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記事 1148番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/19
読書で国語力をつける―大事な読み聞かせ as/1148.html
森川林 2011/01/27 20:36 


 子供にとって読み聞かせは、国語力をつける上で大きな役割があります。

 ところが、兄弟がいて下の子がまだ小さい場合、母親はその下の子にかかりきりになり、上の子の読み聞かせまで十分に手が回らないということが起きてきます。

 このときの方法は、下の子に読み聞かせる文章を、同じように一緒に上の子にも読み聞かせるというやり方です。

 母親が読んであげるのですから、本の内容は多少難しいものでも構いません。子供にとってわかりにくいところは、親が適当にアレンジして、上の子にも下の子にも同じように楽しめる形にして読んでいけばいいのです。



 子供が小学生になると、本は自分で読むものだといって、親が子供への読み聞かせをやめてしまう場合がときどきあります。しかし、子供は、それほど簡単に自分で読む力を身につけるわけではありません。長い読み聞かせの時期と並行して、少しずつ自分で読む楽しさを覚えていくのです。

 読み聞かせをすると、それに甘えて自分で読む力が育たないなどという人がいますが、それは全く反対です。読み聞かせをすることによって耳から文章を理解する力がつくので、自分で本を読む力も育っていくのです。

 自分から進んで読書しない子の場合、興味のある本ということで、漫画や攻略本のようなものを読ませるのも一つの方法です。ゲームの攻略本は、難しい漢字にふりがながついているので、自然に読む力が育ちます。漫画も同様で、漫画の中の会話がそれなりによく練られているものであれば、漫画を読むことは決してマイナスにはなりません。ただし、漫画が読解力のプラスになるのは、小学校低学年の間までです。

 これは学習漫画も同様で、絵の助けを借りて読むような本は、知識は身につくかもしれませんが、読解力を育てることにはなりません。

 読む力をつけるためには、毎日必ず家庭で読む時間を確保することです。その読書タイムのときは、子供だけでなく、家族全員で本を読むようにしてもよいと思います。それぞれの子供の読む実力を見ながら、1日10ページ以上とか50ページ以上とか決めて、毎日読む時間を確保していきます。

 読む本は、漫画や絵本や学習漫画や雑誌のようなものでなければ、自分の好きな本を何でもよいとします。大事なことは、本の選び方よりも、毎日読むという習慣をつけていくことです。

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記事 1147番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/19
添削された作文を暗唱するシュリーマンの作文勉強法 as/1147.html
森川林 2011/01/27 19:59 


 海外に暮らしていた人が日本語の作文の学習をするとき、語彙力はそれなりに豊富なのに、簡単な「てにをは」のような助詞の使い方に不自然なところがあるというような場合があります。

 「てにをは」の感覚は、子供時代に接した日本語に左右されるので、言葉の上で間違いを指摘したからといってすぐにそれが理解できて、正しく書けるようになるわけでありません。

 この場合、シュリーマンの行った作文の勉強法が役立つと思います。

 外国語の学習でいちばん難しいのは、読むことや聞くことや話すことではなく、文章を書くことです。シュリーマンは、外国語で文章を書く練習をするために、自分の書いた文章をその言語をネイティブに使っている人に添削してもらい、その添削された文章を丸ごと暗唱するという練習をしたそうです。

 ここで、言葉の森が行っている長文暗唱の練習法が役に立ちます。

 自分の書いた文章を正しく添削してもらい、それを丸ごと暗唱するという勉強をしていけば、読む力をつける中で作文力をつけるというやり方よりも、もっと早く効果的に書く力がついていくと思います。

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記事 1146番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/19
思いやりと共感の社会―知のパラダイム(その9) as/1146.html
森川林 2011/01/27 19:57 


====

■これまでのあらすじ

 世界には、二つの文化があります。一つは、ヨーロッパの哲学に見られるように、「自分という個別的な物が最初に有り、その対象となる個別的な物の集合としての外界が有り、物と物とが任意に関係を結ぶ」という世界観です。これを「有の哲学」と呼び、この哲学に基づいて形成された文化を「有の文化」と呼びます。

