ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 3267番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/29
小さいうちにいい子にしすぎないこと――いい子には二つの意味がある as/3267.html
森川林 2018/04/05 05:50 

 言葉の森に、小学校低学年から来る子には、とてもいい子が多いです。
 成績も優秀で、親の言うこともよく聞き、ていねいではきはきしていて、模範的な小学生であることが多いのです。

 ところが、そういう子供たちの何割かは、大きくなると悪い子になるのです(笑)。
 悪い子というと大げさですが、親の言うことを聞かなくなるとか、学年が上がるとやる気がなくなるとか、そういう意味の悪い子です。

 なぜそうなるかと言うと、子供時代のいい子というのは、親の期待に沿う意味のいい子だったので、子供は我慢していい子を演じていたということなのです。
 子供時代の悪い子というのは、親が何かを言っても、自分の意に沿わなければ「いやだ」というようなことを言う子です。
 親が「こっちに行こう」と言っても、「いやだ。あっちに行きたい」と言うような子です。
 その悪い子は、ある意味で自主性があるから悪い子になっていると言えるのです。

 一方、子供時代もいい子でありながら、大きくなってもそのままもっといい子になる子もいます。
 それは、親の関わり方の差のようです。
 子供を、親の言うとおりに育てるのではなく、子供の自主性を尊重しながら親子の関わりを深めているというところにそのコツがあります。

 この典型的な例として思い浮かべるのは、いつも同じことを書くようですが、さかなクンの子供時代です。
 幼児のころ、さかなクンは、公園で暗くなるまでひたすら泥団子作りを続けました。それをお母さんはずっと見守っていたのです。

 このように、自主性を尊重しながら関わりを持つということが子育ての極意です。
 自主性を奪うような関わり方ではなく、また放任に近い自主性の尊重でもなく、温かく見守りながらその子のやりたいことを伸ばすとい微妙なハンドルさばきが必要なのです。

 その意味で、子育てには、子供それぞれに異なっている面があります。
 だから、大事なことは、子供のことをよく見、よく聞き、よく触れ合い、そしてすべてを子供の立場で考えることです。
 子供に対する深い関わり方が親のエゴを実現することにならないように、視点をいつも子供の立場に置いておくといいのです。

 子供がみんなに評価されるようなことは、親にとってうれしいことですが、コンクールに入選するとか、何かの賞をもらうとかいうことは、子供の成長にとって意味があるわけではありません。
 親の自慢にとって意味があるだけです(笑)。
 本当のいい子というのは、親にとってのいい子なのではなく、その子供の成長にとっていい子であるということなのです。


 話は少し変わりますが、今度の保護者懇談会は、この子育てのコツについて、みんなで話し合うような場にしたいと思っています。
 これまでのように、保護者の質問に先生が答えるという形式ではなく、保護者どうしが少人数のグループで子育ての経験を交流するというようなセッションです。
 こういうワールドカフェ的な保護者懇談会の企画を考えています。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20180405 1 
 子供が小さいうちは、やらせれば何でもできるようになります。
 それだけ集中力と吸収力があるからです。
 しかし、それを親の自慢の方向にではなく、子供の本当にやりたいことの方向に向ける必要があります。
 子供が勉強が好きで、いつも学校で一番を取っているというのは親の自慢になります。
 子供が泥団子作りが好きで、暗くなるまで公園で泥団子を作っているというのは、あまり自慢になりません。
 その自慢にならない熱中の方が、子供の本当の身になっていることが多いのです。


nane 20180405 1 
 本当のいい子というのは、素直でありながら反発もできるという子です。
 そういう子でなければ、世の中に出てから、周囲の反対を押し切って自分の意志を貫くということはできません。
 と考えれば、もっと大きな視野で子供を見ることができると思います。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
子育て(117) 

記事 3266番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/29
公立中高一貫校 海外帰国子女枠の作文受験対策の説明会 as/3266.html
森川林 2018/04/04 12:25 
公立中高一貫校 海外帰国子女枠 作文受験の対策を、楽しく学べる小1から。
パソコンが苦手なお母さんでも大丈夫。
言葉の森の
少人数オンライン作文
学習の仕方 説明会


