■名古屋大教育学部附属高校 2012年 600-800字
第一段落は、状況実例。「遺伝子組み換え作物は、年々増加し、アメリカにおけるダイズ、トウモロコシ、わたなどは、2010年には90%前後の作付面積を占めるまでになっている。例えば、・・・・・・」など。
第二段落は、意見1。「遺伝子組み換え作物が栽培、流通するメリットは、第一に、農業の効率化だ。例えば病害虫に強い遺伝形質などと・・・・・・。第二のメリットは、遺伝子組み換えというバイオテクノロジーの技術が進歩することだ。遺伝子組み換えにはまだ未知の要素も多い。それを広く実験することができる。・・・・・・」など。
第三段落は、意見2。「遺伝子組み換え作物が普及することのデメリットもある。第一は、在来種が消滅してしまう危険性だ。自然の作物には多様な性質がある。遺伝子組み換えの単一の品種が広がることで多様な遺伝情報が失われてしまう可能性が高い。第二は、遺伝子組み換えが商業的に利用される危険性だ。例えば、特定の農薬や化学肥料と結びつかないと効果を発揮しない作物なども今後考えられる。第三に、最も大きい問題は遺伝子組み換え作物を摂取することによる長期的な副作用の危険性だ。・・・・・・」など。
第四段落は、まとめ。「このように考えると、遺伝子組み換え作物の是非を論じるよりも更に重要なことがある。それは、遺伝子組み換えに限らず、科学技術を、国民に公開された形で発展させる必要があるということだ。・・・・・・」など。
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よくわかりました
わかりやすスギイ
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■京都府立桃山高校 2010年 40分 600字。 自然科学
社会科学的な問題としてではなく、自然科学的な問題として考える。
第一段落は、説明。「野生化したアライグマによる京都の社寺の被害のような例は、これからも形を変えて起こると思われる。現に、最近では、日本の湖沼に本来いないはずのブラックバスやカミツキガメが繁殖していることが問題になっている。ほかにも……」など。
第二段落は原因。「その原因は、アライグマの国内持ち込みの例でもわかるように、アライグマがペットとして飼えるようなものでないという認識が足りなかったことになる。それは、ひいてはそういう知識を伝えることのできる科学者の責任だとも言えるのではないだろうか。原子力発電所などについても、国民が判断する材料はマスメディアから流されている情報だけであることが多い。このようなときに、科学者が……」。」など。
第三段落は対策。「しかし、既に問題が起きている今できる対策は、やはり被害が拡大しないようにするためのアライグマの生態の研究である。人間と自然の生き物は共存する必要がある。アライグマ以外にも、クマやシカやスズメバチなど、人間の住んでいる場所の近くで摩擦を起こしそうな生き物は多い。これからの生き物を排除するのではなく共存していくことが大事である。……」など。
第四段落は、まとめ。「確かに人間は自然をコントロールすることによって、住みよい世界を作ってきた。しかし、これまでは生き物たちの都合を考えずに、人間だけの都合で自然を改変してきた面が多い。これからは……。」など。
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■千葉公立高校 特色化・一般入試 2009年度 60分 600~800字
人間は長い歴史の中で、さまざまな見方や学問の力によって、自然現象や人間社会、人間の生き方などを探求してきました。あなたが、日頃関心を持っている学問分野を一つあげて、その分野があなたの生き方や考え方に与えた影響について書きなさい。
第一段落は、説明。「私がいちばん関心を持っている学問分野は、教科で言えば国語だが、学問として言うと文学ということになるだろうか。私は、昔から国語の授業が好きで、教科書などは学年が新しくなるたびに、その日のうちに全部読んでしまうことが多かった。また、国語の授業では積極的に発言し……。」など。
第二段落は、影響1。「文学の分野を学ぶことによって、私は自分の経験だけでは得られない広い知識を得ることができた。また、現代の人だけでなく、過去の人がどのように感じ考えていたのかも知ることができた。例えば、私が好きな古典のひとつは『枕草子』で、その中で……。」など。
第三段落は、影響2。「また、文学という学問を学ぶことで、私は自分でも文章を書き、自分の考えを表現することができるようになった。私は、今自分のブログで毎日感じたことを書いているが、文章を書くことによって、自分の知識を確かめる機会が増えた。例えば、あるとき、国際連合と日本の常任理事国化について意見を書こうとしたとき……。」など。
第四段落は、まとめ。「学問分野には、理科や社会や数学などの分野もある。それらも確かに人類の進歩に大きく貢献してきた。しかし、私は、それらの学問分野の根底に、言葉によってものを考えるという文学の分野があるのではないかと思う。私はこれから……。」など。
