ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 907番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/26
国語のテストの見直し方 as/907.html
森川林 2010/05/19 15:23 


 国語の模試の結果が返ってきたときに、意外に点数が低くて驚くということがあります。それは、普段の学校のテストと比べて、傾向と難度が違うためです。

 模試のように難度の高い問題を、学校のテストのように易しい問題のつもりで解くと、ほとんど×になるという場合があります。だから、模試の準備ということは必要ありませんが、どういう難度で出るか知っていた方が、本当の実力がわかります。

 では、テストが返ってきたあとは、どのように見直しをしたらいいのでしょうか。

 例えば、選択肢の問題で、1、2、3、4とあって、3が正解の場合、「なぜ3が正解なのか」ということを理解するだけでは不十分です。「なぜ、1と2と4がそれぞれ不正解なのか」ということを、個別に取り上げて理屈で説明できるようにしておく必要があります。そこで、もし親が理屈で説明しきれないような問題であれば、それはできなくてもよい問題と考えておきます。

 そして、そのあと、子供がテストをするときは、いつも同じように理詰めに解くスタイルを守らせるようにします。

 中高生で、テストの問題部分がきれいなままの子がかなりいます。選択肢の問題の場合は、ひとつひとつの選択肢の文に、傍線や×や△や?をつけて、自分がどのような考えでその選択肢を選択したか、又は、選択しなかったかということがわかるようにしておきます。そういう解き方をして初めて、そのテストが返ってきたときに、間違いを次の勉強に生かしていくことができるのです。

 ですから、模試などの場合は特に、判断しかねる問題は勘で選ぶようなことはせず、空欄のまま残しておいて×にしてもらった方が実力がつきます。

 国語のテストは、解き方が半分、実力が半分です。ということは、実力だけでも、解き方のコツを知るだけでも十分ではないということです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
国語問題(15) 国語力読解力(155) 

記事 906番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/26
新しい教育と学校の展望 as/906.html
森川林 2010/05/18 11:11 



 今日は、ちょっと大きな話です。

 言葉の森は、作文教室としてスタートしました。国語教室や学習塾のようなものではなく、作文教室として始めたのは、作文以外の勉強というものはほとんどが独学で可能だと思っていたからです。

 音楽やスポーツなどの分野は独学が難しい面がありますが、作文も同様に独学がかなり難しいという面があります。その要因はまず、自分では自分の書いた文章が評価できないということです。また、文章を書くというのは、あらたまったものになると大きな精神的エネルギーが必要になります。しかも、文章を書くということについての方法論が、「三多」や「起承転結」のようなもの以外にあまりありませんでした。

 しかし、その後、いろいろな試行錯誤の結果、現在その最も難しい作文指導で、基本的な道筋ができたと思います。まだ、意欲化という点で不十分なところがありますが、作文指導の大きな流れはもう既にできています。

 そこで、このあと考えているのは、作文以外のトータルな教育についてです。

 教育というものを大きく考えると、四つの分野に分けられると思います。

 第一は、科学的なものです。ここには、現在の勉強の多くが含まれます。特に、理科や社会の関係の勉強は、テキストを読んで内容を把握することが学習の基本になります。現在の無駄の多い、重箱の隅をつつくような教材を廃して、もっと精選された教材で能率よく吸収する方法があると思います。

 第二は、哲学的なものです。これは、現在の作文を発展させたもので、数学のようなものも一部に入る、考える力をつける勉強になります。

 第三は、工学的なものです。ここには、技術、美術、音楽、語学、プログラミングなどが含まれます。つまり、手足や道具やシステムを自分の意志と一体のものとして自由に動かす技能を身につける勉強です。これも、現在は、一部の才能ある人だけがその分野を楽しめるような狭い世界になっていますが、だれでも日常的にできるものにしていく必要があります。音楽も、絵画も、日曜大工も、料理も、プログラミングも、気ままに自由にハイレベルでできるようになるというのが、工学の教育のイメージです。

