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言葉の森の自習を楽に続けるために as/1635.html
森川林 2012/10/19 06:16 



 人生の基本は学力です。(学歴という意味ではなく)
 学力の基本は国語力です。
 国語力の基本は読む力です。
 読む力はどうしたらつくかというと、毎日続けることによってです。

 以上のことを逆に言うと、
 人生の基本は、スポーツや芸能ではありません。(そこでがんばっている人は、もちろんそれでいいのですが)
 学力の基本は、英語や数学ではありません。(それらは点数の差がつきやすいということなのです)
 国語力の基本は漢字を書く力ではありません。(むしろ漢字を読む力を含めた読む力です)
 読む力はどうしたらつくかというと、集中して国語の特訓をすることによってではありません。

 以上、いろいろ差し障りがありそう……。(^^ゞ

 だから、いちばん大事なのは、読むことを中心にした学習を毎日続けることですが、毎日続けるために大事なことは、楽にできる分量にとどめて無理せず気長にやることです。


 言葉の森の勉強を始めたばかりの人がよくやってしまうのが、最初からがんばりすぎることです。
 例えば、作文を書くのに3時間もかけるとか、毎週の長文の音読も、読解マラソン集の音読も、暗唱長文の暗唱も、読書も、問題集読書も、最初からすべてやってみるとかいうことです。
 生活の中での勉強のスタイルには個人差があり、また勉強の能率にも差があります。

 楽に続けるために大事なことは、身近にいるお母さんが子供の様子を見て、随時判断し、早めに軌道修正してあげることです。

 しかし、軌道修正をする一方で、大きな原則というものも必要です。
 子供が何を言おうが、これだけは続けるというものがあると、子供の気持ちも安定するのです。

 その原則の第一が読書です。どんな本でもいいから(「怪傑ゾロリ」でもいいから)毎日10ページ以上の読書をすることです。(ちなみに、「怪傑ゾロリ」は文章も内容も優れたいい本です。)
 最低限、この読書だけを毎日欠かさずに続けていればいいのです。(この方法はまたいつか説明したいと思います)

 そして、読書はできるので、もう少し何かをしたいという場合の第二が、毎日の長文の音読です。長文の音読のような2、3分でできる短い勉強を毎日続けるために大事なことは、朝ご飯前などの確実にできる時間を確保することと、最初のうちはアラームなどをセットして習慣がつくまでアラームを開始の合図にすることです。

 この読書と音読が続けられれば、国語力は確実に向上します。

 更に、もう少し何かができる余裕があるという場合の第三が、長文の暗唱です。暗唱は、小学校低学年のころは楽にできます。しかし、中学年、高学年と上がるにつれてだんだん暗唱ができなくなり、中学生、高校生では暗唱はかなり難しくなります。それは、決められた回数を声を出して繰り返すだけという単純なことをせずに、理解して覚えようという気持ちが出てくるのがこの小学校高学年以降の時期だからです。
 しかし、音読で回数を繰り返して暗唱するというコツをつかんだ子は、英文の暗唱なども楽にできるようになります。

 以上の読書、音読、暗唱までできれば、家庭学習としては、もうほかに何もしなくてもいいぐらいです(笑)。

 しかし、更にもう一歩進めて勉強をしたいし、またそういう余裕があるという人の場合は、入試問題集の問題文を読書がわりに読む練習です。
 この問題集読書は、黙読でも傍線を引きながら読むとか、又は声を出して読むとか、又はいい文を抜き書きするとか、という作業をしながら読むことが大事です。難しい文章は、ただ黙読しているだけでは続かないからです。

 しかし、くれぐれも注意したいのは、最初に書いたように、たくさんやることではなく長く続けることです。
 がんばって数か月しかできなかったというのでは力がつきません。
 物足りない分量だが何年も続いているというときに初めて力がついてくるのです。

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対話は、子供の発言をすべて認めて楽しくやること(facebook記事より) as/1634.html
森川林 2012/10/17 19:57 



