ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 577番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/14
公立中高一貫校の作文入試対策 as/577.html
森川林 2009/08/04 11:09 
 ↓ 作文体操。左から、意見→展開1→展開2→展開3→まとめ。


 公立中高一貫校の入試では、考える問題が出されます。作文の入試も、考える形の問題が特徴になっています。

 その考える問題を大きく分けると次のようになります。

・学校生活や家庭生活に関する問題。これは、生活文よりもむしろ意見文の形で出されるところが増えています。「学校で協力して何かを成し遂げた経験」など

・人間の生き方や人生論に関する問題。身近な出来事としてどのように生きるかを問う問題です。「努力や継続の大切さ」など

・身近な時事問題。子供が考えることのできる時事問題なので、宇宙、環境、福祉などの話題で、「君ならどうするか」と問う問題です。大学入試で出るような社会性の高い難しい時事問題は出ません。

・比較文化論や言語言葉に関する問題。これは、国語の入試問題にもよく出てくるので、入試問題自体が資料として使えます。

・象徴的な課題。「空」「窓」「山」など漠然とした問題です。


 どんなジャンルが出ても、共通して対応できる勉強法があります。


 勉強法の第一は、対話です。家族の対話によって問題意識や身近な実例を身につけていきます。特に時事問題は、時事問題集のような本で学ぶよりも両親の話を通して学んだ方が確実に応用力がつきます。

 第二は、実際に作文を書くことによって、自分が使える体験実例や知識実例の整理をしておくことです。予想されるテーマについてとりあえず10本作文を書いておくことが目標です。あるテーマで一度書いておくと、似たジャンルの課題すべてに対応できるようになります。

 第三は、構成的に考える習慣をつけることです。これは言葉の森の勉強法の特徴です。大学入試の小論文でも使える構成は、次のような形です。

・最初に状況説明と意見を書きます。

・そのあと展開1、2、3と続きます。

・最後にまとめます。

 この展開部分は、原因、対策、理由、方法などそれぞれの課題に合わせてさまざまな形で書くことができます。

 文章構成を考えて書く習慣がつくと、どんなテーマでも迷わずに書き出すことができるようになります。


 作文入試対策でいちばん大事なのは、実際に書く練習をすることです。

 言葉の森では、1週間に1回作文を書く練習をします。

 そこで見つかった誤字は、20回以上書いて正しい書き方を覚えておきます。また自分が文章に使う言葉は、習っていない漢字も含めてできるだけ漢字で書けるようにしておきます。同じような言い回しが続いているところは、変化のある表現に直しておきます。そして、その直した原稿を頭に入れておき、同じテーマで何度も書く練習をしていきます。

 毎回新しい作文を書くのではなく、1週間に1回新しい課題に取り組み、その間はそれまでに既に書いたテーマで、同じように書けるかどうか試してみるという勉強していきます。


 作文というのは、勉強の集大成です。その子が持っている知識、経験、語彙などをすべて動員して文章という形に表す勉強です。

 その勉強の基礎になるものは、読書と暗唱と対話です。

 読書と暗唱と対話で力をつけて、実際に作文を書く練習で表現力を身につけるという勉強スタイルが、これからの時代の中心的な勉強の形になってくると思います。



(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
中高一貫校(11) 受験作文小論文(89) 公立中高一貫校(63) 

記事 576番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/14
新しい時代の読書と作文 as/576.html
森川林 2009/08/03 11:58 


 現在、私たちの周囲には、文字情報が溢れています。しかし、このような文字情報社会は、決して昔からあったものではなく、やはり歴史的に形成されてきたものです。

 過去には、例えばはるか昔の叙事詩の時代には、まだ文字だけではなく言語も未発達な時期がありました。このころに、大規模な集団が複雑な集団活動を行う場合の意思疎通は、文字はもとより、言語よりも、イメージによって行われていたのではないかという説があります。

 未来もまた、現在の文字情報社会のスタイルとは大きく異なった様相になることが予想されます。

 現代は情報を主に文字によって表す時代です。文字情報は、読む際には逐語的な理解の仕方が中心になります。また書くときも同様に、逐語的に書き表すという方法が中心になります。

