ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 2741番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/5
事前指導を生かした作文は、実例を増やし、語彙を豊かにし、家庭での対話の文化を作る as/2741.html
森川林 2016/11/10 07:27 


「じゃあ、次の週の感想文の説明をするよ。ちょっとyoutubeを見てみよう」
と言って流したのが、「鯛の釣り」。船で釣りに行った人が、大きな鯛を釣り上げる場面の動画です。
 小5の11.3週の感想文課題の長文で、鯛の話があったので、本当に鯛の色が赤いかどうか見たのです。

 次のyoutubeは、「ドライアイスとシャボン玉を使った実験」。
 実際にいろいろなことを試してみると、本を読んで得た知識だけではわからないことがわかる、という話の例でした。

 こういう事前の準備をするのは、感想文の中身を充実させるためです。
 小5の感想文の課題のもとになる長文は、中学入試レベルの説明文の文章ですから、簡単に感想文は書けません。事前の準備をしておく必要があります。

 このあと、子供たちは、長文と先生の話をもとに、構想図(構成図)を書きます。時間は10分程度です。
 構想図に書く内容は、長文を読んだり先生の話を聞いたりしたあと、心に残ったことです。
 作文を書くための構成メモのようなものではなく、ただ頭に浮かんだことを散らし書き風に書いていくのです。

 この構想図は、そのあとのお父さんやお母さんとの対話のときに役立ちます。
 お父さんは、帰りが遅いことが多いと思うので、子供が感想文の似た例を取材したいと思ってもすぐには聞くことができません。夜になったり、あるいは土日の休みの日になったりすることがあります。
 すると、構想図のようなメモがないと、話が始めにくいのです。

 メモのようなものがないと、漠然とした質問をすることになるので、聞かれた方も答えようがありません。
 また、子供の方もただ親に依存するような聞き方になってしまいます。
「こんなことある?」
「そんなことないなあ」
「あ、そう」
などという対話では、事前の準備にはなりません。

 子供の構想図の説明をもとに、お父さんとお母さんと、ほかにも家族がいればその人たちも巻き込んで、みんなで思い思いに似た例を話していきます。

 こういう親子の対話があると、感想文の準備ができるだけでなく、子供の語彙力が育ちます。
 語彙力が育つということは、実例も、表現も、感想も豊かになっていくということです。
 また、作文の材料がみんなの協力によってで作られるので、作文を書く意欲も自然にわいてきます。


 言葉の森の作文指導の特徴は、事前指導です。作文を書いたあとの赤ペン添削は、事後の評価というよりも、むしろ次の作文の指導のための先生のメモのようなものです。

 子供が作文力をつけるのは、事前の準備によってです。
 そして、その事前の準備をする場所は家庭です。
 子供たちの本当の学力は、家庭での知的な対話の中で育っていきます。
 そういう事前指導を充実させるために、これから、オンエア講座「作文と勉強」でいろいろ工夫をしていきたいと思っています。


(参考までに)

真鯛の釣り
https://www.youtube.com/watch?v=chDCCajTLxI

ドライアイスとシャボン玉の実験
https://www.youtube.com/watch?v=GwBWiBboPzM

片栗粉スライムの実験
https://www.youtube.com/watch?v=zVU1aGzSAo4

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20161110 1 
 作文の勉強は、事前の準備が80パーセント、事後の評価が20パーセントぐらいです。
 書くことを家で準備してくる子は、毎回充実した作文を書き、実力もぐんぐんついていきます。
 書くことを準備していない子も、書くことによって少しずつ上達はしますが、やはり進歩に時間がかかります。
 この事前の準備をしやすくするために、今、言葉の森では授業形式の作文指導をする実験をしています。
 それが、オンエア講座「作文と勉強」です。


jun 20161111 2 
生徒のお母さんから、「作文がきっかけで、いろいろな話ができるようになり、お父さんが一番喜んでいる」と言われたことがあります。^^

2 20161111 2 
作文は、書くという行為だけでなく、事前の準備に意義があります。
一つのテーマについて家族で話をする機会は、普通ならあまりないと思いますが、毎週作文を書くことによって、そういう習慣が生まれるのはいいことですね。

