https://youtu.be/P6szh1eUc2E
◆◆点数をつけることが目的化する教育
大まかな言い方をすると、現在の学校教育は知識の詰め込みを中心に行われています。
もちろん知識は大切です。
特に、義務教育における知識は、その後のあらゆる勉強の土台となるものです。
だから、知識が正しく習得できているかどうかを評価するためにテストをして点数をつける。
これはもちろん良いことなのです。
しかし、点数をつけることを繰り返しているうちに、誰もがその知識を習得できるようにするという本来の目的から離れて、点数をつけることが目的化してしまうことがあります。
それはまた、多くの生徒にとって勉強の直近の目的が志望校の入試に合格することなので、点数をつけることがさらに教育の本来の目的のようになってしまうのです。
すると、教える先生は、点数の差がつくような問題を出したくなります。
◆◆算数・数学は「解法の知識」の勉強
そういう難しい問題を出しやすい教科のひとつが算数・数学です。
それが、難しいことを理解してほしいという気持ちからの問題であるのならいいのです。
しかし、そのためには、その難しい問題をほとんどすべての子ができるような教育をしなければなりません。
ただ単に、できる子とできない子を分けるだけであってはならないのです。
日本の子供たちの算数・数学の学力が国際的に高いにもかかわらず、算数・数学が苦手または嫌いという子が多いということが、現在の算数・数学の勉強の問題点を示しています。
算数・数学は、考える勉強であって知識の詰め込みではないのではないかと思う人もいると思います。
しかし、それは「解法」つまり「解き方の方法」という知識の勉強なのです。
◆◆本多静六に学ぶ数学の勉強法
本多静六は、家が貧しかったために、家の農作業を手伝いながら勉強をしていました。
東京農林学校(現在の東京大学農学部)には、作文が上手だったので合格しましたが、数学はよくできませんでした。
そのため、数学の試験で落第し、一時は死のうとまで思い詰めましたが、住み込み先の先生の励ましで気持ちを入れ替え数学の勉強に取り組みました。
その方法は、問題集の例題をすべて暗唱することでした。
それまで、農作業をしながらも暗唱の練習をしていたので、暗唱は得意だったのです。
すると、次の数学の試験からは高得点を取り、卒業時には首席となり銀時計を賜るまでになりました。
この本多静六の方法が、数学の勉強法の基本です。
解法を理解して、それをすっかり自分のものにできれば、数学ができるようになるのです。
しかし、それはもちろん勉強の数学の話であって、研究としての数学はまた別です。
勉強の数学の基本は、例題つまり解法という知識を覚えることです。
教科書または問題集の例題をすべて身につけることが数学の勉強法です。
◆◆差をつけるための教育になっている
しかし、今の教育では、例題を身につけただけでは解けないようなパズルのような問題を出して生徒に差をつける面があります。
つまり、誰もができるようになるための勉強ではなく、生徒に点数で差をつけるための勉強となっている面があるのです。
英語の勉強も同じです。
教科書で覚える以上の難しい単語を出して、生徒に差をつけようとします。
国語も同じです。
難しい言葉を出すだけでなく、時間内に到底解ききれないような長い文章を出して差をつけています。
つまり、教育が子供たちの学力を育てるための教育から、子供たちに差をつけるための教育になっているのです。
しかも、さらに問題なのは、そこで出される問題の中身が、現代の科挙の試験のようになっていることです。
◆◆考える力を育てる読書と作文――作文検定と推薦図書検定
学校教育がこのような知識の詰め込みの教育から抜け出せないのは、考える力をつける勉強が行われていないからです。
考える力をつけるためには、読書と作文の勉強が中心になります。
もちろん、数学の基本を習得することも必要です。
昔から言う「読み書きそろばん」です。
しかし今は、読書と作文の勉強よりも、知識の勉強が中心に行なわれています。
その理由は、読書と作文に客観的な評価がつけられないからです。
言葉の森が提案するのは、作文については作文検定で、作文を書く力がどれだけ進んだかを評価することです。
読書については、推薦図書検定で、読書がどれだけ進んだかを評価することです。
これらの評価に対応するために子供たちのすることは、本をよく読み、文章をよく考えて書くことです。
◆◆点数の差から個性の差へ
読書と作文も、点数によって差をつけることにつながるのではないかと思う人がいるかもしれません。
しかし、読書と作文は、あるレベルの点数から先は点数の差ではなく個性の差となります。
教科の勉強における点数の差が難問の差になっていくのに対して、読書と作文は個性の差となっていくのです。
個性の差とは、誰もが認められる差です。
