■履物は、履き慣れた運動靴と水遊びのできる履物の2種類
夏合宿の参加者のお母さんから質問がありました。
「クロックスとマリンシューズでもいいですか」
それでいいです。
私は、個人的には、普通に街を歩く運動靴と、海辺で磯を歩いたり水の中に入ったりするときのマリンシューズがあればいいと思ってます。(海辺で裸足というのは、足の裏が痛いのでおすすめできませんが、根性があればそれでもかまいません。)
クロックスは着脱が簡単で水にも強く便利ですが、街を歩くにも、水の中で遊ぶにも、ちょっと足の周りがぶかぶかで不安定な気がすると思います。また、日常的に履いていないものを長時間履くと、足に豆ができることがあります。
履き慣れた運動靴と、水の中で使える何か(上履き、クロックス、マリンシューズ)という組み合わせがいちばんよいと思います。
ただし、慣れない靴で足に豆ができても、簡単に歩けるようにする対策はあります。それは、豆のできたところに、石鹸を水につけてたっぷり塗ることです。
■おねしょの心配があれば、夜中に一度起こします
小学生でも、たまに勘違いしておねしょをしてしまうことがあります。それは、恥ずかしいことでも何でもありません。私(森川林)も、小学校高学年のとき、何を勘違いしたのかおねしょをして、母をがっかりさせたことがあります。
しかし、それから、おねしょ対策を考えました(以下、あまり参考になりません)。それは、おしっこをするときに、いつも目を大きく見開くのです。そういう習慣ができると、まちがっておねしょをしそうなときも目を開くので、「あ、夢だった」をわかるのです。これは、すごくいい方法だったのですが、ほとんどの人にとっては実行が難しいと思います。
そこで、もっと簡単に実行できる方法として、心配な子には、夜中に一度起こしてトイレに連れていきます。これで大丈夫です。心配な人は、「夜中に一度起こして」とあらかじめ連絡をしておいてください。
■車酔いの対策は、意識的に慣れること
車酔いの不安があると、遠出の旅行はなかなか楽しめません。車酔いのいちばんの対策は、車に慣れることです。
その方法は、まず、近所のバスで運行経路のわかりやすいものに乗ります。ずっと乗っていって、気持ちが悪くなったところで降りて、反対車線のバスに乗って帰ります。それを例えば、日曜日などに、子供が自分で納得できるまで何度も繰り返し試します。
このように前向に取り組めば、車酔いは根本的に克服できるようになります。一時的には酔い止めの薬に頼ることもやむをえないかもしれませんが、根本的な対策は、いつも自分の実力をつけることにあり、その実力をつける方法は、反復による慣れです。
今回の夏合宿は、混んでいなければ50分の自動車の旅です。混んでいれば、1時間半ぐらいかかるかもしれません。
近所のバスで車に慣れるという方法で、2時間までは大丈夫という自信をつけておくとよいと思います。
いったんこういう形で自信がつけば、これからあとの学校のバス旅行などもずっと楽しく参加できるようになると思います。
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国語の成績は、氷山の水より上の部分です。水より下の部分は、国語の勉強ではなく、国語的な生活です。
数学や英語の成績は、ゴムボートの水より上の部分です。というほど簡単なものではありませんが、やれば必ず成績が上がります。その効果が、国語よりもずっと早く現れるのです。
では、氷山の水より下にある国語的な生活とは何なのでしょうか。それは、テレビ漬けでない生活、ゲーム漬けでない生活、そして、自然に行われている毎日の読書、親子の日常の対話などです。
国語的な生活とは、その長年の蓄積のことなのです。だから、今、国語の力がないとしたら、それは今ないのではなく、それまでの十数年の国語的な生活の不足の結果が今出ているということなのです。
だから、国語の力をつけるというときに、どこをどう直したらよくなる、ということはありません。数学の場合は、間違えた問題をできるようにすれば、そこで力がつきます。国語は、間違えた問題をいくら説明しても力はつかないのです。
だから、作文を週1回書いているから、国語の成績が上がるということはありません。もちろん、中には、書くことがネックになって国語の成績が上がらなかったという子もいます。そういう生徒は、すぐに成績が急上昇します。