画像はオンラインで勉強しているときのイメージです。


パソコンの操作の仕方から、実際の学習の仕方まで、わかるまで説明します。
さらに、4週間無料体験学習の特典と、新規受講プレゼントのダブル特典あり。

公立中高一貫校の海外帰国子女枠の受験を目指す小学1年生から5年生の生徒対象。
言葉の森の豊富な受験教材を提供(過去問のオリジナル解説13年間分1,420件)。
小学校低学年のうちから、将来受験作文に要求される「考える作文」の書き方を練習します。

しかも、単なる通信添削ではなく、また単なる通学一斉授業でもなく、全員参加型の少人数オンラインクラスで指導。
友達と一緒に学べるので、やる気が持続し、ほかの生徒のよいところが吸収でき、文字どおり切磋琢磨の学習方法です。
家庭でいながらにして学べる便利さと、授業後に先生と保護者の懇談が随時行える親密さを両立。

これまでになかった全く新しい勉強の仕方を、35年間作文指導を専門に続けてきた言葉の森が提供します。
作文力に代表される、思考力、表現力は、これからの学力に必須の要素です。
受験だけでなく、社会人になってからも役立つ文章表現力を、言葉の森の少人数オンライン作文クラスで身につけていきましょう。

【オンライン説明会への参加の仕方】
「少人数オンライン作文」説明会に参加される方は、ウェブカメラ付きのパソコンをご用意してご参加ください。カメラはオフにしてご参加いただいて結構です。
 タブレットやスマホでも参加できますが、レコーデイングなど一部の機能が使えませんので、できるだけパソコンでご参加ください。
「少人数オンライン作文」は定員があるため、無料体験学習は先着順とさせていただきます。体験学習に参加できなかった方は、新しいクラスが開始されるまで、体験学習を予約してお待ちください。
説明会、体験学習を行なわずに、すぐに受講を開始していただくこともできます。その場合、受講料は4週間分無料となります。
説明会の参加フォームはこちらです。
  
説明会参加フォーム

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20180404 1 
 海外帰国子女向けの受験作文対策のクラスです。
 日本との時差の少ないアジア在住の日本人の子供たちが主な対象ですが、ゆくゆくはアメリカ在住の子供たちも参加できる時間を確保していく予定です。

nane 20180404 1 
 海外帰国子女枠の受験では、作文と面接だけのところがあり、倍率は一般の受験よりもかなり低いのが普通です。
 少人数オンライン作文クラスは、毎回お互いのやりとりがあるので、作文力と面接力が両方ともに身につきます。
 小学5年生の子であれば、すぐに実践的な勉強ができますが、このクラスはもっと下の小学1年生から取り組めます。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
受験作文小論文(89) 

記事 3265番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/29
少人数で発表しつつ実習する新しい勉強の仕方をオンラインで as/3265.html
森川林 2018/04/03 07:27 

 オンラインの少人数クラスでの勉強というものは、現在どこでも行なわれていないと思います。

 マンツーマンの指導であれば、家庭教師のような形のものがすでにあります。
 その家庭教師による指導をskypeなどで行えば、オンラインのマンツーマン指導となります。
 しかし、その分コストはかなり高くなります。

 マンツーマン指導の対極にあるものは、動画によって、いつでも誰でもどこからでも視聴できるネット授業です。
 しかし、これは人間との触れ合いがないので、明確な意志を持っていないと長く続けることは難しいくなります。
 この触れ合いの不足をカバーするやり方として、ときどきオフの集まりを行うということもあるようですが、それでも勉強面での日常的なつながりのなさは意欲の低下を招きがちです。

 そこで、言葉の森がこれまで行ってきたのが、少人数のオンラインのクラスです。
 少人数ですから、全員に発言の機会があります。
 自分の勉強の発表がほかの人から認められ、また逆に、自分自身がほかの人の発表から刺激を受けるということが好循環のサイクルとなっていました。

 しかし、ここで一時的な問題になるのは、学年の差です。
 長期的には、同じぐらいの学年や進度の生徒がグループになる形でクラスが編成されていきますが、最初のうちはいろいろな学年の生徒が同じクラスに参加することも出てきます。

 また、もう一つの問題は、少人数といっても、5、6人と7、8人とではコミュニケーションの密度に違いがあることです。
 5人が3分ずつ話をすれば15分ですが、8人が3分ずつ話をすれば24分です。
 10分と少しなら人の話を聞いているだけでも退屈しませんが、30分近く人の話を聞いているだけというのは結構退屈します。