aakone母 20161121  
 お世話になっております。事前指導について、このごろは本人が必要ないと言い始めて困っています。課題集のヒントが充実しているので、それで事足りている、事前指導も親の話も不要だとのこと。電話指導をお休みしたとき、振り替え指導を受けずに、一人で作文を書いているときがあります。あるいは、作文をほとんど書いてしまってから電話指導を受けているときもあります。
担当の先生と予定通りお電話ができるときは、やはりずっと見てくださっている先生なので、ためになるお話ができるそうです。が、振り替え指導になると、どうしても課題集ヒント以上の話には発展しにくいため、不要だというのが本人の言い分です。
自力で取り組めることを評価する、また、仕上げた作文のレベルが課題集ヒントをつなげたものに過ぎなくてもそれはそれで一つの過程である、とは思うのですが、親としては、授業料がもったいない…苦笑。
学校生活が多忙で不規則なため、空き時間にさっさと済ませたいという気持ちはわかるのですが、そういう子どもに対して電話指導を効果的なものにする秘策はありますでしょうか。
(昔、非常に優秀な生徒さんの担当をしていて、私の指導は不要なんじゃないか、どうやったらその生徒さんの力になれるのかと悩んだのを思い出しました。我が子は優秀ではありませんが・・・)

森川林 20161123  
 お返事遅れてすみませんでした。
 これは、子供の勉強の問題というよりも、子供の勉強に対するお母さんの見方の問題だと思います。
 私の推測ですが、子供は、お母さんの目を意識しているので、お母さんの望むとおりにやるのが嫌なのです(笑)。勘のいい子は、そういうことがよくあります。
 それは、お母さんが、子供に、「もっと……したらいいのに」というより高い水準を要求することが多いからです。
 中学生の時期の子供は、外見とは違って内面生活はいろいろな不安を持っています。
 だから、周りの人、特に母親は、その子に何かを求めるのではなく、その子が今のままでいいのだと安心させてあげることが大事です。
 だから、「先生の話、聞かなくても自分で書けるってすごいね」とか、「いろいろなことがあって忙しいのに、早く仕上げてえらいね」とか、「課題のヒントをつなげて書くなんて、なかなか要領いいね」とか、今やっていることをそのまま認めてあげるといいです。
 そして、あとは、この話とは違いますが、もし時間があればまた講師を再開してください(笑)。
 これから、いろいろ新しい面白いことをする予定なので。
 でも、すぐでなくてももちろんいいですが。


aakone母 20161125  
お忙しい中、お返事をありがとうございました。
先生のご指摘の通りだと思います。
講師の立場にあるときは、子どもにのんびり構えられるのですが、我が子となると、要求はどんどん高くなってしまいます。
いけないと思いつつ、やってしまうのが親かな・・・修行が足りません。

子どものほうは、親の期待を嫌がりつつも、本能的にそれにこたえようとするのですね。
最近は、子どもが自分で自分を追い込んでいく姿も見られるので、ひやっとします。反省の日々です。

どんな年齢になっても、子どものありのままを認めることがどれほど大切か、思い知らされます。
それは、教育だけではなく、人間社会のあらゆる面に通じることですね。

思春期の子どもを育てていると、自分に自信がどんどんなくなっていきます。
昔、言葉の森の先生方が、我が子の作文指導をあえてほかの先生にお願いしていました。その気持ちが今はよーくわかります。
時間はあるのですが、気持ちの余裕がない状態です、涙。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
オンエア講座(41) 言葉の森の特徴(83) 

記事 2740番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/5
オンエア講座「作文と勉強」の曜日増設。無料モニターの追加募集について as/2740.html
森川林 2016/11/08 05:51 




■モニター追加募集要項

 言葉の森では、現在、オンエア講座「作文と勉強」を行っています。これは、毎週の作文の電話指導をより充実させるとともに、算数数学を中心にした勉強の実力をつけるための講座です。

 オンエア講座「作文と勉強」は、これまで、小3~小6の学年別に無料モニターを募集してスタートしていましたが、このたび、新たに学年と曜日・時間を増設し、新規のモニターを追加募集することにしました。
 期間は、11月2週から12月3週までで、週1回約45分の講座で、希望される方は無料で参加できます。

 オンエア講座とは、Googleハングアウトを利用して、ウェブ会議で少人数制の勉強を行う仕組みです。ウェブカメラのついたパソコン、又は、スマホ・タブレットさえあればどなたでも参加できます。
 ただし、作文の課題集に基づいた話をするので、言葉の森の生徒又は森林プロジェクトの生徒が対象になります。

