ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 3439番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/2/25
成績以外のものの価値を見直す教育――西澤潤一さんの本を読んで as/3439.html
森川林 2018/11/02 13:27 

 先日、92歳で亡くなられた西澤潤一さんの本を読みました。
 「背筋を伸ばせ日本人―『信念』と『創造力』の復活」という本で、教育の問題についてもかなりスペースがさかれていました。 西澤さんは、現在の日本の社会の問題を、大きく教育の問題として捉えていたようです。

 私がこれまで関心を持って読んでいた著書のほとんどが、やはり日本の教育の問題を提起しています。
 そこに共通するものは、ひとつが煩瑣な知識の詰め込み勉強の弊害、もうひとつが勉強以外の人間教育の不足です。
 人間教育とは、例えば勇気とか思いやりとか向上心とかいったものに対する教育です。
 つまり、今の教育では、成績として表れる勉強ばかりが優先され、成績に関係しない部分が忘れ去られているというのです。

 成績に関係しないものは、例えば、勇気です。
 いくら成績がよくても、戦う必要があったときにが戦う力がなければ、その成績は価値あるものにはなりません。
 特に男の子は、いじめられたらやり返す力が必要です。
 それが社会人として生きるために必要なことだからです。

 またいくら成績がよくても、弱い者に対する思いやりがなければ、やはりその成績は価値あるものにはなりません。
 思いやりは人間として当然のことで、社会はその思いやりで回っているからです。

 またいくら成績がよくても、成績に表れる以外のことに対する向上心がなければなりません。
 テストが終わったら、又は志望校に合格したら、あとは遊び呆けるというような姿勢ではなく、テストが終わったら、又は合格したら、本当に自分でやりたかったことに取り組むというような子でなければならないのです。

 私はこれまでいろいろな子供たちを教えてきて、成績だけの一面的な教育というものの弊害をいくつも見ています。
 成績が悪くてもそれが問題になることはほとんどありませんが、成績だけがよくて他の人間力が不足している場合、つまり成績がよすぎる場合は、かえって大きな問題になってしまうことがあるのです。

 今の子供たちの父母や祖父母の世代は、いい学校に入ることが、いい社会生活を送る前提になっていた世代ですから、いい学校に入ることだけが目的のようになっています。
 しかし本当の目的は、いい社会生活を送ることで、学校生活はそのひとつの通り道にすぎません。

 理屈ではこういうことがわかっているはずなのに、実際に子供がテストの結果を持ってくると、それに目を奪われて成績だけを考えてしまう親が多いのです。
 それが例えば、成績さえよければ勇気などはなくてもどうにかなるとか、成績さえよければ思いやりなどなくてもなんとかなるとか、成績さえよければ成績以外のことに対する向上心などは特に必要ないとかいう考え方になるのです。

 ところが、社会人になって仕事をするときに最も大事になるものは、勇気や思いやりや向上心の方であって、決して学校生活で獲得した成績ではありません。

 成績はその子の全体の向上心のひとつですから、本人に向上心があれば、成績は必要になったときすぐに上げることができます。
 成績がなかなか上がらないというのは、成績が上がらないのではなく、その子の向上心が不足しているからか、向上心が成績以外方に向いているからかだけなのです。

 だから、言葉の森は、現在、成績も含めた向上心、勇気や思いやりという文化力、そして創造力というものを総合的に育てる教育を目指しています。
 それが、作文を中心として子供たちの発表と交流と自学自習位を生かす、森林プロジェクトの寺子屋オンライン教育です。
 森林プロジェクトで、日本のこれからの教育についていろいろなことを話し合い、日本によりよい教育を作っていきたいと思います。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20181102  
 勉強さえできれば、とりあえずほかのことには目をつぶるというお母さんが多いように思います。
 昔は、「人様に迷惑さえかけなければ、とりあえずほかのことには」ということだったのです。
 この大きな価値観の転換は、主に教育とマスコミによって作られたものですが、そういうものを受け入れる素地が私たち自身にあったのです。
 それは、やはり戦争によって、多くの家庭で文化が断絶したからだと思います。
 私の父と母も、自分たちはしっかりした戦前からの日本文化の中に生きてきたのに、私たち子供には躾らしいことをほとんどしませんでした。
 当時は、みんな生きることに精一杯だったからです。
 そして、文化のなくなった荒れ果てた日本に、アメリカ文化という雑草が生い茂ったのです。
 これからの教育は、新しい日本文化を育てる教育にしていく必要があると思います。


nane 20181102  
 これからの教育は、学力をつけるだけでなく、文化を取り戻す教育にしていく必要があります。
 そして、もうひとつ大事なのは、創造する教育です。
 この思考力、創造力、文化力を育てる教育の基盤は家庭になります。
 それを寺子屋オンラインの教育で実現していきたいと思っています。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
森林プロジェクト(50) 言葉の森のビジョン(51) 寺子屋オンライン(101) 