 そこで、考えたのは、少人数クラスでの授業を、その内部で更に同じぐらいの学年のいくつかのグループに分け、それぞれのグループごとに話をしていくことです。
 これなら、密度の濃い話ができます。
 そして、先生が一緒にいないときのグループは、どうするかというと、その間、決められた実習をするのです。

 これは、ちょうど通学クラスでの授業と同じやり方です。
 通学クラスでは、いろいろな学年の生徒が一度に集まります。
 そして、それぞれの生徒が自分の作文の課題と取り組んでいるときに、先生が一人ずつ呼んで個別指導をします。

 通学クラスの場合は、個別指導はあまり大きな声では行なえません。
 話し声が聞こえると、勉強しているほかの子の邪魔になるからです。
 しかし、オンラインのクラスであれば、そのクラスの中を分科会に分けて、その分室の中で自由に話ができます。
 これがオンラインの、特にZoomの大きな長所です。

 ところで、発表と交流をしていないときの実習は何をするかというと、作文クラスの場合はもちろん作文です。
 自主学習クラスの場合は、国語、算数数学、暗唱です。
 もちろん、このほかに読書もあります。

 思考発表クラスは、これまでは特定の教材はありませんでしたが、今後は理科と社会にしたいと思っています。
 これなら、発表と交流の勉強をしながら、作文、読書、国語、算数数学、暗唱(英語暗唱)、理科、社会の勉強もできるようになります。

 オンラインの少人数クラスというのは、まだいろいろ発展の余地がありそうです。

 オンラインクラスは、まだ始めたばかりで人数は多くありませんが、現在このような感じで行なわれています。
▽クラス一覧表
https://www.mori7.net/teraon/shlist.php

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20180403 1 
 反転授業というのは、家で勉強を行い、学校で発表と交流を行うという形の授業です。
 オンラインクラスの場合は、どちらもいるのは家なのであまり反転している感じがありません。
 それなら、反転にせずに、オンラインで発表も交流も勉強も全部行えばいいのではないかと思いました。
 名付けて全転授業です(笑)。


nane 20180403  
 静止摩擦係数は、動摩擦係数よりも大きいので、勉強でも仕事でも始めるときに大きな力が要ります。
 だから、家庭でも、勉強を始めるときが難しいのです。
 そこで、オンラインで発表と交流をしたあとに、そのまま勉強を始められるようにしました。
 これなら、メールや電話による指示よりも、ずっと始めやすくなります。
 そして、いったん始めればあとは自然に続くのです。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
寺子屋オンライン(101) 

記事 3264番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/29
ハイパー作文の解説例――美しい日本語【動画あり】 as/3264.html
森川林 2018/04/02 13:58 

 受験作文の解説の例を載せました。
 この解説を見てもわかるように、書く力、考える力以上に、よく出るテーマについて親子で話をして知識を増やしておくことが大事です。

 そして、決め技は、作文の後半に書く「光る表現」です。
 これも、その場で考えつくのではなく、普段の練習の中で自分なりのいい表現をストックしておくといいのです。

 今回のテーマは、小学4年生ぐらいの子からでもそれなりに考えられることなので、家庭で話をしてみるといいと思います。


====
■問題
https://www.mori7.net/izumi/gazou/2017/9291020440.jpg

●解説
 人に伝えることを目的とする文章なので、敬体で書く方がよい【8】。

 第一段落は説明。
 私が、美しいと思う日本語は、「いただきます」と「ごちそうさま」という言葉です。

 第二段落は、詳しい説明。
 「いただきます」は、食事の前にする挨拶のような言葉ですが、こういう挨拶は日本以外の国にはないと聞いたことがあります。【1】「ごちそうさま」は、同じく食事が終わったときにする挨拶ですが、これも習慣になっていて、誰も深い意味など考えずに使っています。それぐらい、日本の文化の中に定着している言葉です。

 第三段落は、理由。
 私が、この二つの言葉が美しいと思う理由は【2】、この言葉の中に、食事を作ってくれた人に対する感謝の気持ちがあるととともに、食事の材料やその材料を生み出した自然に対する感謝の気持ちがあると思うからです。【3】
 私たちは、社会の中で【4】助け合って生きています。しかし、日々の生活の中では他人と競争するようなことも数多くあります。
 そういう自分の利益だけを考えがちな生活から【5】、感謝の気持ちに戻してくれるのが、この食事のときの挨拶の言葉ではないかと思います。