 情報量の少ない時代には、そのような逐語的な読みの方法でも十分に間に合いました。葦編三絶という言葉があるように、同じものを何度も繰り返して読むだけの余裕があったのです。

 また、書くことに関しても、推敲という言葉に見られるように、一つ文章を何度も言葉を入れ替えて書き直すだけの余裕がありました。

 未来の社会では、現在よりもはるかに大量の情報を読み書くことが要求されるようになってきます。今までの読書や作文の仕方では大量の情報に追いつけなくなっていくことが考えられるのです。

 大量の情報に囲まれた時代に必要な読書や作文は逐語的な方法ではなく、全体を一括して丸ごと把握するような読み方や書き方のようなものになってくると思われます。

 全体を把握する読み方を学ぶ方法の一つとして、音読から暗唱へという学習の変化が考えられます。音読は、逐語的に十数文字を目で追いながら、頭で理解し、口に出し、そのつど理解を済ませながら先に進むという読み方です。

 この音読の方法が江戸時代の寺子屋教育でなぜ行われていたかというと、難しい言葉、例えば子供が四書五経などに出てくるような言葉を理解するためには、黙読よりも音読の方が言葉として認識しやすかったからだと考えられます。既知の言葉は黙読でも理解できますが、未知の言葉は発声を伴わないと理解しにくいからです。

 江戸時代の教育は、この音読(素読)を繰り返すことによって行われました。その結果として、文章を暗唱できるまでになった子もいたと思われますが、当時はもともと読む書物の量が少なかったので、暗唱という方法はそれ以上深く追求されませんでした。

 暗唱は、暗唱した文章を丸ごと一括して一目で把握するような読み方に繋がります。これからはこの暗唱教育を進めて、一読ですべてを理解するというような読み方が学ばれるようになってくると思います。

 現在、記憶術という方法で大量の情報を短時間で記憶するという勉強の仕方が流行しています。この記憶術は、使い方によっては逐語的な記憶の仕方になってしまいます。暗唱とは丸ごと全体を把握することですから、逐語的な記憶術に頼ることは暗唱の本来の目的とずれる学習になる可能性があります。

 全体を一括して読むという点で、もう一つは付箋読書という方法が考えられます。付箋読書とは、まず、フォトリーディングのような考え方で、一目で全体を眺めて必要な情報を取り入れるというような読み方をします。次に、付箋をつけながら読んだ箇所を再度読み直すことによって全体を把握するという読み方をしていきます。

 このような読み方で大量の情報を処理しながら、じっくり読むものは昔ながらの逐語的な読み方で読むというような使い分けがこれから行われていくと思います。

 書き方についても、逐語的に書く従来の方法ではなく、全体を一括して書くという書き方が開発されています。それは、書きながら考える従来の書き方とは違い、構成図によってあらかじめ十分考えてから書くという書き方です。また、構成図で全体を把握したあとに書く方法は、手書きでもパソコン入力でもなく、音声入力で一挙に書き上げるという方法になってくると思われます。

 読書や作文は、ほかの文化と同じように歴史的な存在です。未来の大きな方向を見ながら学習を進めていく必要があると思います。

(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)

マインドマップ風構成図
 記事のもととなった構成図です。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文教育(134) 教育論文化論(255) 

記事 575番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/14
読む力、書く力、遊ぶ力 as/575.html
森川林 2009/08/02 22:33 

 ↑ 夏の青空とケヤキの木

 これまでの教育は、知識を覚えることが中心でした。

 しかし、これからの教育技術の発達によって、ものごとを丸ごと把握する力を多くの人が身につけられるようになると、知識力の差は次第に小さなものになっていくでしょう。

 その後の時代に重要になるのが、人格力、創造力、表現力などです。これらは、読む練習と書く練習によって身についていきます。しかし、読み書きの力と同じぐらい重要なものがもう一つあります。それは遊ぶ力です。

 ルソーは、自分が子供のころに本を読みすぎたことが、自分の性格をアンバランスなものにしたと考えていました。その反省から、子供を自然に育てることを重視した教育論を主張しました。

