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教育改革の一丁目一番地は、作文教育と読書教育(その2) as/5482.html
森川林 2026/03/18 10:32 



https://www.youtube.com/watch?v=iOXd2tpjU-0

前回は、「教育改革の一丁目一番地」として作文教育の話をしました。
https://www.mori7.com/as/5481.html
 今回は、読書教育の話をします。

●学年別「推薦図書検定」の構想
 
 読書教育として言葉の森が計画しているのは、生徒のそれぞれの学年に応じて行う推薦図書検定です。推薦図書検定は、小学1年生から高校3年生まで、それぞれの学年の子供たちに読んでほしい本、人気があるとともに内容も深い本で、日本の歴史や文化に根ざした本のリストを作り、それをもとに図書検定を行うという仕組みです。図書のリストはオープンソースとして公開し、様々な人の意見を反映しながら定期的に更新していけるようにします。

●「何を読んでもよい」から一歩先へ
 
 現在は、読書というと、単に本の形をしたものならば何でも読んでいればいいというような大まかな読書観があります。それは、これまでの読書環境ではやむを得ない面がありました。しかし、朝の10分間読書のように、子供たちが自分の意思で何を読んでもよいという形の読書運動でも、その中で子供たちの読書力は向上していったのです。その読書の内容を、更に推薦図書という形で方向づけ、その本を読んだ結果をAIを通して確認するというのが推薦図書検定の方法です。

●AIによる多角的な評価と特許出願
 
 AIを活用すると、ある本の内容についていくつかの選択問題を作成することができます。また、ある本の内容の一部について記述問題を設定することもできます。その記述問題や選択問題は、AIが本来の模範解答との類似点を数値化して評価することができます。この評価は、単に模範解答に一致していればいいというのではありません。模範的な解答とある程度離れていることが、その生徒の独創的な読み方になるからです。



●独創性と客観性のバランス評価
 
 しかし、独創性の度合いが大きすぎると、それは本の内容を十分に読み取れていないという可能性もあります。その独自性と類似性をある一定の範囲で評価し、推薦図書検定の評価を行うというのが推薦図書検定の考え方です。これは、すでに特許を出願しています。推薦図書検定の評価の例を挙げると、例えば小学1年生の推薦図書には、「かいけつゾロリ」などの楽しい本でありながら、文章もしっかりしているものを選ぶことができます。

●AIによる問題の自動更新と公平性の担保
 
 「かいけつゾロリ」のある場面を取り出して、「そのあと、ゾロリたちはどうしたのでしょう。(1)……、(2)……、(3)……、(4)……」というような選択問題を作ることができます。このような問題作成は、AIが登場する以前は、人間が考えて作ることしかできませんでした。そして、毎月の問題を変えていかなければ、先にやった生徒と後にやった生徒の間に不公平が出る可能性があります。だから、毎月問題を更新する必要があります。それをAIの力で自動的に行うようにするのです。

●成長段階に合わせた設問設計
 
 ところで、小学校低・中学年の推薦図書検定では、本の内容を読み取れているかどうかを見るだけなので、答えやすい選択問題で済みます。しかし、小学校高学年、中学生、高校生の推薦図書検定の場合は、本の内容の読み取りとともに、その生徒がどれだけ深くその本を自分のものとして読み取り考えたかを見る必要もあります。そこで、選択問題だけでなく、記述式の問題を2つの方向で行います。



●「類似度」と「相違度」で測る思考の深さ
 
 1つは、その本の内容に関する質問です。内容に関する質問は、AIの用意した模範解答と類似度が高ければ読み取れているということになります。しかし、もう1つの「本の内容を自分なりに読み取り考えているか」については、AIの模範解答があったとしても、その模範解答と離れている度合い、つまり「相違度」がその生徒の独自の考え方の表れになります。この類似度(参照度)と相違度(展開度)のバランスを見るのが、記述式問題の評価の方法になります。

●思考力と創造力を育む教育改革へ
 
 本の内容全体について感想を書くようなことは作文検定で行うので、推薦図書検定は本の内容に即しての選択式問題と記述式問題が中心になります。このようにして、日本の学校教育をこれまでの知識の評価中心のものではなく、思考力と創造力を見る形のものに変えていくのが、今後の教育改革の大きな方向になります。入試問題についても、知識の評価中心の入試ではなく、読書力と作文力を中心にした評価にしていく必要があるのです。



