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12月の森リン大賞と上位入賞者の紹介(小5の部、小6の部) as/4919.html
森川林 2024/01/10 07:55 



12月の森リン大賞と上位入賞者(小5の部227人中)


数年前のことに 清書
あきぬい
 どの国の食事にも様々な制限や規則が習慣として存在する。米の飯と他の食べ物との日本食における関係は並列的・同時的であり、西洋諸国の食事文化は通時的展開方式の性格が強い。文化の単位を成している個々の項目は、他の様々な項目との間で一種の引っ張り合い、押し合いの対立をしながら、相対的に価値が決まっていくものである。ぼくが一番共感したところは、どの国の食事にも様々な制限や規則が習慣として存在するというところだ。

 ぼくは幼稚園のとき、メキシコに一年半住んでいたことがある。ぼくの家の道路を挟んで向かいの家が犬を飼っていた。犬種はチワワのような小型犬だった。その犬がいつも放し飼いにされていた。だからぼくが家に帰るときや出かけるときは、必ずぼくの家の門まで追いかけて来てワンワン吠えた。だから、怖くて外に出たくないほど嫌だった。メキシコでの犬の飼い方は、殆どが放し飼いでリードを付ける習慣が無い。それは日本では考えられない。その犬は、いつもしつこく郵便屋さんのバイクの邪魔をしながら隣を並走していたので、郵便屋さんに何度も蹴られていた。ぼくは、危ない、といつも思っていた。母は、いつか車にひかれる、と言っていた。その予言は的中した。ある日、「キュァーーーン。」と物凄い犬の鳴き声がしたので窓から外を見ると、車の後ろに犬が横たわっていた。犬が車の後ろを追いかけていたところその車がバックしてきたので、ひかれて死んでしまったようだった。飼い主は慌てて家から出てきて、「オーノー!」と叫んで泣き崩れていた。その様子は、まるでこの世の終わりのようだった。ぼくは母と「そりゃそうなるよね。」と話していた。何故犬は放し飼いにされているのだろうか。メキシコでは、犬に自由を与えるために放し飼いにしているのではないかと思った。一方日本では犬にとって多少不自由でも犬を全ての危険から守るためにリードを付けているのではないだろうか。だから、この犬が死んでしまったことは仕方がないと思った。ぼくなら、犬を危険から守るためにリードを付けることを選択すると思う。これは日本人特有の考え方なのかもしれない。犬一つにとっても国によって価値観が違うということがこの出来事からもよく分かった。

 母が文化や価値観の違いを痛感したことは、メキシコでの生活で、メキシコ人は大雑把だ、と思ったことだ。住んでいた家のガラス窓の隙間から雨が入ってきていた。雨季に入っている時期のメキシコの大雨は激しかったので、雨が降るたび床がビチャビチャになっていた。母は業者を呼んだ。母はてっきり、業者が窓の隙間を何かでふさいでくれるのかと思っていた。すると、業者は電動ドリルを取り出して窓のサッシに穴を開け始めた。母は慌てて業者を止めようとしたが、業者は自信満々に作業を続けた。結局、窓に穴は開き、不思議なことに水は家に入らなくなったそうだ。しかし、新たな問題が発生した。その穴から蟻が入り込むようになり、ある日蟻が大行列を作ってリビングを横断していたのだ。母はその問題を仕方なく受け入れて、メキシコ人の家に対する価値観の違いを痛感したそうだ。母にその話を聞いてぼくは思った。日本は正確に家が造られていて、雨水も虫も家に入ってこない。少しの不具合があると、すぐに修理し完璧な家にしようとする。メキシコの家は隙間だらけで雨水も虫も家に入ってくることもある。でもそれはメキシコ人にとっては気にならないのかもしれない。メキシコ人は陽気で大らかだ、と母が言っていた。そのような気質があるから、家に対する価値観も日本とは違うのだろう。国によって気質が違えばものの考え方や価値観も変わる。そのことを認めて受け入れることは他の国の人と関わる上で大事なことだと思った。

 郷に入っては郷に従え、ということわざがあるように、国それぞれによって気質や文化やものの価値観に違いがあるのだ。大切なことは、それを理解した上でそれぞれの国の人たちに合わせて柔軟に対応していくことだ。ぼくは将来父のように他の国の人と関わりを持つことがあるかもしれない。そのときは、その国の人たちの価値観を認めるようにしようと思った。まずぼくが出来ることは、それぞれの国のことを知ることだ。そのために地理や歴史や英語を学ぶことが重要だと思った。

