記事 3487番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2020/7/5
作文試験の進化の方向(その1)
森川林 2019/01/03 05:53 

 作文試験は、年々進化しています。
 今日は、その方向と今後の対策を書きたいと思います。

 なお、ここで、作文と言っているのは、小論文も含んだ文章のことです。
 世間では、作文と小論文は違うなどと言う人もいますが、同じ文章ということで大した違いはありません。
 強いて言えば、作文は事実中心の文章で、小論文は主題中心の文章ということです。
 しかし、この中間段階がいくつもあるのです。

 言葉の森で、小学1年生が書く文章は、事実中心です。
 高校3年生が書く文章は、主題中心です。
 しかし、その中間にある小学校高学年の生徒が書く文章は、半分が事実中心で、半分が主題中心です。

 題名で言えば、「私の家族」とか、「私の宝物」とかいう題名は、普通は事実中心になります。
 しかし、小学校高学年のよく書ける生徒は、こういう題名を事実中心に書くのでは、ものたりないと思うのです。
 そこで、いくつかの事実をまとめる、より抽象的な主題で結びの感想を書こうとします。
 その感想の書き方が、「わかったこと」や「一般化の主題」です。
 こうなると、これは、もう半分小論文です。

 高校生が、同じ題名で書く場合も、「私の家族」だったら、「家族とは(人間にとって)……である」という大きい視点から見たまとめ方になるのが普通です。
 高校生が、「私の家族」という題名で、「私の家族はとても仲良しです。(おしまい)」となったら、その文章がどれほど上手でも、ものたりないと思うはずです。

 高校生を教えている先生は、高校生しか教えたことがないから、「作文と小論文は違う」などと言えるのです。
 小学生を教えている先生は、小学生しか教えたことがないから、作文の評価をミニ小説のように見てしまうのです。
 言葉の森は、小学生から高校生まで教えているので(正確には幼児年長から社会人までですが)、作文と小論文を一体のものとして、より作文的なものからより論文的なものへと進んでいく過程として見ています。
 だから、作文と小論文を言葉の上で分けることなく、まとめて、「作文」と呼んでいるのです。

 さて、その(小論文も含めた)作文試験の進化の方向です。
 最初のころの作文試験は、身近な題名課題でした。
 「○○学校時代の思い出」「これまででがんばったこと」などという題名です。
 この題名課題のいいところは、出題が簡単なことです。
 そして、受験する生徒が少なければ、こういう題名課題でも十分に作文力の評価はできるたです。

 しかし、こういう題名課題は、少し練習すれば誰でも上達します。
 言葉の森で勉強していれば、誰でも合格作文を書けるようになります。
 そうすると、今度は採点が大変になります。
 受験生のほとんどが合格レベルの作文を書くようになると、こういう題名課題ではやっていられなくなります。
 そこで、作文試験は、単純な題名課題から、より複雑な条件を伴う作文試験へと流れは進化していったのです。
(つづく)
小学456年生の勉強と生活の本
おすすめ→ 小学456年生の勉強と生活の本
小4・小5・小6の勉強の仕方、生活の仕方をくわしく解説。
小学生におすすめの本を、「物語」「説明文」に分けて紹介。
 

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
受験作文小論文(89) 

コメント欄

nane 2019年1月3日 6時41分  
 作文試験の課題を見ると、学校ごとにさまざまな傾向があります。
 よく考えた問題を作っているところもあるし、あまり考えていない問題を作っているところもあります。
 よく考えた問題を作っていると思ったところは、いいことだから実名で書きますが、白鴎高校附属中の作文試験の問題でした。
 あまり考えていない問題を作っていると思ったところは、実名は挙げませんが、やたらに長い文章を読ませて、国語の記述問題のようなものをたくさん入れて、時間不足で点数の差が出るような問題を作っているところでした。
 条件反射力の試験のようでした(笑)。


