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記事 441番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/5
教育は家庭の文化の中から——難しい本を読んで国語力アップ as/441.html
森川林 2009/04/02 12:06 
 「勉強脳をしつける勉強法」の著者石田勝紀さんは、大学受験の浪人時代に、それまで読まなかった難しい本を読むようになると、40ぐらいだった国語の偏差値が20以上アップした、と述べています。また、国語の成績が上がるのと並行して、英語や数学も勉強を特にしたわけでもないのに成績が上がったという体験談を書いています。
 私も、高校3年生のときに、総合月刊誌を何冊も読むようになると、不思議なことに国語の点数が上がったという経験があります。当時の総合月刊誌は、学園紛争の影響で新左翼的な難解な文章が流行していました。そういう文章を読んで、自然に読解力が伸びたのではないかと今は思っています。
 私が大学を卒業するとき、学生時代の四年間にあまり勉強をした感じがしなかったので、古今の名著と呼ばれるものなるべくたくさん読もうと決心して、数年間いろいろな本を読みました。
 そのときに読んだ本のひとつがケインズの「雇用利子及び貨幣の一般理論」です。内容は難しかったので十分に理解したとはいえませんが、こういう古典と言われる名著を読むと、作者が、考えている道筋を自分も一緒にたどって読むという感じがあります。古典を読むことが大切なのは、こういう経験ができるからです。「ケインズ入門」のような教科書や入門書では、すでに完成した答えが死んだ知識として並べられているだけなのに対し、原典には、作者が思索をしているその現場を自分も一緒に思索しながら読み進められるという利点があります。
 当時読んだ本の中に、デカルトの「方法序説」がありました。書名は難しそうでしたが、書かれている内容はわかりやすく、デカルトが自分の考え方の道筋をできるだけわかりやすく読者に知らせようという情熱の感じられる本でした。その後、言葉の森で高校生を指導しているとき、高校生ぐらいで読むにはとてもいい内容のものだと思ったので、高校生の感想文課題に「方法序説」を取り入れました。当時は長文ではなく、本のひとつの章を読んで感想文を書かせる課題でした。4人ぐらいいた高校生に本を配って、同じ章を読ませていると、数分後、全員が寝ていました。
(つづく)
(この文章は、構成図をもとに音声入力した原稿をamivoiceでテキスト化したものです)
マインドマップ風構成図
 記事のもととなった構成図です。

(急いで書いたのでうまくありません)

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教育論文化論(255) 子育て(117) 

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英語や古文の背後にある国語力、数学を勉強する意義 as/440.html
森川林 2009/04/01 17:28 
 大学入試の英語の問題は、かなりの部分が国語力です。英文で書いてある内容自体が難しくなるので、難しい文章を読む国語的な力がないと、英文も当然読みきれなくなります。また、英語の選択肢の問題も、現代文の選択肢の問題と同じように、消去法で必ずしもそうとは言えないものを×にして残ったものが○となるというような選択の仕方になります。従って、大学入試のような問題になれば、国語力がなければ英語の力があっても得点が取れなくなります。
 同じようなことは、古文や漢文についても言えます。古文には、古語の文法や単語の力が必要ですが、難しい問題になると最後は国語力が物を言います。選択式の問題も、現代文の選択式の問題を解く力がなければ解けなくなります。

 数学の問題は、やさしい問題をいくらたくさん解いても、難しい問題が解けるようにはなりません。難しい問題を解けば、易しい問題を解く力もつきますが、難しい問題を解かずに易しい問題だけ解いても数学の実力はつきません。だから、問題集は解くことに意味があるのではなく、できなかった問題を解けるようにすることで初めて勉強の意味が出てきます。
 数学の勉強が何の役に立つかというと、一つは、合理的な世界像が形成されることです。数学の得意な子は、世界には答えがあり、それは努力すれば解明できるというような世界観を持っています。こういう世界観があると、困難なことに直面しても最後までがんばろうという気持ちを自然に持つようになります。数学の好きな子は、仕事をするときでも忍耐強いようです。
 数学のより現実的な意義は、形のあるものを作る仕事に携わるときには必ず数学が必要になってくるというところにあります。例えば、橋を作ったり、道路を作ったり、車を作ったりするときには、どこかで数学が必要になります。また、プログラムを作るというような仕事でも、数学が必要になってきます。形のあるものを作るときには、その形に応じて数学が必要になります。それが物理的な形であればあるほど、数学の必要性は増していきます。
 社会人になると数学はあまり必要なくなるというのは、物を作る作業に直接タッチしていないからであって、決して社会生活で数学が必要ないからということではありません。

 このように考えると、勉強でいちばん大事なのは、国語と数学ではないかと思います。
(この文章は、構成図をもとに音声入力した原稿をamivoiceでテキスト化したものです)
マインドマップ風構成図
 記事のもととなった構成図です。

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記事 439番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/5
作文検定と文章自動採点ソフト森リン(その2) as/439.html
森川林 2009/03/31 09:47 
 文章採点ソフトを利用すれば、そのソフトに対応した文章の勉強法が生まれ、その勉強法に対応したソフトの改良が進み、文章力とソフトが相互に発展していきます。
 これをスポーツの場合に当てはめてみると、わかりやすいと思います。どのスポーツも、ルールが決まっています。例えばサッカーでは、足は使えるが手は使えないという制約があります。その制約の中で、足を使った技術が発達します。すると、その技術に対応してまた新たなルール、例えば危険なプレーはしないなどというものが出てきます。ルールという制約があり、その制約に対応した方法が生まれ、制約と方法が相互に影響しあって物事が発展していくというのが物事の進歩の姿です。
 このように考えると、文章を採点するソフトを人間味がないと批判するのではなく、その文章採点ソフトをうまく利用して文章力をつけるという発想をしていくことが大事だと思います。
 では、ソフトを利用した将来の小論文はどのようになるのでしょうか。
 現在は、人間が採点することだけを前提にしているので、小論文の試験は600字から1200字のものが1本だけという形がほとんどです。しかし、試験で小論文を1本だけしか書かせないとなると、受験生はある程度書くことを準備してくるので、ヤマを当てるような勉強法もできるようになります。
 ソフトによる採点ができれば、1日の試験で異なるテーマの小論文を数本書かせるということもできます。受験生の負担は大きくなりますが、実力のある生徒は、むしろ実力が正しく反映される複数の小論文試験の方を喜ぶでしょう。
 また、小論文の構成も、書き手の自由に任せるのではなく、ある程度方向性を指示するような形になると思います。漠然と自由に書かせるよりも、書き方に条件をつけた方が、書く方も読む方も取り組みやすいからです。例えば、全体の字数は800字で、4つの段落に分けて、問題点と原因と対策と反対意見に対する理解を書くというような指示です。構成の仕方や表現の仕方に条件をつけることで、人間による評価も容易になります。
 現在の作文小論文の学習のいちばんの問題点は、評価が大変なので、指導が少なくなるというところにあります。指導の回数を増やすためには、ソフトを利用した評価をもっと取り入れていくことだと思います。

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