受験直前になると、子供以上に親や先生が不安になります。
不安になると、欠点を直すことに目が向きます。しかし、これがいちばんよくないのです。
まず第一に、欠点はそんなに簡単に直せるものではありません。
第二に、欠点を直す勉強に力を入れると、どんどん自信をなくしていきます。
欠点は捨てておけばいいのです。
普段の心がけがよければ、苦手な分野は出てこないと思っていれば気が楽になります。
そんな感じでいいのです。
そのかわり、これまで自分が勉強してきたやり方に確信を持ち、参考書や問題集を見なおして更に確実に自分のものにしていくことです。
その際、過去問にもう一度目を通しておくといいでしょう。どういう分野が重点になっているかがわかると、これまでの勉強の見直しにも焦点が絞れます。
過去問に目を通す方法は、まず、まだやっていない過去問に、あらかじめ答えを全部書き込むことです。
過去問は、自力でやろうとすると気持ちの負担が大きくなり、後回しになることが多いからです。
答えを全部書き込んだあと、その過去問の問題と答えを読書のようなつもりで読むのです。
「なるほど。この問題で、こういう答えになるのか。ふむふむ」という感じです。
受験勉強という一大イベントに臨む姿勢は、その後のその子の人生の大きなイベントに臨む姿勢のモデルのようなものになります。
そういう大きい視野で勉強を見ておけば、受験勉強はその子にとって勉強以上の大きな収穫のあるものになっていきます。
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他の教科の勉強は、間違えたら正しい答えの出し方を理解すればいいのですが、国語はそこが少し違います。
正しい答えが、線としてつながっているのではなく、面としてつながっています。
A駅からB駅へ行くには、AからBの路線で行けますが、麓から山頂に行くには、麓を何度も蛇行しながら登るしかありません。
国語の勉強法の麓は読書です。
それも、親が見て、くだらないと思われるような本がいちばんの麓を形成しているのです。
【そのコメントの一部】
● 例えば?どんな本ですか?
● 漫画、はだめですよね?
● 小学生の子におすすめなのが、怪傑ゾロリです。
子供はああいう変なギャグが大好きです。
しかし、文章は結構しっかりしています。なぜかというと、説明的なことがよく書いてあるからです。
その反対に、低学年の子によく読まれているある本は、短い会話ばかりでストーリが―進むようになっています。
文章のレベルから言うと、説明がしっかり書かれているものの方がいいと思います。
漫画は、小学校低学年までの子には、それだけでもプラスになります。
しかし、それ以上の学年になると、漫画は楽しみのために読むもので、読書のかわりになるものではありません。
学習漫画も同じです。知識はつきますが、文章力はつきません。
しかし、漫画がよいか悪いかというのではなく、ちゃんとした文章の書かれている本を読んでいるかどうかが大事です。
読書が主食で、漫画や雑誌はお菓子のようなものです。
お菓子だけになってしまうことよくないのですから、主食のことをまず先に考えていくことです。
● 私は本が好きです。漫画も、文芸も、ドキュメントも見ます。漫画からもたくさんのことを学びました。高校時代、新学期、初対面の国語教諭が、「好きな教科とその理由」という課題を出し、私の答えは、「国語、国語がすべての教科の土台だと思うから」で、先生に強い共感を持ってもらえたのが、今、海外での自分の子育てにも大きな励ましになっています。マレーシアでも、日本語を習い始めるきっかけがアニメ・漫画という人が多いです。麓・きっかけに終わらず、それを広げたり、高めたりして行くことが大事なのではないかと思っています。
いいね!を取り消す ・ 返信 ・ 2 ・ 昨日 9:56 (携帯より」
● おっしゃるように、海外で暮らす子は、漫画やアニメのような遊び的な生活の中で日本語の機会を増やすようにしていくことが大事だと思います。
言葉の学習は、勉強ではなく生活の中で豊かになっていくのでしょうね。
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「天才とは1%のインスピレーションと、99%の汗(アスピレーション)である」という言葉を聞いたとき、日本人の多くは、99%の汗の方に共感するでしょう。
それが、日本の物づくりを支えてきました。
リーダーの1%のインスピレーションさえ優れていれば、あとの99%の汗は、労働者が給料に応じて働いてくれるというのではなかったのです。
日本では、労働者も1%のインスピレーションを生かし、経営者も99%の汗を流しました。
これから来る時代も、99%の汗の時代です。
しかし、それは、これまでよりも楽しい爽やかな汗の時代なのです。
IT技術が、生活のさまざまな分野に広がっています。