 第四段落は、まとめ。
 言葉は、その国の文化を反映しています。【6】
 日本の言葉は、日本の長い歴史の中で生まれてきた言葉ですから、ただ意味を伝えるだけでなく【7】、私たちの生きる姿勢も伝えていると思います。
 これからも、こういう美しい言葉を大切にし、それを外国の人にも伝えていきたいと思います。
====

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20180402  
 こういう「日本語について」というようなテーマを、毎週子供がお父さんやお母さんと話していれば、考える力はかなりついてきます。
 作文力の土台となっているものは、経験と読書と対話なのです。

nane 20180402  
 「言葉」とか「日本語」とかいうテーマは、作文小論文の試験ではかなりよく出てきます。
 だから、こういうテーマについて、1回でも書いたことがあれば、2回目以降はずっと書きやすくなります。
 1回目は道を踏み分けながら書く感じですが、2回目からは踏み鳴らされた道を歩くような感じになるからです。


森川林 20180403  
受験作文コースの先取りをするハイパー作文4.2週の解説です。
昨日、アップロードしたときに肝心の動画を載せていなかったことにあとで気が付きました。
動画は10分程度のものです。
これまでの経験上、10分以上の話をすると、子供たちは作文を書く気がなくなり、そのまま聞き続けるモードになってしまうからです。

nane 20180403  
 ハイパー作文の授業は、寺オン作文少人数クラスの生徒向けのものです。
 このクラスは、今年の受験生だけでなく、もっと下の学年の子もいます。
 下の学年の子でも、こういう「日本語の美しさ」などというやや抽象的なテーマについて、家庭で親子で話す機会を作るといいのです。
 こういう話に正解はありません。
 正解のない話で、お父さんやお母さんが自分の体験をもとにできるだけ具体的な話をしていくと、子供はこの抽象的なテーマを自分の身近な話のように感じていくのです。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
受験作文小論文(89) 寺子屋オンライン(101) 

記事 3263番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/29
言葉の森のシステムを大幅に変更――その一部始終と今後の展望 as/3263.html
森川林 2018/04/02 03:26 

 これは、言葉の森の教室内部のことですが、現在、代表である中根がいろいろな作業を行っており、手続きが遅れたり十分なフォローができていなかったりするところがあるため、現状をお知らせしておくことにしました。

 言葉の森の目的は、日本によりよい教育を作り上げることです。
 それは大きく、次の四つの方向で行っていく予定です。

 第一に、受験の教育から実力の教育へという方向です。
 今の勉強の多くは、受験に合格するために間違えやすいことができるようになるところに力点が置かれています。本当の教育は、実力をつけるための教育です。

 第二に、学校の教育から家庭の教育へという方向です。
 これは、もちろん学校教育を否定するものではありませんが、小中学校の勉強のほとんどは、家庭学習でできるものです。そして、家庭で親子の対話をすることによって、子供は知識以外の多くのものを学びます。この家庭の教育力を生かした教育を行っていく必要があります。

 第三は、点数の教育から文化の教育へという方向です。
 今の教育は、点数がつけられるものを中心に行われています。しかし、人生で大事なものの多くは、点数のつかないところにあります。それは、例えば勇気だったり思いやりだったりするものです。
 子供は、大人に要求されたことに応えて成長します。だから、大人がまず子供に点数のつかない部分の大切さを教えていく必要があるのです。

 第四は、競争の教育から創造の教育へという方向です。
 現在の教育は、競争に勝つことが目的になっています。それは、大人の社会が同じように競争に勝つことを主な目的として運営されてきたためです。
 過去の社会では、競争が世の中を豊かにした面がありました。しかし、これからの社会では、競争よりも新しいものを作り出す創造の方が重要になります。
 競争によって人の上に立つのではなく、創造によって独立した生き方をし、それが周囲も豊かにするという社会になっていきます。それに対応した教育を行う必要があります。

 こういうことを随分前に考え、そのためにどうしたらいいかをずっと考えてきました。
 そして、その結論として考えついたのは、オンラインで子供たちの教育を行い、それを担う人材を森林プロジェクトで養成するということでした。
 そのオンラインの教育も、単に今の社会で普通に行われている知識中心の教育を代替するものではなく、作文教育という創造性を必要とする学習を中心に、どの教科にも創造的な要素を取り入れる方向で行っていこうと思ったのです。