 ルソーの反省は、現代にもあてはまります。子供のころに読む練習に力を入れすぎると、バランスのよい発達ができなくなることがあります。特に現代は、遊び自体が見る遊びになりがちです。テレビ、漫画、ゲーム、インターネットなど、見るだけで体をあまり使わない環境に置かれていると、勉強も読むことが中心で、遊びも見ることが中心になるという偏った生活になります。

 遊びの重要な要素は、手足など体を使って、現実や他の人間と交流することです。この交流によって、読みすぎや見すぎから来るアンバランスを回復していくのです。

 江戸時代の寺子屋の光景を見ると、勉強よりも遊んでいる子の方がずっと多い場面がかなりあります。この勉強と遊びを共存させる仕組みによって、江戸時代は当時の世界最高の識字率を誇りながら、人間的にバランスのとれた教育を行っていたのです。そういうことが可能だったのは、当時の勉強が、筆者や素読の反復という型を模倣することが中心だったからです。

 読み書きの反復学習と遊びの共存という学習の仕方は、夏休みなどの家庭学習について、大きな示唆を与えてくれます。

 今は、塾に行って授業を聞き問題を解いてくるというような勉強をする人が多いと思いますが、そのようなことに時間を使うよりも、気の合った友達数人で遊びながら、音読や暗唱や筆写の反復学習をすれば、手間もかからず、楽しく実力のつく勉強ができます。

 たぶん、将来はそういう寺子屋的な家庭学習をするところが増えてくると思います。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 子育て(117) 

記事 574番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/14
これからの学力―人格力、創造力、表現力 as/574.html
森川林 2009/08/01 22:18 

 ↑ 夜明け前の東の空

 未来の社会で、これから求められる学力を考えてみました。

 これまでの社会では、限られた入学定員と固定的な社会の階層構造の二つの条件から、知識力を中心とした入学試験が行われていました。その試験に合格すれば、よりよいパスポートが手に入るというような社会の仕組みになっていました。

 しかし、本当は、人間の知識力に点数で差がつくような違いがあること自体がおかしいのです。学校の成績が5段階評価などで分けられるということに、多くの人は慣れて当然のように考えていますが、本来は、ほとんどすべての子供が全教科満点になるような教育をするべきなのです。そして現在、教育技術の発達によって、人間どうしの知識力の差は次第に少なくなっています。やがて、知識の差でテストをするような競争に意味がなくなり、みんながよい成績を取れる社会がやってくるでしょう。

 そして同時に、将来は限られた入学定員ということに意味がなくなるような社会が到来します。それは、インターネットの発達によって、学ぶ場所と時間という制約が大幅に緩和されるからです。そのような時代に、どのような評価が人間に対して行われるのでしょうか。

 これからの知識産業社会の中では、どんな職業でも知識が必要になります。しかし、だからといって、知識が人より多ければ有利になるというわけではありません。それよりも、人格力がその人の評価を決めるというような社会になってきます。人格力とは別の言葉で言えば、勇気や知性や愛や思いやりに溢れた人間であるという力です。そして、これは江戸時代に多くの寺子屋教育によって目指されていた教育の目的でもありました。歴史は一巡して、江戸時代の教育の原点に再び戻るような時代になっているのです。

 しかも、未来の社会では、江戸時代のころの人格力にとどまらない、より豊かな学力を可能にする条件が生まれています。それは、自由な政治体制と、活力ある産業社会の中で、人間が創造力と表現力を発揮して、自分の個性を社会の貢献に結びつけることのできる社会という条件です。

 現在の英語、数学、国語、理科、社会などの教育は未来の社会でももちろん続きます。しかし、それらの学力で試験の点数をつけるというようなことに意味がなくなり、誰でもどの教科にも満点近い成績を取れるような社会がやってきます。そのような時代に必要な本当の学力として、人格力、創造力、表現力を育てていくことを今から考えていく必要があると思います。

(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
子育て(117) 教育論文化論(255) 

記事 573番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/14
作文力の土台となる読む力をつけるには as/573.html
森川林 2009/07/31 22:13 

 ↑ 池で遊ぶ、言葉の森の文鳥サクとブン(適当な名前ですが)

