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中学生の問題集読書の進め方――読解問題の選択肢の分析 as/2472.html
森川林 2015/11/19 10:32 


 小学生の問題集読書は、難しい語彙のある物語文や説明文を読み慣れることに力点がありますが、中学生の場合はもう少し進んだ勉強ができます。
 その方法は、読解問題の選択肢を分析することです。

 まず、問題集読書の最初の勉強方法は、あらかじめ問題集に解答を見て答えを書き込むことから始まります。これは、英語でも理科でも社会でも、基本的には同じです。
 答えの既にある問題を、最初からわざわざやるのは時間の無駄です。答えを見て、すぐにわかる問題はやらなくてもいい問題で、答えを見てわからない問題だけを自分なりに理解していけばいいからです。

 問題集に答えを書き込んだあと、見開き2ページを音読していきます。音読は、問題文だけでなく、設問も答えも一緒に読みます。見開き2ページなら、大体3分で読み終えます。
 寺子屋オンエアで勉強している人の場合は、この音読をskypeのビデオメッセージで先生に送っておきます。国語の勉強は短い時間であっても毎日やるのが基本ですから、土曜でも日曜でも毎日音読してそれを送るといいのです。

 なぜ音読をするかというと、音読によって文のリズム感が身につき、繰り返し音読をすることによって文の理解が深まるからです。
 中学生は黙読で済ませたがりますが、黙読の読みでは、繰り返し読むことが難しくなります。
 音読の必要性は、英語でも同じです。英語の教科書の1ページ分を毎日20回以上音読して暗唱するのが英語の勉強の基本です。

 さて、国語の問題集読書で音読が終わったら、50字で感想を書きます。その際、50字ぴったりにまとめるようにすると、言葉を選択して書く力がつきます。
 これからの国語の試験は、記述力が問われるようになりますから、感想はできるだけ早く書き上げるようにします。これは、作文を書くときにも生きてきます。
 早く書き上げるためには、消しゴムは決して使わずに、最初から最後まで一息で書くように心がけることです。消しゴムは、うっかり書き間違えたときの1文字分を消すのには使ってもよいのですが、それ以上の語句や文を消すのには使わないようにします。

 この、答え書き込み、音読、感想書きがひとまとまりの勉強で、大体15分もあればできると思います。

 これを毎日続けて1冊を最後までやり終えたら、同じ問題集の2回目に挑戦します。
 2回めは、もう既に答えの書き込みが終わっているので、音読と感想書きだけです。
 感想を書く力をつけるために、「○○はAでなくBである」というような対比をはっきりさせた文を書くようにします。
 また、読解問題の選択肢のうち、正しい選択肢でないものが、どういう理由で正しくないのかを言葉ではっきり言えるようにします。

 国語力の基本は、難しい文章を読み慣れることですが、国語の成績を上げるためには、読み慣れるだけでは不十分です。
 成績を上げるコツは、この選択肢の分析のように、正しくない答えがなぜ正しくないかを自分なりに理解することです。
 しかし、その分析の土台になっているのは、読み取る力ですから、問題集の音読だけでなく、普段の生活の中で読書をする時間も毎日確保しておく必要があります。

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親子の遊びを小学校低学年の作文に生かす――実行課題作文発表会 as/2471.html
森川林 2015/11/18 05:48 


 言葉の森では、小学2年生までの作文の題名は自由です。題名課題が出てくるのは小3からで、感想文課題が多くなるのは小5からです。
 なぜ、小2までが自由な題名なのかというと、与えられた課題では書くことがないという子が出てくるからです。
 小3以上でも、同様に、与えられた題名では書くことがないという場合もあります。しかし、自宅で予習の準備をする際に、お父さんやお母さんに似た話を取材すれば、書くことがないということはなくなります。また、この対話によって実例ばかりでなく、語彙や感想を書く力も向上します。書く前に、書くことを準備するという過程が大事な勉強なのです。

 小学2年生までの自由な題名でも、もちろん準備は必要です。それは、お母さんの声かけです。今度の作文にどういうことを書くのか事前に聞いてあげるのです。
 小学2年生のころは、毎日が新しい経験ですから、毎日のように「今日のこと」「昨日のこと」を書いてもかまいません。
 しかし、中には、書くことがパターン化し、毎回同じように、同じ遊びの話を書く子も出てきます。

 そこで、言葉の森では、それぞれの月ごとに、家庭で楽しく取り組める遊びや行事の実行課題を作っています。
https://www.mori7.com/jk/index.php?n=p&p=12&tuki=12
 12月の行事でしたら、クリスマスの飾り付けや、お正月の準備、年賀状の作製、大掃除などがあります。それらを遊びに関連させて、芋版で年賀状を作る、松ぼっくりでクリスマスツリーを作る、みかんの汁で文字を書くなど、いろいろな企画が考えられます。

 日曜日などに、そういう遊びを家族全体で取り組みます。その際に、できればその遊びの場面を写真や動画で撮っておき、あとで思い出せるようにしておきます。
 そして、その遊びの話を、写した写真や動画などを見ながら、次の週の作文の課題として書いてみるのです。

 遊びというものは、お金をかけたり時間をかけたりしなければできないものではありません。むしろ、そういうお金や時間をかける遊びは、子供が飽きてしまうことも早いのです。
 だから、作文の題材を作るために、旅行に行くとか、ディズニーランドに行くとかいうことは必要なく、例えば、近所の公園でシートを敷いて朝ご飯を食べてみるというような簡単なすぐにできる遊びでいいのです。

 この実行課題をもとにした作文発表会を、1月に、幼長から小2までの生徒を対象に行う予定です。(参加は自由)
 やり方は、12月の実行課題をもとに(もちろん、実行課題に載っているもの以外でもかまいません)、親子又は近所の子供たちも入れて、行事や遊びに取り組みます。
 その取り組みをもとに作文を書き、それを写真や絵と一緒に、12月4週までに「画像の泉」にアップロードしてもらうのです。その際、名前などの固有名詞は消しておくといいと思います。
https://www.mori7.com/izumi/

 この実行課題作文発表会は、子供がそれまでに書いた作文の中でいちばん面白そうなものを一つ、写真や絵を添えてアップロードし直すだけですから、手間はかかりません。
 この12月の実行課題作文と絵や写真を、1月に、生徒どうしが見られるところに展示します。

 実行課題の作文を書く際に注意してほしいことは、子供は作文に、肝心なことは書かずにどうでもいいことばかりを書くもので、それをそのまま認めてあげることが大事だということです。
 たとえ、作文という形の中には出てこなくても、親子で楽しく遊んだ経験は子供の中に残っているからです。

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