記事 3438番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/2/25
受験作文と相性がいい、構成を重視した作文 as/3438.html
森川林 2018/10/30 05:56 

 言葉の森の作文指導は、小学校低中学年では主に表現項目の指導をしています。
 例えば、「たとえと会話と感想とことわざを入れて書く」というような指導です。

 小学校高学年から中学生、高校生にかけては、主に構成の仕方の指導しています。
 例えば、「第一段落には要約と意見を書き、第二段落には理由を書き、第三段落には方法を書く」というような指導です。

 これまで学校などで行われている作文指導では、子供たちにテーマを与えて自由に作文を書かせ、そのあと、書かれた文章の添削をするというのが主なやり方でした。

 しかし、こういうやり方では作文は上達しません。
 上手な子は最初から上手に書き、上手でない子はいくら添削されても上手になる道筋がわからないからです。

 そのため、教える側は、子供たちに上達する道筋を示すかわりに、上手な子の作文を見せるというやり方をしてきました。

 ところが、上手な子の作文をいくら見せられても、それがほかの子の書く作文の参考になるわけではありません。
 かえって上手な子の作文と比較してやる気をなくすのがせいぜいなのです。
 作文指導に熱心な先生のいるクラスほど、作文が苦手な子が増えるというのはそういう事情があったからです。

 一方、作文の試験をする学校側では、作文の評価は一歩進んだ形をとっています。
 それは、言葉の森と同じように、構成の枠を決めて書かせるという形になっているのです。

 例えば、段落の数を決め、1番目の段落にはどういうことを書き、2番目の段落にはどういうこと書き、3番目の段落にはどういうことを書くか。そして、どういう言葉を入れるかというようなところまで指定している作文試験もあります。

 なぜこのように構成の仕方や表現の項目を指示するかというと、そのことによって作文の評価が客観的に行えるようになるからです。

 そして実は、この構成と表現を指示するやり方は、言葉の森が昔からやっていたやり方なのです。
 ですから、言葉の森に作文を習いにくると、どんな子でも書き方がすぐに分かり、迷わずに書き出すことができます。
 苦手な子も、すぐに書き出すことができ、難しい課題でも、すぐに書き出すことができるというのが、構成と表現を指示する事前指導の特徴です。
 だから、上達する道筋もおのずからわかってくるのです。

 言葉の森の構成指導と表現指導の特徴は、作文試験の模範解答作りにも表れています。
 世間で出されている作文の書き方の参考書はほとんどすべて、模範解答に子供が実際に書いた上手な作文を使っています。
 しかし、こういう模範解答をいくら読んでも、子供は作文をどう書いたらいいのかわかりません。
 それは、構成の仕方にも、表現の仕方にもルールがなく、ただ偶然上手に書けたものを載せているだけだからです。

 これに対して言葉の森で作っている作文の模範解答は、一定の原則をもとにした構成と表現に沿って書かれています。
 だから、この模範解答を見れば、どう書いたらいいのかということがわかるのです。

 実際に、言葉の森で勉強している生徒は 、作文の構成がしっかりしているという評価をよく受けます。
 それは、構成を重視した作文を指導しているからです。
 そのために、受験で出される作文とは相性がいいのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20181030  
 作文というものを、漠然と文章で書かれたひとまとまりのものと考えていると、評価も指導もできません。
 全体に上手だとか上手でないとかいう、感覚的な印象を言うだけになってしまうからです。
 作文は、構成、題材、表現、主題、表記、字数、速度という、それぞれの側面に分析して見る必要があります。
 この分析が、作文指導と作文評価の鉄則です。
 しかし、分析は方法であって、目的ではありません。
 作文の目的は、個性と創造という内容の方にあるからです。


