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作文の通信教育の教材比較 その2 as/1660.html
森川林 2012/11/23 16:14 


 作文の通信講座の教材を見て感じたことを書いています。

 取り上げたのは、ベネッセZ会ブンブンどりむドラゼミ学研白藍塾、その他です。


 通信講座全体に関する話の続きです。

 第四は、作文の通信指導の特徴が赤ペン添削ということになっているために、赤ペンがびっしり書いてあることを売りにしているところが多いことです。

 しかし、その赤ペンの多くは、あまり意味がありません。勉強は理屈で説明して理解して完成というようなものではなく、その理解を何度も繰り返し定着させることが大事ですから、赤ペン添削を読むだけでは、そういう定着作業はまずできません。

 通信指導=赤ペン添削というのは、多分に惰性で行われている面があります。赤ペンでは作文の実力はつかないと思います。


 第五は、記述問題や作文問題を提出したあとに、赤ペン添削と一緒に優秀作品や模範解答例が送られてくることです。

 教科の学習のように答えがひとつに決まるものであれば、模範解答も意味がありますが、記述や作文の模範解答はあまり意味がありません。

 特に作文の模範解答例は、何かのプラスになるよりも、親がその解答例と比較して子供を煽る原因になり、子供が自信をなくすという結果しか生みません。小学生の場合は特にそういマイナスの方が大きいのです。


 第六は、通信教育の多くが、肝心の実力をつける勉強に集中して取り組むような形でなく、さまざまなおまけの勉強を伴っていることです。

 例えば、小学生の勉強で最も大事なのは、国語と算数ですが、大手になるほど理科や社会も含めて満遍なく多くの教科を用意するようになります。理科や社会は、学校で教科書を読んでいれば済むものですから、家庭でわざわざ時間をとってやるほどのことはありません。

 しかし、そういう教材が全体の流れの中に用意されていると、親も子もついすべてをやってしまいたくなります。その結果、肝心の国語と算数の力をつける時間が少なくなるのです。


 第七は、言葉の森以外の作文指導の多くが、明確な事前指導を持っていないことです。

 作文の構成メモを作るようなスモールステップ方式の導入学習はありますが、よく書ける子にとって、そういう導入学習はかえってわずらわしいものです。また、よく書けない子にとっては、導入部分が易しくてすぐにできても、そこから作文を書くまでには大きなギャップがあります。

 また、こういうスモールステップ式の学習をしている子は、作文というのはまるで教材でお膳立てしてもらわないと書けないような特殊な勉強だと勘違いしてしまうと思います。

 作文は、教材の助けがなくても、自分で書けるようになることが大切なのです。


 第八は、これは明確な事前指導がないことにも関連しますが、書けない子をどうするかという指導がないことです。

 作文が苦手な子の保護者は、書き出させることにまず困っています。書き終えたあとの赤ペンがいくらていねいであっても、その前にまず書くこと自体につまずいている子が多いのです。逆によく書ける子の場合は、書けたからといってどうということはないという評価になりがちです。

 通信教材の多くは、四コマ漫画を使ったり、物語の続きを書かせたりと、子供が面白さを感じて取り組めるような課題を準備しています。しかし、面白そうだと思って書いてはみたものの、書く前の事前指導がないので、書いたあとの評価も、主観的にただ褒めるだけか、表記の間違いを注意するかだけになってしまいます。つまり、指導と評価を結びつける明確な基準がないのです。


 第九は、作文指導に関しては、通信教育のほとんどが小1から小6までで終わっていることです。

 作文の学習が本当に勉強らしくなるのは、小学校5、6年生の説明文のあと、中学生の意見文に入ってからです。ところが、どの作文通信講座も、小6の公立中高一貫校の作文試験を終点としています。だから、本当の実力がつかないのです。

【関連ページ】

作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

作文の通信教育の教材比較 その1

作文の勉強は毎週やることで力がつく

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ローバーミミ 20160201  
中学受験対対策に役立つというので、以前、娘が1年間、学研の作文指導を受けました。教材の内容は古臭く、どう見ても私立中学受験や効率中高一貫校受検に対応しているとは思えませんでした。都内の進学塾に通わせるようになり、そちらで一貫校向けの作文講座があったので、そちらに切り替えました。講師の先生がよく添削していただいたので有難かったです。学研は主人の仕事上の付き合いのある方からの紹介でしたが、子供にとっては得るものがありませんでした。添削の仕方にも疑問を感じました。

森川林 20160201  
 ローバーミミさん、ありがとうございます。
 学研の教室は、たぶん目指しているところが違うのだと思います。
 言葉の森では、今度、公立中高一貫校講座というオプション講座も始める予定です。
 これは作文以外の教科の勉強にも対応しますが、一斉指導ではないので、家庭での親子の対話というフォローが必要になると思います。

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作文の通信教育の教材比較 その1 as/1659.html
森川林 2012/11/21 18:28 


 作文や国語の勉強の中心に、通信教育を行っているいろいろな団体の教材を比較してみました。

 取り上げたのは、進研ゼミ、Z会、ブンブンどりむ、学研、ドラゼミ、その他です。言葉の森の教材と比較して考えてみました。

 それぞれの通信講座のよいところは、その団体がしっかり宣伝しているので、ここでは問題点を中心に挙げてみます。


 まず第一に、通信教育は、通学教育ではできないことをするものですが、そのためには通信を活用した双方向性がなければなりません。しかし、ほとんどすべての通信教育は、ただ教材が定期的に送られてくるだけで、課題の提出とその添削講評というやりとりがかなり少ないのです。1、2か月に1回提出するという勉強では、個別指導や担任制とは言っていても、担任という実質的な意味はありません。

