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暗唱で大事なのは、覚えることではなく繰り返すこと as/922.html
森川林 2010/06/04 12:53 



 暗唱の練習は、小学校1、2年生ごろまでは、だれでも抵抗なくできます。暗唱とはそういうものだという気持ちで、素直にやっているからです。

 ところが、小学校3年生ごろから、急に暗唱がしにくくなります。その後、小学校5年生から更に暗唱がしにくくなり、中学生になると更に暗唱ができなくなるというように、段階的に暗唱が難しくなってきます。

 小学校3年生から初めて暗唱に取り組む子が、暗唱を難しく思うというのはわかりますが、小学校2年生までスムーズにできていた子が、小学校3年生からできなくなるということもあります。

 それは、なぜでしょうか。原因は、暗唱を覚えることと考えているからです。

 小学校1、2年生までは、文章を何度か繰り返し読めば自然に覚えられます。そこで、覚えることが目的のようになってしまいます。

 しかし、小学校3年生からは、単純に覚えることがだんだんできなくなってきます。それは、理解する力がついてくるからです。

 理解する力がついてくる結果、昔のように単純には覚えられなくなるので、がんばって覚えようとします。そのために、ますます暗唱ができなくなってくるのです。

 がんばって覚えようとする子は、次のようなことをしがちです。

・覚えにくい一文だけを何度も繰り返して覚えようとする

・声を出さずにじっと見て覚えようとする

・紙に書いて覚えようとする(これは特に高学年や中高生の生徒がしがちです)

・ときどき休憩を入れて、長い時間をかけて覚えようとする

 これらは、いずれも暗唱をしにくくする方法です。

 暗唱の方法は、ただ単に、「早口で」「声を出して」「繰り返す」というだけです。言葉の森では、この繰り返しをしやすくするために、暗唱用紙という方法を使っています。

 暗唱で大事なのは、覚えるという目的ではなく、繰り返すという方法です。繰り返すという勉強法を身につけて、理解力を育てるために、暗唱という練習をしているのです。

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暗唱(121) 

記事 921番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/27
地震が起きたらひとりひとりが消火の呼びかけを。経済危機が来ても子供の教育は家庭教室制度で守れる。 as/921.html
森川林 2010/06/03 02:48 



 地球全体の地殻変動が活発になっているようです。日本でも、近い将来、地震の起こる可能性が指摘されています。最も近いところでは、6月6日、11日、12日、16日……などの予測があります。

 さて、多くの人は既にいろいろな対策を立てていると思うので、見落とされがちな、しかしある意味でも最も重要な対策を書きたいと思います。

 地震が起きたとき、助かるか助からないかは半ば運です。それは天災だから仕方ないとあきらめるしかありません。

 しかし、地震の被害よりももっと大きいのは、その後の火災の発生による被害です。これは人災なので、心構えでいくらでも防げるものです。

 大きな災害があったときは、消防署のような公の機関が動き出すまで待っているわけにはいきません。各人が自己責任で行動する必要があります。

 自分と家族がとりあえず助かったとわかったら、表に出て、次のように呼びかけます。

「助かった人は、すぐに近所で火災が発生していないか巡回してください。煙が出ているところを見つけたら大声で知らせてください」

 こういう奇特な人が町内に一人でもいれば、その声に気づいてすぐに巡回する人が出てきます。いったん何人かの巡回体制ができれば、その街の火災発生はもう防げることになります。

 地震に対する最も重要なことは、この地震が起きた直後の消火の呼びかけを、気づいた人が自分の責任として行っていくことなのです。

 言葉の森の通学教室でも、ハンドマイクを数本用意して、いつでもこういう呼びかけができる準備をしています。


 次は、地震よりももう少し長いスパンの問題として、経済危機が起きたときのことを考えてみたいと思います。

 経済危機がいつどこで起きるかはわかりませんが、その進展する形は大体予想できます。アメリカのドルも、日本の円も、結局払うべきお金がないという事実が明らかになったときが破綻するときです。したがって、ハイパーインフレ、又は徳政令という形で、すべてがいったんゼロになるという形でスタートすることになるでしょう。

 すると、困るのは年金などの資産で生活している人です。何とかなるのは、農漁業など実際のニーズのある仕事をしている人ですが、そういう人はあまり多くありません。

 しかし、こういう時期でも子供の教育は待ってはくれません。そこで、言葉の森で考えているのは、塾に行かなくても大丈夫なように、家庭でできる家庭教室のシステムを提供していくことです。

 家庭教室の勉強の内容は、暗唱と読書と作文です。ウェブから、その学年で必要な教材をすべてダウンロードできるようにしておき、指導の仕方のマニュアルも読めるようにしておきます。指導に関する質問などは、随時掲示板で受け付けます。

 このような形で、自分の子供プラス近所の同学年の子供数人を家庭で教えていくことができれば、経済危機の中でも、子供の教育は安心です。

 暗唱、読書、作文であれば、勉強の内容がシンプルなので、子供たちを毎日でも教えることができます。しかも、この三つの勉強は、勉強の中で最も大事な学力をつけるものです。

 現在、この家庭教室の制度をほぼできあがっているので、これから経済的な問題が起きたら、まず言葉の森にご相談ください。

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政治経済社会(63) 

記事 920番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/27
「授業についていけない高校生が4人に1人」という記事を読んで as/920.html
森川林 2010/06/02 03:32 