 用意していただくものは、
・Googleのアカウント(gmailを利用している人であれば既にGoogleアカウントがあります。新しいアカウントを新たに作ることもできます。)
・ウェブカメラのついたパソコン、又はスマホ・タブレット(いずれでもできますが、パソコンが操作はしやすいと思います。)
・「ハイクラステスト算数○年」(小学教育研究会・増進堂・受験研究社)(該当学年のもの。中学生の場合は「数学」(中学数学問題研究会))



■現在募集しているオンエア企画一覧

 現在募集しているオンエア企画の対象学年と曜日・時間は下記のとおりです。

オンエア企画一覧
時刻時刻
1800~ 小1作文勉強(新) 小123読書実験 小3作文勉強 小4作文勉強 小2作文勉強(新) 1030~ 11.12懇談1030(新)
1900~ 小3作文勉強(新) 小5作文勉強 小456思考国算 小6作文勉強 中123作文勉強(新) 1100~  

・このほかに、寺子屋オンエアを月曜~金曜の17:00~21:00の時間帯で行っています。(週何回でも受講できます。週1回につき月額1404円)
・作文をオンライン上で書くオンエア作文は、現在作文通信を受講している時間帯でできます。(無料。ただし担当講師がオンエア作文に対応していない場合もあります。)
・いずれのオンエア企画も2回の体験学習ができます。(ただし保護者懇談は体験学習はありません)



■現在募集しているオンエア企画の概要

 いずれのオンエア企画も6~7名の少人数制で、定員になったところから締め切ります。
 お申し込みは、言葉の森ホームページの「オンエア企画一覧」のフォームから、又は、言葉の森事務局までお電話でお願いいたします。



●オンエア講座「作文と勉強」モニター 無料 12.3週まで

 オンエア講座「作文と勉強」は、小1から中3までの全学年が対象です。
○小1……月18:00から45分間(生徒向けの授業は最初の30分、後半の15分は保護者懇談など)
○小2……金18:00 〃
○小3……月19:00 〃
○小4……木18:00 〃
○小5……火19:00 〃
○小6……木19:00 〃
○中学生…金19:00 〃
(小3のもうひとつのクラス、水18:00は満員になりました。)



●オンエア講座「読書実験クラブ」 有料

 このほかに、小1~3対象の有料のオンエア講座があります。こちらも参加できます。
○小1~小3……火18:00から45分間
(週1回、月額1728円。主に本の読み聞かせと構想図書きの練習)



●オンエア講座「思考国算講座」 有料

 また、小4~6対象の有料のオンエア講座もあります。こちらも参加できます。
○小4~小6……水19:00から45分間
(週1回、月額1728円。主に公立中高一貫校向けの難度の高い作文と算数の学習)



●受験作文オンエア保護者セミナー懇談会 無料~有料

 保護者を対象にしたオンエアセミナー懇談会もあります。これは1回毎に参加者を募ります。
○保護者対象……土10:30から25分間
(週1回、受験作文コースの生徒の保護者は無料、受験作文コース以外の言葉の森の保護者は500円/回、言葉の森の生徒以外の保護者は2000円/回。主に受験作文の書き方のポイントを説明、添削講評もあり)
 これまでに行った懇談会のテーマは、「公立中高一貫校の受験作文の書き方のコツ」「受験作文の作文返却後の関わり方」。
 11.12のテーマは、「受験に合格したあと、しなかったあとの対応について」。また、参加者からアップロードされた作文の添削講評を行います。



■オンエア講座「作文と勉強」の授業の流れ


生徒がそれぞれに、今読んでいる本、今やっている勉強などをみんなに紹介。(10分)

先生が、次回の作文課題の準備になる話を説明。(10分)

続いて、先生が、算数数学の考える問題を解説。(10分)

生徒は、作文の構想図書きの練習、又は、算数数学の似た問題の作成。

その間、先生と保護者の懇談。(15分)

授業のあと、生徒は自分の書いた構想図や似た問題をもとに親子で対話。(後日)

構想図や似た問題はアップロードしておき、次回みんなに紹介。(後日)




■オンエア講座「作文と勉強」の目標と内容

●作文の勉強を更に充実させるために

 オンエア講座「作文と勉強」の第一の目標は、作文指導の充実です。

 これからの勉強は、知識の詰め込みのようなものから、思考力や創造性を育てることを中心としたものになってきます。
 新しい入試の方向も、記述問題、小論文、口頭試問などが重視されるようになってきます。

