言葉の森に、ときどき、「月2回のコースはありませんか」という問合せがあります。
実は、ずっと昔、言葉の森でも、月2回のコースや月1回のコースを設けていました。それぐらいなら負担がないだろうからという保護者の要望によって試しに始めたものです。
しかし、子供にとっては書くときの負担はほとんど変わりませんでした。逆に、
隔週1回の勉強は、毎週1回の勉強より習慣になりにくい分だけ、余計に負担を感じるようになったのです。
更に大きな問題は、毎週という生活のリズムが作れないので、作文の予習がしにくくなることでした。そういうことがわかったのです。
言葉の森では、小3以上は作文や感想文の課題が決まっているので、それを自宅で準備してくることになっています。準備の主なものは、お父さんやお母さんに似た話を聞いてくることです。すると、予習のために毎週○曜日は家族で話をするという生活習慣ができるようになります。
ところが、
隔週1回や月1回の勉強では、家庭生活のリズムに組み込みにくいので、自然に子供任せの勉強になってしまうのです。その結果、毎週1回の勉強よりも、かえって書きにくいという状態が生まれてきたのです。
世の中に今あるものは、長い年月の間に安定して残ったものです。その安定の条件は、中途半端でないことです。
必要であればしっかりやる、必要でないならやらない、そのどちらかが安定した状態で、必要だと思うが負担にならない程度にやるというのは、実は心理的にとても不安定な状態なのです。
作文の勉強は、書いたものを添削するだけではありません。それぐらいなら、普通に文章力のある大人であれば誰でもできます。
難しいのは、書いたあとの添削ではなく、書く前の事前のアドバイスです。難しい課題であっても、子供が何とか書けるように準備することが、作文の勉強で最も大事なことです。
そのために欠かせないのが予習です。だから、
毎週1回の勉強で、毎日の生活の中に作文の勉強が位置づけられるようにしておく必要があるのです。
【関連ページ】
作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信
作文の通信教育の教材比較 その1
作文の通信教育の教材比較 その2
作文教室、比較のための7つの基準
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作文というのは、結果です。
結果を直しても、もとの原因が直っていなければ、またすぐ元に戻ってしまいます。
原因は、その子の頭の中に入っている単語と文と文章で、言い換えれば、語彙と表現の仕方とものの見方考え方です。
だから、いい文章を書くためには、読書と対話が大切なのです。
夏休みになると、あいかわらず読書感想文の宿題を出すところがあります。
小学校3年生以下で感想文を書かせることには、何の教育的意義もありません。
ましてコンクールに出すことを目的として書かせることには、弊害しかありません。
小学校2年生のころ、読書感想文コンクールに入賞した子が、後日高学年になってから言ったことがあります。
「自分の書いた文章じゃないようで、あまりうれしくなかった(笑)」
そんな感想文を書いたり直したりする暇があったら、その分楽しい読書だけをしていればいいのです。
今日は、ちょっと涼しい雨模様です。
夏が早かった分、秋も早くなったのかと思うような気候です。
タンポポがもう綿毛になっていました。
やはり夏はかんかん照りの方が気持ちがいいですね。(戸外で仕事をしている人は大変だとは思いますが)
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言葉の森では、小学校3年生から感想文の課題があります。
上手に書ける子はほとんどいませんが、これは、小学校高学年で本格的な感想文を書くための準備として練習しているからいいのです。
作文でも、感想文でも、大事なことは、書いたあと直すことではなく、書く前に書き方の方法を教えることです。
それは、例えば、こんな書き方です。
「夏休みの読書感想文の宿題への取り組み方(言葉の森新聞、言葉の森のHPより編集)」
https://www.mori7.com/index.php?e=1586
「読書感想文批判(低学年では苦しく書かせるより、楽しく読ませることを)」
https://www.mori7.com/index.php?e=1308
「言葉の森で書いた作文を持って―合格体験記」
https://www.mori7.com/index.php?e=706
(高学年での感想文の勉強は、大学入試の小論文に役立っています)
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ある教育相談サイトに、「国語の教科書の文章なら読めるが、抽象的な文章だと意味を読み取れない」という相談がありました。
回答は、「わからない言葉が出てきたら、こまめに辞書で引いて調べるとよい」ということでした。
しかし、なかなかそういう習慣はできません。
辞書で調べるのももちろんいいのですが、基本は、近くにいるお父さんやお母さんがアドリブで説明してあげることです。
そして、もっといいのは、その抽象的な文章を何度も音読して、意味がわかないながらも、全体像をつかむようにすることです。
その上で、その文章をもとにして親子で雑談をするのです。
文章の意味は、辞書を通して理解するよりも、身近な人との話の中でより深く把握できるようになります。
そして、そういう勉強なら、ひとりで辞書を引く勉強よりもずっと楽しく続けられます。
更にいいのは、お父さんやお母さんが、子供と抽象的な話題を共有できることです。
特に、お父さんが子供と話題を共有できると、子供の思考力が伸びることが多いのです。
お父さんは、理屈で喋ることが多いからです。
国語の勉強は、机に向かってするようなものよりも、日常生活の中でしていくものなのです。
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関連するページです。
対話は、記述力をつけることにも役立ちます。
「記述式問題の解き方のコツ」
https://www.mori7.com/index.php?e=1852
帰国子女の日本語教育も、基本は対話です。
「帰国子女の日本語教育に関する記事をアップ」
https://www.mori7.com/index.php?e=1826
低学年の国語力も、もちろん対話です。
問題集などをやるよりも、親子で楽しく話をすることです。
「国語力、作文力のつけ方、低学年から国語力をつける意義の記事」
https://www.mori7.com/index.php?e=1825
そして、対話によって、作文も上手に書けるようになります。
