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 学習は型を身につけることから始まる――小1の親子作文から高3の論説文まで Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
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学習は型を身につけることから始まる――小1の親子作文から高3の論説文まで as/2896.html
森川林 2017/03/29 06:53 


 学習は模倣から始まります。
 オリジナルなものができるのは、その模倣がしっかりと身についてからです。

 言葉の森の作文指導は、ある程度の型を持っています。
 その型を見て、作文がパターン化するのではないかと心配する必要はありません。
 型自体が多様で、学年ごとの課題に応じてさまざまに組み合わせることができるからです。

 しかし、世間の作文の考え方の多くは、自由に書かせるというものです。
 この「自由に」ということが、作文教育の最も大きな障害になっているのです。

 これは、入試の作文にも現れています。
 よくあるのが、「次のA、B、Cの三つの課題の中から一つを選び作文を書きなさい」というような問題の出し方です。
 ジャンルの違う三つの課題を統一して採点する基準などはありません。
 一つの課題で、書く方向を指示して、その方向で採点するから初めて採点が可能になるのです。

 しかし、型は、勉強の到達点ではありません。
 型を身につけたあと、書く力がつけば、自然に自分のオリジナルな書き方をするようになるのです。
 逆に言えば、型を指定されて、その型どおりに書ける人は既に実力のある人です。

 ただし、型と言っても、言葉の森が教えている型は大きな構成の方向性のようなものです。
 例えば、ある意見に対して、自分の考えと、その正反対の考えを述べ、その自分の意見の裏付けとなる理由を複数考え、そのそれぞれの理由に対して自分の体験に基づいた実例と、体験以外の社会的な実例を書き、結びには自分で作った名言を入れる、というような指導です。(中1レベルの指導)

 これを真面目にやれば、かなり力がつきます。
 しかし、ヒントを真似して書いているだけでも、書き方の型は身につきます。

 話は変わって、現在、小学1年生ぐらいの子を対象にした親子作文コースを充実させていく予定です。
 小1の場合は、型を指定して書くということはまずできません。大体、書くこと自体がまだほとんどできない時期だからです。

 そこで考えているのは、お母さんやお父さんとの対話を通して作文の書き方の型を身につけるという方法です。
 4月に入って、新しい学校の時間割が決まってから、体験学習の日程を決めて参加していただけるといいと思います。

小1から始める親子作文

====
言葉の森の受験作文小論文で書きやすい構成の仕方を身につける
URLは、https://www.mori7.com/index.php?e=2131

 言葉の森の作文指導は、身近な生活作文から始まりますが、小学校高学年になると受験作文にも対応するようになります。

 また、中学生の作文(意見文)は、そのまま高校入試、更には大学入試に使えるレベルになります。

 高校生の場合は、更に構成の仕方を発展させ、読み取りにくい課題文を読み取る力とつけていきます。

 塾や予備校で行われている作文小論文指導は、抽象的なアドバイスが多く、書けないときはどう書いていいかわからないということがよくあるようです。

 言葉の森の作文小論文指導は、具体的な構成をわかりやすく説明するので、苦手な子でも楽に書き出せ、得意な子は更に高いレベルの文章を書くことができるようになります。


 以前、桜修館中の受験作文指導を受けている生徒から、「学校説明会で、『パターン化した作文を書かないように』と言われた」と相談がありました。

 ここで大事なのは、その文章がパターン化しているかどうかではありません。上手か上手でないかという中身がすべてで、パターン化していようがいまいが、上手な作文は上手であり、下手な作文は下手なのです。

 そして、上手に書くためのいちばんの近道が、いくつかのパターンを使えるようになっているということです。「パターン化がだめ」というのは、文章を書く力のない人が言うことです。

 その相談のときに、ある学習塾関係の有名な先生が、パターン化しない書き方というものを、抽象的に詳しく説明していました。その説明をもとに、子供が実際に作文を書こうとしたら、まず全く書けません。上手下手以前に、どう書いていいかわからないという指導なのです。

 平成27年度から、東京都は学校ごとの問題作成ではなく、共通の問題になるようですので、もう特殊な作文のテーマは少なくなると思います。

 むしろ、いちばんの問題は、子供がどう書いていいかわからないという発想の時点でつまずくような作文試験の問題を出していた学校の方だったのです。
====


 創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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コメント欄

森川林 2017年3月29日 6時38分 1 
 型を身につけるために反復して練習するというのは、日本文化に独特の学習法だと思います。
 型という方法よりもまず目的を重視し、その目的のためには方法は二の次というのが、型とは正反対のどちらかというと欧米風の考え方です。
 どちらもそれぞれ利点はありますが、型から入るというのは日本文化になじんだ人には取り組みやすい方法だと思います。
 しかし、そのためにはその型を続けるということが大事です。


nane 2017年3月29日 6時42分 1 
 作文指導でよくあるのが、「何でもいいから自由に書いてごらんなさい」と言ってから、書いたあとの作文の、ここが違っているとか、字がきたないとかを批評する指導です(笑)。
 よい指導というのは、「こういう方向で、こういう項目を入れて書いてごらん」と言って、それができていたことを認めて褒める指導です。
 前者がよくある指導、後者が言葉の森の指導です。


mae 2017年3月29日 12時19分 9 
「自由に書こう」というのは、書きやすいように思えますが、実は一番ハードルが高い書き方だと思います。題名は自由でも、書くことがある程度決まっていないとどう書いていいかわからない……そして、たいてい自由に書いたものをあまりよく言われないので(笑)どんどん作文に対して苦手意識が高まるのだと思います。

kira 2017年3月29日 13時36分 52 
 親子作文をはじめると、型を続けることの大切さも実感できそうです。

namura 2017年3月30日 4時54分 10 
自由に書いて下さい、と言われることが、実はいちばん難しいですね。

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