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現代を明治維新とのアナロジーで考える as/985.html
森川林 2010/08/06 22:06 



 「消費税を上げても、それを新たな分野の投資に使えば経済は活性化する」という新聞のコラムを見たのは、鳩山政権がまだ続いているときでした。

 その後、新たに就任した菅首相が消費税10%をマニフェストに追加して、民主党は参院選で敗北しました。

 民主党の議席が大幅に減ったのは、消費税の増税が財政再建と経済活性化につながるという虫のいい理論に納得する人が少なかったからです。多くの人の実感は、「最初に子ども手当や高校無償化などの大盤振る舞いをして、そのつけを消費税に回すとは何だ」というものだったでしょう。

 しかし、日本の財政が危機的な状況にあることは、多くの人が知っています。財政の累積赤字を改善するには、消費税を25%以上にしなければならないという試算もあります。しかし、それで財政赤字が解消するとしても、豊かな社会が来るという保証はありません。しかも、この恒常化する財政赤字は、日本だけの問題ではなく、世界中の先進国に共通する問題です。


 日本をはじめ先進国が共通して抱えている出口のない問題という状況は、明治維新前夜の日本の政治状況を類推させます。

 当時の日本は、黒船によって脅かされる以前に、国内の経済が行き詰っていました。多くの藩は、慢性化する財政赤字を抱えていました。武士は支配階級でしたが、その多くは、武士としての収入では食べていけませんでした。それは、非生産的な階級である武士が、生産を担う農民に比べて多すぎたからで、その仕組みを社会が自助努力で変える力を失っていたからです。

 この矛盾を変えるきっかけは黒船の登場でした。自助努力で変えられない政治を、国難という外圧が変えたのです。

 変化のイデオロギーは、復古運動として始まりました。尊皇攘夷から尊王倒幕へという流れの中で、古い体制が抱えていた矛盾が次々と明らかになり、その古い体制に依存していた既得権の多くが覆されました。


 現代が、この明治維新の前夜と同じだというとき、そこで否定されようとしている旧体制とは何で、復古運動を通して新しく生まれようとしている新体制は何でしょうか。私はそれを、次のように考えています。

 旧体制とは、専門化による分業で生まれた膨大な経済力と、それに伴うマネーを基準とした大きな無駄の体制です。復古的な新体制とは、自主的な協業で生まれる等身大の経済力と、エコロジーを基準とした自然と共存する体制です。

 例えば、これまでの政治は、プロの政治家が多数集まって烏合の衆となり、密室の駆け引きで政策が決まるという面がありました。これからの政治は、基本は市民による自治で、専門的な能力を必要とする外交や国政全体に関することは、少数のリーダーがオープンな論議の中で遂行していくものになるでしょう。

 これまでのメディアは、プロのマスコミによって流される、時に偏向した情報を、受け手はただ受身で受け入れるしかありませんでした。これからのメディアは、よりアマチュア的なジャーナリストによってさまざまに発信される情報を、受けてが比較し主体的に取捨選択して受け入れるものになるでしょう。

 これまでの農業は、その土地の生きた自然を忘れ、グローバルな農薬会社、化学肥料会社、F1雑種を作る種苗会社によってコントロールされるものになっていました。。これからの農業は、地産地消を中心とし、消費者自らが生産に参加するような自給的なものになっていくでしょう。

 (以下、医療、経済、教育とつづく予定)

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実力をつける作文-目先の面白さと本当の面白さ as/984.html
森川林 2010/08/05 12:08 



 「コボちゃん作文」という方法があります。四コマ漫画を見せて作文を書かせるという指導法です。

 作文指導というと、このように面白い課題を工夫することを多くの人は考えがちです。

 例えば、物語の続きを書かせるとか、物語の主人公を変えて書かせるとかいう方法も、課題を工夫した指導法です。

 「浦島太郎という物語をカメの立場から書いてみる」などという課題は、子供たちの想像力を刺激します。

 これらの指導は、子供の意欲を引き出すために工夫されたものですから、もちろん大きな価値があります。

 言葉の森でも、昔、そういう指導をしていたことがあります。しかし、今はあまりそういう工夫はしていません。

 なぜかというと、工夫した課題は、そのときは面白いとしても、そのあとに続くものがないと、単に面白いだけのものになってしまうからです。

 また、指導と評価の観点がはっきりしていないと、ただ面白く書かせるだけのものになってしまいます。

 つまり、課題を工夫して面白くするのはいいのですが、そこで何を目指すのかをはっきりさせることの方が作文指導では大事だということです。

 面白い課題の作文による成果は、子供が熱心に書くということですが、目先が変わったことによる熱心さは、目先が変わらなければすぐ飽きることにつながります。


 では、どうしたらいいのでしょうか。

 作文の力をつけるためには、読む力をつける学習が必要です。

 そして、勉強の面白さとは、前に習ったことが、より高いレベルで後になって生きたと実感できることです。

 そこで、言葉の森で今考えているのは、例えば、幼稚園年長のときに昔話の暗唱を行い、それが、中学2年生で書く意見文の社会実例の昔話に生かせるというような仕組みです。つまり、作文指導の中で、読む学習と書く学習が発展的に結びつく面白さを作っていくことです。

 目先を工夫した面白さも必要ですが、それ以上に、勉強の本質に結びつく面白さを追求していきたいと思っています。

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教室で教わる勉強から、家で準備する勉強へ as/983.html
森川林 2010/08/04 09:18 



 都会では、塾や習い事の教室がたくさんあります。子供によっては、1日に2つも3つも習い事を掛け持ちする子もいます。このような状態が続くと、「教室で教えてもらう」という発想になりがちです。