「書けない子でもすぐに書ける、対話によって作文力をつける構成図の書き方」
https://www.mori7.com/index.php?e=1785
今の日本では、残念ながら、親子で対話をする習慣があまりありません。
しかし、ここでいったん対話の習慣を作っておけば、今度は今の子供が親になったときも、同じように親子で対話をするようになります。
対話は、新しい勉強の文化なのです。
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中学生のころの勉強の仕方にはコツがあります。
そのコツとは、大枠は親や先生が指示する必要があるということです。
戦略、戦術、戦闘という区分で考えるとわかりやすいと思いますが、中学生は、戦闘レベルのことはがんばってやります。やることが決まっていれば、その方向で努力することはできるのです。
しかし、どういうことをすればいいか決める力はまだないのが普通です。だから、戦術レベルがまだ不十分なのです。それよりも大きな戦略レベルのことは更にわかりません。
受験の合格が目的だとすれば、過去問を分析して、自分が勉強する参考書や問題集を決めて、計画を立ててやるということまではできないのが普通なのです。
ところが、学校の先生は、「もう小学生ではないのだから、自分で考えてやりなさい」という姿勢で臨みます。
また、保護者の方も、「もう小学生ではないのだから、自分でやってね」と、本人に任せようとします。
そして、本人も、「もう小学生ではないのだから、自分でやらなければ」と思うのです。
ところが、中学生本人は、戦闘はできるものの、戦術や戦略を立てる力はまだないのです。
そこで、塾や家庭教師が登場します。
しかし、塾や家庭教師は、子供の成績を上げることが目的ですから、戦闘の仕方まで手取り足取り教えてしまうことが多いのです。
その結果、確かに成績は上がります。しかし、勉強の中で試行錯誤しながら、子供が自分で戦術や戦略まで考えるように成長することはなかなかできなくなります。
そういう勉強を続けてきた子は、高校生になっても、大学生になっても、更には社会人になっても、自分で戦略や戦術を考える姿勢が作れなくなります。
これが、指示待ち社員という、指示されたことはきちんとできるが、自分で問題を発見して仕事をすることは苦手という社会人を生み出しているのです。
だから、一般に、成績のよかった子ほど、指示待ち型の社会人になることが多いのです。
したがって、中学生の勉強の仕方は、二つの方向で進める必要があります。
ひとつは、何をどう勉強したらいいか大枠を指示してあげることです。とは言っても、親でも最初は大枠などはわかりません。しかし、年の功というもので、何度か一緒に見てあげているうちに、中学生本人が自分で考えるよりも的確な方針を出すことができるようになるのです
もうひとつは、そういう大枠を決める力を本人が持てるように誘導することです。
だから、何かを教えるときも、手取り足取り教えるのではなく、できるだけ本人が自分でやれるように工夫することです。
そして、本人が勉強の戦略と戦術を身につける最もいい方法が、勉強法に関する本を読むことです。
書店の参考書のコーナーに行くと、「中学生の勉強法」「中学生の自宅学習法」などの本が並んでいるコーナーもあります。実は、勉強そのものよりも、こういう勉強法の本を先に読んでおくことが役に立つのです。
これは、高校生でも同じです。高校生の場合は、一般的な勉強法の本だけでなく、志望校の「○○大学合格体験記」なども参考になります。受験とは、一般的に学力をつけることではなく、ある特定の志望校に合格することが目的だからです。
▽中学生の勉強に関連するページ。
https://www.mori7.com/index.php?e=435
https://www.mori7.com/index.php?e=436
https://www.mori7.com/index.php?e=1719
https://www.mori7.com/index.php?e=1748
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そろそろ夏休み。学校から成績をもらってくると、苦手だったところがわかります。
先日も、あるお母さんから、「漢字が苦手だったんですけど」と、相談がありました。
漢字が苦手というとき、多くの場合は、書き取りが苦手ということです。
書き取りは、勉強の量に比例します。
読みがよくできるのに、書き取りが苦手という子は、よく本を読んでいるのに、あまり勉強をしていない子で、そういう子は、実は大きな可能性があります。
つまり、まだ余力がたっぷりあるのです。
反対に、書き取りはよくできるのに、読みがそれほどでもないという子は、勉強のしすぎです。
勉強はほどほどにして、もっと本を読まなければなりません。
ところで、書き取りは勉強の量に比例するとは言っても、その量は実はかなりあります。
大人は、自分が既にできているので、子供の漢字もやればすぐにできると思いがちですが、そういうことはありません。
ちょっと漢字の問題集をやったからといって、すぐにできるようにはならないのです。
漢字の書き取りは、気長に勉強する姿勢で取り組む必要があります。
気長にやるためのコツは、毎日の生活習慣としてやっていくことです。
毎日の生活習慣で、私がいちばんいいと思うのは、朝起きたらすぐにやることです。
勉強は食事の前にやるのがコツです。
よく、朝食後に勉強したり、夕食後すぐに勉強したりする子がいますが、それは能率の悪いやり方です。
勉強は空腹のときにやるとき、最も能率が上がるのです。
▽参考までに、言葉の森の漢字集。
https://www.mori7.com/kg/koku/kk.php
(google chromeでも、縦書き表示ができるようになりました。まだブラウザによって揺れがありますが。)
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江戸時代の書き取りの練習は、1枚の半紙が真っ黒になるまで筆でひとつの文字をなぞり書きするという方法でした。
だから、書き取りの練習は、手で覚えたのです。
部首の意味で覚えたり、形から覚えたり、熟語として覚えたりという方法は、補助的なものです。
練習の基本は、繰り返し同じ文字を書くという単純な方法なのです。
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日本の学校では、やはり今でも書きとりがあるんですね。海外の生徒にはハードルが高いです。
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