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作文教育では、指導と評価を対応させることが大事――森リン3.0の項目評価の思想 as/5455.html
森川林 2026/02/21 09:20 



https://youtu.be/mUYIr92r_3M

●従来の作文評価のブラックボックス性

 私が40年以上前に子供たちの作文教室を始めたときに感じたことは、これまでの作文評価の弱点でした。

 私は小さい頃から読書好きだったので、文章を書くような勉強は自然と好きになっていました。
 小学2年生のあるとき、学校で作文の授業があったのだと思いますが、その授業のあと、先生に自分の作文を読まれて、「中根君は本をよく読んでいるから」と言われて褒められたのを覚えています。
 しかし、どういうところが良かったのかということは、もちろん分かりませんでした。

 従来の作文評価は、褒められれば嬉しいが、なぜ褒められたのかが分からない、褒められない子はどうしたら褒められるようになるのかが分からない、という「先生の評価」というブラックボックスの中で行われてきたのです。

●指導と言葉を一致させた評価の原則

 そこで、自分が作文指導をする場合、子供でも明らかに分かるような言葉で指導し、その明らかに分かる言葉だけで評価をすることにしました。

 つまり、指導したことができていたら褒めるが、指導していないことができても、特にそれを評価するわけではないということにしました。
 このやり方のいいところは、作文が得意な子はもちろん、作文が苦手だという子も努力できるということです。

●努力が報われる評価が継続を生む

 この指導法と評価法によって、どの子も作文を書くことに負担を感じにくくなり、長く勉強を続けるようになりました。

 作文力の上達は、長く続けることにありますから、その結果、苦手だった子が次第に楽に上手な作文を書けるようになっていったのです。

 このように、評価は必ずその評価の前提としての指導を伴うこと、指導に対応した評価のみをすることを、教育の基本とすることが大切だと分かったのです。

●「パターン化」批判への考え方

 しかし、このように「指導の型」を決めてその型に沿った評価をしていくと、反発する人も出てきます。
 反発する人の多くは、書くことを職業にしていたり、書くことに自信を持っていたりする人たちです。

 そういう批判の多くは、「パターン化した書き方になっている」という言葉です。

 しかし、パターン化は目的ではなく手段です。
 誰もが書きやすくなるための手段も、その型に慣れるまでは、自分の文章として消化されずに、取って付けたような型となることがあるのです。

 しかし、その型をもとに書くことによって、どの子も文章が上手になっていきます。

●教育は結果ではなく過程である

 教育とは、成長する過程であって、最初から結果を求めることではありません。
 大事なことは、教育の結果だけを見ることではなく、教育を過程として考えることです。

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森リン3.0に内容評価の実験 as/5454.html
森川林 2026/02/20 09:15 



https://youtu.be/j_2jjTJ-8Yo

 森リン3.0に内容評価も組み込むようにしました
 連休明けまでに、完成する予定です。

 評価する内容とは、次の5種類です。

・個性(その人らしい、ほかの人にはない、個性的な経験、感想があること)
・挑戦(その人にとって新しいことや難しいことに挑戦したこと、又は挑戦しようとしていること)
・感動(その人が感動したこと、又は、感動的に見たり聞いたり感じたりしていること)
・共感(その人が、自分の弱点や失敗や後悔や葛藤などを正直に書いていることで、読み手が共感するようなこと)
・笑い(その人らしいユーモアや笑いが感じられること)

 試しに、ある作文を取り上げて森リンに講評(150字)を書いてもらいました。
 以下は、森リンの講評です。


 「成果のために頑張り続けることに疑問を持ち、やる気を失ったこともしばしばあった。」という一文には、迷いや葛藤を正直に見つめる姿勢が表れており、読み手の強い共感を呼びます。また「入試は自己推薦での挑戦だ。」と自ら道を選び取ろうとする姿には、あなたの前向きな挑戦心がはっきりと感じられます。揺れながらも自分の価値を問い続けるところに、この作文の大きな魅力があります。