順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1数年前のことに 清書あきぬい80176748728289
2ある日5つになる(感)改 清書あかそよ80121147597390
3おいしかったことまずかったことmomoka80117854736986
4新しい文化あえなえ79146448778184
5給食のまずいものあきよえ7992552577584
6僕の好き嫌いこうた77109646577283
7ある日、五つになる(清書)すりりんご7686148596677
8気持ちが伝わる手書きふうか7580944576489
9いろいろな食文化ほたか7360644566796
10人、それぞれあおほゆ7261844717384

12月の森リン大賞と上位入賞者(小6の部258人中)


朝寝坊
とむにゃん
 「・・・さい。」
 「・・なさい。」
 「・きなさい。」
 「起きなさい。起きなさい。」
 「もうちょっと寝るね。」
 「はっ!うそ!もうこんな時間なのいそげー?。」

 寝るというのはあっとういう間です。意識があって寝るのは長く感じたことはありますか?これから僕とぼくの母の体験について話します。

 僕は、1年生の時はよく朝寝坊をしていました。起きなさいと言われて起きたのが7時50分くらいの時がありました。その時に僕が、思ったのは
「なんで起こしてくれなかったのー。」
でも、後から母が言ったのは、
「何度も起こしたわよ。」
そう言われてしまいました。

 次に母のお話です。母は、中学か高校生の頃テストに疲れて金曜日の夜に寝て起きたのが日曜日の夕方に起きてまた眠ってしまい次の日にしっかり起きたのが月曜日の朝の6時でした。その話を聞いて僕は、

「よく1日以上寝ることが出来るね。僕じゃ絶対1日以上寝ることはできないよ。」

 僕は、寝るということで尊敬している生き物がいますそれは、人間以外の生き物です。

なぜ動物たちは、寝るということに制限がありませんでも寝るのに制限がないけど寝るということがとても難しいです。動物たちは、自然界に住んでいるから寝るための布団、寝床を確保する必要があります。でも今は、人が木の伐採のせいで動物たちのすみかが奪われてしまいます。そのいい例としてクマが挙げられます。これから熊の寝ることすみかの状況について話します。

 熊は、人と比べて100日くらい寝ても死ぬことはありません。人は、100日くらい寝るとカルシウムである骨が解けて屍になってしまいます。でも熊は骨が頑丈だから生きることが出来るのです。そして次は、すみかのことについてです。熊は、昔は、温暖化がまだ進行していなかったころは、熊も冬眠ができていて今と比べてとても平和でした。でも今は、温暖化で冬眠していたはずのクマが目覚めて熊は動きます→おなか減ります→気温のせいでご飯がありません→食べ物を探しているといつの間にか人里に出てしまいます→そして人に襲い掛かってしまいます。それを人が怖がり熊たちを殺してしまいます。この文章はクマのことを言っているから熊が悪いように見えるけど僕が思う限りでは人の方が悪者だと思います。なぜなら人の出した排気ガスや工場の煙で地球温暖化が起きてしまう。そのせいでクマが目覚め理不尽に殺されてしまいます。熊だけではありません。日本カモシカ、ラッコ、クロマグロ、ウミガメなどの生き物は人間の身勝手さで失われた命がたくさんあります。そういう子たちを1匹でも多くの命を助けなくてはいけないと僕は思います。

 話を変えて朝寝坊に移ろうと思います。朝寝坊は、僕にとっては幸せなことです。でも本当にそれが幸せなのかはわかりません。長所があれば短所もあると僕は考えます。寝ると言えばこのことわざです。

“寝る子は育つ”

意味は、名前の通り子供は早起きをするとすくすく育つという意味です。でも寝すぎると逆に良くないと僕は、さっき言いました。

 人は寝るは、1日の休憩であり極楽と思うだろう僕も兄もそう思っています。でも寝るということは安らぎだけではない最初に言ったとおり寝るは、天国を一気に地獄に落とすものである。それが寝るということの恐ろしいところだと僕は思います。

「起きなさい。」

 今日もまた家族の誰かを起こす母の声は家中に響き渡っていることでしょう。

順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1朝寝坊とむにゃん87143363739281
2やっぱりしたい、してもいい ー清書ーあえかわ87221859738384
3人は生まれながらに(清書)あえもま87237368687284
4人生ポッポ86113454818496
5勉強は興味からゆう85114154818486
6夢中になれることの大切さかんこ85129451757889
7勉強の意味あかれせ85115559697286
8ある日、五つになる(清書)あきこさ83123857748389
9最強の武器こだぬきポン82115547757893
10議論する社会を作っていくためには「清書」あんこ82105454837683

