていた。 しかし 4/21
日本復活の道筋 森川林
 工業製品を経済発展の原動力をした資本主義は終わりつつある。 4/17
メモ 森川林
https://www.mori7.com/za2024a0 4/16
単なる作業 森川林
勝海舟は、辞書を買うお金がなかったので、ある人から夜中だけ辞 4/8
勉強は、人に教 森川林
勉強は、人に教えてもらうのではなく、 自分で学べばよい。 4/7

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習