森川林 2019年1月3日 6時41分  
 作文試験の今後の方向は、条件を決めて書くことになると思います。
 しかし、これも良し悪しで、例えば、「三段落で書きなさい」という条件などを出しているところは、場合によっては、三段落でなければ大幅に減点とするところも出てくるのではないかと思います。
 試験というのは、こういう実力とはあまり関係のないところで評価されるところがあります。
 だから、作文試験などは特にじっくり評価することとが必要になります。
 そのためには、複数の作文を書かせて、複数の人が評価する仕組みにすることです。
 しかし、それよりも現実的だと思うのは、作文試験のかわりに、その子が受験前の1年間に書いた作文を12編提出させることです。
 小学6年生以上ならキーボード入力もできますから、毎月1本1200字の作文を書かかせて、それをテキストで提出させれば、きわめて正確な文章力や思考力の評価ができると思います。


コメントフォーム
作文試験の進化の方向(その1) 森川林 20190103 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
みむめも (スパム投稿を防ぐために五十音表の「みむめも」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

(za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
新着コメント1~3件
夏のオンライン nane
 言葉の森の少人数オンラインクラスは、未 7/3
夏のオンライン 森川林
 夏のオンラインスクールを開講します。 7/3
エデュナビで「 nane
 私は、言葉の森の設立当初から、教育の目 6/26
……次のコメント

オープン教育 1~3件
オープンの川
鳥の村 1~3件
鳥の村
虹の谷 1~3件
虹の谷
過去の記事

過去の1~30件目を表示
■作文の書き出しの工夫は、情景の書き出しで 1月2日
■新年明けましておめでとうございます 1月1日
■習い事が多くて時間が取れない子(その2) 12月31日
■小1から小6の1.1週の授業の動画をアップロードしました 12月30日
■数学が役に立つとき 12月30日
■けん玉、暗唱、読んでいる本の紹介(発表学習クラス)【動画】 12月29日
■電車の好きな子は、好きな電車を生かした学問を【動画】 12月28日
■「聞く勉強」から「話す勉強」へ【動画】 12月27日
■【合格速報】茗溪学園中学校 12月26日
■実験・研究・創造・発表の学習で新しい学力を育てる【動画】 12月26日
■お父さんお母さんに聞いた話(寺オン作文の授業から)【動画】 12月25日
■習い事が多くて時間が取れない子 12月24日
■小3の作文課題「どきどきしたこと」の発表例【動画】 12月24日
■ほかの子がやっていると自然に自分もできるようになる【動画】 12月22日
■【合格速報】長野市立長野中学校 12月21日
■「小学生のための読解・作文力がしっかり身につく本」(中根克明著 かんき出版)2月5日から、全国の書店で発売! 12月20日
■言葉の森の今後の方針(その1) 12月20日
■12.4週の寺子屋オンラインの授業の動画 12月19日
■【合格速報】白百合大学文学部 12月17日
■小1~小6の12.3週の授業の動画をアップロードしました 12月15日
■【合格速報】慶應義塾大学総合政策学部 12月14日
■アマチュアの時代 12月13日
■受験作文の直前アドバイスのお知らせ 12月11日
■オンライン教育と創造教育 12月11日
■学力の二つの道とそれぞれの個性 12月9日
■災難に逢う時節には災難に逢うがよく候 12月6日
■作文は、子どもたちの学力を全面的に育てる 12月6日
■【重要】言葉の森への電話は、フリーダイヤル0120-22-3987へ【訂正12/6 18:33】 12月6日
■【合格速報】東京薬科大学生命科学部 12月5日
■【合格速報】國學院大学人間開発学部 12月5日
……前の30件
RSS
RSSフィード

カテゴリー
全カテゴリー

QRコード


通学できる作文教室
森林プロジェクトの作文教室

リンク集
現在作成中です。
Zoomサインイン
ソースネクスト
FJNBP-1337-6644-8260-5410




 
小学生、中学生、高校生の作文(2007年4月まで)
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。