 昨日に引き続き、対話の話です。

 対話のきっかけは、子供からの説明がベスト。

 子供がちょっと難しい長文を毎日音読していて、その内容を週末の家族の団欒の時間にお父さんやお母さんに説明します。


 そのときに大事なことは、その説明がどんなに下手でも短くてもわかりにくくても、それをそのまま認めてあげることです。

 間違っても、「そんな説明じゃわからない」「もっとくわしく」などと言ってはいけません。

 でも、最近、いろいろな子に話を聞いてみると、ほとんどの家庭でそういうことを言っていたようです(笑)。


 まったく……。注意されてがんばる子や、間違いを指摘されて上達する子などいないと何度も言っているのにね。

 お父さん、お母さんは、自分の子供のころをふりかえって、どういうときにやる気が出たかよく考えてみてください。

 親に小言を言われてから急にやる気が出てきたなんて人いないでしょ(笑)。



 言葉の森で、先日、作文発表会をやりました。

 みんなの前で、自分の作文を(できれば暗唱して)発表するのです。

 中には恥ずかしがり屋で、やりたくないと言っていた子がいましたが、それはそれで参加不参加は自由です。


 しかし、リハーサルでみんなの発表を聞いているうちに、そういう子も、「やってみる」と言い出しました。

 それは、なぜかというと、リハーサルで、一切何も注意せず、どんな発表の仕方も全部褒めてあげたからです。


 これが、「もう少し声を大きく」とか「姿勢をよくして」とか「もっとゆっくり」などといちいち言っていたら、みんなもっと緊張する暗い真面目な発表会になったでしょう。

 子供時代に、そんな真面目なことをする必要などありません。

 どんなことも、面白おかしくどんどん褒めて明るくやっていくのがいいのです。

 だから、もちろん叱ることがあっても、明るく強く元気いっぱいに叱れば、その叱り方は一瞬で、いつまでも尾を引きません。


 対話の命は脱線です。

 子供がひとこと説明したら、お父さんお母さんがそれに尾ひれをつけて、自分の好きなことをどんどん喋っていけばいいのです。

 すると、子供も、「なるほど。そういう適当なことでいいんだ」と負けずに自分の言いたいことを言い出します。

 だいたい、人前で自分の言いたいことや自慢話を言って、認めてくれるところなど家族以外にありません。


 と言っても、お母さんと子供が一対一でまるで面接か何かのように話すだけでは、雰囲気が盛り上がらないということもあります。

 そういうときは、近所の子供やお母さんお父さんも入れて、対話の会です。

 子育てには、親の企画力もちょっと必要なのです。



 ゴニョゴニョゴニョ。木の実の秋は、リスも対話です。


 「だから、対話リスって言うんだ」

 「そりゃ、違うでしょ」

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日本の対話と欧米のディベート(facebook記事より) as/1633.html
森川林 2012/10/17 04:02 


 日本人の対話は、欧米人のディベートとは違います。

 意見の異なる部分を論破し合うのではなく、実例の異なる部分を認め合うのです。


 だから、子供との対話も同じ。

 子供が、「こんなことがあって、こう思った」と言ったら、親は、「お母さんは、そう思わないわ」などと言わずに、「お母さんも、(それと似た話で)こんなことがあったわ」と言うのです。

 すると、お父さんがやってきて、「パパは、ちょっと違うけど、こんなことがあったぞ」などと言うのです。

 そうして、互いに異なる実例を共有し合うのが対話です。


 ときどき、似た例を探すのに、インターネットで検索してホームページをコピーして渡す人がいます。みんなやっていると思いますが(笑)。

 でも、いちばんいい実例は、そういう正確ないデータよりも、お父さんやお母さんの体験談です。


 ところで、お父さんは物事を説明的に理解しているので、なかなか体験談が出てきません。

 しかし、子供が喜ぶのは、お父さんの自慢話です。

 ここで、お父さんが自慢話を始めたときも、お母さんは、「私は、そうは思わないわ」などと言わずに、「私にも、似た例があるわ」と続ければいいのです。


 似た例を広げていくことで、子供の創造力も広がります。

 なぜかというと、子供は、自分の体験と異なる似た例を知ることで、その隙間を埋めようとするからです。


 そして、対話は子供の思考力も育てます。

 対話の中では、「どうして」という言葉がよく出てきます。

 異なる実例を理解しようとするとき、子供はそれを自分の知っているメタ言語で理解しようとするからです。



 今日は、昨日にもまして更に快晴。(超快晴とでも言うのかなあ)