 5月31日の日本経済新聞に、「授業についていけない高校生が4人に1人」というPTAの調査結果が出ていました。

 同じ日の日経新聞の教育欄のコラムに、塾の先生が、「23-1.8」の小4の正答率が40%弱だという結果を紹介して、中高の先生はこの実態を知らないと述べています。

 こう見てくると、高校生の授業についていけないという内容が、主に数学、次に英語で、小中学校で行うべき積み重ねができていないからではないかということがわかります。


 では、この対策は、どうすればよいのでしょうか。

 すぐに考えつくのは、授業についていけなくなった数学に力を入れることです。わからなくなったところまで戻って勉強するというのが、オーソドックスな考えです。

 しかし、苦手な子の力を短期間に向上させるコツは長所伸展法です。

 考えてみれば、数学や英語は、授業についていけるのにこしたことはありませんが、それができないからといって、特に大きな困難に見舞われるわけではありません。普通の社会人で、仕事や生活に高校の数学や英語の学力が必要な人はそれほど多くありません。

 問題は、これらの高校生が、たかだか数学や英語が苦手なために、勉強そのものが苦手だと勘違いして向上心そのものを失ってしまうことにあります。

 教育で最も必要なのは、日常生活の判断力につながるような勉強をしていくことです。それが国語力です。しかし、漢字書き取りのような国語力では、苦手をなくすというよりも逆に短所是正法の迷路に入り込みます。

 苦手を見つけて直すのではなく、普通の高校生が既に自分の実力相応にできて、苦手意識を持たないものに力を入れていく必要があります。

 それが、暗唱、読書、作文です。

 授業についていけない高校生が面白く取り組める勉強が、同時に、今の教育に欠けている理解力、思考力、創造性を育てる勉強につながっているということなのです。

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教育論文化論(255) 

記事 919番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/27
暗唱の意義は、読む力を育てることで、それが作文力につながる as/919.html
森川林 2010/06/01 12:09 



 前回は、暗唱の教材と、暗唱の時期について説明しました。今回は、暗唱の意義について説明したいと思います。


 しかし、実は、暗唱に対する研究というものは、ほとんどありません。塙保己一、湯川秀樹、シュリーマンのような、有名な人の有名な話はいくつかありますが、理論的な裏づけを持った説明というものは、今のところないようです。

 ここで、自分の経験と、これまで生徒に指導してきた経験から、暗唱の意義というものを考えていきたいと思います。

 まず、暗唱というと、暗記することや記憶することと考えがちです。暗唱によって記憶力がつくかというと、そういう直接的な効果はそれほどありません。長い文章でも、手順どおりやれば記憶ができるという確信はわきますが、記憶力がつくということではないようです。

 また、暗唱を記憶するものと考えると、易しい文章のうちは苦もなく暗記できますが、難しい長い文章になると、途端に全くできなくなるという状態になります。

 暗唱は、記憶ではなく、方法であると考えることが必要です。その方法とは、言葉の森でやっている暗唱用紙などを使った反復法です。


 暗唱によって力がつくのは、第一に理解力です。第二に読解力です。第三に発想力です。第四に感受力です。つまり、暗唱によって文章を深く読む力がついてくるのです。

 暗唱と作文力には関連がありますが、それは、暗記した表現がそのまま作文に出てくるというだけの根の浅いものではありません。暗唱が読む力を育て、その育った読書力によって書く力が伸びるという関係にあるようです。

 だから、暗唱の勉強だけでは不十分で、暗唱とともに読書に力を入れていくことが必要です。更に、読書の成果を表現するために作文の勉強が必要になってくる、という関係にあるのです。

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記事 918番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/27
暗唱の教材は何がよいか as/918.html
森川林 2010/05/30 22:16 



 暗唱という学習法には、伝統があります。しかし、現代ではこの暗唱という方法は、あまり一般的ではありません。そのため、理論化が不十分で、ともすれば形式にこだわる傾向が出てきます。

 その形式化が最も強く出るのが教材選びです。暗唱の教材というと、ほとんどが古典的な名文から選ばれています。古典的な文章から選ぶのは、文化的な教養を身につけるという点ではいいのですが、暗唱という学習法で徹底してやるほどのものではありません。

 暗唱の教材は、その学年の子が書く作文と同じか少し高いレベル、つまり自分が文章を書く際に生かせる日本語で書かれていることが大事です。漢文を直読するような素読も、文化的な意味ではとてもよいことだと思いますが、それだけでは現代日本語の助詞や助動詞の感覚がわかりません。

 これまで、暗唱という学習法は、小学校低中学年までの勉強のように思われていたために、大人が読むような古典を読ませることが中心になっていました。しかし、暗唱を中学生や高校生まで継続できる勉強と考えれば、その学年で書く作文に結びつくような文章を読む方がずっとよいのです。


 では、暗唱の学習はいつごろから始めたらよいのでしょうか。小学校1年生ぐらいからというのが理想です。小学校1、2年生のころは、暗唱の学習が全く苦になりません。しかし、小学校3年生以上で始めると、軌道に乗るまで本人がかなり苦しい思いをするようです。ただし、言葉の森の暗唱法は、手順どおりにやれば、だれでも必ずできるようになるので、問題はできると確信が持てるようになるまで継続できるかどうかということになります。


 暗唱の勉強を幼児期から始めるのは早すぎます。本当は、うまくやれば早すぎるということはないのですが、早くから始めようとすると、やり方に不自然さが伴ってしまうことが多いのです。幼児期は、ある特定のやり方を徹底するよりも、母親や父親ができるだけたくさん話しかけたり読み聞かせたりするという、言葉の生活を豊かにするという感覚でやっていくのがよいと思います。


 では、暗唱の学習はいつごろまで続けたらいいのでしょうか。教室の子供たちを見ていると、中学生ぐらいからだんだん暗唱ができなくなります。学校の勉強が忙しくなるということもありますが、それとともに、物事を理解する力が育つ時期なので、単純に反復する勉強というものがしにくくなるからです。しかし、作文力は、高校生になるまで毎年変化していきますから、高校生まで続けていく方がもちろんよいのです。

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