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2024年10月の森リン大賞 as/5230.html
森川林 2024/11/28 17:56 
修 削


 10月の森リン大賞のページができました。
https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php?nenn=2024&tuki=10

 どの作品も力作でした。
 森リン大賞の中での代表作品を2編紹介します。

手縫いの良さとは
小5 ももんが
 皆さんは手縫いをしたことがあるだろうか。あった人は分かると思う。最初は良く分からなくてむしゃくしゃしたが、だんだん慣れてきて、歳を重ねるごとに得意になっていく。しかし、ミシンはどうだろうか。ミシンは、練習して慣れさえすれば、どんな人も出来る。しかも、その人ならではの個性や上達というものが感じられないと思う。手縫いに関しては、色々な解説動画や画像がSNSに上がっているが、ミシン縫いの解説動画や画像は余り上がってない。この二つの違いは「上達」が鍵になっているだろう。

 最近の美術品をみるとどこも銘が書き入れられている。それは、どんなつまらない作品でも何某の作品であるという印である。私の母に何度かバックを作ってもらったことがあるが、作者の名前など微塵かいていない。それは恐らく、美術者と違い世界に名を残したいのではなく、私に喜んでもらえるためのものや、実用性があるものを作っているためだろう。実際、私が好きなキャラクターや好きな色などをバッグの模様に入れることが多い。母親は、そういう小さいことでも子供に気を配っているのだろう。母に作ってもらってばかりではなく、私も何度か姉に教えられながら巾着を作ったことがある。しかし、途中でだんねんしてしまい今でも完成していない。しかも、手縫いではなくミシンという「機械」で作ったのに開始一週間くらいでやめてしまった。手縫いも面倒くさいとは思うがミシンもなかなかに難しかった。まずミシンは、最初のセッティングが難しい。それに、糸案内板など色々な機械の名前もあって頭の中がこんがらがってしまう。姉に、
「ほらそこ針穴に糸を通して。」
とか言われるたびに、私の頭がフリーズして固まってしまい、一行に作業が進まない。正直自分が面倒くさいと思っていたときもあったが、これでも頑張った方だと思う。しかし、姉がバックやらなにやら作っている様子をみると、楽々音楽を聴きながらやっているのだ。「機械」でさえ使えない私が虚しくなってくる。私の姉の違いは何なのだろうか。

 今まで散々面倒くさいなど悪口を言われていた手縫いだが、逆にいいことはなんだろうか。それは、まず準備が少ないことだろう。手縫いは、針と布を準備すればすぐ始められる。他にも、ミシンが縫うことができないボタンなど細かいことや仕上げにはもってこいかもしれない。戦時中も、手縫いで服やバックを作り売り続けた有名な会社がある。それは、シャネルという高級ブランド店だ。そのころは、今よりずっと昔のことだったから、機械など量産しやすいものはなかったはずだ。そのため、シャネルの創設者であるココ・シャネルという方は最初を手縫いから始めたに違いない。こうしてみると、手縫いというものは凄いものだと分かるだろう。

 まずまず、手縫いというものがあったからこそ、機械が生まれたのだし、機械は人間がやっていることを早くしたものと同じだ。だからこそ、ボーっとしているといつのまにか縫ってはいけないところを縫ってしまったなどと大変なこともある。うちの姉も、仕上げなどは手縫いでやるし、やはり手縫いは便利でなくしてはいけないものなのかもしれない。やはり餅は餅屋でということだろう。この文を読んでいる皆さんも手縫いを日常で使って、手縫いの良さというものを実感してみてはいかがだろか。

身近な体験実例を、手縫いと機械縫いという大きなテーマに結びつけて書いています。高学年らしい書き方です。読みやすくするために、段落ごとに改行して表示しています。

忙しいハチ
中3 あえにな
 最近、リスが巣ごもりの準備に勤しんでいる。木の葉が色づき、今までは朝早くに会えた太陽もなかなか顔を見せてくれない。つまるところ、北の国カナダでは短い夏が終わり、永遠とも思えるような冬が刻一刻と近づいてきているのである。このように、私は四季を愛でる余裕がある暮らしをしたいと考える。

 そのための第一の方法は、常に周りを見渡すことだ。確かに、急いでいたり余裕がなかったりすると、周りの些細な変化には気を配ることができないだろう。眼の前のことで精一杯になり四季云々を感じている場合ではないと思うかもしれない。しかし、時間に余裕を持ち心を落ち着かせると、見える景色が全く異なるものになる。具体的には、空中で風に舞う木の葉を見つけ、微かな鳥のさえずりが聞こえ、さらには肌をかすめる少し冷たくなった風を感じる事ができるのだ。そのため、私は毎朝時間に余裕を持って家を出発し、登校中は常に周りをキョロキョロとしている。例えば、今日はどんぐりを集めているリスがたくさんいるな、風向きが変わってきたな、太陽の登る時間が遅くなったな、などである。このように、私は毎日の些細な四季の変化に気がつくためには自身の余裕が必要であると考える。なぜならば、あまりにもスピードや効率を追い求めて心身の余裕がないと、身の回りの些細な変化に目がいかないからだ。つまり私が目指す季節感のある暮らしとは、余裕を持って周りを見渡すことで生まれるのである。

 第二の方法として、あえて不便な環境に赴く、ということが挙げられる。明治時代を生きた日本の小説家・詩人である国木田独歩の作品、「武蔵野」では、人間の手が入っていない林の美しさについて述べられている。この小説は、「武蔵野を散歩する人は、道に迷うことを苦にしてはならない。」という一節から始まる。「春、夏、秋、冬、朝、昼、夕、夜、月にも、雪にも、風にも、霧にも、霜にも、雨にも、時雨にも、ただこの路をぶらぶら歩いて思いつきしだいに右し左すれば随処ずいしょに吾らを満足さするものがある。これがじつにまた、武蔵野第一の特色だろうと自分はしみじみ感じている。」つまり、林や野原が不規則に入り乱れている武蔵野を散歩するためには、心身ともに余裕がある必要がある、ということだ。なぜならば、大体の人は道も知らぬ、どこかもわからぬ場所で四季感を楽しむ余裕を持ち合わせていないからだ。きっと必死に携帯や地図を見ながらここはどこか、この道であっているか、などと焦り、恐れ、不安になるに違いない。このように、不便だということは、裏を返せば人間の手が届いていない、整備されていない場所である。つまり私は、一見不便な路をぶらぶらと当てもなく歩く時、心に余裕を持ち自然の営みを体感できるのだと考える。だから、私はあえて人間の手が届いていないような環境に足を運ぶことで、四季を愛でる余裕のある暮らしをしたい。

 確かに、科学の発達は、人間に快適な環境をもたらした。土地が開拓され、インフラが整備され、便利な世の中になったと言えるだろう。一方で、人間自身の心はどんどんと貧弱になっている。『忙しいハチは悲しむ余裕を持たない』というW・フレークの言葉がある通り、眼の前のことに精一杯で周りを見渡す余裕・四季を感じる余裕がないほど現代人は忙しない。だからこそ、季節を愛でる余裕を身につけることはとても大切なのではないか。この「余裕」は、全てに効率化・スピード化を求める現代社会においてはとても貴重だ。かくして、かつては当たり前だった、身の回りのものを愛でる余裕を持つことが今、重要視されているのだと私は考える。

意見文でありながら、事実の描写力のある優れた作品になっています。国木田独歩の引用が、題材の幅を広げています。読みやすくするために、段落ごとに改行して表示しました。



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