正高信男さんの「天才はなぜ生まれるか」「天才脳は『発達障害』から生まれる」を読んで、目次が面白かったので紹介します。
「天才はなぜ生まれるか」より。
・うわの空のエジソン
・癇癪持ちのアインシュタイン
・外国語のできないレオナルド
・古典嫌いのアンデルセン
・付き合いべたなベル
・落ち着きのないディズニー
「天才脳は『発達障害』から生まれる」より。
・キレやすい信長
・かたづけられない北斎
・てんかん持ちの熊楠
・野口英世の放蕩癖
・サバイバーとしのて中内功
これらの偉人たちは、今の時代なら、小学校の初期の段階で学習障害というレッテルを貼られていたでしょう。
しかし、昔はそういう概念がなかったので、みんなと違う変な人と思われながらも、その変な点を短所よりもむしろ長所として能力を伸ばしていったのです。
学校生活や社会生活は、平均的な人に合わせてルールが作られているので、そのルールに合わないところは欠点だと見なされます。
それを欠点とは見なさずに長所として伸ばしていけるのは、本人と親だけです。
家庭が教育のもとになる場だというのは、このような意味です。
ある教育系サイトに、保護者からの質問がよく掲載されています。
その内容は、「算数の計算が苦手なのですが」「図形ができないのですが」「国語の説明文が読み取れないのですが」など、勉強に関するものが中心ですが、たぶんそれは点数を見た上だけでの質問だと思います。
子供の勉強は、点数を見ただけではわかりません。
その子が、どういうところを間違えたのか、そして、普段どういうやり方で勉強をしているのかを見なければ、正しいアドバイスはできません。
そして、その子の勉強の様子をよく見ていれば、それは自ずからわかるようなことがほとんどなのです。
ときどき、「家で勉強すると、集中しないから」という理由で塾に行かせる人がいますが、家で集中できない子は、塾でも集中しているわけではありません。
ただ、親の目からは見えないので、気にならないだけです。
塾でしっかり勉強できる子は、家でもしっかり勉強しています。
だから、まず家庭で勉強できる土台を作ることです。そして、その勉強の様子をよく見ていれば、どういうところに弱点があり長所があるかということは、自然にわかってきます。
そして、その子の弱点も長所として伸ばしていけるのは、家庭の母親と父親だけなのです。
小学生の問題集読書は、難しい語彙のある物語文や説明文を読み慣れることに力点がありますが、中学生の場合はもう少し進んだ勉強ができます。
その方法は、読解問題の選択肢を分析することです。
まず、問題集読書の最初の勉強方法は、あらかじめ問題集に解答を見て答えを書き込むことから始まります。これは、英語でも理科でも社会でも、基本的には同じです。
答えの既にある問題を、最初からわざわざやるのは時間の無駄です。答えを見て、すぐにわかる問題はやらなくてもいい問題で、答えを見てわからない問題だけを自分なりに理解していけばいいからです。
問題集に答えを書き込んだあと、見開き2ページを音読していきます。音読は、問題文だけでなく、設問も答えも一緒に読みます。見開き2ページなら、大体3分で読み終えます。
寺子屋オンエアで勉強している人の場合は、この音読をskypeのビデオメッセージで先生に送っておきます。国語の勉強は短い時間であっても毎日やるのが基本ですから、土曜でも日曜でも毎日音読してそれを送るといいのです。
なぜ音読をするかというと、音読によって文のリズム感が身につき、繰り返し音読をすることによって文の理解が深まるからです。
中学生は黙読で済ませたがりますが、黙読の読みでは、繰り返し読むことが難しくなります。
音読の必要性は、英語でも同じです。英語の教科書の1ページ分を毎日20回以上音読して暗唱するのが英語の勉強の基本です。
さて、国語の問題集読書で音読が終わったら、50字で感想を書きます。その際、50字ぴったりにまとめるようにすると、言葉を選択して書く力がつきます。
これからの国語の試験は、記述力が問われるようになりますから、感想はできるだけ早く書き上げるようにします。これは、作文を書くときにも生きてきます。
早く書き上げるためには、消しゴムは決して使わずに、最初から最後まで一息で書くように心がけることです。消しゴムは、うっかり書き間違えたときの1文字分を消すのには使ってもよいのですが、それ以上の語句や文を消すのには使わないようにします。
この、答え書き込み、音読、感想書きがひとまとまりの勉強で、大体15分もあればできると思います。
これを毎日続けて1冊を最後までやり終えたら、同じ問題集の2回目に挑戦します。
2回めは、もう既に答えの書き込みが終わっているので、音読と感想書きだけです。
感想を書く力をつけるために、「○○はAでなくBである」というような対比をはっきりさせた文を書くようにします。
また、読解問題の選択肢のうち、正しい選択肢でないものが、どういう理由で正しくないのかを言葉ではっきり言えるようにします。
国語力の基本は、難しい文章を読み慣れることですが、国語の成績を上げるためには、読み慣れるだけでは不十分です。
成績を上げるコツは、この選択肢の分析のように、正しくない答えがなぜ正しくないかを自分なりに理解することです。
しかし、その分析の土台になっているのは、読み取る力ですから、問題集の音読だけでなく、普段の生活の中で読書をする時間も毎日確保しておく必要があります。