 まだ朝ですが、秋の夜長はみんなの自慢話で家族の対話を楽しんでください。


 それでは、今日もいい一日をお過ごしください。


 (中根)

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子供の教育は家庭での工夫から(facebook記事より) as/1632.html
森川林 2012/10/14 07:15 



 点数ではなく中身を見よう。

 点数を見るからどうしていいかわからなくなり、他人に任せるようになり、

 長期的なことも短期的なこともまとめてやらせるようになるのです。


 数値化された情報は、しばしば現実の本当の姿を覆い隠します。

 しかし、数字がなければ大きな流れを見ることはできません。


 数字を生かしながら数字に流されない自分なりの見方が必要です。


 子供がテストを持って帰ったら、点数を見るのではなく、その中身を見るようにしましょう。

 そして、時には、その問題を親も同じようにやってみて答えを出してみるのです。

 すると、自ずから何をすべきかということがわかってきます。


 先日、facebookグループ「帰国子女の原」で、海外に暮らす方の投稿に参考になるものがありました。

http://www.facebook.com/groups/189776334405898/

 その人は、日本語補習校が近くにないので、家庭で子供たちの日本語学習を工夫したそうです。

 その方法は、現地の子供たちと一緒に日本語で遊ぶ企画、日本の漫画や、日本語のアニメやドラマを楽しむ工夫など、生活の中で自然に日本語に触れる機会を増やすことでした。

 私はその記事を見て、日本語補習校が近くになく宿題やテストのようなものがないことが、かえってよかったのではないかと思ったのです。(あればまたそれを生かす工夫もできたかもしれませんが)


 子供の教育の中心となる場は家庭で、その担い手は親、特にお母さんです。

 点数のような外から与えられた評価は、たまに大局を見るときに利用すればいいのです。

 基本は、親が自分の目で見る子供の姿だと思います。



 今日は、10月14日。

 何の日かと思って調べてみたら、大政奉還のあった日でした。

 私たちの祖先、と言ってもほんの数世代前の祖先は、国難を自分たちの工夫で切り抜けてきました。

 これから日本と世界が遭遇するさまざまな問題も、すべて他人や他国に頼らずに自分たちで切り開いていきましょう。


 それでは、今日も静かな秋のいい一日をお過ごしください。

 (中根)

 (写真は、数前の秋訪れた岐阜県苗木城址の石垣)

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記憶力、理解力、創造力(facebook記事より) as/1631.html
森川林 2012/10/13 10:27 



 学力には、記憶力と理解力と創造力とがあります。

 記憶力とは、外にある情報を自分の中に取り込む力です。

 理解力とは、内部化された知識を抽象的な概念で統合する力です。

 創造力とは、その知識や概念を組み合わせて新しい概念を作り出す力です。


 記憶力が横に広がるお皿のような平面の広さだとすると、理解力はその上に積み重なるトンガリコーンの高さです。(あまりいいたとえじゃないか)

... すると、創造力は、お皿の下に生えてくるトンガリコーンの深さです。(更に変なたとえになった)


