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記事 4997番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/27
上手な作文とそうでない作文の差は語彙力の差。語彙の多様性が上手な作文の条件。そのためには、読書と対話で、作文の土台となる語彙力を育てていくことが大事。語彙力は知識としてではなく生きた経験として身につく as/4997.html
森川林 2024/02/29 05:49 

ナデシコ



 昔、中学生、高校生の書いた作文をいくつも見比べてみたことがあります。
 よく見ると、どうしても、ある作文の方が上手に見えます。

 しかし、どこが違うのか、書いてある内容や表現や主題を見ても、そこに大きな差があるようには見えません。
 しかし、何度見ても、ある作文の方が上手に見えるのです。

 そこで、それらの作文の語彙を全部抽出して調べてみました。
 すると、語彙の多様性に微妙な違いがあることがわかったのです。

 語彙の多様性以外に、語彙の種類も関係がありましたが、最も大きな違いは多様性でした。
 上手な作文は、ある内容を表すのに、同じ語彙を使わずに多様な語彙を使って表現しているのです。

 しかし、人間が目で見てもその違いはわかりません。
 漠然と、ある作文の方が上手に見えると感じるだけなのです。
 その差は、機械で集計して初めてわかるような差だったのです。

 その差が集計の差として出るためには、作文の字数は1200字以上必要だということもわかりました。
 600字や800字の作文では、誤差の方が大きくなるので、必ずしも上手な作文の方が点数が高くなるとは言えません。
 しかし、1200字になると、語彙の多様性と人間が見て上手だと感じる感覚は一致してくるのでした。


 では、作文の勉強法として、どうしたら語彙が多様な作文を書けるのでしょうか。
 その方法のひとつは読書で、もうひとつは対話なのです。

 作文力は、言わば氷山の水面上に出ている部分で、その水面下には読書力というより大きな土台があります。

 だから、作文力は、書いたあとの添削によって上達するのではなく、その土台となる読む力をつけることによって根本的に上達するものなのです。

 ところで、小学4年生までの作文は、主に事実中心の生活作文です。
 だから、物語文の本を読んでいる子は、生活作文を上手に書けます。

 しかし、小学5年生からは説明文、中学1年生からは意見文になります。
 この時期に、説明文、意見文の本を読んでいないと、作文に必要な語彙が出てきません。

 今の学校では、中学生や高校生で作文の指導がされることはほとんどないので、高校生でも生活作文のような文章を書いている人は意外と多いのです。


 作文力のもうひとつの土台は、対話です。
 小学生でも、親子の対話が多い子は、自然に長い感想を書きます。

 対話の少ない子は、「とてもたのしかったです。」というような条件反射的な感想でまとめてしまうことが多いのです。

 この親子の対話は、子供の話を引き出すことではありません。
 親がいろいろな話をしてあげることです。

 その親の話も、単なる知識の伝達のような話ではなく、子供が面白がり、しかも考えることのできるような深みのある話であることが理想です。
 だから、親も読書によって日々新しい話題を仕入れておく必要があるのです。

 語彙力は、語彙の勉強でつくものではありません。
 語彙力のドリルや辞典や図鑑などは、気休めです。
 知識として語彙を覚えても、使える語彙にはなりません。
 読書や対話という生きた経験を通して身につけた語彙が、使える語彙になるのです。


 作文は、上達に時間のかかる勉強です。
 数学や英語は、本気になって取り組めば、数か月で著しく上達させることができます。
 苦手な子が普通になり、普通の子が得意になることまでできるのです。

 しかし、作文で、苦手な子が普通になり、普通な子が得意になるのは、数年間という遥かに長い時間がかかります。

 だから、作文指導で大切なことは、子供が書いたものを褒め続けて、何しろ勉強を持続させることです。

 作文の欠点を直して上達させようとすると、2、3回は効果があるように見えますが、それだけです。
 そして、直して上達させようとした子は、結局、作文の勉強を早々とやめてしまうのです。
 子供の作文を親が指導するのが難しいのは、そういう事情があるからです。

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森川林 20240229  
 上手な作文とそうでない作文の差は、語彙力の差です。
 それは、作文の題材がいいとか悪いとかいう話ではありません。
 評価されるのは、作文力であって作文ではありません。
 その作文力は、読書と対話によって上達するのです。

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これからの新しい勉強の目的は、自分らしい仕事をするために幅広い教養を身につけこと、新しいことに挑戦する気持ちを持ち続けること――大学に合格することがゴールであった時代は終わり、社会に出て自分らしい仕事をすることが新しいゴールになる as/4996.html
森川林 2024/02/29 04:45 

シダ



 今、小中高生のみなさんの勉強を見守っているお父さんも、お母さんも、学校の先生も、塾の先生も、君たちが学校の成績を上げて、いい大学に入ることを目標にしています。

 それは、それらの人たちが、そこまでの目標しかない時代を生きてきたからです。
 つまり、昔は、いい大学に入ったあとの目標がはっきりしていなかったのです。


 しかし、時代は、大きく変わっています。

 今は、資金も、人材も、道具や設備も、宣伝手段も、ほぼ何でも手に入ります。
 だから、誰でも、自分で仕事を始めることができるのです。
 ただし、それは、自分に、ほかの人にアピールできる個性と意欲があったときです。


 やがてベーシックインカムの時代が来て、誰もが自由に自分の好きなことをするようになります。

 なぜ、ベーシックインカムの時代が来るかというと、人類全体の生産力は、人類全体の消費力を上回っていて、しかも、労働はますます機械化、AI化されるので、労働→給与→消費→生産→労働という経済のサイクルが回らなくなるからです。

