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記事 2478番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/26
読書は、好きな1冊を何度も、じっくりよりも早く、易よりも難で as/2478.html
森川林 2015/11/25 07:33 


 読書の仕方は、もちろん自由ですが、読むことで力がつくのは、次のような読み方です。

 第一は、次々と新しい本を1回しか読まないという読み方ではなく、好きな本を何度も繰り返し読むことです。
 お母さん方の中には、「同じ本ばかり読まないで、もっと別のいろいろな本を読みなさい」というアドバイスをする人もいますが、そういう必要はありません。
 自分の好きな本を読む中で、その本の内容が頭に入るだけでなく、その人のものの見方や考え方も形成されるのです。

 第二は、じっくりゆっくり読むのではなく、何しろ早く最後まで読み切るということです。
 本というものは、最後まで読んで初めて全体像が頭に入ります。最後まで読み切ることで、途中までのわかりにくかったところもわかるようになるのです。
 最初からじっくりと読んで、なかなか最後まで行かないと、その本の全体像がかえってつかめなくなります。
 まず最後まで読み、そのあとに、必要に応じて繰り返し読むという読み方がいいのです。

 これは、国語の文章題を解くときも同じです。特に、入試の問題文は、最初のところがわかりにくくなっていて、最後のところまで来ると初めて全体の話がわかるという作りになっているものがよくあります。
 読むことに慣れていない子は、この最初のところを理解しようとして時間をかけてしまうことが多いのです。

 第三は、易しい本を数多く読むよりも、数は少なくていいので難しい本を読むことです。
 小中学生のころは、読みやすい本でなければ読書が進まない面もありますから、易しい本でもかまいませんが、高校生や大学生になったら、自分で自覚して難しい本を読むようにする必要があります。
 難しい本というのは、高校の歴史の文化史の部分に出てくるような古典と言われるような本です。こういう本を1冊読む時間があれば、普通の本は10冊ぐらい読めます。しかし、難しい本を読むことによって考える力がついてきます。
 具体的に言えば、岩波文庫や講談社学術文庫に収録されているような本です。
 特に、日本の大学では、勉強は高校時代よりも楽なことが多いので、自分で意識的に難しい本を読むことによって力をつけていく必要があります。

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読書(95) 

記事 2477番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/26
遊びによる子供の個性の発見のためには、他の家族の遊び方を参考にすることも必要 as/2477.html
森川林 2015/11/24 02:39 


 個人的な話になりますが、私(森川林)は子供のころ、電気屋さんごっこという遊びが好きでした。狭い建物の天井の上に入って、そこでいろいろな配線をするという設定の遊びです。一緒に遊んでいた友達はすぐ飽きてしまいましたが、私はその遊びをいつまでもやっていたいと思ったものです。

 もうひとつ心に残っているのは、漫画の画面で、鉄人28号が恐竜と対戦する場面です。その恐竜は実はロボットで、恐竜が炎に包まれると、表面の皮膚が燃えて、中の金属の機械的な仕組みが現れるのです。それを見たときに、この「美しい表面の内部にある機械的な精巧な仕組み」というものに少し感動した覚えがあります。

 どうしてこういうことを思い出したかというと、今の自分の仕事をふりかえったとき、やはりそういう裏方の仕事が好きだということに気づいたことがあったからです。きれいな表面の背後にある裏の複雑な配線や機械的な仕組みということに関心があるのです。

 プログラミングの初歩的な勉強をしているとき、for構文を2つ組み合わせてわずか数行で、例えば1から100までのマトリックスが作れることを知ったときも、やはり同じような感動を覚えました。
 だから、中学の技術家庭でプログラミングを教えるようになると、この勉強に熱中する子も多いだろうと思ったのです。しかし、学校ではまだあまりそういうことはやっていないようですが。

 さて、このような人間の何かに対する性向は、持って生まれたものではないかと思います。
 その本来の性質を伸ばす形で仕事ができれば、その人の人生が充実するとともに、社会全体も豊かな多様性を持つようになります。

 この本来持っている個性を発見し育てるものが、さまざまな遊びです。
 そのためには、遊びにも、新しいものに挑戦するという要素が必要です。いつも同じ遊び方をしているだけでは、その子の新しい個性はなかなか見つかりません。
 そして、新しい遊びへの挑戦というものは、ある程度親が道を作ってやらなければ、子供だけで見つけるのは難しいのです。