 もう一つは、インド、中国、日本などの古代の哲学に見られるように、「自分という個別的な物はもともと無く、有ると見られている物は、その物以外の外界(つまりその物にとっての無)から結ばれている関係である」という世界観です。だから、すべての物はもともと無いと同時に永遠に有るとも言えるし、すべての個はそのまま全体であるとも言えるという考え方です。この逆説的な論理を、日本人の多くは感覚的に理解します。

 二つの文化の違いをわかりやすく言い換えれば、有の文化を、エゴイズムの文化、物の文化、自己主張の文化と呼ぶことができます。これに対して、無の文化は、思いやりの文化、一体化の文化、共感の文化と呼ぶことができます。

 現代は、有の文化が世界を支配しています。先進国で無の文化を持ち続けている国は日本だけですが、その日本の無の文化もまた、世界の有の文化に脅かされています。

 日本には、無の文化を守り、世界の有の文化を無の文化の中に包み込み、平和で創造的な地球を作る役割があります。

====



 教育もまた、有の文化の論理から抜け出て、無の文化のもとに再構成する必要があります。では、教育における有の文化に対置する無の文化とは何でしょうか。

 第一は、受験のための教育ではなく、実力のための教育を行うことです。

 第二は、得点のための教育ではなく、文化的な価値観を持った教育を行うことです。

 第三は、学校や塾という外部に全面的に委託した教育ではなく、家庭での自学自習を中心とした教育を行うことです。

 第四は、他人との競争に勝つための教育ではなく、自分自身の独立を目指すための教育を行うことです。



 競争に関して言えば、有の文化から無の文化に切り替えることによって、競争の性質も変わります。

 有の文化のもとでの競争は、自分の利益のために他人を蹴落とす競争でした。しかし、日本の文化になじんだ人は、このような競争に心からは没頭することができません。よく親や先生が子供に向かって、「勉強するのは、あなた自身のため」であり、「勉強しないと損をするのは結局自分自身だ」という説得をすることがあります。しかし、この説得は、子供にも言っている本人にも、あまり心に響いてきません。有の文化の価値観に基づいた競争は、無の文化を持つ日本人にはぴんと来ないのです。

 無の文化における競争は、自分の利益のための競争ではなく、自分の周囲の集団や社会に貢献するための競争です。

 例えば、年末の紅白歌合戦が視聴率の高い長寿番組となっているのは、それが参加する個人の優劣を競う競争ではなく、個人が属する赤組と白組という集団に貢献するための競争となっているからです。

 勉強における競争も、この紅白歌合戦のような競争に組み立てることができます。赤組と白組で、どちらがいい成績をとれるかを競争すれば、それぞれの組の子供たちは、できる子はさらにがんばり、できない子はみんなが協力してできるようにさせるためにがんばるでしょう。



 しかし、このような無の文化は、取り組む人の姿勢によっては、容易に有の文化の競争に転化する可能性を秘めています。例えば、もし一方の組のリーダーが、競争に勝つために、自分の組のできない子を排除し、相手の組のできる子を陥れようとするならば、その対抗上、他方の組も同じような対応を考えていくでしょう。集団に貢献するための競争が、集団の力に個人を隷属させる競争になる可能性もあるのです。

 これが、世界中で、無の文化がことごとく消滅していった理由です。無の文化を持つ100人の中に、1人の有の文化が入るだけなら、それは集団に対する一つ知的刺激になるでしょう。しかし、これが、2人、3人と増えていくと、途中で全体が一挙に有の文化に転化するのです。



 日本が思いやりと共感の社会を形成してきたのは、日本の社会に海外からのエゴイズムの文化が大量に流入してこなかったからです。

 しかし、これまでは、海洋に隔てられることによって守られてきた日本の文化を、これからは政治の力で守らなければなりません。例えば、農産物の自由化、海外からの移民の受け入れ、外国人への参政権の付与などは、原則として停止するぐらいのゆるやかな速度で徐々に進めていく必要があるでしょう。