 ベーシックインカムの時代には、出発点は給与ではなく、国がくれるお小遣いになります。
 お小遣い→消費→生産→富→お小遣いになり、仕事は、自分の好きなことをして社会に貢献することが主な目的になっていきます。

 だから、いい学校に入り、いい会社に入ることを主なゴールにする時代は終わったのです。
 社会に出て自分らしい仕事をして、世の中に貢献することが新しいゴールになります。

 勉強の好きな人は、学問の世界を目指してもいいでしょう。
 しかし、社会に貢献することに結びつかない学問は、盆栽作りのような学問です。
 仕事の目的のうちの重要なひとつが、社会への貢献なのです。


 好きなことをするためには、努力が必要になります。
 その努力とは、読書を通して幅広い教養を身につけること、自分なりの何かに挑戦することです。
 ただし、教養と挑戦は、高校生、大学生の課題で、小中学生は、普通の多読と普通の勉強で十分です。


 総合選抜の大学入試の時代には、高校までの成績はオール4が取れていればよいということになります。
 オール5を目指すような努力は必要なくなります。
 その分、自分の個性を磨いていけばいいのです。

 ところで、オール4が取れる生徒にとって、今の学校教育での授業は退屈です。

 空いた時間をゲームやYouTubeで過ごすよりも、創造発表クラスやプログラミングクラスで、自分らしい学習をすることが、これからの新しい空き時間の過ごし方になると思います。

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森川林 20240301  
 今はまだ、勉強のゴールは、大学入試になっています。
 大学を卒業したあとの人生と、大学で学ぶ勉強とのつながりがないので、とりあえずいい大学に入ることが学ぶ目的になっています。
 しかし、これからは、社会に出て仕事をすることが本当のゴールだということが、多くの人の共通認識になってくると思います。

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【連絡】3月から、新学年の教材を使うことができます as/4995.html
森川林 2024/02/27 14:37 

紅梅

 学校は、4月から新年度ですが、すでに現学年の教材を終えた人も多いと思います。

 3月からは、新学年の教材を使って結構です。

 注文は、下記のページからできます。
https://www.mori7.com/teraon/jgkyouzai.php

 新学年の教材でも、最初の方のページは、前学年の復習になっていることが多いです。

 学年は自由に選択できますから、前の学年からやり直したり、先の学年の教材をしたりすることもできます。


 中学生の数学と英語の基準教材は、発展新演習から標準新演習に切り替えました。
 発展新演習には、必要以上の難問が多かったためです。

 どちらを注文することもできますが、通常の高校入試又は中学生の勉強では、標準新演習を100%完璧に仕上げるようにすれば十分です。
 ただし、100%ということを目指して勉強を進めてください。

 数学と英語は、学年の先取りができますので、得意な人は先の学年まで進めて勉強をしていってください。

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【合格速報】早稲田大学 先進理工学部物理学科・ 聖マリアンナ医科大学 as/4994.html
言葉の森 事務局 2024/02/27 09:43 
早稲田大学先進理工学部物理学科・ 聖マリアンナ医科大学
K.S.さん

<担当講師より>
 小論文の試験で言葉の森の勉強が役に立ったと嬉しそうに話してくれました。

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森川林 2024/02/25 12:26 

舞岡の白梅



 昨年2023年の夏休みに、中学生の生徒対象に、国語読解+ディスカッションの夏期講習を行いました。

 テーマとしたものは、国語問題集に載っている説明文の文章です。
 高校入試レベルの文章なので、抽象的な話題がかなりあります。

 その文章について、ひとりずつ自分の考えを言ってもらうのですが、もとの文章をそのまま要約したような意見を言う生徒と、自分なりの体験を通した意見を言う生徒に、ある程度はっきり分かれました。

 どちらも文章を読む力はあるのですが、自分なりの実例と結びつけた意見を言えるかどうかは、考える力の差だと思いました。

 要約は、考えなくてもできます。
 自分の似た実例は、与えられたテーマを自分なりに咀嚼しなければ出てきません。

 これから重要になるのは、勉強ができるかどうかではなく、その勉強を自分なりに消化できるかどうかです。

 では、こういう自分なりの考えは、どういうところで育つのでしょうか。
 それは、ひとつには、読んでいる本の幅の広さによってです。
 もうひとつは、親や友達とそういうテーマについて話をする機会を持つことによってです。
 つまり、自分らし読書や対話の経験を通して、自分らしい意見が出てくるのです。


 言葉の森の作文の課題は、小学5年生の感想文から、かなり抽象的なものになります。
 その課題について、保護者と話ができれば、子供たちの考えは深まります。

 考えの深さというものは、学校の勉強の成績にはあまり出てきません。
 しかし、社会に出てから本当に必要になるのは、この自分なりに考える力の方です。
 自分なりに考える力とは、自分なりに生きる力です。


 学校教育の中でも、夏期講習のディスカッションのような授業ができれば、子供たちの考える力はもっと成長します。

 しかし、数十人が一斉に授業を受ける今の学校のシステムでは、そのような授業は難しいと思います。

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森川林 20240225  
 国語の勉強の方法としていちばんいいのは、ディスカッションです。
 普通に文章を読んだり読解問題を解いたりするよりも、ずっと深く頭に入ります。
 しかし、今の集団一斉指導の教育では、少人数でのディスカッションはできません。
 教育の仕組みを変える必要があるのです。


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