小学校低学年までの子供たちは、お父さんやお母さんを基準にして暮らしています。だから、この時期は、親の言うことをよく聞きます。
しかし、小学3年生から、次第に親よりも友達を基準にすることが多くなり、その状態が中学2年生くらいまで続きます。
中学3年生になると、自我が成長してくるので、友達という他人よりも自分自身の内面が基準になってきます。
したがって、小中学生の勉強を軌道に載せるためには、友達関係を生かしていく必要があります。
江戸時代の寺子屋で多くの子供たちが早朝から昼過ぎまで素読やなぞり書きのような単調な学習を続けられたのは、一緒に机を並べる多数の友達がいたからです。つまり、一緒に同じことをする仲間がいると、退屈なことでも続けられるのです。
「見える学力見えない学力」を書いた岸本裕史さんが始めた家庭塾でも、運営がうまく行くコツは、やはり友達が数人集まるということでした。ただし、その代わりに、私語は厳禁という明確なルールがありました。子供たちの集団学習に、先生や親という大人が必要なのは、子供たちだけでは必ず最もお喋りな子に全体が引きずられるからです。
教育法制化運動の向山洋一さんの著書に、受験時代に経験した集団学習の効用の例が載っていました。向山さんは、受験生時代、友達の家に行って一緒に勉強をしたそうですが、ただ一緒にいるというだけで、互いに別のことを黙々とやっていたそうです。そして、勉強が終わって帰るときに、二人で囲碁や将棋をして短いおしゃべりを楽しんだということです。
このような例を見ると、勉強でも仕事でも、長時間続ける意欲は、同じことをしている誰かが一緒にいるというところから来ていることがわかります。ところが、友達と一緒に勉強するという環境が、個人ではなかなか用意できません。岸本裕史さんが提唱したように、近所の家族どうしの持ち回りで家庭塾を開くというのが理想ですが、狭い住宅環境という問題や、少子化で近所に友達が少ないという問題で、なかなか簡単に集まって勉強するという仕組みは作れません。
そこで、ほとんどの家庭は、近くの学習塾に子供を通わせるようになります。家で子供がひとりで勉強するだけでは、すぐに飽きてくるからです。しかし、学習塾の問題は、勉強が他人依存になりがちだというところにあります。
自分のペースでできる自習を家庭で行えるようにし、しかも家庭をネットでつなぎ、同年齢の子供たちが一緒に勉強している様子がわかるようにして、先生も(時には親も)そのオンエアの勉強に参加できるようにするというのが寺子屋オンエアの構想です。
現在、寺子屋オンエアに参加されるモニターを募集しています。詳細をお知りになりたい方は言葉の森までお問い合せください。
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第七は、森林プロジェクトです。。
先に書いた、第一から第六までの企画を、森林プロジェクトの中でも実現させていきたいと思っています。
その森林プロジェクトが、これから広がっていく背景とビジョンを説明します。
その説明とは、これからの世の中の流れがどう変わるかということです。
自分たちの生活がどう変わるかということ以上に大事なことは、子供たちの未来の生活がどう変わるかということです。そして、未来が大きく変わるとしたら、そのための準備を今からしていく必要があります。
これまでの社会を仮に旧社会、これからの社会を仮に新社会と呼ぶとすると、新社会に向けての準備は、あるところまでは旧社会における準備と重なっています。
例えば、基本的な学力をつけるというのは、旧社会でも新社会でも差はありません。しかし、その先が違ってきます。
旧社会では、子供たちの教育は学力の向上から始まり、やがて受験勉強へと進みます。その受験勉強の先にあるものが、安定した高収入の限られた恵まれた職業となっているところが、これから大きく変わります。
旧社会での恵まれた職業というものは、新社会では必ずしも恵まれた職業とはなりません。旧社会とは全く違う新しい職業が、新社会での恵まれた職業になります。
現代の子育ては、その新社会の方向も見ながら進めていく必要があります。
では、新社会はどのような特徴を持っているのでしょうか。
最も大きな影響力を持っているものは、ネットによる都市化の進行です。その都市化がネットの中で世界的な規模で広がっていきます。
ネットによる都市化は、リアルな都市化よりも更に稠密な都市化になります。
都市の特徴は、高い人口密度を背景に、多数のニッチな産業が成り立つところにあります。例えば、田舎には小さな本屋しかありません。それも、よく売れそうな雑誌だけが主に並んでいるような本屋です。だから、これまでは若者は田舎に住みたくなかったのです。
これに対して、都会では大きな本屋があるだけでなく、専門書に特化した本屋も成り立ちます。人口密度が高いので、個人の多様な要求に応えることができるのです。
しかし、ネットの本屋は、都会の本屋よりも更に専門化細分化しても成り立ちます。それは、ネットがきわめて人口密度の高い空間だからです。アクセスの回線さえ太ければ数千万人が一か所の店に入ることもできます。
だから、ネットでは、さまざまなカラーの専門店が成り立ちます。このカラー化の根本には、売り手の感性があり、その感性のもとには売り手のパーソナリティ(人格)があります。
ある一つのカラーにこだわる売り手が、その同じカラーにこだわる買い手に商品を提供するという形で商売が成り立ちます。人口密度が高くしかもまだ資本主義的な大企業が登場していないころの江戸時代の社会と同じような環境が、ネットの中で広がりつつあります。
この無数のカラフルな感性の登場が、新社会の特徴です。それは、その外見だけの変化ではなく、いずれ経済の根本を大きく変える力を持っています。