しかし、国語の成績が今ひとつという場合、書く力以外の読む力が不足しているというケースが圧倒的に多いのです。それは、読む生活が不足していたからであって、読む勉強をしていなかったからではありません。
言葉の森の作文の勉強は、作文を書くために、長文を読むという自習を前提としています。事前に長文を毎日音読し、その音読をもとにお父さんやお母さんの似た話を聞いてくるという自習をするから、読む力も、材料を広げる力も、語彙力も、思考力もついてくるのです。
そういう事前の準備のあとに、先生の説明を聞いて、構成力と字数力と書くスピードがついてきます。
だから、もし、事前の予習をせずに、先生の説明を聞いて作文を書くだけであれば、構成と字数とスピードの力はつきますが、その土台になる読む力、題材の力、語彙力、思考力はつきません。
国語の成績があまりかんばしくなかった子で、言葉の森で勉強をしてから急に国語の成績が上がったという子は、例外なく、子供の自習に対する親の働きかけがあった子です。
これまで、国語的な生活をしてこなかった子が、国語的な生活をするようになるためには、まず親の習慣から変えていく必要があるのです。
例えば、読書は時間のあるときに読むもので、普段は勉強が忙しいから、読んだり読まなかったりするという生活を、読書は毎日読むもので、勉強が忙しくても必ず毎日30分か1時間は読書をして、週に2、3冊は読み終えるという生活に変えるのは、子供の力だけではできません。そういう生活をできるようにするには、親の価値観や生活習慣を変えなければなりません。
大人になった人間が生活習慣を変えるというのは、実はかなり難しいことです。
だから、国語の成績をよくするには、子供ががんばるのではなく、まず親が自分の生活を変える必要があります。
さて、そういう国語的な生活をしているのに国語の成績が悪かったという場合は、心配は要りません。
そういう子は、解き方のコツを1時間ほど教えれば、次のテストからは必ず成績が上がるからです。
しかし、そういう解き方のコツのようなものは、受験前に取り組むだけで十分です。それまでは、何しろ国語的な生活をすることによって国語の実力をつけておくことが大事なのです。
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6月27日の朝、「そういえば、オカメインコのバノと、文鳥のサク、両方ともまだ表に出していなかったなあ」と思いました。
これから暑くなると、窓を開けることが多くなるので、うっかりバノたちを部屋の中に放しているときに窓を開けたら、表に出ていってしまうかもしれません。
ペットで飼われている鳥は、いつも室内にいるために遠近感がなくなるらしく、外に出すと帰れなくなってしまうようです。
そこで、まだあまり飛べないうちに、ときどき表に出して距離感をつかませておけば、いざというときにすぐに帰れるようになるだろうと考えました。こういう発想が問題あるらしいけど……(笑)
ちょうど、スズメのえさやりの時間になったので、バノとサクを肩に乗せたまま表に出ました。すると、肩の上で、バノがぐっとジャンプしようとする重みが感じられました。
やはり鳥だって、朝の明るい空のもとでは、思いきり飛んでみたくなるのでしょう。ってのんきなことを言っている場合ではありません。
バノは、そのまま力強くジャンプすると、空高く舞い上がり、ぐるりと大きく弧を描き、しばらく上空を飛んでいましたが、やがて「ピー、ピー」とうれしそうに鳴きながら、駅のほうへと飛んでいきました。
「さようならあ! バノー」なんて言っている場合ではありません。仕方ないから、飛んでいった方を探しに行ってみましたが、小さい鳥のことですから、どこにも見つかりません。そのかわり、根性の悪そうなカラスが、朝の街のあちこちにたむろしていました。
「おい、オカメインコ、見なかったか」
「アホー」
朝、出勤してきたみんなに事情を話すと、ここでも露骨に、「ばかねえ」という雰囲気。
しかし、そこで、ネットの掲示板やツイッターに投稿したらというグッドアイデアが出て、早速あちこちの迷子鳥の掲示板やツイッターに投稿してきました。