 第四は、心身的なものです。ここには、保健、体育、倫理、道徳などが含まれます。これは、人間の健康、幸福、愛、美、楽、笑などの分野です。

 これらの四つの分野で、今最も未開拓の分野が、心身の教育だと思います。

 心身の教育の目的は、ひとことで言えば、願ったことを実現する力を育てることだとも言えます。自分がもっと健康で、幸福で、美しく、楽しく生きたいという願いを実現する力を育てる教育です。それをファンタジーのレベルではなく、教育的な方法論をもって成立させることが、今後の課題です。

 人間というものは、考えてみると、不自由な存在です。それは、身体と言語と感情と感覚に制約されているからです。しかし、同時に、その制約が人間の創造性の源になっています。だから、それらの制約をうまく組み合わせるシステムとしての文化が必要です。

 生物の世界では、何十万年という歴史の中で、現在見られるようなほぼ完成された生態系が作られてきました。目に見えないようなバクテリアも含めて、地球上の生物が大きなシステムの中で多様に生きているのです。

 その生態系が、人間にあっては文化にあたります。今、欧米文明というひとつの文化的生態系の限界が明らかになりつつあります。それは、単に、環境保護の心構えや工夫だけで済む問題ではなく、欧米文明が立脚している根本的な哲学そのものに問題があるのではないかと思います。

 その欧米の哲学に対置できるのが、この島国で数千年に及ぶ平和と英知の文化を築き上げてきた日本の存在です。しかし、それを単に、日本のローカルな自慢にとどめるのではなく、日本文化を世界的なレベルにまで抽象化する必要があります。日本文化の特徴の一つは、言挙げをしないことでした。しかし、阿吽の呼吸というような世界は、すぐには普遍的な文化にはなりません。

 これからの新しい学校の目的は、トータルな教育に加えて、日本、それもローカルな日本ではなく、抽象化された日本を世界に伝えることにもなると思います。

 以上、やはりちょっと大きくなりすぎたか。(^^ゞ

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 

記事 905番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/26
公立中高一貫校の作文試験対策-家族の対話で題材と主題を豊かにする as/905.html
森川林 2010/05/17 11:32 


 公立中高一貫校では、作文の試験があります。言葉の森では、9月ごろから志望校の過去問に合わせた課題で作文を書く「受験コース」が始まります。このコースは、高校入試、大学入試についても同様です。

 作文は、答えというものが一つではない世界なので、自分なりに考えて書いていくことが大切です。

 作文の勉強には、字数、構成、題材、表現、主題、表記などの分野があります。このうち、字数、構成、表現、表記については、練習を重ねていけば力がつきます。しかし、題材と主題に関しては、生徒の側の事前の準備が必要になってきます。ここが、自分で考える要素になるのです。

 事前の準備でいちばんよい方法は、テーマを見て、お父さんやお母さんが一緒に対話をしてあげることです。「もし、お父さんだったらどうするか……」「お母さんも、子供のころ、こんな話が……」という話をしていくのです。

 ところで、小学校6年生以上でそのような話をオープンにできるようにするためには、小学校1、2年生のころから、家族での対話が日常生活で自然に行われている必要があります。

 小学校の低中学年では、暗唱や音読の自習を聞いてあげる時間があります。そのとき、お父さんやお母さんは、「次の週の課題で、作文はどんなことを書くのか」ということも聞いてあげてください。また、小学校3年生以上は、題名課題や感想文課題になっているので、次の週の課題を聞いて、それに関連した話をお父さんやお母さんがしてあげることもできます。

 このような家族での対話が、子供が自分で考える土台になっていくのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
小学校低学年(79) 受験作文小論文(89) 公立中高一貫校(63) 

記事 904番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/26
5月15日(土)10時から17日(月)10時の間、サーバー故障でした as/904.html
森川林 2010/05/17 09:56 

 15日(土)午前10時から17日(月)午前10時まで、サーバー故障のため、要望受付などからのメールが受信できていません。
 もし、この期間に要望受付のページからメールを送られた方は、再度ご連絡くださるようお願いいたします。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
生徒父母連絡(78) 

記事 903番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/26
考える力を育てるために読書以外に必要なもの as/903.html
森川林 2010/05/16 11:43 


 これまで、読書の大切さを書いてきました。ひとことで言えば、作業的な勉強、つまりできる問題をただ解くような勉強をするよりも、読書をする方が頭がよくなるということを説明してきました。