 そこで、言葉の森では、現在行っている作文の勉強を更に充実したものにするために、このオンエア講座「作文と勉強」で、作文課題の事前の準備に力を入れていきます。
 また、先生と生徒だけの話になりがちだった作文通信指導を、生徒どうしの交流や、先生と生徒と保護者の協力を生かしたものにしていきます。

●実力のつく自学自習の勉強を進めるために

 オンエア講座「作文と勉強」の第二の目標は、算数数学を中心にした実力の養成です。

 今の子供たちの勉強は、学校にしても学習塾にしても、先生が生徒に知識を教え込むような形が一般的です。
 小中学校の間の勉強は、基本的に教科書又は詳しい参考書を読めば誰でも理解できる勉強なので、この教わる勉強というのは時間的な無駄の多いものです。

 また、勉強は知識を理解するだけでは身につきません。その理解を反復練習によって定着させることが必要ですが、これは主に家庭での宿題に任せられています。
 ところが、この宿題は、同じものを繰り返しやるのではなく、新しい宿題を次々に出される形が多いので、定着させるまでにかなり時間がかかっています。

 人に教わる勉強、宿題をさせられる勉強から、家庭で自主的に勉強するスタイルに切り換えることができれば、もっと時間の余裕ができ、勉強も楽しくできるようになります

●受験をしなくても家庭で中高一貫の勉強ができる

 今の受験体制のもとでは、受験期の最後の1年間は受験勉強だけに絞った勉強のできる中高一貫校が有利です。そのために早期からの受験勉強が必要だと言われています。
 しかし、現在は、スタディサプリなどを利用すれば、学校や塾に頼らずに家庭で1年間の先取り学習ができるようになっています。
 無理に受験をしなくても、あるいは受験に落ちても、家庭で十分に中高一貫の勉強ができるようになっているのです。

 学習塾に通う子は、早期からのパズルを解くような難問に時間を費やし、競争を煽るような勉強を強いられています。
 受験に出る難問は、受験期の最後の1年間に集中して取り組めば間に合うものですから、それまでは平凡にその学年相当の学力をつけておけば十分です。

 早期からの受験勉強に時間をとられるよりも、小中学生のころは、読書や経験の自由な時間を確保しておく方が将来必ず伸びる子になります。
 そのためには、家庭における自学自習を勉強の中心にしておくといいのです。

●得意不得意のはっきりしている子は、なおさら自学自習で

 現在、教育格差が進行し、学習塾などに通いたくても通えないという子も増えています。
 言葉の森がオンエア講座などの企画を、可能なかぎり低価格にしているのは、その理由もあります。
 しかし、家庭で勉強する仕組みができれば、学習塾などに通わなくても小中学校の勉強は十分にできます。
 むしろ、得意不得意がはっきりしてる個性的な子は、塾よりも自分のペースで勉強した方がずっと充実した勉強ができるのです。

 また、勉強が苦手な子は、補習塾などに行ってもほとんど効果がありません。
 苦手になったのは、学校で出された宿題などをやっていなかったので練習量が足りなくなったためです。
 だから、同じように、補習塾で出される宿題を家庭でやらなければ成績は上がりません。
 学校で苦手になった子は、塾でも苦手は直りません。直るのは、家庭で自分で勉強する習慣を作ることによってです。

●寺子屋オンエアでの自学自習の勉強を更に活性化するために

 言葉の森では、勉強は自分のペースで家庭で行った方が能率よく楽しくできるという考えのもとに、寺子屋オンエアを行ってきました。(寺子屋オンエア週1回で月額1404円)
 実際に、寺子屋オンエアで問題集読書や音読をしている子は、国語の成績がかなり上がるという結果が出ています。
 また、先生が読書のチェックをするので、読書の量が自然に増えるという結果も出ています。

 しかし、寺子屋オンエアは、自学自習を先生が見守り、最後に問題を出すという形なので、それだけでは子供たちには刺激の少ない面がありました。
 また、先生と保護者とのコミュニケーションもまだ不十分な面がありました。
 更に、子供たちどうしが発表したり交流したりする面もまだ不足していました。

 そこで、このオンエア講座「作文と勉強」では、子供たちの意欲を引き出し魅力のある自学自習の勉強の場を作るという目標で企画を進めていきます。
 具体的には、6~7名のグループ単位で、先生が授業のような形で話をし、子供たちが発表し交流する機会を作り、併せて先生と保護者とのコミュニケーションを日常化するという形の運営です。
 また、勉強の進捗状況を見るためにミニテストなどを行い、質問や相談にも答える場を作っていきます。