それから5日後の7月2日、突然、知らない人からメールが来て、「お宅のバノちゃんではありませんか」という情報。迷子鳥の掲示板に、「7月2日、能見台でオカメインコを保護。金沢警察署に預けられています」という記事が載っていたのです。
港南台から能見台までというと、直線距離で約5キロ。いつも室内で放しているので飛ぶことに慣れているから、風に乗れば飛べない距離ではありません。
早速、金沢警察署に電話をして、7月11日に面会に行くことになりました。
台風一過の暑い夏の日でした。
名犬ゆめも一緒に連れて、金沢警察署へ。窓口は、会計課の落とし物係です。
カゴの中のオカメインコに面会すると、やはり、あのバノでした。
でも、警察の人にとっては、鳥なんてみんな同じに見えるでしょうから、「本当にそう?」というような感じです。
そこで、カゴから出して、「バノちゃん」と手に止まらせると、また元気よく飛び立ち、警察署の中を飛び回りはじめました。みんな、飛んでいるバノと、飛ばしたこっちを注目。「受けてる!」じゃないだろ。
窓の高いところに止まったバノをやっと手に止まらせ、再びカゴに入れると、近くにいた赤ちゃんをだっこした人が、
「わあ、かわいい。見せてくれますか」
とカゴに近づいて、赤ちゃんと一緒にバノをずっと見ていました。
警察署の人に、お礼のお菓子を持ってきていたのですが、「これは、仕事だからいいんです」と受け取りません。日本の警察は清廉です。
それから、バノを車に入れて、ゆめと一緒に港南台まで約20分、教室に帰ってきました。
帰ってから、それまでひとりでいた文鳥のサクと一緒にすると、サクは大喜び。早速、バノの背中に乗って遊んでいました。
「バノちゃん、もう飛んでっちゃだめだからね」
というか、飛ばしたおまえが悪いんだろ、という声がどこかから聞こえてきそうな夏の午後でした。
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言葉の森が読書感想文の指導を始めるまで、読書感想文のわかりやすい書き方というものはありませんでした。
それまでは、感想文というと、感想を書くものだと思う人が多く、同じようなことを何度も書くような書き方になりがちでした。感想や意見というものは、本質的にはシンプルなものなので、それを長く引き伸ばして書くことはできないのです。
また、感想を書くかわりに、あらすじを長々と書くような子もよくいました。小学生の勉強としては、感想文を書くよりも、このようにあらすじを書く方がずっと勉強にはなるのです。しかし、あらすじを長く書くだけでは、書く方も、読む方も、面白くありません。
言葉の森が提案した感想文の書き方は、似た例を通して題材をふくらませ、そのふくらんだ題材から感想を書くという書き方です。しかも、これを抽象的な理屈として説明するのではなく、「第一段落には何を書いて、第二段落には何を書いて」と、子供たちに誤解の余地のないように説明したので、誰でも簡単に感想文が書けるようになったのです。
感想文の書き方の具体例は、言葉の森のホームページの右上にある「ホームページの全記事」のフォームで検索できます。ここに、「読書感想文」という文字を入れて検索すると、書き方の例が出てきます。
読書感想文の書き方―小学校低中学年
https://www.mori7.com/as/537.html
読書感想文の書き方―小学校高学年
https://www.mori7.com/as/538.html
読書感想文の書き方―中学生
https://www.mori7.com/as/539.html
「桃太郎」を例にした感想文の書き方
https://www.mori7.com/as/1314.html
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寺子屋オンエアとは、自宅で行う家庭学習をネットで共有する仕組みです。
取り組む家庭学習の内容は自由ですが、どんな勉強をどんな方法でしたらよいのかというアドバイスを言葉の森の先生が行います。
小中学生の勉強の基本は家庭での自学自習です。しかし、自習の仕方がわからないので、手軽な通信教材に頼ってしまう人が多いのです。
