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これからの学力として必要な読書力、発表力を伸ばす読書紹介と、kindleを使った新しい読書の方法 as/4523.html
森川林 2022/09/05 05:40 


●動画:https://youtu.be/MpZGFVs8U64

 言葉の森のオンラインクラスでは、どのクラスも、最初に15分程度の読書紹介を行っています。
 そのクラスの勉強だけをした方がいいという考えもあるかもしれませんが、勉強は基本的に家庭で毎日やっていくものです。
 せっかく、そのクラスに4人までの生徒が集まっているのですから、その集まりを生かして読書紹介などの交流の場を作っていく方がいいのです。

 この読書紹介によって、どの小学生も、中学生も、高校生も、本をよく読むようになります。
 そして、更に大事なことは、学年が上がるにつれて、子供たちの発表が上手になっていくことです。
 小学校高学年になると、短い時間の中で簡潔にその本の内容を紹介し、自分の印象に残ったところを説明し、その本に対する自分なりの感想を述べることのできる生徒が増えてきます。
 このようにみんなの前で必要なことをわかりやすく説明できる発表力は、オンライン4人クラスの読書紹介のような機会がなければ、なかなか育てることはできません。

 読書紹介によって、子供たちの読書量は自然に増えます。
 もし、この毎週の読書紹介の時間がなければ、本をわざわざ読む時間を取らない中学生や高校生は多いのです。

 読書というものは、毎日の生活習慣ですから、数日読まない日が続くと、読書の習慣はすぐになくなります。
 そのなくなった読書習慣を取り戻す方法はなかなかありません。だから、高校生の不読率が50%にもなっているのです。
 しかし、毎週の読書紹介があれば、読書の習慣をすぐに回復することができます。
 読書紹介は、読書力をつけるための最良の方法なのです。

 ただし、読書の習慣がついたあとの課題はあります。
 それは、読書の質です。

 小学校低学年で、絵本のような本ばかり読んでいる場合、その絵本の内容がいくらよくても、文章として読む部分が少ない場合は、読書力はつきません。
 読書力がつかないと、本当の読書の楽しさというものがわかりません。

 文章のしっかり書かれた本を読むようにするためには、親の読み聞かせが必要です。
 よく、幼児のときは読み聞かせをよくしていても、子供が小学生になったことを理由に、読み聞かせをやめてしまう人がいます。

 子供の読んでいる本の内容を見て、絵ばかりの本であったなら、親が読み聞かせを復活する必要があります。
 大事なことは、本に書かれたストーリーの面白さを、絵を見て理解するだけでなく、文章を読んで理解できるようにすることです。

 小学校高学年や中学生、高校生の場合、いつまでも物語文の本しか読まない生徒がいます。
 読書は、楽しみのために読むものですから、物語文の本でもいいのですが、それと並行して説明文の本を読んでいないと、考える力はつきません。

 小学校高学年以上の生徒には、理屈を理解する力がありますから、「説明文の本も並行して読むことによって、読む力がつき、頭もよくなる」と話しておくことが大事です。

 昔は近所に本屋さんがあったので、子供たちが学校の帰りに本屋さんに寄って立ち読みをする中で、いい本にめぐりあうことができました。
 今は、そういう機会はほとんどありません。

 しかし、ネットを利用することによって、本に接する機会を増やすことができます。
 まず、子供にkindleなどの端末を買ってあげることです。
 図の多い本を見るには、fireなどのカラーの大きいサイズのものでもいいと思いますが、大事なのは、いつでも手軽に読めることですから、まず小さい端末を買うといいと思います。
 スマホで本を読むこともできますが、操作性を考えると、読書に特化したkindleのような端末の方がいいと思います。

 そして、子供に、「毎月の読書の予算5000円分は、自由に使っていい」と言って、子供が自分でネットで本を買えるようにします。予算はその家庭の実情に応じてですが。
 子供は、くだらない本も買うと思いますが、自分で自由に本を選んで買える環境があることによって、いい本にめぐりあう確率は高くなります。

 ネットの書店のいいところは、自分が選んだ本と関連する本が次々と表示されることです。
 また、他人の評価を見て、本を選ぶ参考にすることができます。
 kindleであれば、本を読んでいて必要なところに傍線を引くことができます。
 また、その本の一部分をコピーして、自分の書く作文などに引用することもできます。
 電車通学などをしている子供には、audibleで耳から聴こえる本を契約してもいいでしょう。

 読書紹介で読書の機会を増やし、ネットを利用した読書環境で本を選びやすくするというのがこれからの新しい読書生活になると思います。

この記事に関するコメント
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森川林 20220905  
 読書紹介の効果は、まず全員が必ず本を読むようになることです。
 もうひとつ重要なのは、みんなの前で上手に発表する力がつくことです。
 発表の練習のようなことは、4~5人の少人数のクラスでなければできません。
 あとは、読書の質を高めていくことです。


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勉強の目的は、競争に勝つことではなく、創造し独立すること as/4522.html
森川林 2022/09/03 05:58 