 人間には、ある知識を知るだけでは飽き足らず、知識と知識の間にある関係を知りたいという気持ちがあります。

 だから、子供はすぐ、「どうして」と聞くのです。


 この「どうして」が、子供が新しい概念を獲得するチャンスです。

 家族の対話の中で、子供が、「どうして」と聞いたら、お父さんやお母さんがそれを一緒に考えてあげるのです。

 たとえ答えの出ないことであっても、考えること自体が考える力を育てます。

 間違っても、「そんなこと考えている暇があったら、宿題でもやりなさい」などと言わないこと(笑)。


 考える子供を育てるためには、親も一緒に考えることが好きになる必要があるのです。


 ところで、今の勉強には、この理解の仕方そのものを記憶させることで成績を上げるという方法もあります。

 この方法は受験勉強には役立ちますが、本当の考える力をつけることには役立ちません。


 なぜかというと、理解の仕方を記憶させるためには、その問題がパターン化されている必要があるからです。

 社会で遭遇する問題の多くは、過去問のない新しい問題ですから、解法を記憶するという発想では対応できないのです。



 参考記事「創造性を育てる作文 2」

https://www.mori7.com/index.php?e=1543



 今日も、きれいな青空です。

 自然の中に出かけると、いろいろな「どうして」が見つかります。

 図鑑を持っていくのもいいのですが、いちばんいいのは自分の頭を持っていくことです。(最初からついているけど)

 今日も楽しい一日をお過ごしください。

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生活の中で力をつける国語 as/1630.html
森川林 2012/10/12 17:44 



 国語の勉強というと、すぐに国語の問題集をやるようなことを考える人が多いと思いますが、実はそれがいちばん成果の出にくい勉強法です。

 その理由は、問題を読んで解くような勉強は時間がかかるからです。その時間を実際に文章を読む練習にあてた方がずっと絶対量の多い勉強ができます。

 同じように、勉強というと、すぐに形に残るもの、難しそうにやるものを考えてしまう人が多いのですが、形の残る勉強や難しそうな勉強は、どうしても量が不足します。

 算数や英語のような勉強は、勉強以外の時間にやることはまずないので、そういう短い時間の勉強でも効果が出ますが、国語は国語の勉強をしている以外の時間も含めて、生活すべてが国語なのです。

 だから、いちばんいい勉強の仕方は、生活そのものをより国語的にすることです。そうすると、問題を解く勉強よりも、問題文を読む勉強の方が楽にできるので国語的です。

 文章を読むのがまだ苦手な子の場合は、無理に読ませる勉強をするよりも、読み聞かせをしてあげる方が楽にできるので国語的です。

 海外で自分の子供に日本語を学習をさせている人の例で、日本語の漫画やアニメやドラマを見せたという学習法が紹介されていました。机に向かって真面目に国語の勉強的なことをするよりも、こういう漫画やアニメやドラマを楽しむ方が、ずっと生活の中に溶け込んだ国語力になるのです。

 ほかにも、生活の中で国語の力をつける例として、普段の家族の会話を少し長い文で話すようにする、勉強よりも読書の時間を優先させる、ときどき少し難しいテーマで家族でお喋りをする、漢字の書き取りのような書く勉強よりもルビつきの本を読むような読む勉強を中心にする、国語教室のようなところに行くよりも家庭生活を充実させる、などが考えられます。

 国語の勉強は、勉強的な形で難しいことを短時間するよりも、生活の中で楽にできることをふんだんにやっておくことが大事です。その基礎の上に、少しずつ難しい文章を読む練習に切り換えていくのです。

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人間らしい仕事をする社会(facebook記事より) as/1629.html
森川林 2012/10/12 09:26 



 駅前に延々と並ぶタクシー、需要のないところに集まる供給。
 これが今の日本の沈滞を表す現象です。

 だから、みんなが豊かになるためには、一人ひとりが需要を作ることです。
 しかし、それは、残業をして終電に間に合わない生活をすることではありません。
 喜びに基づいた需要を作ることです。

 その需要のひとつが起業です。
 というのも、多くの人の喜びは今、いいものを買いたいというところから、いいものを作りたい又は売りたいということになっているからです。

 もう、クーラーも、カラーテレビも、自動車も、心をときめかせるものではなく、真に心をときめかせるものは、自分が始める新しい仕事になっているのです。

 その仕事を、今の企業社会の中で、大量の宣伝費を使って無理矢理に力技で社会に割り込ませるのではなく、親しい知人のつながりの中で、互いに長所や弱点を補い合いながら静かに優しく広めていくのが、これからの資本主義を超えた社会の仕事の姿です。

