●動画:
https://youtu.be/SyOqICva19k
能率のよい勉強の仕方は、繰り返し読むことです。
その反対の能率の悪い勉強の仕方は、解くことです。
解く勉強は、読む勉強の5倍から10倍時間がかかります。
だから、解く勉強をしていると、大抵は1回解くだけでその勉強は終わりにしてしまいます。
解く勉強をして、できた問題は、もともと解かなてくもできたはずの問題ですから、解くだけ時間の無駄だったのです。
解く勉強をして、できなかった問題があった場合、その問題に印をつけて、日をおいて再度解くという子はまれです。
だから、できなかった問題は、できないまま残るのです。
読むだけの勉強であれば、解くよりも早くできますから、同じところを繰り返し読むことができます。
繰り返し読むことによって、問題を解く力がついてくるのです。
作文を上達させるコツは、書くことではなく、読むことです。
確かに、書くことによって初めて身につく構成力、表記力、字数力、スピード力などはあります。
しかし、内容の豊かさ、表現の上手さ、主題の深さなどは、書くことによってではなく、主に読むことによって身につく作文力です。
夏期講習で受験作文の講座がありますが、このテキストをそのまま解いて(書いて)やっていたら、夏休み中に終えることはできません。
問題文を読み、解答を読み、「このテーマだったら、こういうことを書けばいいのだな」と理解する勉強としてやっていくのです。
その理解度と再現度を、先生が口頭で確認します。
こういうやり方を1冊で何回も繰り返していくというのが最も能率のよい勉強法です。
これは、記述の練習についても言えます。
記述の問題をわざわざ書いて解いていたら、1日に2、3ページ進むのがせいぜいでしょう。
問題を読み解答を読み、それを理解するという勉強であれば、1日に10ページぐらいは進みます。
そして、それを先生がチェックするのです。
ただし、記述の場合は、指定の字数内で時間内にまとめるという力も必要なので、それは要約の練習としてやっていきます。
記述も作文も、書き慣れるという要素があるので、実際に書いてみる時間は必要です。
しかし、書く勉強(解く勉強)はできるだけ少なくして、読む勉強を中心にしていくことが大事です。
同じことは、国語の勉強についても言えます。
国語の問題集は、ほとんどすべての子が順番に解く形で勉強しています。
しかし、それでは、記述の問題と同じように、1日に2、3ページしか進めません。
問題文を読む勉強を中心にすれば、1日10ページは進むことができます。
その問題文の理解の状態を先生が確認するのです。
このような読む勉強が、世の中でほとんど行われていない理由は、子供も、親も、また先生も、解いた形が残らないと、勉強した気がしないからです。
しかし、勉強の本質を考えれば、作文、記述、国語などの勉強は特に、読んで理解する勉強を中心にしていいくといいのです。
●動画:
https://youtu.be/Ttar7jWfw3Y
言葉の森が、Online作文教室言葉の森という名前でホームページを作っていたのは、40年ほど前のことです。
私は当時、オンラインの可能性を、単なる時間や空間の制約からの自由というところよりも、ロングテールとコミュニケーションの広がりの可能性ということで考えていました。
しかし、そのオンラインという考えが普及するのは、かなり時間がかかりました。
2020年のコロナ騒動で、オンライン化がさまざまな分野で取り組まれるようになりました。
教育の分野でも、オンライン化が進みましたが、そのほとんどは、従来のリアル教育をただオンラインで流すだけのリアルのコピーとしてのオンラインでした。
リアルでできることを単にオンラインにしただけのオンライン化は、今後はすたれていきます。
リアルではできないオンライン化が、今後生き残るオンラインです。
アマゾンが、インターネットの書店として登場したころの評価は、「やはり、本は(実際の書店で)手にとって見てみないと」というものでした。
しかし、そのアマゾンがリアルの書店を超えたのは、購入できる冊数の多さとともに、その図書の評価や関連図書のおすすめなどリアルではできない機能があることがわかってきたためでした。
同じことが、これからのオンライン教育についても言えます。
今のオンライン教育のレベルは、「やはり、勉強は(実際の教室で)直接先生に教えてもらわないと」というものです。
それは、現在行われているオンライン教育のほとんどが、リアル教育のコピーでしかないからです。
そのようなオンラインは、「通うのが大変だし、オンラインの方が便利だから」という程度のオンラインで、リアルを補完する形のオンラインです。
リアルを補完するとは言っても、このようなオンライン化は、これからあらゆる分野で広がっていきます。
やがて、わざわざオンラインと言わなくても、普通はオンラインで、特別なときだけオフライン(リアル)ということになってくると、オンラインという言葉は死語になっていきます。
今、言葉の森は、オンライン教育とかオンラインスクールとかいう言葉を全面に出してホームページを作っていますが、近い将来、わざわざオンラインという言葉を使うことが古くさくなる時代が来ます。
そのときに、大事なのは、オンラインそのものではなく、オンラインで追求しようとしていたものです。
それが、最初に述べたロングテールの活用とコミュニケーションの広がりなのです。
言葉の森のオンライン教育は、オンライン5人クラスという形で進めています。
なぜ5人かというと、それは、参加生徒全員の、発表と、対話と、自主学習と、個別指導と、創造教育が成り立つ人数だからです。
今はまだ言葉の森のオンラインの通年学習を行っている生徒は、わずか200名ほどです。
これでは、ロングテールの活用は不十分にしかできません。
本当は、同じぐらいの学年の、同じぐらいのレベルの、同じような関心のある生徒が5人ほど集まって、ひとつのクラスで学習を進めていくというのが、ロングテールの活用です。
そういうクラス運営が可能になれば、そのクラスは、小学生や中学生のころだけでなく、高校生になっても、大学生になっても、社会人になっても、親しい学友の集まりという形で存続していくでしょう。
人間が成長するのは、教材や先生によってよりも、むしろ友達によってです。
自主学習を通した親しい勉強友達作りが、オンライン5人クラスの目指す大きなテーマです。
そのようなオンラインクラスを実現するためには、オンラインの参加生徒が、数百人ではなく、数千人や数万人になっていく必要があります。
このように考えると、今使っているオンライン5人クラスという言葉の中で重要なものは、オンラインという概念ではなく、5人という概念だということがわかります。
5人のクラスであれば、生徒どうしが互いの人柄がわかり、親しくなることができます。
親しくなるということは、そのクラスに安心して参加でき、そこで自分らしさを自由に発揮できるということです。
また、講師が、生徒一人ひとりの学習状況を把握できるので、いつでも保護者とコミュニケーションを取ることができます。
これが、今後のリアルを超えたオンライン教育の可能性なのです。
そこで、言葉の森では、この5という概念を、新しいわかりやすい言葉で表したいと思っています。
5レンジャーとか(笑)
というのは冗談ですが、教育の新しいプラットフォームを、このロングテールを生かした5人以内のクラスということでこれから実現していきたいと思います。