 それは例えば、何かの工場見学に行かせたり、工作キットや科学実験キットで遊ばせたり、小動物を飼ったり、野外で生活する経験をさせたりというようなことです。
 親は、普通自分が経験した範囲のことしか考えつきませんから、他の家族との交流の中で、新しい遊びを開発していくことも必要になります。
 言葉の森では、そういう情報交換のひとつの場として、facebookグループの「親子で遊ぼうワンワンワン」を作っています。

 勉強は答えのある世界ですから、正しい勉強法と一定の勉強量で、誰でも同じように必要な学力をつけることができます。
 今は、正しい勉強の仕方と、必要な勉強量が確保できていない場合も多いので、ここでも親の工夫が必要になりますが、遊びによる個性の発見は、答えのない世界ですから、更に親の工夫が必要になります。

 また、現代では、遊びの世界も、例えばスポーツや音楽に見られるように、その一つの分野だけで試合やコンクールが目標になり、子供の生活のバランスを崩す場合もありますから、ここでも親のコントロールが必要になります。

 この勉強による学力の向上と、遊びによる個性の発見が、子供の人生の両輪で、そのバランスを取っていくのが親の役割になると思います。

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遊び(6) 

記事 2476番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/26
帰国子女の漢字の勉強は作文で as/2476.html
森川林 2015/11/23 03:21 


 漢字の書き取りの勉強は、意外と時間がかかります。
 大人は、自分が子供だったころやはり時間をかけて身につけたことを忘れているので、子供が漢字を正しく書けないと、つい書き取りの勉強をさせれば何とかなると思いがちです。
 しかし、漢字の書き取りの勉強は、子供にとってはやる意味が感じられないので続けるのが難しいものなのです。

 そのときに役に立つのが作文です。
 生活の中で使う漢字は、常用漢字約2000字のすべてではありません。養蚕や炉端や象牙や籠城などは、日常生活で使う場面がほとんどありません。そのかわり、新しく常用漢字表に入った挨拶や曖昧は、意外とよく使います。

 漢字の書き取りは、自分がよく使う漢字についてだけ手で書けるようにしておき、あとは必要に応じてパソコンの漢字変換で正しく選べるようにしておけばよいのです。正しく選ぶためには、書くよりも読む力をつけておくことです。

 自分がよく使う漢字は、自分の書く作文の中に出てきます。
 作文を書いていて、その文章の中で漢字にできるもの、あるいは書き間違えたものを、1文字について40回書いて覚えるのです。40回というのは、1行20字の原稿用紙で2行分できりがいいからです。
 漢字は熟語で覚えるものですが、書き取りのときはその間違えた1文字だけを取り上げて繰り返し書いて覚えます。

 ところで、漢字の書き間違いは、本人が自分で気がつくことはありません。間違えて覚えているから、自分ではわからないのです。
 これは大人でも同じです。本人は正しいと思って書き間違えているのですから、第三者の目が必要になります。

 高校生で成績はよいのに、小学校4、5年生で習う漢字を間違えて覚えているという人が結構います。
 中学や高校での漢字のテストは、中学や高校で勉強するものが中心で、小学生のころの漢字は滅多に出てきません。
 今はよくできる高校生でも、小学生のころは勉強などあまりせずにのびのびと遊んでいたということが多いので、そのころ習う漢字が身についていないことがあるのです。

 しかし、高校生になって改めて小学校の漢字から勉強し直すということはなかなかできません。
 だから、毎週作文を書く練習をしている人は、その自分の書いた作文の中で間違えた漢字だけを直していくという勉強法でやっていけばいいのです。
 これは、帰国子女の漢字の勉強の場合に、特によくあてはまることだと思います。

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touko 20161012 77 
日常的には使わない漢字の学習、海外に暮らす日本人親の共通の悩みだと思います。読みは読書で、書きは作文で、少しずつでも伸ばしてあげたいと思います。

touko 20170224 77 
帰国子女にとって漢字は一番のハードルです。書くことで間違いを発見しするのは、効率的ですね。

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帰国子女(12) 漢字(17) 

記事 2475番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/26
外国人にとって日本語を学ぶのは意外と簡単 as/2475.html
森川林 2015/11/22 10:45 