 したがって、現在寺子屋オンエアで勉強している生徒にとって、このオンエア講座「作文と勉強」は、自学自習の勉強を更に活性化するものになります。



■これからの勉強はこう変わる


詰め込みだけの人より、読書力も経験力も感受性も創造性もある人に。

子供時代はたっぷり遊んでたっぷり読書。

わざわざ塾へ行くよりも家庭で自学自習。

親子の対話で思考力を伸ばす。

家庭で1年間先取り。受験は1年間の集中学習で。

誰でも同じ教育環境で勉強でき、そして夏には自然寺子屋合宿。



この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20161108 1 
 世の中がどう変化しても、社会の基本は変わりません。
 それは、子供たちが生き生きと暮らし、自分の能力を開花していける社会を作ることです。
 その教育とは、もちろん勉強だけではありません。
 また、教育の専門家だけが担うものでもありません。
 すべての人が参加する、よりよい社会作りの第一の目標なのです。



nane 20161108 1 
 日本の教育の原点は、江戸時代の寺子屋教育と、貝原益軒の「和俗童子訓」などの教育論にあると思います。
 それを、現代の科学技術と民主主義のもとで日本的に再生することが未来の理想の教育につながっていくと思います。
 そして、教育こそが日本を復興させる最初の出発点なのです。


jun 20161108 2 
FBの森プロプロのグループにシェアします。

namura 20161109 10 
作文の事前準備は、実例のいいアイディアがうかんできそうですね。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
オンエア講座(41) 言葉の森のビジョン(51) 寺子屋オンライン(101) 

記事 2737番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/5
暗唱力があれば、作文や国語ばかりでなく数学も英語も思いのまま(6) as/2737.html
森川林 2016/11/07 07:36 


「一日十分から十五分の素読を行うと、記憶力がよくなるばかりでなく、心理学でいう転移、つまり記憶とは別の力まで伸びるという反応が起きます。その能力とは、抑制力、創造力、論理的な思考力といったものですが、実際にMRIで調べると脳の前頭前野の両側の体積が増えていることが証明されているんです。」

 たまたま、月刊「致知」2016年12月号を見てみると、川島隆太さん(東北大学加齢医学研究所長)と、齋藤孝さん(明治大学文学部教授)の対談が載っていました。
 ここに出てくる話は、言葉の森がこれまで書いていたことや実行していたことと全く同じでした。
 以下、川島さんの話から引用。

「思考や記憶などを司る前頭葉は十二歳がピークで、その後はだんだん薄くなるものですが、大人でも素読を続けることによって元に戻っていくんですね。これは脳の可塑性といわれ、脳の神経細胞のシナプスの量が増えてネットワークが通じやすくなるわけです。それも、MRIで見て分かるくらい劇的に変化するんです。」

「……このトレーニングをやると実際、アクティビティ(行動量)が高まり、記憶力が二割ほど増した状態となります。」

「(SNSについての話で)……ラインの文面を見ていただければ理解できると思いますが、極めてプアなコンテンツしか出てきません。『お昼何にする?』『カレー』『どこ行く?』といったように、まるで幼稚園児レベルの会話しか続かないんですね。物を考える人としての脳は積極的に寝てしまっている。ある意味、とても怖いツールでもあるんです。」

「僕たちは七年間、仙台市の七万人の子供たちの脳を追いかけて調べていますが、スマホやSNSの利用と学力との関係が明らかになってきました。そこで分かったのは、これらを使えば使うほど学力は下がります。それは睡眠時間や勉強時間とは関係ありません。」

「……認知症のお年寄りに、美しい日本語の文章を声に出して読ませるトレーニングを取り入れました。認知症は薬を飲んでもよくはならないんです。悪くなるスピードを遅らせるだけです。ところが、素読を続けると劇的な変化が見られます。認知症の進行が止まるだけではなく、改善していくんです。」

「……教育の専門家ではない僕がそこに深くせめこむことはできませんから、『読書習慣のある子供たちは脳の発達がいい』というデータを示して、それとなく訴え続けているわけですが。」