このような個性を生かす勉強がこれから必要になります。
そのためには、現在のように、テストが終わればやがて忘れてしまう知識の詰め込みを中心とした教育ではなく、読んだこと書いたこと考えたことがその子の教養として残るような教育を行っていくことが必要なのです。
※言葉の森のnoteの記事もごらんください。
https://note.com/shine007
https://youtu.be/80fSiYoePUg
◆◆小学1年生から始められる親子作文
言葉の森の作文教室は、小学1年生から受講できます。
1年生といっても、生まれ月による個人差もあるので、文字を十分に書けない子もいます。
そういう子でも、ひらがなを読むことさえできれば、親子作文という方法でお母さんと一緒に作文を書く勉強をすることができます。
この親子作文に取り組んだ子の多くは、作文が好きになります。
お母さんと毎週楽しく対話ができるので、それが子供の精神面での成長にもつながっていきます。
◆◆中学生、高校生まで続く小中高一貫の作文指導
言葉の森は、小学1年生から始められますが、学年が上の生徒ももちろんいます。
特に重要なのは、小学生だけでなく、中学生、高校生になって作文を続ける生徒が多いことです。
言葉の森以外に作文を教える教室は、小学生に限って言えばいくつかあると思います。
しかし、ほとんどが小学生止まりだと思います。
作文は、小学校で上手に書けたらそれでいいというものではありません。
小学生の作文と中学生・高校生の作文は質的に異なります。
その継続的な勉強ができるのが言葉の森の作文指導の特徴です。
言葉の森の作文指導は小中高の一貫指導ですから、中学生、高校生で作文の勉強を行うことを前提として、小学校の間から言葉の森で勉強しておくといいのです。
◆◆毎週1200字の作文が入試の作文小論文に対応する力になる
言葉の森の小学6年生以上、中学生、高校生の作文の目標字数は600~1200字です。
多くの生徒が、毎週1200字以上の作文を書いています。
1200字の文章がいつでも書けるようになれば、高校入試や大学入試で作文・小論文の試験があったとしても十分に対応できます。
◆◆構成力、題材力、表現力、主題力の総合が作文力
また、作文力は、題材を選ぶ力、光る表現を書く力、意見を深める力の総合化されたものです。
さらに、それぞれの学年で構成を考える力が加わります。
この構成力、題材力、表現力、主題力の総合化されたものが作文力です。
中学入試、高校入試、大学入試で作文・小論文試験があった場合、言葉の森の生徒はそれまでに蓄積された題材・表現・主題があるので、テーマに合わせて自由に書くことができます。
◆◆作文の勉強が国語読解力を伸ばす理由
言葉の森の作文の勉強は、作文力だけでなく、国語読解力をつける勉強にもつながっています。
なぜ読解力が伸びるかというと、言葉の森の作文指導は、小学校の低中学年までは題名だけの課題が中心ですが、小学校高学年からは、課題文を読んで感想を書くかたちが中心になるからです。
その感想文の元になる文章は、小学生の場合は中学入試の国語の説明文の難しいレベルの文章、中学生の場合は同じように高校入試の国語の説明文の難しいレベルの文章、高校生の場合は大学入試の現代文の難しい説明文のレベルの文章です。
◆◆読む力をつける二つの読み方――繰り返し読むこと、自分の問題として読むこと
文章を読む力は、ただ漠然と文章を読んでいるだけではなかなか身に付きません。
大事なことの第一は、繰り返し同じ文章を読むことです。
精読というのは、復読のことなのです。
第二は、その文章を自分の問題として読むことです。
これが感想文を書くときの文章の読み方です。
だから、できれば言葉の森の課題フォルダの長文を毎日1編音読し、その文章を読み慣れるという練習をしながら、作文の週にはその長文の感想文を書くという形をとるのが理想的です。
◆◆毎日の音読を続けるための家庭での工夫
ただ、課題の文章を読むということ自体は簡単にできることですが、毎日続けるとなると、家庭でルールを決めておかなければできません。
私(森川林)の家では、食卓に課題フォルダを置いておき、朝ごはんの前に課題の文章を1編音読してから食事ということにしていました。
課題の長文は、3、4分で読めるので全然負担はありません。
◆◆音読で最も大事なのは、読み方を注意しないこと
ただ、長文の音読をさせる場合、気をつけることは、読み方を決して注意しないことです。
子供の読み方に対してアドバイスをすると、子供は必ず読むことを嫌がるようになります。
読み終えたときはいつも、「難しいのをよく読んでるね」と言うだけにすることです。
さらにできるなら、その文章に対する似た例や感想をお父さんやお母さんが話してあげるといいのです。
※言葉の森のnoteの記事もごらんください。
https://note.com/shine007