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教育改革の一丁目一番地は、作文教育と読書教育(その1) as/5481.html
森川林 2026/03/17 15:35 



https://youtu.be/DocDYZohw3U

●教育改革の提案に新しさが乏しい理由

 日本の教育の問題点についていろいろなことを述べている人はいますが、どうしたらいいかということに関する提案で新しいものはあまりありません。

 問題点を述べている人の多くは、自分の子供時代に受けた教育から連想して、今の教育に、昔の教育の良かった面を取り戻すようにすればいいのだと考えがちです。

 しかし、そもそも今の教育に生まれている問題は、世の中の発展に応じて生じてきた問題ですから、単純に昔の良かったはずの教育を上乗せすることはできません。

 また、教育の問題は、その教育を必要とする人々のニーズによって生まれている面がありますから、教育の仕組みだけを単独に変えるのではなく、今の社会の仕組みを生かしながら、社会と教育を同時に変えていく必要があるのです。

●受験教育を否定せず、中身を変える

 今の教育に対する保護者のニーズは、子供が、いい学校に入り、より良い生活を送れるような状態になってほしいということです。
 この受験のための教育は否定することができません。
 だから、受験のための教育であっても良いのです。

 ただし、その受験のための教育が、子供たちの学力や能力を本当に伸ばすものである必要があるのです。

 今の受験教育は、知識の詰め込み教育を前提としているという批判があります。
 だから、知識の詰め込みを必要とする受験教育ではなく、子供たちの思考力、創造力を伸ばすような受験教育であれば良いのです。



●知識偏重の採点が思考力育成を妨げている

 今の受験教育が知識の詰め込みになっているのは、採点する側の都合によるものです。
 ○×式に還元されるような知識であれば、機械的に採点することができるからです。

 基本的な知識の習得はもちろん必要です。
 しかし、それはある程度までで十分であって、90点を95点にしたり95点を100点にしたりするような、最後の最後まで知識に基づくような試験である必要はないのです。

●総合型選抜入試が抱える評価の難しさ

 学校関係者、特に大学の入試に携わる多くの人は気づいています。
 そのために、かつてのAO入試や現在の総合型選抜入試が生まれてきたのです。

 ところが、基本的な知識の習得と組み合わせた総合型選抜入試が必ずしも理想どおりにいっていない理由は、総合型選抜の評価が難しいことによるものです。
 真に評価したい学力は、思考力や創造力や意欲であるはずですが、それらの評価をわかりやすく実現する手段が乏しいのです。

●作文評価が思考力・創造力の測定手段になる

 そこで、言葉の森が提案するのは、作文教育を普及させ、作文力をその人の思考力や創造力として評価する方法です。
 それが言葉の森が現在行っている森リン3.0による作文評価システムです。※

 作文といっても、単に題名課題で文章を書くだけでなく、ある文章の読解に基づいて感想文としての作文を書くという方法が、小学校高学年以上の作文指導の中心になります。

 だから、書く力だけでなく、必然的に読む力も必要とされるようになります。



●作文検定を学校教育の中心に位置づける

 この新しい作文評価をAIの活用と組み合わせながら実現しているのが、森リンを活用した作文検定の仕組みです。

 作文検定は、単に受験の合否を判定するだけでなく、小学生から高校生までの日常的な学習に生かしていくことができます。
 つまり、作文教育を学校教育の中心に位置づけることができるようになるのです。

 日常的な作文教育を組み入れた学校教育が、これから必要とされる日本の新しい教育改革の中心になります。

 知識の習得という基本的な学力は引き続き維持しながら、それに加えて思考力、創造力を伸ばす仕組みを教育の中に作っていくのです。

●AIを活用することで作文指導の負担を解消する

 これまでの学校教育の中で、そのような作文教育が十分に行われてこなかったのは、作文教育を先生という人間の力だけで行おうとしてきたからです。
 作文教育を本格的に行うには、先生にとって指導と評価の負担があまりにも大きかったからです。

 これからは、森リン3.0をもとにした作文教育と作文検定を、学校教育における思考力と創造力育成の主要な方法として行っていく必要があるのです。

 言葉の森は、この作文教育とともに、新しい読書教育の方法も計画しています。
 その話は、次回に述べたいと思います。(つづく)
( https://www.mori7.com/as/5482.html )

※森リン3.0の仕組み

 森リン3.0は、作文の中に使われている語彙を思考語彙・知識語彙・表現語彙・経験語彙などに分類し、一定のアルゴリズムで評価する仕組みを基本としています。
(本システムは特許を取得しています。)

 さらにAIを活用することで、作文の構成・題材・表現・主題・表記の各項目に加え、個性・挑戦・感動・共感といった内容面の要素も評価し、作文の内容に即した600字の講評を作成します。



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