「素読をしない文化、読書をしない文化では、次の世代からノーベル賞など出なくなるでしょう。理系の脳をつくるのにも、読書は絶対に必要なんです。」


 以上のように、川島さんは、素読の効用について述べていますが、この素読の発展したものが暗唱になります。

 そして、この暗唱を、毎週担当の先生がチェックする形で、家庭で続けられるようにしているのは、今のところ、電話通信で作文指導をしている言葉の森だけだと思います。ただし、生徒の負担にならないように、暗唱チェック、暗唱検定は希望者のみにしていますが。


 さて、SNSの利用が学力を低下させるということについては、ある面からは確かにそうだと言えます。
 しかし、そのマイナス面を克服したSNSの活用法がこれから作られていくと思っています。
(つづく)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20161107 1 
 素読をすると、子供たちの記憶量が二割も増すそうです。
 そして、お年寄りの場合も、治らないはずの認知症が劇的に変化し改善するそうです。
 素読によって、年齢に関わらず脳が可塑的な変化をすることがわかってきたのです。
 この素読の発展したものが暗唱です。


nane 20161107 1 
 暗唱の効果については、自分も暗唱しているときに確かに実感していました。
 頭がよくなっているような感じがしたのです。感じだけね(笑)。
 しかし、主観的なこととも思われるので、そのことはあまり書きませんでした。
 今回の川島さんたちの話をみると、それが客観的にも証明されつつあるようです。


jun 20161107 2 
暗唱は敷居が高いという場合、素読だけでも効果がありそうですね。

jun 20161107 2 
子供だけではなく、大人も、毎日の素読を習慣にしたいものです。

jun 20161107 2 
先日、高学年の生徒に国語の簡単な問題文を音読してもらいました。たった1行の文でしたが、たどたどしくしか読めず、しかも読み間違えをしていました。低学年のうちから音読の習慣をつけておくことは、本当に大事だなあと思いました。

namura 20161108 10 
読書の効果を見直すべきですね。

touko 20161115 77 
音読(素読)を日常の学習に取り入れている生徒さんは、本当に国語力があがります。講師として多数の生徒さんに接していると、実感として強く感じます。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
暗唱(121) 
コメント91~100件
……前のコメント
【合格速報】秋 らっこ
合格おめでとうございます。  目標を定め、決めたことを必ず 1/15
記事 4926番
ChatGPT 森川林
 世界では、ChatGPTを使って学生がレポートなどを作らな 1/13
記事 4930番
プログラミング 森川林
 プログラミングクラスに参加する子は、男の子がほとんどなのは 1/11
記事 4929番
【合格速報】秋 sasa
 合格おめでとうございます!  小学校二年生から作文を担当 1/10
記事 4926番
小学3、4年生 kaze
作文の書き方をいくつか見比べてみると、みな、言葉の森の指導方 1/9
記事 4916番
小学3、4年生 森川林
 私は、人を批判することは好きではありませんが、学校の先生や 1/9
記事 4916番
短文を書く練習 森川林
反論は、いつでもどうぞ。 1/8
記事 4911番
森川林
「作文の勉強は高校生まで続けよう」という記事の動画の音声が割 1/8
記事 番
森川林
 塾が忙しくなると、これまでの習い事はいったんやめて、と考え 1/8
記事 番
森川林
 塾が忙しくなると、これまでの習い事はいったんやめて、と考え 1/8
記事 番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
画像送信テスト 森川林
回回回 11/2
森川林日記
Thunder 森川林
https://www.thunderbird.net/ja 10/29
森川林日記
この忙しいとき 森川林
この忙しいときに、というかいつも忙しいけど、今は特にというと 10/28
森川林日記
もう二度とGm 森川林
 Gmailが突然、大量のPOP3は受信できないようにした。 10/28
森川林日記
2025年10 森川林
△ミズヒキグサ ●紙ベースの勉強が基本。デジタルの 10/22
森の掲示板
3I/Atla 森川林
それは、いい結果になるだろう。 10/2
森川林日記
SDGsとかL 森川林
SDGsとかLGBTQとかいう新しい言葉を使う人は、考えの浅 9/27
森川林日記
千葉県立千葉中 森川林
受験生に点数の差をつけるためだけのテスト。 横浜市立南 9/25
森川林日記
2025年9月 森川林
●家庭学習の習慣を  小学生のうちから家庭学習 9/22
森の掲示板
OCRのオシロ 森川林
今からOCRのオシロンの作り直し。 これまでgoogl 9/20
森川林日記

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習