これからの大きなひとつの市場が、教育だと言われています。
グーグルも、アマゾンも、(もちろん日本の企業も)、教育を新たな市場の目標にしています。
しかし、これからの教育は、99%の汗を必要とする教育です。
その汗は、勉強で流す汗よりも、表で遊ぶときに流す汗なのです。
例えば、ロボットプログラミングを学ぶだけなら、教室の机の上でできます。
しかし、ロボットの本当の面白さは、近くの公園で動かしてみんなで遊ぶことです。
勉強で最も大事なのは意欲です。
その意欲は、遊びの中で生まれてきます。
その遊びで流す汗を工夫するのが、これからの教育の課題になると思います。
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日本文化は、理屈を言わない文化です。
しかし、世界に対してはそれでは通用しません。
なぜ理屈で言わないかを、理屈で説明しないといけないのです。
ある人が、日本の子供の書いた詩を外国で紹介したことがあったそうです。
(そのことをどこで読んだか忘れたので、細部は多少ちがうかもしれません。)
その虹をうたった詩の中に、「虹の上に腰かけて、お母さんとそっと呼んでみたい」というところがあったそうです。
すると、外国の人たちから一斉に質問がありました。
なぜ、ここで、「お母さんと呼ぶ」というのが出てくるかというのです。
日本人であれば、小さな女の子が(空想の世界で)虹の上に腰かけて、そっとお母さんと呼んでみたいという感覚はわかります。
しかし、これを外国人には理屈で説明しないといけないのです。
【説明】
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この女の子は、虹の上に乗るという初めての珍しい不思議な経験をしています。
その気持ちを、自分がいちばん身近に感じているお母さんと共有したいと思ったのです。
しかし、それは、お母さんにも教えてあげたいということではなく、自分の気持ちを身近なお母さんと共有すること自体が嬉しかったのです。
その共感を味わう動作が、お母さんと呼びかけることでした。
だから、お母さんはその声に気づいても気づかなくてもいいのです。
自分がそっと呼びかけたことで、その子の心は幸福で満たされていたのです。
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しかし、こういう説明は、日本人と同じ文化的背景を持たない外国の人たちに対して行うものです。
同じ日本人でも、まだ日本の文化的背景を十分に持たない子供たちに対しては違います。
日本の子供には、理屈で説明するのではなく、そういう文化を味わう機会を作ることが大事です。
母「けんちゃん」
子「なあに、よんだ」
母「ううん、ただ呼んでみただけ。うふふ」
子「……おかあさん」
母「なあに」
子「うふふ」
父「何やってんでい」
(お父さんは、同じ日本文化でも少し守備範囲が違うのです。)
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(すき家の排気ダクトの上で暖を取るスズメたち)
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戦後の日本の教育は、理解の教育でした。
物事を理解すれば、それで学習は完了すると思われていたのです。
しかし、日本に昔からあった教育は、理解する教育ではなく身につける教育でした。
だから、声に出して読み、それを何度も繰り返し、心と体で丸ごとその内容を見につけていったのです。
そういう教育を復活させるために大事なことは、細かい注意はしないということです。
子供の音読を聞いていると、親はつい何かひとこと言いたくなります。
読み方や読む姿勢や読み間違いについて、つい注意をしたくなるのです。
しかし、そこで言うべきひとことは、「読むのが、だんだん上手になってきたね」だけです。
人間には、繰り返していると自然に上手になるという能力がもともと備わっているのです。
ニュースに、「教育勅語復活か」という記事があったので、ブログにもそのことを書きました。
http://ameblo.jp/kotomori/entry-11742396454.html
道徳や人間の正しい生き方は、理屈で理解するものではありません。
だから、○×式のテストでは評価できません。
繰り返し音読して、自然に身につけるものなのです。
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https://www.mori7.com/index.php?e=2023
(国語の勉強の基本は、長文の音読です。そこに読書と対話が加われば完璧です。)
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