ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 1101番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/12/5
絶対語感の世界(その2) as/1101.html
森川林 2010/12/18 13:03 


 言葉は、実体と結びつくものだと思われています。例えば、「おじいさん」という言葉は、おじいさんという実体に対応しています。

 では、「おじいさんは山へ柴刈りに行きました」は、何に対応しているかというと、それは、おじいさんが山へ柴刈りに行ったという事実に対応しています。あたりまえですが。

 では、そのあとさらに続けて、おばあさんが川へ洗濯に行ったり、桃太郎が桃から産まれたり、犬とサルとキジが登場したりするという一連の物語は何に対応しているかというと、世界というものの認識の仕方に対応しているのです。



 一方、人間は、世界に対して、言語として対応する以前に、行動として対応しています。

 水は、「水」という言葉とも結びついていますが、それ以上に、「飲む」という形で飲む行動と結びつき、「泳ぐ」という形で泳ぐ行動に結びついています。

 人間がこのような行動によって手に入れるものは成果です。人間は、「飲む」という行動によって、のどの渇きをいやすという成果を得ます。「泳ぐ」という行動によって、無事に向こう岸までたどり着くという成果を得ます。

 しかし、人間はそこで行動によって成果を得ただけでは満足しません。よりよい成果を得るために、その行動を学習しようとします。そのときの学習の方法は反復です。

 例えば、泳ぐ場合であれば、何度も同じように泳いでみるという繰り返しで、次第に泳ぐ行動に熟達していきます。

 行動における反復は、行動の身体化という学習の方法です。小さい子供は、同じ行動を繰り返すことによって、行動を身体に刻みこんでいるのです。



 その行動と同じように、人間は言葉によって世界を認識するときに、認識の成果としての理解を得るだけでは満足しません。より素早くより的確な認識ができるようになるために、認識の仕方を学習しようとします。その学習の方法が、同じ物語を繰り返し聞くことです。

 小さい子供が同じ話を繰り返し聞きたがるのは、その話に盛り込まれている世界認識の方法を、その子供が身体化しようとしているからです。

 親は大人の感覚で、物語は一度読んでそのストーリーを理解したり味わったりすればそれでよいと考えがちです。しかし、子供が求めているものは、理解でも味わいでもなく身体化なのです。3歳から5歳のころの子供が同じ話を繰り返し聞きたがるとき、親はそのつど同じ話を同じようにしてあげるといいのです。



 しかし、同じ話を繰り返すというのは、大人にとってはかなり退屈なことです。(つづく)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
日本語脳(15) 

記事 1100番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/12/5
新学期教材発送しました as/1100.html
森川林 2010/12/17 21:21 

▽1月からの課題フォルダの表紙です。


 12月15日(水)の早朝から、新学期の教材印刷を開始しました。

 本日、17日(金)の夕方、全生徒の発送が終了しました。



 今学期の教材の主な変更点は、次のとおりです。

1、中1のデータ集を5ページに増やしました。

 これまでのデータ集は、古いデータもあったので、今度は新しいデータを活用していかれるといいと思います。

2、読解マラソン集はこれまで横書きでしたが、これを縦書きにしました。

 しかし、表紙が横開き用になっているので、ページが複数にわたる場合、縦書きで左から右のページへ読み進むという形になるところもできてしまいました。

 次学期からは、表紙も縦開き用にしていく予定です。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
生徒父母連絡(78) 
コメント91~100件
……前のコメント
自習室が利用し aeka
ありがとうございます! 1/19
記事 4936番
自習室が利用し 森川林
あえかわさん、ありがとうございます。 これから、みんなにも 1/19
記事 4936番
自習室が利用し aeka
いつもありがとうございます。 私はよく自習室を利用していま 1/19
記事 4936番
言葉の森の作文 森川林
 作文小論文試験の新しい評価の仕方は、AIによる評価です。小 1/19
記事 4939番
【合格速報】秋 らっこ
合格おめでとうございます。  目標を定め、決めたことを必ず 1/15
記事 4926番
ChatGPT 森川林
 世界では、ChatGPTを使って学生がレポートなどを作らな 1/13
記事 4930番
プログラミング 森川林
 プログラミングクラスに参加する子は、男の子がほとんどなのは 1/11
記事 4929番
【合格速報】秋 sasa
 合格おめでとうございます!  小学校二年生から作文を担当 1/10
記事 4926番
小学3、4年生 kaze
作文の書き方をいくつか見比べてみると、みな、言葉の森の指導方 1/9
記事 4916番
小学3、4年生 森川林
 私は、人を批判することは好きではありませんが、学校の先生や 1/9
記事 4916番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 11月 森川林
 これは、解き方の問題ではなく、読む力の問題です。  読解 12/5
国語読解掲示板
Re: ICレ 森川林
 ChatGPT、あまり文章うまくないなあ(笑)。  音声 12/5
森川林日記
ICレコーダと 森川林
AI時代に子どもが伸びる――全科学力クラスという新し 12/5
森川林日記
noteのペー 森川林
https://note.com/shine007 12/4
森川林日記
11月分 4  あういと
問題7と問題8が分かりません。 キーワードはわかるのですが 12/3
国語読解掲示板
Re: 森川林
 字がきれいだったのは、そのあとの日記の内容を見ると、弟が葛 11/30
国語読解掲示板
Re: 11月 森川林
 お返事遅れて失礼しました。  易しい国語問題は、「同じ言 11/30
国語読解掲示板
ともとも
小5の11月の読解検定のBの問題が誕生日だから字が綺麗だと思 11/28
国語読解掲示板
2025年11 森川林
△ムラサキシキブ ●作文検定スタート  学校 11/26
森の掲示板
11月中2読解 すみひな
問1のBについて解釈の仕方が分からないです。 「賢いようで 11/22
国語読解掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習