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作文という現実に生かす、わくわくとした勉強 as/883.html
森川林 2010/04/26 09:44 
修 削


 「未来は、えらべる!」という、バシャールと本田健さんの対談を読みました。参考になる点がいくつかありました。

 本田健さんは、バシャールに対してアメリカに住み、自分の子供をサドベリー・スクールに通わせています。サドベリー・スクールとは、子供たちが自分の好きなことをしながら自然に勉強をしたくなるのを待つという教育法を実践している学校です。

 本田さんは、カリキュラムがなく子供たちが好きなことをできるのがよいのではないかと質問をしました。バシャールは、カリキュラムはあってもよいが、子供の興味を引き出すようなものになっていることが大事と答えました。つまり、カリキュラムの有無というのは、本質的なことではないということでした。

 また、本田さんは、子供が時間をかけて自分の好きなことを見つけるのが大事ではないかと質問し、その例として、5年間釣りだけをしていた子が、その後勉強をして立派な社会人になったという例を挙げました。それに対して、バシャールは、その釣りをしていた子供の例は特殊な一例で、時間をかけることは必ずしも必要ではないと答えました。大事なことは、勉強が楽しいと子供に教えてあげることだということでした。

 更に、本田さんは、サドベリー・スクールのような学校を日本にも広げたいと自分の希望を述べました。それに対して、バシャールは、どの学校でも、また家庭でも、勉強の楽しさを教えることができる、大事なのは、子供が学ぶ対象に興味を持てるようにすることだと答えました。

 私は、この対談を読んでいて、バシャールの本質をついた的確な返答に感心しました。もちろん、そういう返答を引き出す、本田さんの優れた質問にも感心しました。

 さて、バシャールは、わくわくして学ぶためには、体験を通した学び方をすることだ大事だと述べています。その例として、子供が自分で仕事を立ち上げる、そのための勉強をするという仕組みを作っている学校が既にあると説明していました。

 今の教育では、確かに、学んだことをどう人生に生かすかという視点がありません。学んだことを生かすという教え方をすれば、数学の方程式も現実の仕事の中でどのように役に立つかということを実感するような教え方をすることができるでしょう。

 ところで、江戸時代の寺子屋教育という優れた勉強法は、決してわくわくした学び方ではありませんでした。そこで教えられた方法は、四書五経の素読や手本となる文字の書き写しでした。

 しかし、この勉強法は、勉強の方法ではなく生活の方法だったのだと私は思います。朝起きて、顔を洗う、歯を磨く、掃除をするということと同じ感覚で、人生の前提となる基礎教育が行われていたのです。生活と同じ感覚で行われている勉強は、苦痛でも我慢でもありません。音読や暗唱や読書というのも、勉強としてではなく生活の一部として取り組んでいくものだったと思います。

 そして、江戸時代は、この優れた基礎教育の大衆的な普及の上に、さまざまな知識や技能の「技を盗む」という形の職業教育が行われていました。しかし、その「技を盗む」教育というのは、それらの知識や技能が高度であったために、体系的な教育法にまで手が回らなかったことからくる暫定的な方法論だったのではないかと思います。

 さて、体験を通して学ぶということを作文にあてはめると、作文には、バシャールの言う「知識の現実への適応」と同じ面があることがわかります。自分の書いた作文が他人に読まれて喜ばれるということは、自分が作った製品が、他人に買われてうれしいという感覚と同じです。

 言葉の森が、これまで考えていたのは、次のような勉強法です。

 中学生の作文で、歴史実例という項目があります。これをただ作文の上で自分の知っている歴史実例を入れるという書き方をするのではなく、あらかじめ歴史の学習をして歴史の本を読み、そこから作文に書く自分の意見にふさわしい歴史実例を引き出すという書き方をするのです。これは、歴史の知識を、生きた作文に適用するという学び方です。

 同じようなことは、英語、数学、理科、社会などの勉強にもあてはめることができます。このように、知識を学びながら、それを作文という現実に生かすという勉強の仕方を、これからの言葉の森の勉強法にしていきたいと考えています。



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