 そのときに参考になったのは、江戸時代の寺子屋教育でした。
 寺子屋教育の特徴は、どの子も学べる方法で、誰もがのびのびと楽しみながら実力をつけ、家庭と地域に根ざした実践的な内容でありながら、高度な学力をつけることができ、しかも学力以外の文化力も育てるというものでした。

 この寺子屋教育の本質を現代の科学技術の仕組みの中で実現することが、日本の教育や更には世界の教育をよりよいものにすることだと思ったのです。

 ところで、私(森川林)は、作文教室を最初に始めたときから、自分でシステムのプログラムを組むようにしていました。
 まだプログラミングのようなことが一般的になっていない初期のころから、独自にプログラムを作っていたので、その量も複雑さも今では半端なものではなくなっています。
 いずれ、このシステム部門を専門的なところに引き継ぎたいと思っていますが、今のところは日常的なメンテナンスも含めてすべて自分がやらなければなりません。それは、仕組みがあまりにも独特で複雑になっているからです。

 しかも、これは言い訳ですが、私はものごとを考えることが好きで、今の社会のいろいろな出来事をつい深く考えてしまうのです。
 だから、日曜日などはほとんど朝からずっと考え事をしています。その考えている時間がいちばん楽しい時間で、今度の連休も今から楽しみにしているぐらいです。

 しかし、この考えている時間が長いため、実務的な作業が、プログラミングのメンテナンスも含めてつい後回しになってしまうことが多いのです。
 これが言い訳です。

 さて、この春から、新しいオンライン教育の方向がはっきり見えてきました。
 それは、今、寺子屋オンラインという名称で行おうとしているものですが、オンラインのウェブ会議システムを利用し、顔の見える少人数のクラスで、創造的で思考力を育てる教育を行い、それを森林プロジェクトのメンバーで支えるという方向です。

 そして、ちょうど最近になって、教育界も知識の詰め込み教育から思考力を育てる教育という方向に大きく変わり、作文力や面接力がこれからの学力として重視されるようになってきました。

 言葉の森は、日本でいちばん長く作文指導を続けてきた教室ですから、合格する作文を書く指導をすることなどは朝飯前です。それは、中学入試、高校入試、大学入試いずれも同じです。ただそれをあまり前面に出してこなかっただけです。

 そこで、言葉の森の教育の理念を広げることを兼ねて、受験作文指導を、寺子屋オンラインという仕組みの中で行うことにしようと考えました。
 受験作文と言っても、要するに、構成、題材、表現、主題、表記の各分野で内容の優れたものを書けるようにする勉強ですから、小学校低中学年の生徒は、コンクールに入選するような作文を書くことと同じです。
 受験合格やコンクール入選が目的なのではなく、目的は、個性、知性、感性のある子供たちを育てることですが、その目的の延長に合格や入選という結果又は目標があるという関係です。

 そのかわり、このハイパー作文指導には、保護者の協力が欠かせません。それは、まず作文に書く材料の段階で、よりよい準備ができていることが必要になるからです。
 とは言っても、その協力は楽しいものになるはずです。やることは、子供と一緒にいろいろな経験をしたり、お喋りをしたりすることだからです。
 そして、これは、親が子供を引っ張ってやらせるようなものにはなりません。というのは、少人数クラスの交流が勉強のスタイルになるので、子供たちがほかの人の作文の準備の取り組みを見て、自然に自分もよりよいものを準備しようという気になるはずだからです。

 さて、今までは、作文指導の対象は主に日本国内の生徒でした。
 海外の日本人の生徒からも作文を勉強したいというニーズはあるのですが、時差があること、郵送が簡単にできないこと、料金のやりとりが難しいことなどの障害があり、あまり海外に広げることをしてこなかったのです。

 しかし、今後のウェブ会議を利用したオンライン指導であれば、指導の内容はかなりきめ細かくできるようになります。また、海外の森林プロジェクトの講師が増えれば時差の問題も解決します。更に、将来は仮想通貨によって海外との決済は今よりもずっと容易になります。
 そして、ちょうど公立中高一貫校などが帰国子女枠で、海外生徒の作文受験を広げるようになってきました。