 作文指導をしていて感じることが三つあります。

 一つは、ほとんどの子が指導の初期に、見違えるほど上手になることです。苦手だった子がどんどん書けるようになるということで、先生も本人も感動する時期があります。

 もう一つは、しかし、ある時期から進歩が停滞する子と、進歩が続く子がいることです。これは、あとで述べます。

 そして、第三に、どんなに進歩が見えないような子でも、長く続けていると、必ず書くことに抵抗がなくなり書くことが好きになることです。

 さて、問題は、停滞する子と進歩する子の差です。その差は、ひとことで言えば読む力の差です。その学年にふさわしい読書をしている子(又は、音読や暗唱をしている子)は、その学年にふさわしい上達をしていきます。しかし、例えば、小学生のころは本をよく読み作文が上手に書けていた子でも、中学生になって中学生のころにふさわしい読書をしなければ、中学生としての作文力は伸びません。作文に要求される語彙力や思考力は年齢に応じて高くなっていくので、年齢に応じた読む力を育てていく必要があるのです。

 読む力を育てるためには、これまでは多読と難読しかありませんでした。

 本をたくさん読んでいる子、難しい本を読んでいる子は、例外なく読む力があり、考える力があり、作文も学年に応じて上達していきます。しかし、本をあまり読まない子に、「たくさん読みなさい」と言っても、「はい、そうですか」と読むようにはなりません。同じように、やさしい本ばかり読んでいる子に、「もっと難しい本を読みなさい」と言っても、すぐに読めるようにはなりません。多読と難読は、正しい方向なのですが、それを実践する方法が漠然としていて実行できる人がほとんどいないのです。

 そこで、多読と難読を補完するものとして考えられるのが暗唱です。

 暗唱は、単なる音読ではありません。目で文字を追いながら読む読み方と、空で読む読み方とでは、頭脳の使い方の質が違ってきます。暗唱で読んで、自分の手足のように自由に使える文章になったときに、初めてより深い理解力と表現力が育ちます。

 また、暗唱は、単なる記憶ではありません。記憶力を育てるという発想をすると、記憶術のような方法で能率よく覚えた方がいいという考え方も出てきます。文章を覚えることが目的なのではなく、文章を丸ごと把握する力をつけることが暗唱の目的です。

 多読や難読が自然にできている子でも、暗唱の習慣をつければ更に理解力と表現力が高まります。多読や難読ができていない子では、暗唱以外に読む力をつける方法はないと思います。

 作文の指導を一本の木を育てることと考えると、作文そのものを指導するのは枝葉や花を手入れすることです。読む力を育てるのが根を育てることです。受験までに時間がないというときは、枝葉だけの手入れだけで間に合わせるしかありませんが、長い目で考えれば、やはり根を育てることに力を入れていくことが勉強の王道です。

 家庭でどのように暗唱と読書を定着させるかというと、毎日の生活時間に組み込むのがいちばんいい方法です。朝起きたら、まず音読や暗唱をしてから(場合によってはそのあとゲームを15分してよいことにしてから)朝ごはんを食べるようにします。そして、勉強が終わって夜寝る前には、読書を50ページ以上してから(そのあと、遊んでもいいし、そのまま読み続けてもいいし、寝てもいいということにして)自由に過ごすようにします。朝起きるときと、夜寝るときは、どんな日でも同じように過ごすことができるので、毎日の習慣を作るには最適の時間帯です。

 勉強で最優先するのは、この音読、暗唱、読書です。それ以外の勉強が何もできなくても、暗唱と読書だけは続けるという生活をしていけば、学力の土台はしっかりできます。この学力の土台ができた子は、いざ受験などで勉強する必要ができたというときになると、塾や予備校に通わなくても自力で成績をどんどん上げていきます。

 作文力をつけるための読む勉強は、同時に学力全体を高めるための勉強にもなっているのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文教育(134) 教育論文化論(255) 

記事 571番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/14
楽しくできる。暗唱の仕方 as/571.html
森川林 2009/07/29 21:03 
 暗唱の仕方の絵の解説を作りました。