 教材が送られてくるだけで、通信的なやりとりの少ないことが現在の通信教育のいちばんの問題です。(言葉の森は週1回の提出で、提出率は91.6%です)


 第二は、毎月送られてくる教材の多くが、市販の問題集を薄い分冊にしたようなものだということです。これなら保護者が書店で問題集を自分で選んで使った方が、子供の実態に合わせた勉強ができます。

 市販の問題集にも、いろいろな長所や短所がありますが、保護者が自分の目で見て取捨選択できるというところと、通信の教材よりもはるかに割安だというところが優れています。


 第三は、教材が毎月送られてくるという性格上、1冊が薄いものになり、薄い教材が何種類もたまる結果になりがちだということです。

 薄い教材が多くなると、保管して何度も繰り返すという勉強がしにくくなります。

 通信教材は、子供が自分でできるように導入部分は易しく面白く工夫されていますが、そういう易しい問題は、いくらやっても力がつきません。

 本当に力がつくのは、すぐにはできなかった問題ですが、1回目にできなかった問題というのは、普通は3、4回繰り返して初めて身につきます。ところが、保管しにくい薄い教材では、繰り返すといってもせいぜい1、2回です。

 だから、本当は教材は1年間通して使えるような1冊のものがいちばんいいのです。1冊にまとめた方がいいものを何冊にも分けてあるというのが、今の通信教材の問題点です。(つづく)

【関連ページ】

作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

作文の通信教育の教材比較 その2

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どのリンゴにもそれぞれのよさ(作文と小論文の違いとは言うけれど)(facebook記事より) as/1658.html
森川林 2012/11/21 04:40 



 こういうことを言う人がいます。

 「作文じゃなくて、小論文だよ」

 どちらでも大して変わりません(笑)。

 だから、言葉の森では、小学生から高校生まで全部まとめて作文と言っています。


 例えば、「私の友達」という課題。

 これを作文風に書くとすれば、友達との出来事を中心に書き、最後に自分なりの感想でまとめます。

 小論文風に書くとすれば、「友達とは人間にとってどういうものか」という主題を先に考え、その主題に合う実例を書いていきます。


 一見大きな違いがあるように見えますが、作文と小論文の間には曖昧なグレーゾーンが幅広くあるのです。


 大事なことは、「作文じゃなく小論文だ」というような定義のはっきりしない言葉で、子供がせっかく書いた作文をけなさないことです。


 作文には、書いた子供の思い入れがあります。

 だから、どんな場合にも、いいところを見つけてあげることが大事で、直すときも子供にはっきりわかる言葉で説明する必要があります。


 おおまかに、「これでは○○じゃないか」というような批評にもならない批評はするべきではないのです。


 世の中の作文が苦手という子供のほとんどは、周囲の大人が作っていると思います。

 (中根)

 どのリンゴにもそれぞれのよさ。

 それでは、今日もリンゴのような一日をお過ごしください。

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作文に書くことをすぐお母さんに聞く子(facebook記事より) as/1657.html
森川林 2012/11/18 08:58 


 人間は、もともと自分の力でやることが好きです。

 人に聞くのは、やり方がわからないか、自分でやることに自信がないからです。

 そういうときは、全部自分でやらせるのでも、全部他人がやってあげるのでもなく、途中までやり方の見本を見せてあげることです。



 作文を書くときに、「次、どう書いたらいいの」と、すぐ聞く子がいます。

 お母さんが教えると、そのとおりに書き、「次、どう書くの」。

 少し書いては、次に書くことを聞くという場合はどうしたらいいのでしょうか。


 第一は、文章を書くためには、文章を読むことに慣れておく必要があります。読む力をつけるために、これから気長に毎日本を読む習慣をつけることです。

 第二は、何を書いても、書き方が違っていても、とりあえずはすべて褒めて認めてあげることです。そして、自分の力でやることに自信をつけることです。

 第三は、お母さんが書くことをどんどん教えてあげて、そのとおりに書いてもいいのだと考えを切り替えてしまうことです。

 第四は、作文を書き出す前に、子供とお母さんで楽しくお喋りをしながら、作文に書くことを白紙1枚に散らし書き風にメモすることです。(これを構成図と呼んでいます。時間は10分程度)


 この構成図を書く方法を何度かやると、子供は書き方のコツがわかるようになり、やがてすぐに自分の力で書くようになります。



 「メイカーズ」という本を読みました。著者のクリス・アンダーソンは、「ロングテール」や「フリー」を書いた人です。
http://www.amazon.co.jp/dp/4140815760

 書かれている内容は、消費のロングテールを越えて、これからは生産のロングテールに、人々の志向が移りつつあるということです。

 人間は、自分だけのものを消費するのでは飽き足らず、自分だけのものを作りたくなるのです。

 これまで自分で作るということに関心が向かなかったのは、そのための素材や道具を手に入れることが難しく、作ったものを広める方法がなかったからです。


 そういう時代の制約がなくなりつつある今、大事なことは、自分で作るということに自信を持つ子供たちを育てていくことです。


 それが作文の勉強のひとつの意義でもあるのです。



 今日は、昨日とは打って変わって青空が広がりました。

 ふと空を見上げると、大きな空に小さな飛行機が白く光って飛んでいました。


 今日もいい一日をお過ごしください。

 (中根)

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森川林 2012/11/16 19:42 
 mori7.netのサーバー、直りました。
 「作文の丘」や「山のたより」ももう使えます。
 しばらく不自由な思いをさせて申し訳ありませんでした。

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