 2023年12月の森リン大賞のページです。
https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php?nenn=2023&tuki=12

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12月の森リン大賞と上位入賞者の紹介(小3の部、小4の部) as/4918.html
森川林 2024/01/10 07:42 


 森リン大賞は、森リンによる採点で高得点になった作品の中から、代表作品を選んでいます。

 小学1、2年生は、上位入賞者は表示していません。
 小学3、4年生は、上位入賞者は表示していますが、代表作品は表示していません。
 小学5年生からは、上位入賞者と代表作品の両方を表示しています。

 代表作品は、1位であることが多いですが、必ずしも1位になった作品ではなく、上位入賞作品の中から、特に優れた作品を表示しています。

 小学1、2年生や小学3、4年生で、表示を限定していたのには理由があります。
 第一に、小学4年生までは、生徒本人がパソコンで入力できる人が少ないためです。
 第二に、小学4年生までは、自分らしく書くことが楽しい時期なので、そこに競争で勝つとか負けるとかいう要素を入れたくなかったからです。

 小学5年生から、生徒は向上心を持つようになります。
 すると、他の生徒の作品を見て、自分も努力したいと思うようになります。
 それで、代表作品の表示は、小学5年生から行うことにしていました。

 しかし、小学1、2年生や小学3、4年生でも、同学年の生徒の作品を見たいという人が多かったと思います。
 そこで、1月4週の清書からは、小学1年生から上位入賞者と代表作品を表示するようにします。

 保護者の方は、優れた作品を見ることが参考になるということで、森リン大賞を見てください。
 勝ち負けを競うようなことは、低中学年のうちはなるべくしないように家庭で配慮していかれるといいと思います。


12月の森リン大賞と上位入賞者(小3の部174人中)

順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1世界の破滅バーンあきひろ72111846738773
2本当のやさしい友だちさゆり6987042475789
3アインシュタインのせんそうのあとのことゆうたろう6854039516287
4初めてのお店は赤字だったよあかたよ66112439556787
5きびしい道を進んだアインシュタインたいせい6638944485996
6たん生日に家族であえたし6129038515568
7きょうのかいじゅうとトッポのたたかいおぐらたかき5811938435092

12月の森リン大賞と上位入賞者(小4の部217人中)

順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1生き物の一生たくみ771179415482100
2思い出の宝物清書ゆき7785851657589
3スポーツは努力のかけらだあかれも7681946606886
4スイミングと友達あきはな74101442516486
5わたしのアメシストあえほあ7359844637489
6大切な化石いわそう7263946597887
7危険な技 清書あえやひ7270846626481
8協力とはみさ6960152525886

 2023年12月の森リン大賞のページです。
https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php?nenn=2023&tuki=12

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【合格速報】海城中学校 as/4917.html
言葉の森事務局 2024/01/09 18:16 
海城中学校 K.R.さん

<保護者様より>

 2分間スピーチの原稿は、先生からいただいたアドバイスを盛り込み、何度も何度も練習し、本番に挑みました。先生のご指導には、大変感謝しております。誠にありがとうございました。

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小学3、4年生までの作文で身近な話がひととおり書けることと、小学5、6年生の感想文で考える作文が書けることとは質的に異なる。小学生で終わる作文指導ではなく中学生、高校生まで続く作文指導を as/4916.html
森川林 2024/01/09 04:56 

日本水仙


●動画:https://youtu.be/QhQgVqVAlF4

 小学4年生までの作文の勉強は、普通に読む力がある子であれば、その読む力に応じて普通に書けます。

 あまりに普通に苦もなく書くので、お母さんの中には、「作文の勉強は、もうこれでいいや」と思ってしまう人も多いと思います。

 しかし、小学5年生になると、作文の課題は、説明文の感想文中心になります。
 すると、そこで、考える感想を書ける子と、小学4年生までの事実中心の作文しか書けない子との差が出てくるのです。

 では、小学4年生のころに、小学5年生の課題を先取りすればいいかというと、それは年齢的にできません。
 小学5年生は、物事を抽象的、構成的に考えることができますが、小学4年生ではまだそういうことはできないからです。

 更に、中学生の課題になると、構成を考えて書く練習になります。
 このときに、例えば、意見の裏付けになる理由を書ける子と、理由ではなく実例しか書けない子との差が出てきます。
 この差は、抽象的な語彙力を持っているかどうかの差です。