 言葉の森の通学教室でも、教材だけ持ってきて、「さあ、教えて」という感じで待っているだけの子もいます。教室に来る前に、家で暗唱や読書の自習をして、その週の課題で作文に書くことを決めてくることが大事なのですが、教室に来て初めて課題を見て、「書くことがない」というような子もいます。

 もちろん、そういう子は少数です。大多数の子は家で書くことを決めてきて、中にはその日に書くテーマで、お母さんやお父さんに取材してくる子もいます。

 全国の学力テストでわかった教育先進県の秋田県では、学校が家庭での宿題出し、家庭がその宿題をもとに毎日の家庭学習を行うという習慣があるようです。ところが、学力テストの平均点が軒並み低かった都会の県では、いろいろな習い事があるので、その習い事に行った日は、毎日の家庭学習ができないという状態になっているのだと思います。

 多くのIT技術者を輩出しているインドでは、夕方から遅い夕食の時間まで、子供たちが家庭で朗読をしたり計算の練習をしたりすることが家庭学習の中心になっているようです。日本でも、一昔前までは、子供は学校から帰ると、外で夜暗くなるまで遊び、家に帰ってから宿題や読書をして過ごすという生活でした。しかし、その時代の子供たちの方が、今の勉強漬けの子供たちよりも学力が高かったようなのです。

 義務教育の時期においては、優先順位は、毎日の家庭学習→学校で出された宿題→習い事の順になると思います。つまり、家庭で毎日行う勉強(読書や暗唱など)を優先的に確保して、その時間の空いているところで宿題や習い事をするということです。

 現代の都会で、毎日の家庭学習を確保するためには、早朝の時間を活用する必要があると思います。朝起きたら、音読や暗唱や読書の自習を行い(読書は夕方も行いますが)、それから朝食をとるというようなスタイルが作れれば、習い事のある日でも、土日で学校が休みの日でも、旅行に出かけたときの宿泊先でも、毎日同じように基礎的な家庭学習をすることができます。

 もちろん、そこで行う学習は、日本語を中心としたものです。その中でも特に日本語の読みを中心としたものです。算数のドリルや漢字の書き取りなど知識的な勉強は、必ずしも毎日やる必要はありませんが、日本語の文章を読む勉強は、毎日休まずに続けることで学力がついてきます。

 また、読む勉強というのは、問題を解くような形の勉強と比べると、日常の生活習慣と同じようなものですから、子供にとっては勉強をしているという負担がありません。暗唱や読書の勉強は、毎日やる習慣がついていれば、キャンプなどに遊びに行ったときでも、朝起きたらテントの中で暗唱をしてからそれから遊ぶ、というようなことも無理なくできると思います。

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森川林 20100805  
 はい、了解しました。連絡しておきます。

 欠席や電話先変更の連絡は、こちらからの方が確実です。
http://www.mori7.net/outi/d/
△言葉の森新聞の上の方にURLが書いてあります。

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通学教室で展示発表会と「はやぶさ」DVD上映会 as/982.html
森川林 2010/08/03 19:12 



 これまで、作文は評価を入れて返却しているだけでしたが、もっと面白い企画をと思い、通学教室で全員の作品を展示することにしました。

 あまり考えずに、全員の展示発表会としましたが、展示を始めてみると、室内には貼り切れないことがわかりました。(^^ゞ

 そこで、教室の入り口までの階段の壁などを使った屋外展示に切り換えました。

 粘着テープで壁に固定するので、日差しが強いとテープがはがれてきます。雨や風にも弱そうなので、1週間の展示期間中穏やかな天気が続くことを祈るばかりです。(-人-)



 また、同じ期間に、授業開始の1時間前から「はやぶさ」のDVD上映会をすることにしました。

 窓をビニールシートでふさぎ、教室の中を真っ暗にして、パソコンとつなげたプロジェクタによる上映です。

 みんな熱心に見ていました。


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NHKラジオ「10代いのちの対話」に向けての声を募集 as/981.html
森川林 2010/08/03 17:35 

 NHKより、8月15日にラジオ放送予定の「10代いのちの対話」に、10代のみなさんの声を聞きたいとのお話がありました。
 言葉の森の生徒のみなさんでも、生徒以外のみなさんでも結構です。
 10代のみなさんの声を「みんなの広場」にお寄せください。

https://www.mori7.net/nohara/mina/
(締め切りは8月10日。字数は100-150字ぐらいでいいと思います。他の人の声に対するコメントなども歓迎します。コメントの字数は短くてもかまいません)

 なお、場合によっては、番組の中でお電話による質問などもあるかもしれません(ほとんどないと思いますが)。
 したがって、生徒のみなさんは、差し支えなければ生徒コードを入れておいてください。

====▽引用ここから====

8月15日、終戦の日の夜、10代の皆さんと語り合う『10代いのちの対話』を放送します。「"いのち"の大切さ」を中心に「平和と戦争」「生きることの意味」「人間関係の悩み」などのテーマについて、お寄せ頂いたメールやFAXをご紹介し、10代のリスナーと電話をつないで、語り合います。10代の皆さんの「本当の考え」や「悩み」をぜひ、聞かせてください。

おたより募集中 
番組では、10代の皆さんからのお便りをお待ちしています。
◆「どんなときに"いのち"を意識しますか?」
◆「どうすれば戦争がなくなると思いますか?」
◆「生きるのが嫌だと思うのは、どんな時ですか?」
◆「人間関係に悩むのはどんな時ですか?」

その他、「大人に注文したいことは?」「最近、感動したことは?」



====△引用ここまで====

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