 日本の社会を、平和な未来の地球の最後のモデルとして守るためには、野獣どうしの力の均衡や、力による秩序から距離を置き、有の文化の持つ策略や武力を、強力な無の文化のテクノロジーで包み込んでいく必要があります。

 それは、地球人の課題であるとともに、未来に出会うはずの平和な宇宙人たちとの協力の前提でもあるのです。(おわり)

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小5の1.4週の8番の読解問題を訂正 as/1145.html
森川林 2011/01/27 19:53 
 小5の1.4週の読解問題の8番で、設問に出ている「処世訓」という言葉が、長文の中にありませんでした。
 これは、長文を短く編集しなおす過程で、その設問の対象となっている部分を消してしまったためだと思います。(^^ゞ
 8番の問題は、全員◎にしておきます。

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記事 1144番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/19
小学校1年生から始めて受験の作文につながる勉強 as/1144.html
森川林 2011/01/27 09:38 


 言葉の森は、もともと大学生の作文指導の教室からスタートしました。その後、高校生の小論文指導や、中学生、小学生の作文指導へと指導を発展させてきました。

 ですから、小学生の作文指導をする際にも、中学高校へと勉強進めていく土台となるような勉強の仕方をしています。この小1から高3までの指導の一貫性が、言葉の森の作文指導の特徴です。

 学校や塾で小学生の作文指導ををするときは、その学年で上手な作文を書くことが目標にしてなりがちです。そのため、小学校4年生ぐらいになると、文章を書くことが好きな子は、その学年としてはほぼ完璧な作文を書くことができるようになります。どのようなテーマでも、自分なりに個性的な実例と印象的な表現で書き進めていくことができるので、保護者や先生は、これで作文の指導は一段落したと思いがちです。



 しかし、言葉の森の作文指導は、小学生のころに上手な作文を書くことで終わりになるわけではありません。言葉の森では、小学校5、6年生から説明文・感想文の指導に移っていきます。

 中学生で本格的に意見文・感想文の練習が始まると、小学生のころまで上手に書けていた子供たちが、途端にうまく書けなくなり、多くの子が作文に苦手意識を持つようになります。

 小学校高学年や中学生の課題は、テーマが抽象的になってくるので、そういう抽象的な課題を考えるための語彙力がまだ育っていない時期は、作文が一時的に下手になるのです。

 しかし、中学生で意見文の練習を始めた子は、たとえ途中でやめることになっても、構成的に作文を書く方法を理解しているので、高校入試や大学入試の作文小論文試験の際に、それまでに勉強したことを生かすことができます。

 抽象的な課題の作文力の土台となる語彙力が備わってくるのは、中学3年生のころからです。中学3年生になると、自我が成長し、勉強も自覚的に行えるようになるので、作文の力も安定してきます。中学3年生で作文が上手に書ける子は、そのまま高校生になっても大学生になっても、その文章力の基本を維持することができます。

 高校生以上の作文の勉強は、考える力をさらに深めていくという形で上手になっていく勉強です。ですから、中学生高校生の作文の上達は、難しい文章を読んだり考えたりする時間がどれだけあるかということと比例しています。



 作文の力は、読む力と比例しているので、読む力が向上してくると、ある時期から突然、作文が上手になるということがあります。

 これまでの例では、小学校4、5年生のころまではいつもふざけていい加減なことばかり書いていた子が、好きな本のジャンルができ、それらの本を読んでいるうちに、小学校6年生から突然作文が上手になり、中学高校とめきめき学力を上げていったということがありました。

 また、小学生のころから成績はよく真面目に勉強はしているものの、作文はごく普通に書けるという程度だった中学1年生が、自然科学系の部活でやはり好きなジャンルの本を読むようになると、高校生の後半からぐんぐん作文が上手になっていったという例もありました。

 作文の勉強は、書き方を教えてすぐに効果が出る面ももちろんありますが、本当の実力は、読む力をつける中で少しずつ蓄積されて行き、ある日突然開花するものです。

 作文の勉強をする上で大事なことは、今の学年で上手に書くことばかりでなく、先の学年に進んだときに質の違う上手な作文を書けるようになるという展望を持って勉強を進めていくことです。

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