ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 603番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/20
付箋読書と暗唱の木と構成図におけるフィードバック効果 as/603.html
森川林 2009/08/20 12:08 


 付箋読書をすると、読むスピードが上がります。また、読み始めるきっかけが作りやすくなります。そして、最後まで読み終えることが多くなります。つまり付箋読書は読書をしやすくする効果があります。

 暗唱の木を使うと、暗唱を始めやすくなります。また、その暗唱を最後まで続けやすくなります。

 同様に、構成図を書くと、作文が書きやすくなります。

 付箋読書、暗唱の木、構成図という方法に共通するものは、フィードバック効果が働いているということです。

 通常、人間の行動は、意志があってから行動が始まり、その結果を見て再び意志が強化されるという流れで進んでいきます。しかし、読書、暗唱、作文などは、結果が残りにくいという共通点があります。読書や暗唱は形として残らず、作文は形としての結果が出るまでに1時間ほどの時間がかかるからです。


 ところが、付箋や暗唱の木や構成図を使うと、予測される結果が先に形のあるものとして表示されるので、それによって意志が強化され、行動が起こりやすくなり、その行動がまた結果として現れるというサイクルが成り立つようになります。

 読書の場合は、「読書をする」という目的が、付箋という形によって、「貼る」という行動を引き出し、読書のしやすさを生み出します。付箋読書をしていると、読んだ結果が形として残るので、つい一挙に最後まで読んでしまうようになります。そして、読み終えたあと、付箋を貼ってあるところを再読すれば、更に深い読み方ができます。

 暗唱の場合は、「暗唱をする」という目的が、暗唱の木という形によって、「折りたたむ」という行動を引き出し、暗唱のしやすさを生み出します。タイマーで計る形だと、どのくらいまで読んだかという途中経過がわかりません。暗唱の木を折っていると、「今、何回だから、あと何回ぐらいですらすら言えるようになるだろう」という見通しが立ちます。また、暗唱の木が形としての残るので、「今日で何日目だから、あと何日ぐらいで何字まで暗唱できるだろう」という見通しも立ちます。

 作文の場合は、「作文を書く」という目的が、構成図という形を通して、「材料を並べる」という行動を引き出し、作文の書きやすさを生み出します。作文を書くときは、原稿用紙に直接本番として書くので、書き出すための気合いが必要になりますが、構成図は作文のシミュレーションなので気軽に書き出すことができます。そして、構成図を書くことによって、自分の考えがはっきりしてくるので、作文に取りかかりやすくなります。


 以上のように、ツールの本質をフィードバックを助けるものと考えると、勉強に使うツールのいろいろな可能性が見えてきます。

(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
構成図(25) 作文の書き方(108) 

記事 602番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/20
付箋読書の付箋の作り方 as/602.html
森川林 2009/08/19 15:11 
 付箋読書に使うための手作り付箋の作り方です。
 仮止め用のスティックのりは、文房具店で探してください。

 A4ぐらいの紙を用意する。
 四つぐらいに切る。
 四つに切った1枚を1-2ミリずらして横に折る。
 折ったところに仮止め用のスティックのりを1-2センチの幅でつける。
 のりをつけて折りたたんだ状態で二つぐらいに切る。
 のりのついていない側から切り込みを入れる(数枚まとめて切ると能率的)
 のりのついている側の折り目を1-2ミリの幅で切り落とす。
 出来上がり。A4の紙1枚から200-300の付箋ができる。
 こんなふうに手作りの付箋として使える。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
読書(95) 

記事 601番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/20
付箋読書の難しい低学年の子は、読む力をつけることから as/601.html
森川林 2009/08/18 14:53 


 通学教室で子供たちに付箋読書をさせています。普通の読書では、一冊の本を読むのに数時間かかりますが、付箋読書は数十分で読み終えます。本の内容把握に関しても、自分が興味を持ったところは、どの子も確実に内容を読み取っています。

 ところが、小学校1年生の子供のお母さんから相談がありました。「中身を読まずにただ付箋を貼っているだけのようだ」というのです。

 しかし、これはこれでいいのです。小学校1年生のころは、付箋を貼って読むスタイルが身につけばいいと割り切って考えておいてください。学年が上がり本格的な読書ができるようになれば、中身の伴う付箋読書ができるようになります。

 それよりも大事なのは、早く本格的に読む力をつけることです。小学校1年生ではまだ本がすらすら読めないという段階の子も多いと思います。読書の嫌いな子は、本が面白くないからではなく、すらすら読めないから本が嫌いになっているだけです。

 低学年の子に読む力をつけるためには、四つの方法があります。

 第一は、普段の生活の対話の中で、長い文を使うということです。例えば「○○ちゃん、あれ取って」という言い方ではなく、「○○ちゃん、テレビの横にある箱を取って」とか、「○○ちゃん、先週スーパーで買ってきた、テレビの横にある青い箱をとって」というような言い方です。これは、準備の必要もなく、すぐにできることなので、きわめて簡単です。しかも、生活の必要性の中で出てくる言葉なので、子供もしっかりその内容を聞き取ろうとします。大事なことは、短い文をたくさん話すのではなく、一つの文を長くして話すということです。

 第二は、易しくて面白い本をたくさん読むということです。その際、ひらがなだけの易しい絵本よりも、ルビのふってある漫画やゲーム攻略本のようなものの方が読む力がつきます。小学校の低学年のころは、漫画によっても読む力がつくのです。(高学年になると、そういうわけにはいきませんが)

 対話の中で読む力をつける、面白い本を読んで読む力をつけるというのは、勉強の時間としてではなく、日常生活の時間として行えることなので、それだけ長く無理なく続けることができます。楽しく話して、楽しく読んでいるうちに、いつのまにか読む力がついていくというのが、低学年の理想的な勉強方法です。