 しかし、教える先生は、だからだめだというようなことは言いません。
 子供の成長には、時間がかかります。
 年齢に応じて読む力をつけていけば、誰でも難しい課題を書く力がついてきます。

 そのためには、説明文の読書を中心に読む力をつけていく必要があります。
 そして、小学校高学年からの生徒は、自動採点ソフト「森リン」の点数をひとつの指標にしていくといいのです。


 小学生までの作文指導しかできないか、中学生、高校生までの作文指導ができるかどうかが、作文の指導力の差になります。

 今日、1月9日の朝日小学生新聞に、作文通信教育講座ブンブンどりむが広告を載せていました。

 よくがんばっていると思いますが、この作文通信教室の対象は小学生までです。

 小学3、4年生までの作文指導は、ある程度誰でもできます。
 難しいのは、小学5、6年生になってからの作文指導と、中学生、高校生になってからの作文指導です。

 ブンブンどりむの監修者である齋藤孝さんの「こども文章力」を読むと、作文指導の中心が、小学校低中学年までになっていることがわかります。
 この本に例文として載せてある作文も、小学3年生が書いた作文という設定になっています。

 だから、このレベルの作文指導法をいくら読んでも、高学年の作文指導はできません。 まして、中学生、高校生の作文指導などは、遠い未来の話になってしまいます。


 現在、小学3、4年生で、「もう作文は、大体書けるからいいや」と思っている人は、その先に続く作文の勉強を考えてみてください。

 考える力をつける作文は、小学5年生から始まります。
 そのため、小学4年生まで一応作文を書けていた生徒が、小学5年生になると急に書けなくなることがあります。

 書けなくなるということは、考える力が必要になるということですから、小学5年生以降の作文の勉強をすることで、考える力がつくのです。

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森川林 20240109  
 私は、人を批判することは好きではありませんが、学校の先生や保護者の方が、作文の勉強とはこういうレベルでいいのだと考えてしまうのは、子供たちの作文の質を低下させると思うので、あえて批判的なことを書かせていただきました。
 反論があれば、ぜひどうぞ。

kazeso 20240109  
作文の書き方をいくつか見比べてみると、みな、言葉の森の指導方法を参考にしている様子が見受けられますね。初めにこれだけのアイデアを考えて体系化したこと自体が素晴らしいと感じます。

もし可能であれば、教材の一部をアップデートすることで、より効果的な学習ができるのではないでしょうか。

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記事 4915番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/28
作文の勉強は高校生まで続けよう――忙しいときでも続けたひとつの習い事は、学力だけでなく子供の人間力を成長させる as/4915.html
森川林 2024/01/08 17:22 

ナデシコ


●動画:https://youtu.be/kodUPfwdf7E
※最初にアップロードした動画は音声が割れていたので、新しく入れ直しました。

 2月になると、学習塾の新しい募集が始まります。
 小学校3年生、4年生の人は、塾に通うようになることが多いです。

 現在の中学受験では、塾で詰め込まないと対応できません。
 しかし、小学校低学年から受験を目指した塾に入れるのは、かえって子供の成長にとってマイナスになることが多いです。

 ところで、小学校3、4年生から塾に行くようになると、これまでの習い事と、どう両立させるかという問題が出てきます。

 結論を言えば、中学、高校まで長く続けられるような習い事ならば、塾が忙しくなっても両立させることがあとで生きてきます。

 特に、作文は、現在でも、高校生まで続けている生徒が多いです。
 それらの生徒のほとんどは、小学生から作文の勉強を続けてきた生徒です。

 確かに、塾に通うようになると、生活時間は忙しくなり、ほかのことをする余裕がなくなります。
 しかし、忙しくて大変だと思うのは、最初の数ヶ月の間で、やがて子供も親も、その塾のペースに慣れてきます。
 だから、最初の大変な時期を工夫して乗り越えていくことが大事です。

 なぜ習い事を続けることが、意味があるかということに関して、参考になる記事がありました。
====
勉強ができる子の家庭ほど「塾以外の習い事」を大切にしている意外な理由
(日米で学習塾を経営し25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成しているTLC for Kids代表の船津徹氏)
https://news.yahoo.co.jp/articles/a73fdfa7e91273c32ebd6125484963723b0347e9