 しかし、ここで考える必要があるのは、読書だけでは考える力を育てるのには不十分だということです。

 例えば、よく本を読んでいる子の中でも、なるほどよく考えていると思わせる子がいる一方で、ただ読書の量が多いだけで、作文を読んでもあまり考えているようには見えない子がいるという問題があります。

 一般に、考える子は、本を読むのに時間がかかることがあります。考えながら読むので、速くは読めない本があるのです。ところが、そういう本でも同じペースで読み終える子がいます。それは、考えずに読んでいるからです。

 考えずに読んでいる子の作文は、下手ではありませんが、あまり面白くはありません。つまり、創造性が感じられないのです。(もちろん、それは固定的なものではありません)

 では、その創造性はどこから来るのでしょうか。その前に、創造性とは何かということについて考える必要があります。

 創造性とは、似ているものの異なる面、異なるものの似ている面を見る力です。両者の間にある隙間を発見することが創造性です。

 読書は、材料を提供しますが、考える力のない子は、AとBの二つの材料の間にギャップを感じません。AはAとしてそのまま受け取り、BはBとしてそのまま受け取り、AとBを並列的に読みます。それは、なぜかというと、ABそれぞれの読み取り方が浅いからです。

 例えると、ゾウという書物を読むのに、鼻と耳と脚を別々に読み取って、ゾウという全体像を読み取っていないということです。つまり、浅い読み方とは、狭い範囲で読み取ったことをただ集めたという読み方で、深い読み方とは広い範囲をひとつの全体として読む読み方です。この広く深く読む力は、別の言葉で言うと、抽象的なレベルにまで深めて読む力ということができます。

 現代の受験の仕組みでは、試験に受かるための頭のよさは、主に記憶力のよさと結びついています。しかし、本当の頭のよさとは、ディベートをする頭のよさです。これは、物事を構造的に抽象化して読む力です。

 では、そういう読む力はどこから来るのでしょうか。それは、1冊の本を何度も繰り返して読み、その本を全体的に把握することによって身につきます。

 何度も繰り返して、その本を全体的に読み取るためには、その本自体に本物の深みがあることも必要ですが、本のレベル以上に大事なことは、繰り返して読むことそのものです。繰り返し同じ本を読むことによって、広く深く本質的に読む力がついてきます。

 この繰り返して読む効果を抽出した勉強法が、言葉の森で現在行っている長文暗唱という練習です。

 人間の思考力は、生まれつきはそれほど変わりません。変わるのは、思考力を育てるコツを知っているかどうかです。そのコツとは、小中学生の時期に繰り返して読む力をつけることです。

 多読で材料を広げ、暗唱で思考力を深めるということが、これからの勉強の重要な柱になってきます。考える力を育てることによって、初めて読書の豊かな材料が生きてくるのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
暗唱(121) 読書(95) 
コメント1~10件
森リンベストの 森川林
じすけ君、ありがとう。 統合失調症のような、また似たような 4/21
森リンベストの じすけ
こわばんは 今日は元気一杯、体験発表をさせて頂きます。 4/20
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
近所のローソン 森川林
毎日新聞を見たけど、記事はまだ載っていまでした。 4/25
毎日新聞に言葉 森川林
 しばらく前に、毎日新聞の人が取材に来ました。  そのとき 4/24
テスト送信 森川林
https://www.mori7.com/za2024d0 4/24
4月保護者懇談 森川林
シラン ●今後の「森からゆうびん」の学習デ 4/22
マスクにしても 森川林
マスクにしても、ワクチンにしても、消毒にしても、 自分たち 4/21
イエスも釈迦も 森川林
イエスも釈迦も、理想の社会を築きたいと思っていた。 しかし 4/21
日本復活の道筋 森川林
 工業製品を経済発展の原動力をした資本主義は終わりつつある。 4/17
メモ 森川林
https://www.mori7.com/za2024a0 4/16
単なる作業 森川林
勝海舟は、辞書を買うお金がなかったので、ある人から夜中だけ辞 4/8
勉強は、人に教 森川林
勉強は、人に教えてもらうのではなく、 自分で学べばよい。 4/7

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習