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作文試験の進化の方向(その1) as/3487.html
森川林 2019/01/03 05:53 
修 削

 作文試験は、年々進化しています。
 今日は、その方向と今後の対策を書きたいと思います。

 なお、ここで、作文と言っているのは、小論文も含んだ文章のことです。
 世間では、作文と小論文は違うなどと言う人もいますが、同じ文章ということで大した違いはありません。
 強いて言えば、作文は事実中心の文章で、小論文は主題中心の文章ということです。
 しかし、この中間段階がいくつもあるのです。

 言葉の森で、小学1年生が書く文章は、事実中心です。
 高校3年生が書く文章は、主題中心です。
 しかし、その中間にある小学校高学年の生徒が書く文章は、半分が事実中心で、半分が主題中心です。

 題名で言えば、「私の家族」とか、「私の宝物」とかいう題名は、普通は事実中心になります。
 しかし、小学校高学年のよく書ける生徒は、こういう題名を事実中心に書くのでは、ものたりないと思うのです。
 そこで、いくつかの事実をまとめる、より抽象的な主題で結びの感想を書こうとします。
 その感想の書き方が、「わかったこと」や「一般化の主題」です。
 こうなると、これは、もう半分小論文です。

 高校生が、同じ題名で書く場合も、「私の家族」だったら、「家族とは(人間にとって)……である」という大きい視点から見たまとめ方になるのが普通です。
 高校生が、「私の家族」という題名で、「私の家族はとても仲良しです。(おしまい)」となったら、その文章がどれほど上手でも、ものたりないと思うはずです。

 高校生を教えている先生は、高校生しか教えたことがないから、「作文と小論文は違う」などと言えるのです。
 小学生を教えている先生は、小学生しか教えたことがないから、作文の評価をミニ小説のように見てしまうのです。
 言葉の森は、小学生から高校生まで教えているので(正確には幼児年長から社会人までですが)、作文と小論文を一体のものとして、より作文的なものからより論文的なものへと進んでいく過程として見ています。
 だから、作文と小論文を言葉の上で分けることなく、まとめて、「作文」と呼んでいるのです。

 さて、その(小論文も含めた)作文試験の進化の方向です。
 最初のころの作文試験は、身近な題名課題でした。
 「○○学校時代の思い出」「これまででがんばったこと」などという題名です。
 この題名課題のいいところは、出題が簡単なことです。
 そして、受験する生徒が少なければ、こういう題名課題でも十分に作文力の評価はできるたです。

 しかし、こういう題名課題は、少し練習すれば誰でも上達します。
 言葉の森で勉強していれば、誰でも合格作文を書けるようになります。
 そうすると、今度は採点が大変になります。
 受験生のほとんどが合格レベルの作文を書くようになると、こういう題名課題ではやっていられなくなります。
 そこで、作文試験は、単純な題名課題から、より複雑な条件を伴う作文試験へと流れは進化していったのです。
(つづく)



コメント欄

nane 2019年1月3日 6時41分  ▽
 作文試験の課題を見ると、学校ごとにさまざまな傾向があります。
 よく考えた問題を作っているところもあるし、あまり考えていない問題を作っているところもあります。
 よく考えた問題を作っていると思ったところは、いいことだから実名で書きますが、白鴎高校附属中の作文試験の問題でした。
 あまり考えていない問題を作っていると思ったところは、実名は挙げませんが、やたらに長い文章を読ませて、国語の記述問題のようなものをたくさん入れて、時間不足で点数の差が出るような問題を作っているところでした。
 条件反射力の試験のようでした(笑)。


森川林 2019年1月3日 6時41分  ▽
 作文試験の今後の方向は、条件を決めて書くことになると思います。
 しかし、これも良し悪しで、例えば、「三段落で書きなさい」という条件などを出しているところは、場合によっては、三段落でなければ大幅に減点とするところも出てくるのではないかと思います。
 試験というのは、こういう実力とはあまり関係のないところで評価されるところがあります。
 だから、作文試験などは特にじっくり評価することとが必要になります。
 そのためには、複数の作文を書かせて、複数の人が評価する仕組みにすることです。
 しかし、それよりも現実的だと思うのは、作文試験のかわりに、その子が受験前の1年間に書いた作文を12編提出させることです。
 小学6年生以上ならキーボード入力もできますから、毎月1本1200字の作文を書かかせて、それをテキストで提出させれば、きわめて正確な文章力や思考力の評価ができると思います。


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