(つづく)
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受験というのは、定員があるために、実力があっても不合格になる子がいます。
不合格は、誰でもうれしいものではありません。ただの点数が低かっただけなのに、まるで自分の人格が否定されたような感覚になるからです。
しかし、そこで、すぐに立ち直る子もいます。
それも、これまでよりもずっと元気になって立ち直るのです。
どうしたら、そういうことができるかというと、次のような考え方がすぐできるからです。
「僕が(私が)せっかくがんばってテストを受けたのに、その自分の実力を見られないない学校なんか、もう行ってやらない」
「あと何年かしたら、やはりこの学校に受からなくてよかったと言えるように、これからやっていこうっと」
もちろん、こういうことが言えるためには、がんばって受験勉強に取り組んだということが前提になります。
がんばったからこそ、不合格になったことに納得が行かず、そこから、自分で逆転する発想を生み出していくのです。
そういう子は、必ずそのようにがんばっていきます。
だから、何年かのちには、その学校に合格しなくてよかった、と本当に言えるようになります。
だから、受験というのは、合格を目標にしてがんばるからこそ、不合格になっても無駄にはなりません。
そして、強い子にとっては、不合格になった方がずっと大きな実りのあるものになります。
もちろん、合格で力のつく子もいます。
それは、合格によって更にがんばろうという気持ちになるからです。
すると、新しい学校での友達関係も、自然に前向きの子どうしでつながるようになります。
この友達との関係の中で、更に力がついていきます。
いずれの場合も、もとになっているものは、本人の意識です。
だから、本人の気持ちさえしっかりしていれば、あらゆることがよい結果だったということになるのです。
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昨日、簡単に紹介した記事の続きです。
第四に、プレゼン作文発表会です。
これは、作文を発表する機会を作るためのものですが、単に作文を読むだけの発表ではなく、その作文に関係のある画像や音楽とセットにして発表するという企画です。
これからの表現は、文字による情報だけでなく、文字以外のビジュアルな情報で物事を伝えていくことが必要になります。
そして、みんなに理解してもらい納得してもらうために書くという作文の本楽の目的をはっきりさせることによって、作文を書くための動機を持たせたいということです。
今の子供たちは、点数化されることに慣れているので、点数がつけられない勉強に意欲を持てない傾向があります。点数以外の動機として、みんに発表するという要素を取り入れていきたいと思っています。
第五に、寺子屋オンエアです。
全国の学力テストで毎回上位県にある秋田県、福井県などの特徴のひとつは、家庭が3世代同居で、子供が学校から家に変えると、祖父母が待っているという環境があることです。
多くの家庭では、学校から帰るとすぐに宿題や家庭学習を済ませ、それから遊びに行くという生活のパターンができています。このため、どの子も、日常的な学力が高く保たれているのです。
これに対して、都会では、核家族と共働きの環境が一般的なので、子供は家に帰っても、その場ですぐに勉強するということができません。そのため、学校から帰るとすぐに習い事に行くという形になりやすく、家庭学習の習慣がなかなか作れません。
そこで、言葉の森では、子供が学校から帰ってすぐに、家庭で学習ができるようなネットワークの仕組みを考えています。それが、寺子屋オンエアです。祖父母が家庭でにいるだけでなく、友達も家庭に来ているという感覚で、ネットワークを使って家庭学習を行えるようにしたいと考えています。
第六に、オンエア機能を利用した公立中高一貫校講座です。
公立中高一貫校の受験対策は、教科書や教科書に準拠した参考書をもとに、家族との対話や実際の経験で思考力をつけ、読解力と記述力をつけるというのが基本です。
受験直前には、これに加えて、問題の難易度を判断し時間内に解くための時間配分をするという工夫も必要になってきます。しかし、いちばんの基本は、思考力、読解力、記述力です。
公立中高一貫校講座は、いろいろな学校の過去問をもとに、家庭で考えるための素材を提供する形で進めていく予定です。
(つづく)
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言葉の森は、作文の専門教室です。ところが今、作文から発展する形で、新しい企画を次々に行っています。
第一は、自習検定です。
これは、長文暗唱の自習に目標を作るためにスタートしたものですが、家庭で他の自習も行っている人も多かったので、長文暗唱以外の自習検定も行うようにしました。
それが、漢字読み、算数問題、英語暗唱です。今後、作文検定、読解問題検定、問題集読書検定なども行っていく予定です。
第二は、学力テストです。
これは、外部の模擬テストですが、小学校低中学年のうちから、客観的に自分の学力を把握しておいた方がいいので開始しました。
今は、年に数回学力テストを行っているだけですが、今後は成績が悪かった教科に対するアドバイスなども行っていく予定です。
第三は、実行課題集です。
これは、小学校低中学年の作文の課題を、家庭での遊びや行事の取り組みを通して探してくるという企画です。
まだスタートしたばかりですが、体験とセットになった作文は、子供たちのいい思い出になると思います。
(つづく)
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