 暗唱の目的は、表現力をつけること、読解力をつけること、ものごとを丸ごと把握する力をつけること、です。

 ものごとを丸ごと把握する力というのは、記憶力とも記憶術とも違います。素直にものごとをありのままに受け入れる力です。これが将来の学力を形成します。

 毎日、長文を1ページ音読しよう。
 その週の課題を中心にするが、自分の好きなところでもよい。
 さらにできる人は、自分の好きな長文を暗唱しよう。
 1週間で300字暗唱する方法。
 1日目に読むのは4行100字ぐらい(小2までは5行ぐらい。以下同じ)
 2日目は、次の4行100字ぐらいを読む。
 3日目は、その次の4行100字ぐらいを読む。
 4日目は、12行300字ぐらいを全部通して読む。
 5日目も、6日目も、7日目も、12行を通して読む。
 1週間で12行300字が暗唱できるようになっている。
 1ヶ月で36行900字を読む方法。
 1週間目で、12行300字ぐらいを読む(小2までは15行300字ぐらい。以下同じ)。これはできそう。
 2週間目で、次の12行300字ぐらいを読む。これもできそう。
 3週間目で、その次の12行300字ぐらいを読む。これもできそう。
 4週間目で、36行900字ぐらいを通して読む。これはちょっと難しい。
 1ヶ月で900字を暗唱できたらすごい。
 4行100字ぐらいの区切りは、4行目に「。」があればそこまで。
 4行目に「。」がない場合は、前後の「。」で。
 4行目の前後に「。」がない場合は、「、」で区切ってもよい。
 暗唱する時間は、タイマーで10分間を計ってもよいが、
 暗唱の木を作って数える方法もある。
 暗唱の木の作り方は、まずA4ぐらいの紙を用意する(3枚は緑、1枚は赤だとなおよい)。
 3枚の緑の紙をこのように切る。
 その切り方は、まず二つに紙を折る。
 折り目の線の入ったところを切る。
 4つに分かれた最後の1枚をまた二つに折る。
 それをまた4つに折る。
 折り目の線の入ったところで切る。
 300字の暗唱の切り方は、このような形に切れていれば、できあがり。
 100字の暗唱用は、長い方の紙を縦に二つに折る。
 山折りの方を表にして、1センチぐらいに折っていく。
 15回ぐらいで全部折りたためる。
 100字を1回読むたびに1回ずつ開いていく。
 全部開いたら15回読んだことになる。これで約5分。
 続けて読みながら、今度は折りたたんでいく。
 全部折りたたんだら、30回読んだことになる。これで約10分。これを大枝と呼ぶ。
 3日間3本の大枝をY字型に組み合わせて暗唱の木を作る。
 4日目からは、300字暗唱用の小さい方の紙を折る。
 山折りを表にして1センチぐらいに折っていく。
 5回ぐらいで全部折りたためる。
 300字を1回読むたびに1回ずつ開いていく。
 全部開いたら5回読んだことになる。これで約5分。
 続けて読みながら、今度は折りたたんでいく。
 全部折りたたんだら、300字を10回読んだことになる。これで約10分。これを小枝と呼ぶ。
 4日間4本の小枝を、大枝の先にY字型にさす。
 1週間で暗唱の木が1本できる。
 コップにさして、置いておこう。(水は入れなくてよい)
 2週間で2本できる。
 3週間で3本できる。
 次は、A4ぐらいの赤い紙を縦に3等分に切る。
 その3等分の長さの正方形を9つ作る。
 折り目を入れると作りやすい。まず縦に大体3分の1に折る。
 三角に折りたたむ。
 裏返して、その三角を折りたたむ。
 さらに裏返して、三角を折りたたんでいく。
 次々に折り続ける。
 それを開くと、切り取り用の折り目ができている。
 900字暗唱用の切り方。
 900字の暗唱をしたら花を作る。まず、正方形を三角に折る。
 もう1回三角に折る。
 三角をふくらませる。
 裏の三角もふくらませてひし形にする。900字を1回読んだら、このへんまで作る。
 ひし形を狭く折りたたむ。
 裏も折りたたむ。900字を2回読んだら、このへんまで折る。
 上を丸く、はさみで切る。
 花の途中に横の折り目を作る。
 開くと花ができる。900字を3回読んだらここまで作る。これで約10分。
 9日間読むと9個の花ができる。
 暗唱の木の枝と枝の間にさすとできあがり。
 1ヶ月30日で、花の咲いた暗唱の木が3本できる。
 残った長い紙を二つに折る。
 それをまた三つに折る。
 細い長方形ができる。
 1回結ぶ。
 2回結ぶ。
 結んだところに3本の木をさしこむ。
 1ヶ月で900字の暗唱の木が完成。
 1週間ほどかざったら、長文のコピーと一緒にしてクリアファイルで記念の押し花にしよう。
 暗唱の木の見本(緑の紙だけで作ってある)。
 別の角度から見たところ。