 人間は、人間らしい仕事をするために生きています。

 そして、そういう社会が日本の中で育っていくことが、これからの世界の真の平和と発展につながるのです。


 言葉の森が今考えているのは、その新しい仕事を、作文を中心とした教育として進めていく森林プロジェクトという寺子屋運動です。

 その寺子屋は、初めは子供の勉強から始まって、やがて大人どうしの能力開発につながっていくでしょう。

 日本人が好きなのは、レジャーよりも、自分の向上のようなもの、つまり道の文化だからです。


 森林プロジェクトのfacebookグループ
http://www.facebook.com/groups/shinpro/
(作文や子供の教育や起業や面白い人生に関心のある方、どうぞ)

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言葉の森の作文の体験学習セット―作文と暗唱を結びつけた学習 as/1628.html
森川林 2012/10/08 09:10 



 言葉の森の作文の体験学習セットができました。

 これまでは、その学年で使う通常の教材を、そのまま体験学習でも使っていたために、かなり難しいことまで最初から説明しなければなりませんでした。

 今回新たに作成した体験学習セットは、基本的には通常の教材を同じですが、複雑な部分を少なくしてあるため、取りかかりやすくなっています。


 長文暗唱の自習は、説明がかなり複雑になりますが、これは体験学習セットの中に残すことにしました。その理由は、この長文暗唱が、家庭学習の進め方の基準となるからです。

 長文暗唱は、毎朝10分自習の時間を確保できれば、誰でもできるようになります。この暗唱の自習が抵抗なくできる場合は、課題の長文の音読や対話や読書も同じ流れで進めることができます。

 しかし、毎朝10分の自習時間を確保できない場合は、無理に暗唱に取り組む必要はありません。この場合は、授業の前に事前に課題の長文を読んでおくことと、毎日の読書をすることが自習の中心になります。


 家庭学習というのは、無理な目標を決めてできたりできなかったりするよりも、楽にできる目標で毎日コンスタントに続ける方が効果があります。

 その自習の進め方の基準を家庭で決められるように、長文暗唱の自習を体験学習でも行うようにしたのです。


 言葉の森の作文指導が、他の通信講座などの作文指導と大きく違うところは、事前の指導に力を入れていることです。

 他の通信講座などの作文指導では、子供たちが作文を書いたあとに赤ペンで添削をする教え方が主流です。しかし、書いたあとにいくら赤ペンでていねいに添削しても、それで作文力がつくわけではありません。書く前に、どう書いたらいいかを説明するからこそ、その目標に向かって実力を伸ばすことができるのです。

 しかし、作文の場合は、努力したからといってすぐに実力がつくわけでないというところに大きな問題があります。他の教科の勉強は、知識が理解できればそれが実力になりますが、作文の場合は知識を理解しただけでは実力はつきません。作文力の背後には、語彙力、読解力、思考力、表現力の総合的な実力の蓄積があるのです。


 その作文力の背後にある力をつける学習が読む学習です。しかし、文章を読む学習というのは、問題を解く形の学習に比べると形が残らず指導も評価もしにくいので、学校でも塾でも家庭でもあまり行われていません。国語の成績が上げにくいというのは、読む学習よりも問題集を解くような学習が中心になっているためです。

 ところが、暗唱というのは読む学習でありながら、読んだことが形として残ります。そのため、真面目に取り組む子ほど、ただの音読よりも暗唱の方に学習のしがいを感じるのです。


 この音読、暗唱、素読などの学習を、幼児や低学年の能力開発として行っているところもあります。低学年のころは、文章を暗唱する能力が高まる時期なので、枕草子や平家物語などの文章もすらすらと暗唱できるようになります。

 しかし、暗唱は、暗唱ができるようになること自体に意味があるのではなく、暗唱する長文の語彙と構成を生かして、作文力の土台を作っていくというところに意味があります。


 作文の学習というものは、教える手順が正しくないと、なかなか続けることができません。作文を添削するだけならしばらくは誰でも教えることができますが、長期間にわたって作文の勉強を見ていくことができる教室や通信講座というのはほとんどありません。

 だから、読む学習と書く学習を結びつけて、幼児・小1から高3・社会人まで継続して作文力を向上させていけるような学習法が必要になるのです。


【言葉の森の作文体験学習セット】









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手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

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 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
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●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
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●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
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●公立中高一貫校の作文合格対策
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●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
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●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
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