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問題集読書で国語力をつける as/707.html
森川林 2009/12/12 20:56 
修 削


 先日、ホームページの記事で問題集読書のことを書きました。何人かの方からそのやり方についての問合せがありましたので、より詳しく書きたいと思います。

 まず、問題集読書の意義は、三つあります。一つは、難読、つまり難しい文章を読む機会を増やすということです。もう一つは、復読、つまりその難しい文章を何度も繰り返して読む機会を作るということです。そして最後は、時代性、つまり現代という時代の思潮を知るということです。

 この時代性ということについて言うと、国語の問題は社会の問題よりも時代の風潮をよく反映しています。例えば、これまでは地球温暖化がよく国語の問題に取り上げられていましたが、今は地球温暖化のデータそのものに疑問が投げかけられています。あと数年もすると、地球温暖化や二酸化炭素の問題はもう国語の問題としては出てこなくなるかもしれません。
 同じように、私が学生のころは、丸山真男の日本ダメ論が流行していました。しかし、その後、そのダメと思われていたところが実は日本の長所だったのだという論議が出てきました。そのうち、またしばらくすると、その日本の長所と思われていたところが実は欠点だったのだという話が出てくるかもしれません。
 大学入試の国語問題を読んでいると、新聞やテレビにはあまり出てこない文化の流れというものが感じられます。

 問題集読書の方法は、まず問題集を分解するところから始まります。全国の入試問題1年間分というのはかなり分厚いので、そのまま読もうとすると、本棚から出すたびに「どっこいしょ」と言わなければならないからです。
 その分解した問題集を、40ページぐらいずつまとめてきれいな表紙をつけてホッチキスで止めます。この40ページが1週間分で、毎日6ページぐらいを目安に読んでいきます。読みながら、印象に残ったところに傍線を引きます。傍線でなく付箋をつける方法でもかまいません。
 言葉の森の通学教室では、その付箋をつけたところを参考にしながら四行詩で感想を書くようにしています。読書ノートを1冊用意して、毎日四行詩を書いていくのです。四行詩ということがピンと来ない場合は、四行の引用や感想でもかまいません。

 問題集読書について、ときどき質問を受けることがあります。
 「天声人語のようなコラムを読むのはどうですか」と聞かれることがあります。天声人語は、難読というには軽すぎます。
 「要約するのはどうですか」という質問もあります。要約をしてもかまいませんが、面倒なことは長続きしません。時間をかけずに気楽に毎日続けられるものの方がいいのです。
 「なぜ問題を解かないのですか」という質問もよくあります。問題を解こうとすると、ただ読むだけのときよりも数倍の時間がかかります。そして、その結果○がついた問題は、もともとやらなくてもできた問題ですから解いただけ時間の無駄だったわけです。また、×がついた問題は解答を見てもできるようにはなりませんから、やはり解いただけ時間の無駄だったことになります。

 問題の解き方には、実はコツがあります。そのコツは、正しいものを選ぶのではなく、正しくないものを選ばないで残ったものを選ぶということです。この方法は、一般論として説明してもなかなかできるようにはなりませんが、実際にその子の解いた国語問題をもう一度解きなおしながら説明すると、だれでも1時間ぐらいですぐに理解できます。その結果、高校生でも一挙に点数が上がるということがよくあります。
 しかし、その点数が上がるのは、その子の実力のところまでです。だから、普段の国語の勉強は、解き方のコツのようなことはする必要がなく、ただ実力をつけるための勉強に徹していればいいのです。その実力をつける勉強法が読む勉強です。

 言葉の森の通学教室では、今、長文暗唱と付箋読書(問題集読書を含む)を組み合わせた自習をしています。昔の言葉の森の自習は、音読と読書でした。音読と読書は、真面目にやっていれば必ず実力がつきますが、音読と読書という方法自体に外から見てチェックする仕組みがないので、どうしても言葉かけだけで終わりがちだという面がありました。今、暗唱や付箋読書をしている子供たちは、今後確実に力をつけていくと思います。

(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)



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