 花の部分は、ツルや風船にしてノリなどでつけておいてもよい。
 ★ビデオは作成中。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
暗唱(121) 

記事 570番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/14
作文の上達は、読む力を育てることを通して―質問に答えて as/570.html
森川林 2009/07/28 14:07 
 保護者の皆様からいただいたご意見、ご要望に対するお返事の一部を紹介します。

 個々のお返事は、父母の広場に掲載しています。1件ずつ入れていますので、お返事が遅れる場合があります。



●「通学教室に通って意欲を持たせたい」という声に対して(小2保護者)

 現在、通学教室を全国に作る方向で考えています。(が、まだ時間がかかると思います)

 小学2年生の子が自宅で意欲的に取り組むようにさせるには、

1、毎日の暗唱や音読の自習を続け、言葉の森で作文の勉強をしているという意識が1週間続くようにする

2、暗唱や作文の結果について、お父さんと打ち合わせをしてときどき褒めてあげる

 「おっ、なかなかうまいなあ」「やっぱり声を出して読んでいるからだね」「こんなによくがんばった」「本を読むのが好きなんだね」など簡単な一言で。

3、子供が「やりたくない」と言ったときも決して迷わずに、「この勉強だけは絶対に続けるんだから」とはっきり言っておく

 そのうちに、ほかの人や学校の先生などから褒められる機会があると、子供はだんだん自信を持つようになってきます。

 自信を持たせるために、よく書けた作品はときどき小学生新聞などに応募されるといいと思います。


●「読み手の気持ちを考えて書けるようになってほしい」という声に対して(小3保護者)

 年齢としては、小3から小4にかけての時期に、読み手を意識した作文を書くようになります。

 ただし、その土台となるのは読む力です。語彙力が増えて、自分の言いたいことが自由に表現できるようになると、書くことが楽しくなります。

 この時期は、コンクールなどにもどんどん応募して、表現の機会を増やしてあげるといいと思います。

 しかし、作文の指導は、性急にやろうとすると、子供にとっては負担になります。

 例えば、「書き出しの工夫」や「たとえ」や「声顔動作の様子」などは、表現の工夫の練習ですが、語彙力がまだ十分についていないうちは、どうしてもありきたりの書き方になります。

 このありきたりの表現を個性的な表現にするのは、読む練習ですから、長い時間がかかります。作文指導の上だけで直そうとすると、子供は負担を感じるようになります。

 子供にしてみると、言われていることはわかるが、どうしたらいいかわからないという状態だからです。

 作文の力をつけるのは、スポーツや音楽の練習と同じで、長い時間がかかります。よいところを褒めて、暗唱や読書の自習を積み重ねていくことがいちばん近道になります。

 できれば、もっとゆったりと見ていただけるといいと思います。

 ただし、以上は、一般論です。

 具体的なアドバイスは、作文そのものを見ないと何とも言えません。

 よろしければ、作文を事務局にファクスで送っていただければ、より詳しいアドバイスができます。

 FAX 0120-72-3987(24時間)


●「文学作品の暗唱も載せてほしい」という声に対して(小3保護者)