●動画:https://youtu.be/nH4J2cOdI0Q

 昔、言葉の森を始めたころ、「何のために勉強をするのか、そして、させるのか」と考えたことがあります。

 その当時の社会の一般的な勉強の考え方と対置して考えたのは、次のようなことでした。

 第一は、受験から実力へです。
 受験に勝つことを目的にした勉強ではなく、自分の実力をつけるための勉強をしなければならないと考えたのです。

 第二は、学校から家庭へです。
 学校や塾などの外部の機関に頼る教育ではなく、教育の基本は家庭と地域で行うべきものだと考えたのです。

 第三は、点数から文化へです。
 点数をつけて評価されるようなことが中心になるのではなく、点数につかないような文化的なものこそ評価されるべきだと思ったのです。

 第四は、競争から創造へです。
 今の教育は、競争の中で行われています。それは、最終的には、受験に勝つことが目的になっているからです。
 だから、人間にとって必要な知識ではなく、他人に勝つために間違いやすい問題ができるようになる知識を身につけなければならないのです。

 この「競争から創造へ」というのは、最終的には、子供たちがその創造を生かして、独立した人生を歩むということにつながると考えていました。
 独立とは、文字どおり独立して自分で会社を作り、又は、自分で仕事を作り出すようなことです。

 しかし、当時は、そういうことを言っても、理解する人はあまりいなかったと思います。
 だから、この教育の根本の目的は、自分の胸の中にしまっておいたのです。

 ただ、教育は、個人を目的にしたものでなく、社会も目的にしたものでなくてはならないということはいつも思っていました。
 だから、言葉の森のキャッチフレーズは、「明日の日本を支える子供たちの思考力、創造力、共感力を育てる」ということにしました。
 大事なことは、子供たちが成長することと、日本がよくなることを結びつけることでした。

 ところで、この「創造と独立」という考え方が、昔はあまり理解されなかったと思いますが、今は漠然と多くの人が、その方向を考えるようになっています。
 この創造と独立という方向が、今後の教育の最も重要な柱になるのです。

 その理由は、これまでの時代が利便性を中心とする時代だったのに対し、これからの時代は文化を中心とする時代になるからです。

 人間の社会で価値あるものとは、みんなが求めるものです。多くの人が求めるものが価値あるものです。価値があるから求めるのではなく、多くの人が求めるから価値が生まれるのです。

 わかりやすい例で言えば、ゴルフやサッカーのようなスポーツです。
 メジャーなスポーツは、幅広い経済的な裾野を形成しています。つまり、そこで巨額のお金が動いています。
 しかし、それは、例えば、地面の穴にボールを入れたり、ゴールの枠にボールを蹴り込んだりすることに価値があるからではなく、多くの人がそれらのスポーツに参加することによって価値が生まれたからなのです。

 これまでの世界では、人間が求めるものは、多くは量的なものでした。
 より多くの食糧、より多くの土地、より多くの人、という量の世界が価値の中心でした。

 その後、価値は量的なものから、利便的なものに移りました。
 より効率的なもの、より高性能なものを求めることが価値の中心になっていったのです。

 その最新の現象を表すものは、GAFAに見られるネット企業の興隆です。
 しかし、これは、利便性の時代がもうすぐ終わることの象徴でもあるのです。

 利便性の追求は、やがて、その利便性がガスや電気や水道や交通機関のようなインフラになる方向に進みます。
 ガスや電気や水道は、人間の生活に大きな価値のあるものですが、そこにはもはや新しい時代の価値を生み出すという魅力はありません。
 人間の社会は、これから、そういう利便性の時代の先に進みます。

 先の時代とは、文化の時代です。
 その文化の時代のモデルは、江戸時代の300年間続いた平和の中にあります。

 私がよく思い出すのは、ウズラの鳴き合わせという遊びがあったというような話です。
 同じように、長い平和の時代の中で、真っ白な文鳥が作り出され、金魚や鯉のいろいろな色や形のものが作り出されました。
 茶道や華道や俳句なども、それ自体の価値ではなく、文化的な価値として生まれ広がったものです。
 このような文化を生み出す歴史を持っているのが、日本という国の特徴です。

 イギリスやアメリカが世界の経済的中心であった時代に生まれたものは、ゴルフやサッカーやバスケットボールやアメリカンフットボールやマクドナルドやケンタッキーフライドチキンなどだったでしょう。
 しかし、これからは、日本が、日本の歴史を背景にした新しい文化を生み出す時代になります。

 その文化の時代には、多くの人が独立起業に参加できるようになります。
 GAFAの時代の独立起業は、あるひとつのビジネスモデルでグローバルなシェアを取ることが成功の基準でした。
 だから、独立起業に成功するためには、世界一になることが必要で、1位ではなく2位になることは敗北でした。
 利便性を基準にした世界では、生き残るのは世界で1社だけというのが原則だったのです。

 しかし、文化の時代はそうではありません。
 オンリーワンの文化が多種多様に生まれるのが文化の時代です。

 そして、今、私たちの価値観は、今、利便性の価値観から文化の価値観へと大きく動き始めています。
 この文化の時代の独立起業を想定するならば、子供たちの教育の目標もそこに向かって進めることができます。

 ここに来てやっと、勉強の目標として、競争と勝敗ではなく、創造と独立を考える時代が到来したのです。

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