 どんな習い事でも、上手になるには長い時間と根気が必要です。試行錯誤を重ねた末、ついに結果を出せて「自分はできる!」という自信がついた――。習い事でこんな経験ができれば、同じように努力と忍耐が必要な受験勉強でも、必ず活かせます。

 優秀な子が育つ家庭で習い事を大切にする理由は、子ども時代に勉強と習い事を両立するという困難を乗り越えさせることで、失敗や挫折に屈しない強靭な「メンタルタフネス」、そして、何事にも向上心を持って「やり抜く力」を育むことができるからです。
====

 実際に、忙しい時期にも、何らかの習い事を続けてきた生徒は、入試でも、最後の踏ん張りがきくことが多いです。
「自分は忙しいときでもやり続けたんだから」という自信がつくからです。

 逆に、忙しくなったからやめるということを簡単に決めると、子供は忙しいときや大変なときはやめてもいいのだという感覚を持つようになります。
 すると、その後の人生でも、大変だからやめようという発想を簡単にするようになることが多いのです。

 だから、目先の合理的な判断でどちらがよいかという基準で決めるのではなく、子供の人間力を成長させるためにどういう選択がいいかという長期的な基準で決めることが大切です。
 そういう姿勢は、日常生活のさまざまな面で表れてきます。
 それが子供を真の意味で成長させる条件になるのです。

 実際に、言葉の森の作文で高校生まで続けている生徒は、たとえ途中は細々ととしか続けられない時期があったとしても、また、途中でやむを得ずやめる時期があったとしても、高校生まで続けたことによって生き方の自信ができているように思います。


 では、それぞれの学年の作文で何が大きく変わるかを見てみましょう。

 小学1、2年生は、楽しく書く中で、正しく書く力を身につける時期です。
 この時期に、毎週作文を書く習慣ができます。
 この習慣ができると、多少大変な時期があったとしても、長く勉強を続ける姿勢ができます。

 小学3、4年生は、表現豊かに、個性的な作文を書く時期です。
 この時期に、小学校時代の記念に残る傑作が生まれます。
 実際に、作文の字数が最も長く書けるようになるのは、小学5、6年生ではなく小学4年生です。
 小学4年生は、生活作文の完成の時期にあたるのです。

 小学5、6年生は、感想文の学習が増えます。
 この感想文のもとになる長文は、中学入試の難しい説明文と同じレベルの文章なので、読むだけで読解力がつきます。

 また、この難しい説明文をもとに、子供が両親に似た例を取材する機会を作れば、その対話を通して思考力、語彙力が飛躍的に伸びます。

 そのためには、保護者が、できれば次の週の感想文の課題に事前に目を通しておき、土日の家族の団欒(だんらん)の時間に、作文の課題についての話をする習慣を作ることをおすすめします。

 中学生になると、学校での作文の授業がなくなるところが多いです。
 それは、中学生の作文を指導する方法も、そのための時間も、今の中学にはないからです。

 中学生の作文になると、小学生まで上手に書けていた子が、急に書けなくなることがあります。
 それは、作文の構成の仕方という新しい概念が、最初は理解しにくいからです。

 しかし、中学生の3年間で書く作文の書き方を身につけると、それはそのまま大学入試の小論文を書く力になります。

 大学入試の小論文は、すべて中学生の作文の構成の仕方で書くことができます。

 ただ、中学生は学校のテストや部活などで、最も忙しくなる時期でもあります。
 そこで、時間を有効に使って作文の勉強を続けるために、ChatGPTを利用した作文の勉強の講習会を行うことにしました。
 こういう新しい技術を生かして、毎週、難しい文章を読み、考え、書くという練習を続けていくようにしてください。

 高校生の作文は、意見文ですが、構成の仕方が高度になります。
 また、感想文のもとになる長文も、かなり難しくなります。

 高校生の感想文のもとになる長文は、大学入試の現代文の説明文のレベルですから、現代文の読解の練習になります。

 この高校生の作文の課題を毎週1200字以上書くと、他の勉強では得られないような思考力、語彙力が身につきます。
 これは、大学入試の小論文だけでなく、社会に出てからも役に立つ能力になります。


 さて、では、子供が時に弱気になって、「つまらないから作文をやめたい」とか、「忙しいから作文をやめたい」と言ったときは、どう対応したらいいのでしょうか。

 そういうときこそ、お母さんやお父さんは、自信を持って、「作文だけは大事な勉強だから続けるんだよ」と言えばいいのです。
 そのひとことで、ほとんどの子供は納得して勉強を続けるようになります。

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●国語の勉強法
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●中学受験国語対策
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