 言葉の森の教材は、物語文よりも説明文に重点を置いています。

 その理由は、物語文は普段でも読む機会が多いが、説明文はあまり読む機会がないからです。

 そして、国語力の中心は、文学的な文章よりも論説的な文章の方にあるからです。

 ただし、日本の国語の試験では、伝統的に物語文で心情を問うスタイルのものが多いので、文学的な文章を読む力ももちろん必要です。

 教材については、今後バランスを考えていきたいと思います。

 暗唱は、暗唱する教材も大事ですが、それ以上に暗唱の仕方を学ぶということが重要だと考えています。

 言葉の森の長文で暗唱の仕方を身につければ、その方法で、自分の好きな文章を暗唱することもできます。また、中学生になれば、英語の教科書を暗唱することも抵抗なくできるようになります。

 無理に覚えようとするのではなく、回数を決めて繰り返すことが暗唱のコツだと子供さんが実感できるようになれば、それが暗唱のいちばんの成果になると思います。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文教育(134) 質問と意見(39) 

記事 569番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/14
作文の成功体験を重ねること―質問に答えて as/569.html
森川林 2009/07/27 08:31 
 保護者の皆様からいただいたご意見、ご要望に対するお返事の一部を紹介します。

 個々のお返事は、父母の広場に掲載しています。1件ずつ入れていますので、お返事が遅れる場合があります。



●「電話があるので、作文に取り組める」という声に対して(小2保護者)

 電話があることが勉強の取り掛かりやすさになっていると思います。

 この状態を維持するために、電話のあとすぐに始めるといやり方をこれからも続けていってください。

 何か用事があって、電話のあとすぐに書くのが難しいときも、「あとでじっくりやろう」とはせずに、「短くてもいいから今やろう」としていくといいと思います。

●「先生の子供に対する配慮が行き届いている」という声に対して(小2保護者)

 言葉の森の指導の方針は、明るく楽しく、いいところを褒める、です。

 褒めていると、子供は不思議とその褒め言葉に合うように上手になっていくようです。

●「作文を書いていて行き詰ったとき親がどうアドバイスをしていいかわからない」という声に対して(小2保護者)

 行き詰って10分ほどたっているようでしたら、教室にお電話ください。追加の説明をするので、すぐに書けるようになります。教室の受付時間外でしたら、次のようにしてください。

 小学2年生の字数の目標は200字から400字です。

 行き詰ったときは、「何しろ200字までがんばろう」と言って、200字のところに線を引いて目標にしてください。

 そして、アドバイスは、

「そのときの会話を思い出してみよう」

「『どうしてかというと』と続けてみよう」

「『もし……だったら』と考えてみよう」

などです。

 この場合、文章の流れが多少不自然になっても全くかまいません。

 それでも書けない場合は、大人が続きの文を言ってそのとおりに書かせます。少し書き出すとそれが呼び水になって、そのあと自分で書いていくことができます。

 そして、目標の200字まで行ったら、「せっかくここまで書いたんだから、もう少しがんばってみよう」などとは決して言わずに(笑)、「わあ、すごい。できた! よかったね。お祝いしよう!」と親子でおいしいものでも食べるといいと思います。

 どんなやり方でもいいので、成功体験を積み重ねるのがコツです。

●「長文暗唱の300字の区切りをわかりやすくしてほしい」という声に対して(小2保護者)

 できるだけ使いやすい教材をめざしていきますが、言葉の森の教材の考え方は、言葉の森以外のものにも利用できる「お箸のような教材」です。

 言葉の森の長文で300字の暗唱ができるようになったあと、子供が別の本や、あるいは将来英語の本を暗唱するようになったとき、同じ要領でできるように、300字程度を自分で決めるというようにしています。

 というのは、文章によっては、100字や300字でちょうど区切られないものもかなりあるからです。1日目は80字ぐらい、2日目は120字ぐらい、3日目は文の区切りが悪いので、読点までで終わりにするというような臨機応変な対応の仕方をする勉強も兼ねていると考えて取り組んでいってくださるようお願いします。


この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文教育(134) 質問と意見(39) 
コメント321~330件
……前のコメント
作文の上達度は 森川林
 作文力がどのくらいついたかということは、本人にはわかりませ 12/17
記事 4382番
幼長、小1、小 森川林
 基礎学力コースは、小1の子にはおすすめです。  国語と算 12/5
記事 4377番
即自存在、対自 森川林
 中学生のころは、たぶん子供が人生で最も打算的に生きる時期で 12/3
記事 4374番
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習