nane 20181030  
 昔、作文指導について書かれた本を読んだところ、「事前に構成を指示して書かせるのは、できたらいいが、それはまず無理だ」ということが書かれていました。
 その無理なことをずっとやってきて、今の受験作文にも生かしているのです。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
受験作文小論文(89) 作文の書き方(108) 言葉の森の特徴(83) 
コメント131~140件
……前のコメント
小学456年生 森川林
 言葉の森は、これまでは作文指導がメインでした。  その後 12/1
記事 4868番
齋藤孝さんの「 森川林
国語読解力をつけるためには、読む力と解く力を分けて考えること 11/30
記事 4867番
齋藤孝さんの( 森川林
 ママさん、ありがとうございます。  齋藤孝さんというかブ 11/30
記事 4864番
齋藤孝さんの( しげか&
どうして「言葉の森」を知ったか思い出しました。 斎藤孝さん 11/29
記事 4864番
齋藤孝さんの( 森川林
 日本では、思いつきの作文指導が多すぎます。  作文教育に 11/28
記事 4864番
日記を書かせる 森川林
 日記指導なんてさせるものではないというのが私の持論です。 11/27
記事 4863番
齋藤孝さんの( 森川林
勉強は、面白くなければなりません。作文も、そうです。 しか 11/26
記事 4862番
これから世の中 もは
 もうすでに、世の中の方向は大きく変わりました。  だから 11/26
記事 4861番
齋藤孝さんの( 森川林
穴埋め式の作文指導をすると、作文力のある子は、面倒に思って嫌 11/25
記事 4860番
齋藤孝さんの( 森川林
ブンブンどりむは、結局、作文教育について何の理念も思い入れも 11/24
記事 4859番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
2026年2月 森川林
https://youtu.be/-LcKr7G 2/25
森の掲示板
作文クラスの継 森川林
作文クラスの継続のおすすめ ■■幼稚園年長~小学3年生 2/18
森川林日記
森からゆうびん 森川林
■「森からゆうびん」のお知らせ  「森からゆうびん」は 2/18
森川林日記
散歩中に音声入 森川林
 買い物などに行くとき、歩いているだけでは退屈だから、以前は 2/16
森川林日記
Xの使い方 森川林
・見たくない記事や動画は、右上の…で「このポストに興味がない 2/11
森川林日記
2月分 よこやまりょう
高校二年生の読解検定について質問です。 問1と問2がわかり 2/4
国語読解掲示板
Glitchの 森川林
https://hnavi.co.jp/knowledge/ 1/22
森川林日記
2026年1月 森川林
●作文について  忙しい中学生高校生が作文を能 1/22
森の掲示板
読解検定のやり 森川林
====読解検定のやり方 1.オンラインクラス一覧表の「全 1/16
国語読解掲示板
小4の12月の 森川林
問3 ○B すずめは、見慣れみな ないものが立っている 1/9
国語読解掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●【重要】7月の新学期から作文用紙と封筒用紙の配布を廃止します――手書きの人は作文ノートの利用をおすすめします
●森からゆうびん2026年2月
●思考力を育てる作文教育

●本で最も進んでいるオンライン教育――少人数の対話と個別指導 無料体験学習 受付中。
●詰め込む学習から、創造する学習へ。小1から高3のオンライン少人数教育。小1から高3のオンライン少人数教育。
●担任制で対話のある、5人以内の少人数オンライン教育

●小学1、2年生は作文を始める適齢期です
●小学3・4年生は、作文がいちばん伸びる時期です
●小5・小6から、作文は「考える作文」に変わります。

●高校入試につながる作文力を、中学生から
●入試小論文に対応した作文評価を提供する作文検定(高校向け)
●入試小論文に対応した作文評価を提供する作文検定(塾高校向け)

●学校のための日本語作文検定(学校向け)
●学年ごとの「書く力」が一目でわかる(学校向け)
●総合型選抜・小論文評価業務に関するご提案(大学向け)

●学習塾のための日本語作文検定(塾向け)
●「書ける」ことが塾の強みになる(塾向け)
● 小1からのオンライン作文で、「読む力・書く力・考える力」を一生ものにします(生徒向け)

全国初の本格的な日本語作文検定作文の客観的評価で、誰でも作文が好きになり実力がつく。特許取得の独自のアルゴリズムとAIによる対話型600字講評。(学校塾向け)
●担任制で対話のある、5人以内の少人数オンライン教育 言葉の森
●詰め込む学習から、創造する学習へ。小1から高3のオンライン少人数教育。

●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習