 対象にした作文は、1月の中3の森リン大賞第1位の作品です。

====
いざというときに

 久しぶりに学校へ行くと、クラスは受験一色になっていた。その勢いに少し怖気付くも、動じていないふりをして席につく。本の上の小さな文字たちがぼやけてくるのを眺めながら、焦らなくてはいけない時が来たのだとじわじわ気づくのだった。

 人間はふだんはのんびりやっておき、いざというときに全力を出せるように生きていくべきだ。

 第一の方法として、いざというとき全力を出すために、ふだんから幅広い教養を身につけておくことだ。調べてみると、教養とは「学問・芸術などにより人間性・知性を磨き高めること。またそのことによって得られる豊かさ」だそうだ。思っていたより抽象的である。振り返ってみると、私が行っている教養を深めいそうな活動は多い。ギターや語学学習、針仕事に幅広い読書、茶道など日々毎日行うことに加え、交流会や講座にも足を運んでいる。

 学校に行かない日々というのは案外暇で、自分のしたいことを心ゆくまま追求できる。一生懸命勉強するわけでもなく、スケジュールを管理するわけでもない私は、一日の大半を興味のあることに費やしてきた。

 しかし、毎日知識や技術を高めても、蓄えたものを披露する場がなく、感じることのできない成果のために頑張り続けることに疑問を持ち、やる気を失ったこともしばしばあった。

 そんな葛藤を抱えながらも、この春私は高校生になる。入試は自己推薦での挑戦だ。学校の成績は出なくても、今まで深めてきた教養を生かして挑戦した数検や英検、中国語に習字などを武器に頑張りたいと思う。今まで蓄えたものたちがようやく披露される時が来たのは喜ばしいことである。

 いざというときに自分の出せる札を多く揃えるために、後悔しないためにふだんから幅広い教養を深めることが大切だと強く感じた。

 第二の方法として、社会が成果だけでなく、意欲や好奇心、可能性も評価することだ。

 トーマス・エジソンは幼い頃、好奇心が強すぎるあまり、小学校を退学させられ、その後は家庭で学び「発明王」になったそうだ。

 現代においても依然として私たちは目に見える結果で人を判断しがちである。受験に就職、転職などといった自己アピールの場では、皆資格や実績を並べ、自分の価値を示そうと必死になる。

 だが、私たちはその人の本質を見抜けているだろうか。私たちは表面的な成果だけを評価していないか立ち止まって考える必要があると考える。例えば、大きなキャベツを買ったものの中身がスカスカだった、という経験は珍しくない。また小さいキャベツでも中身が詰まっていておいしいということもある。

 人の価値も同様に、肩書きや見た目だけでは測れない。エジソンも学校では評価されなかった好奇心や探究心、意欲が強みとなり、1300個にも上る発明をした。好奇心や可能性を評価することで、新たなものが生まれる社会、成長できる社会づくりにつながると思う。

 確かに日々の努力が評価されると嬉しい。

 しかし、「知識がはしごを作ったのではなく、2階に上がりたいという熱意がはしごを作ったのだ」という言葉があるように、日々内申点を気にする生活より、自分の好奇心を探究し、熱意を蓄えていく方が大切なのではないかと考える。目まぐるしく変わる世界だからこそ、私はふだんから教養と熱意を育て、いざというときに自分らしく全力を出せる人でありたい。

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言葉の森 事務局 2026/02/19 10:08 
都立文京高校 O.M.さん

<担当講師より>

 小2から中3まで8年間、作文を本当によく頑張りました。
中学生になると部活が忙しくなったけれども、事前に課題を読み、授業では自分の考えをしっかり述べてくれました。「自分の頭で考え、自分の言葉で伝える力」を身につけたことは、これから先の人生において、Mさんの武器になるはずです。
大好きなバレーボールでの活躍も楽しみにしていますよ。

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