 第三は、もう少し勉強的なことで、本の読み聞かせをしていくということです。読み聞かせは、耳からの読書ですから、聞くことによって読む力がついていきます。読み聞かせによって、自分で読むことが億劫になるということはありません。読み聞かせによって読む力がついていくから、自分で読むことも楽にできるようになるのです。

 第四は、暗唱です。読むのが苦手な子であっても、一つひとつの文字をゆっくり読ませて100字又は300字の暗唱をしていけば、スムーズに読む力がついていきます。

 ただし、読むのが苦手な子に暗唱させるには、親の笑顔と褒め言葉が欠かせません。コツは、勉強のようにさせるのではなく、ゲームのようにさせるということです。それも、できなさそうなぎりぎりのところを目標にして、できるようにさせて大いに褒めるというやり方です。

 このように読む力をつける一方で、毎週の付箋読書を続けていけば、やがて付箋読書も身のあるものになっていきます。

(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
読書(95) 

記事 600番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/20
暗唱と暗写 as/600.html
森川林 2009/08/17 09:41 


 貝原益軒は、「空によみ空にかく」という暗唱の仕方を提唱しました。文字どおり指で文字を空中になぞるような書き方で書いたのだと思います。

 この「空にかく」というやり方を、作文指導に生かすことができます。というのは、段落や読点や文のつながり方など、読むことは普通に読めても、正しく書くことができないという子が多いからです。これは、読書好きな子が、漢字は読めるが必ずしもその漢字が書けないということと似ています。

 900字の暗唱は、長さとしてはひとまとまりの文章です。600字以上の文章になると、一つのまとまりのある内容が書かれているという印象を受けるからです。

 そこで、600字から900字の文章を丸ごと暗唱し、それを暗写する学習というものを考えました。暗写というのは造語で、元の文章を見ないで書き写すという意味です。


 読む力は、書く力に支えられています。読む力が土台となってその上に書く力が成長します。しかし逆に、書く力は読む力を規定しています。英語でも、自分がいったん口に出した単語は言語として耳に入ると言われています。つまり、言葉として言った経験がないと、言葉として聞けないということです。日本語の文章も、自分で書いたあとに読みが深まります。つまり、書き手の立場を了解しながら読めるようになるということです。

 しかし、書く練習が大事だといっても、自分の好きな文章書くだけでは、同じレベルからなかなか抜け出せません。そこで、いい文章を書き写す、それも見ながら書く視写ではなく、暗唱したものを書く暗写という形で書くという勉強を考えています。

(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
暗唱(121) 

記事 599番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/20
付箋読書から読書図へ as/599.html
森川林 2009/08/16 09:46 
「……それ、フセンじゃなくてフーセンですけど」

 読書は、再読によって、生きた知識になります。

 しかし、ほとんどの人は、一度読んだらそれでおしまいという本の読み方をしています。それは、本に傍線を引いたり書き込みをしたりする習慣がないからです。これは本を汚すということに対する気持ちのブレーキがあるためです。もちろん、図書館から借りた本では、当然傍線や書き込みはできません。

 そこで、言葉の森では、付箋読書という方法を考えました。付箋を貼りながら読んでいくというやり方は、傍線を引くよりもずっと手軽です。またフォトリーディングと組み合わせた付箋読書であれば、10分から20分で1冊の本を読み終えることができます。そして読み終えたあと、付箋の箇所を再読することができます。この再読できる点が付箋読書のいちばんの長所です


 ところが、付箋読書には、付箋を貼って捨てるというのがもったいないという感覚がありました。そこで、はがせるスティックのりを使って自作の付箋用紙を作ってみました。A4用紙1枚で200から300の付箋ができます。これなら、使い捨てでももったいなくありません。


 付箋読書は、付箋の部分を再読したあと、重要な本はさらに読書図にまとめることができます。この読書図というのはマインドマップのように本に沿ってまとめるものではありません。自分の関心に沿ってその本に書かれている内容や自分の感想を図示していきます。

 本によって違いますが、1冊の本を読書図にまとめるのに30分から1時間かかります。ですから、すべての本を読書図にまとめる必要はありませんが、読書図まで書き上げた本は、1冊の本の中身が確実に自分のものになると思います。


(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
読書(95) 
コメント1~10件
コメントは24時間以内に表示
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
【合格速報】東 森川林
 T君、いつも椅子に腹ばいになってずっと本を読んでいたものね 3/11
1月の森リン大 森川林
 小1から高3までの作文が並ぶと、学年に応じて、みんなの考え 3/11
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
日本復活の道筋 森川林
 工業製品を経済発展の原動力をした資本主義は終わりつつある。 4/17
メモ 森川林
https://www.mori7.com/za2024a0 4/16
単なる作業 森川林
勝海舟は、辞書を買うお金がなかったので、ある人から夜中だけ辞 4/8
勉強は、人に教 森川林
勉強は、人に教えてもらうのではなく、 自分で学べばよい。 4/7
タイマー勉強法 森川林
 勉強も、家事も、仕事も、やらなければならない細かいことがた 4/2
人間の役割 森川林
うちの子が1歳か2際のとき、 車で30分ほどの三浦海岸につ 4/2
舞岡のシラサギ 森川林
舞岡八幡宮に行ったら、帰りにシラサギがいた。 3/29
身体や物理的現 森川林
身体や物理的現実は、時間や空間に限定されているが、意識はそれ 3/29
メジロとか、ヒ 森川林
メジロとか、ヒヨドリとか、スズメとか、ヤマバトとかが、毎日わ 3/28
批判と創造 森川林
人を批判することはたやすい。 大事なことは、批判ではなく創 3/27

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習