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受験作文のエッセンス第3弾。
考えられる影響を挙げるだけでなく、その根拠となる体験実例がしっかり書けることが大切です。
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■神奈川県立柏陽高校 前期 2010年度 60分 300字+300字
問1は省略。300字の感覚を身につけておくこと。消しゴムは使わずに、頭の中で全体の骨格を考えてから一気に書く。「理由」というキーワードを早めに使う。
差がつかない問題なので、深く考えずに、多少はずれていてもいいからすばやく思いつくことが大事。例えば、「身長の高い人は体重も重い」「右目の視力がよい人は、左目の視力もよい」など。
問2
600字程度の課題にも対応できるようにヒントは長めに書いてあるが、短くするためには実例などを省略してもよい。
第一段落は、説明。「グラフを見ると、教科の種類に関係なくどの教科においても、朝食をとるグループの方が、朝食をとらないグループよりもペーパーテストの成績がよい。」など。
第二段落は、考えられる要因1(字数を短くする場合は実例を省略してもよい)。「考えられる要因としては第一に、朝食をとる子は家庭における自分の時間管理ができているために、テストのための勉強もうまくやれるのではないかということである。例えば、私は毎日朝食を取っているが、それは夕方寝る時間がほぼ決まっているからで……。」など。
第三段落は、考えられる要因2(字数を短くする場合は、要因は1つでもよい)。「第二の要因は、朝食を取る子は、小さいころから家庭での生活が安定しているため、テストの前に限らず勉強も計画的に進めているのではないかということである。私も小さいころ、夜更かしをしようとすると母親に、『毎日同じように生活する方がいいんだよ』とアドバイスされたことがある。……。」など。
第四段落は、まとめ。「相関関係があるということと、因果関係があるということは、区別して考える必要がある。また、推測される因果関係についても、条件をさまざまに変えた調査によって裏付けることが必要だ。また、更に重要なことは、例外についての研究で、このグラフの例で言えば、朝食をきちんと取っているのに成績が悪い生徒や、朝食を全く取っていないのに成績がよい生徒がいれば、その背景を探る必要がある。」など。
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受験作文のエッセンス第二弾です。
因果関係と相関関係について理由を書く問題です。
全体の骨格を考えてから一気に書くことは特に受験作文の場合大切です。
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■東京都立西高校 2010年度 600字
生きるということは徐々に生まれることである。(サンテグジュペリ)
象徴的なテーマなので、生き方の主題で。
「生きる」「徐々に」などがキーワード。キーワードは、結びに生かすと効果的。しかし、生かすためには、文章力が必要になる。
第一段落は、状況実例と意見。「小学生のころ、アサガオの植え替えをしたときに、水やりを忘れて枯れさせてしまったことがある。しばらく、そのままにしていてある日、見てみると、根の近くに新しい緑の葉が出ていた。それを見たとき、生き物の生命力に驚くとともに、待つことの意味について学んだような気がした。機械的なものは、壊れたときに待っていても直ることはない。しかし、生命や人間については、待っていると徐々に育つということが多いように思う。私もまた、徐々に生きることの大切さを忘れないようにしたい。」など。
第二段落は、そのための方法1。「そのためには第一に、物事の可能性に目を向けることだ。昔、学校のテストでかなり悪い点数を取ったとき、先生が、『間違えるからそれだけ成長する』と教えてくれた。この言葉を聞いて、今できたかできなかったかということよりも、それをこれからどう生かすかを考えることが大切だと……。」など。
第三段落は、方法2。「第二に、社会の側にも、『徐々に生きる』ことを待つようなゆとりが必要になる。現代の社会はともすれば、すぐに結果を見出そうとする。例えば……。」など。
第四段落は、反対理解とまとめ。「確かに、世の中にはスピードと成果が要求されるものもある。例えば、織田信長が桶狭間に向かったときのように、その一番が勝敗を決する場面だ。しかし、人間の本当の成長は、徐々に生きることにある。私もこれから……。」など。
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シンプルかつわかりやすい解説です。
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