 そこで、今後、平日の朝9時台、10時台も少人数クラスの指導ができるようにし、海外生徒もオンラインで作文を受講できる仕組みを作ることにしました。

 ということで、先ほどの言い訳と同じですが、私の今の机上は、書類の山になっています(笑)。
 新しい作文の本の出版なども、だいぶ前に頼まれていましたが、原稿が途中で止まったままでそちらも本当なら早急に再開しなければなりません。
 プログラミングをやったことのある人ならわかると思いますが、システムを作り直すというのは、実に長い時間を取られます。自分で作ったシステムでありながら、時間がたつと最初から全部見直さなければ何がどうなっているのかわかりません。中断すると、また最初からやらなければなりません。

 自分の中では、これはもう戦場状態だと割り切っていて、いろいろなミスや見落としがあっても、「あ、ごめん」で済まそうと思っています(笑)。済まされた人には申し訳ありませんが、そうでも考えないと話が先に進まないのです。

 そして、たぶんあと何年か、又は何ヶ月かたつと、いろいろなことが軌道に乗ってきて、今のこの混乱状態が懐かしい思い出になるだろうと思っています。かなり気楽な考え方ですが。

 そして、今世の中は、大きく変化しようとしています。
 私は、これからやってくる社会の変化は、初期化という言葉で言い表せるのではないかと思っています。これまでの社会の古い仕組みが行き詰まり、小手先の改革では手の打ちようがなくなり、大きく根本から変えなければならなくなるのです。
 ちょうど、徳川幕藩体制が行き詰まり明治維新が行なわれたような時代状況が、国際的に生まれてくるのだと思います。

 そして、その初期化のあとにやってくる社会は、正常化という言葉で言い表せると思います。
 インターネットの社会では、正しい情報が広まります。既にその兆候はありますが、それが更に加速され、社会の構成員の多くが、正確な情報とより妥当な見解を共有するようになるのです。

 その新しい時代に、新しい教育を準備しておくことが、これからの言葉の森の役割だと考えています。勝手に自分の役割にするなと言われそうですが(笑)

 ということで、言葉の森のこういう考え方に賛同される方は、ぜひfacebookグループの森林プロジェクトなどに参加され、いろいろな意見交換をしていけたらと思います。
 森林プロジェクトは、作文講師資格講座を受講していない人も含めてどなたでも参加できます。
 講師資格講座を受講した人のfacebookんグループは、森プロプロという名前で、こちらはもっと実践的な内容です。
 いずれも、私がまだ運営をさぼっていますが、システム作りが一段落したら交流や研修にもっと力を入れていきたいと思います。
 森林プロジェクトのみなさん、期待して待っていてください。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20180402 1 
 ややとりとめない話になったかもしれませんが、言葉の森の現状を書きました。
 未来は明るいが、現在はてんやわんやということです(笑)。
 そして、これからはもっと面白い世の中になると思います。
 一緒にがんばってやっていきましょう。


nane 20180402 1 
 昨日、やっとシステム作りが一段落。
 本当は、もう一つ大きな仕事があるのですが、それは連休にやることにして、しばらくは地道な仕事に取り組む予定です。
 それが終わったら、お花見にでも行くかなあ。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
言葉の森のビジョン(51) 森林プロジェクト(50) 寺子屋オンライン(101) 
コメント1~10件
森リンベストの 森川林
じすけ君、ありがとう。 統合失調症のような、また似たような 4/21
森リンベストの じすけ
こわばんは 今日は元気一杯、体験発表をさせて頂きます。 4/20
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
近所のローソン 森川林
毎日新聞を見たけど、記事はまだ載っていまでした。 4/25
毎日新聞に言葉 森川林
 しばらく前に、毎日新聞の人が取材に来ました。  そのとき 4/24
テスト送信 森川林
https://www.mori7.com/za2024d0 4/24
4月保護者懇談 森川林
シラン ●今後の「森からゆうびん」の学習デ 4/22
マスクにしても 森川林
マスクにしても、ワクチンにしても、消毒にしても、 自分たち 4/21
イエスも釈迦も 森川林
イエスも釈迦も、理想の社会を築きたいと思っていた。 しかし 4/21
日本復活の道筋 森川林
 工業製品を経済発展の原動力をした資本主義は終わりつつある。 4/17
メモ 森川林
https://www.mori7.com/za2024a0 4/16
単なる作業 森川林
勝海舟は、辞書を買うお金がなかったので、ある人から夜中だけ辞 4/8
勉強は、人に教 森川林
勉強は、人に教えてもらうのではなく、 自分で学べばよい。 4/7

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習