 日本語は、読み書きになると漢字などがあって難しくなりますが、聞き話すことに関しては、他の言語よりもずっと簡単です。

 「日本語が世界を平和にするこれだけの理由」の著者である金谷武洋さんによると、日本語が簡単なのは、第一に文法が簡単だからです。
 例えば、名詞の性別がなく、冠詞もありません。
 動詞は、主語によって形が変わりません。例えば、be動詞が、I am、You are、He is……などと変化することがないのです。

 第二に、発音が簡単だからです。
 日本語の音素数は、あいうえおの母音と、KSTNHMYRWの子音、濁音のGZDBP、拗音の小さい「ゃゅょ」、撥音の「ん」、促音の小さい「っ」など、合計22ぐらいです。
 これに対して、英語は45もあります。
 だから、日本語は同音異義語が多く、ダジャレなども作りやすいのです。

 このように簡単な日本語でありながら、世界中の書物が次々と翻訳され、日本語だけで学問の世界がカバーできます。
 しかも、金谷さんによると、外国人が日本語を学び、日本で生活していると、本人が気づかないうちに優しい性格になり、話し方も穏やかになるというのです。
 また、日本を訪れる外国人の多くが日本を好きになります。

 このような日本と日本語のよさが、これから更に世界に広がっていくと思います。

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外国人と日本語(4) 

記事 2474番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/26
作文指導も今後はネットの中で――森林プロジェクトの未来 as/2474.html
森川林 2015/11/21 10:02 


 言葉の森が作文教室を始めたころ、作文教室というような教室はどこにもありませんでした。そういうニーズ自体がなかったのです。
 私(森川林)は、普通の勉強なら独学でできるものだと思っていました。だから、普通の勉強は、国語でも算数数学でも教えるつもりはありませんでした。
 これに対して、作文の場合は、他人の目でないと自分の作文を評価することができません。だから、作文だけは教室があるべきだと思ったのです。

 最初のうちは、作文を勉強したいという子がいないので、ほとんど人が集まりませんでした。しかし、ちょうど2000年のころ、インターネットが広がりだすと、インターネットの通信で参加する人が増え出したのです。

 ロングテールという言葉があります。リアルな店舗だと、年に1回か2回しか買われないようなものは、置いておくスペースがもったいないので店には並べられません。よく売れるものだけが、狭い店舗に並びます。

 しかし、人間のニーズには、誰でも同じようによく買うものと、買う人がきわめて少ない個性的なものとがあります。
 その個性の狭い先端が、長いしっぽのように伸びている状態がロングテールで、インターネットによって、その先端のニーズにまで情報が届くようになったのです。

 作文の勉強は、地域で通えるぐらいの距離のところにいる人ではマーケットが小さすぎるので教室としては成り立ちません。(今は、成り立っていますが)
 しかし、インターネットを経由すれば、世界のすみずみの小さいニーズにも直接情報が届くので、こういうロングテールの教室も成り立つようになったのです。

 しかし、ここまでは、どこでもよくある話です。
 ネット技術の発達によって、1人の先生が、世界中にいる子供たちを教えるということができるというのは、今のMOOCなどでも既に行われていることです。

 今起きている新しい変化は、先生が生徒に教えるという形ではなく、子供たちが相互に交流できる場が生まれ、その交流を生かす勉強ができるようになっているということです。
 先生の役割は、教えるというよりも、それらの交流を建設的なものに組み立てる仕組みづくりになります。

 もっと大きな目で見ると、これまでのような生産者が消費者に対して物を売るという形ではなく、消費者自身が生産者に働きかけ生産に関与するという流れが生まれているのです。
 しかし、この動きを生かす方法は、まだ充分に開発されているとは言えません。

 言葉の森では、今後、このネットを使って生徒が参加できる形の勉強を進めていきたいと思っています。
 そのひとつが、プレゼン作文発表会です。
 また、この生徒が主体的に参加する仕組みを、作文以外の教科の勉強に広げたものが寺子屋オンエアです。
 更に、この仕組みを勉強以外のさまざまな活動に広げるものが、これから企画するオンエア特別講座です。
 これらの新しい教育を、地域で作文指導を進めている森林プロジェクトの人たちと協力して作っていきたいと思っています。

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