通信教材では、でき太くんの算数クラブのように、子供たちが自分で取り組みながら力をつけられるような工夫がしてあるものもあります。しかし、それ以外の多くの教材は、子供がひとりでもできるように、ただやりやすさだけを前面に出したものになっています。だから、簡単なうちは続けられますが、それで力がつくわけではないので、学年が上がって難しい問題が出てくるようになると続けられなくなってくるのです。
課題が易しいうちは、易しい通信教材で勉強できますが、それでは実力がつかないので、課題が難しくなってくると、多くの生徒は塾に行くようになります。
ところが、塾で先生に教わるような勉強は、実は能率が悪いのです。人に教わる勉強は、わかることもわからないことも、みんな同じようなペースで教わります。教わっているときは勉強をしているような気がしますが、勉強の中身が本当に定着するのは、自宅でじっくり自分なりに考えるときです。人に教わる勉強は、自分で考える時間が少なくなるという点で能率の悪い勉強なのです。
しかし、小中学生のころの勉強は、受験勉強も含めて、難しいとは言っても基本的には誰でもできる勉強なので、たとえ能率が悪くても長い時間をかけていれば、成績は上がります。塾に行って成績が上がる面があるのは、結局長い時間勉強をするようになるからです。
この小学生時代の長時間の勉強は、二つの点で問題があります。一つは、長時間勉強することによって、本を読んだり自分なりに考えたり遊んだりする時間がなくなってしまうことです。もう一つは、教わる勉強に慣れてしまうために、高校生になっても自分で勉強する方法がわからず予備校に頼るような勉強になってしまうことです。
勉強は、普段は自学自習で実力をつけておき、受験期には、志望校の過去問を分析し模試で自分の位置を見ながら受験用の勉強をする、という形で自主的に取り組むのがいいのです。
ところが、小中学生のころは、勉強に対する自覚がないのが普通なので、家庭での自学自習は、だらだらしたものになりがちです。子供が小学高低学年のうちは、まだ親の言うことを聞きますが、学年が上がってくると、だんだん親が言ってもそのとおりにはやらなくなります。
しかし、それは当然で、逆に小学校高学年になっても、親の言うとおりに素直に勉強する子は、反発するだけの自立心がないことも多いのです。小中学生のころに自立心のない子は、高校生になって自分の力で勉強をするときに、がんばりがききません。逆に、小中学生のころに親のいうことを聞かず、好き勝手にやっていた子は、高校生になっていざ勉強をすると決めると猛烈にがんばりだします。
こういう点でも、勉強はできるだけ本人が自主的に取り組むような形で進めていくのがいいのです。
寺子屋オンエアでは、子供たちが、「今日はこれをやります」という形でネット上で先生に報告し、そのやると決めたことを自宅でやっていきます。ネットでつながっているので、ひとりで勉強をしているのではないという実感があります。
月曜日から金曜日の毎日午後5時から午後7時まで自由にアクセスできます(第5週目は除く)。ですから、1ヶ月の間、毎日参加するとすれば、20日間勉強ができます。それだけやっていれば、寺子屋オンエアのない土日でも、同じペースで自然に家庭学習ができるようになるので、毎日家庭での自学自習ができるようになります。小中学生の勉強は、この毎日欠かさずということが大事なのです。
先生が勉強を教えるわけではありませんが、監督し、必要に応じてアドバイスする先生がいるので、料金がかかります(1ヶ月1人2,160円)。
寺子屋オンエアに必要なものは、google+のアカウントとウェブカメラです。最初のうちは、操作がわかりにくいので、電話で対応しながら接続の仕方などのアドバイスをしていきます。
将来は、この寺子屋オンエアを広げて、いくつかの家庭が協力して家庭学習をシェアする家庭塾のようなものができるとよいと思っています。そうすれば、特に誰かを先生として頼むのでなければ料金はかからないようにすることもできます。
また、先生として頼む人についても、学校や塾で教えることに慣れているプロの先生ではなく、自宅で子供たちを勉強させることに慣れている人が適役です。その点で、地域の人格者のような人が先生役になって、複数の家庭が協力して寺子屋オンエアを運営するというようなやり方ができれば理想的です。そうすれば、文字どおりネット上の寺子屋のような教室になると思います。
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