ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 797番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/30
家庭で上手に作文の勉強をさせるコツ。なかなか書き出せないときは as/797.html
森川林 2010/02/21 11:05 



 小2の男の子の保護者から電話がありました。もともと作文をよく書ける子だそうです。先生の電話のあとなかなか作文が書けなくて、1日かかってしまうこともあるそうです。しかも、お母さんの言うことを聞きません。自分で納得するように書きたいらしいということでした。

 作文の勉強に2時間も3時間もかけるというのは、やり過ぎです。中学生以上の生徒の場合は、よいものを書こうとしていろいろと推敲しながら書くことも多いので、3時間ぐらいかかることもあります。しかし、小学2年生でそんなにやるのは、やはり時間のかけ過ぎです。
 しかし、同時に、作文を書くというのは、小学生の子供にとって絵をかくとか工作をするとかいうことと同じ面があるので、本人が楽しみながら書いているのであれば、それは遊びの一種として見ていても差し支えありません。

 今回の相談の場合、お母さんの話では、本人も家族も時間がかかることで困っているということでしたので、アドバイスをしました。

 作文が書けないという場合、書けない状態が何分かたつと、あとは時間がたつほど書けなくなっていきます。15分も書けない状態が続くと、あとは30分でも1時間でも書けません。時間がたてばたつほど、何を言っても書けなくなります。だから、親のアドバイスは最初の5分が勝負なのです。

 子供が書き出せない場合は、親が、書く文章を言ってあげます。「『きょう、ぼくは朝七時におきました』。はい、書いてごらん」「よく書けたね。じゃあ、次は、『朝ごはんのおかずは、なっとうとたまごやきでした』。はい、書いてごらん」「じゃあ、次は……」このようにいくつかの文を言ってあげると、途中から子供は必ず、「あ、わかった。もう言わないで。自分で書けるから」と書き始めます。最初の呼び水だけが必要なのです。
 もし、このように書かせても、子供が途中から自分で書き出せないという場合は、お母さんがずっと最後の文まで言ってあげてもかまいません。何しろ書き上げたという成功体験を積み重ねることで、作文を書く力がついてきます。
 お母さんが言ってあげるかわりに、長文を学年の100倍から200倍の字数まで書くということでもかまいません。子供が、自分で考えて自分の力で書くということにこだわる必要はありません。一回一回の作文を見るのではなく、長期的に作文の力をつけるのだということを考えて、何しろ何かを書くという行動をさせることが大切なのです。

 ところが、今回の相談の場合は、お母さんが手伝ってあげると言っても、子供が言うことを聞かないということでした。

 この場合、アドバイスの仕方にコツがあります。それは、問題が起きたあとに対応するのではなく、問題が起きる前に対応しておくということです。

 小学校で運動会の練習をするようなとき、ベテランの先生は次のような指示の仕方をします。
「これから、玉入れをします。先生が笛を吹いたらはじめてください。そして、先生が2回目の笛を吹いたら玉入れをやめて元の場所に戻ってください。はい、ピー」
 子供は1回目の笛で一斉に玉入れを始め、2回目の笛で一斉に元の場所に戻ります。

 若い先生は次のような指示の仕方をします。
「これから、玉入れをします。先生が笛を吹いたらはじめてください。はい、ピー」
 みんながわあっと一斉に玉入れを始めます。先生がそろそろ終了にしたいと思って、
「はい、もうやめなさい」
と言ってもすぐにはやめられません。大声で、
「やめなさい」
「やめなさいったら、やめなさい」
「どうしてすぐにやめられないの!」(笑)

 指示の仕方のコツは、問題の起きたあとのことを織り込んで準備しておくことです。

 勉強を始めさせるときも、終わらせるときも同じです。
 お母さんが突然思い出したように、
「あ、そうだ。勉強始めなさい」
と言っても、子供は素直に言うことを聞けません。
「あと、15分ぐらいしたら、そろそろ勉強を始めようね」
とあらかじめ言っておいて、それから指示をすればスムーズに言うことを聞けます。

 勉強を終わらせるときも同じです。
 始める前に、「○分ぐらいまでで終わりね」と言っておき、その時間の来る15分ぐらい前になったら、「あと、15分ぐらいで終了だよ」と言っておけばスムーズに終えることができます。

 この「あらかじめ」は、あらゆることに共通する大事なコツです。
 中学受験で勉強している子に、
「何しろ合格までが目標だから、合格したら何をしてもいいからね」
と言っていたとします。
 合格したあと、子供は解放感で遊び始めます。そして、勉強の習慣が戻らない^^;ということも多いのです。

 受験勉強をしている最中に、
「合格が目標だけど、本当に大事なことは合格した学校でしっかり自分を成長させて立派な人間になっていくことだからね」
と、あとのことまであらかじめ言っておくことが大切なのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
子育て(117) 家庭で教える作文(55) 

記事 796番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/30
1月の森リン大賞(中3-高社) as/796.html
森川林 2010/02/21 05:45 

 1月の清書をもとにした森リン大賞です。






1月の上位入賞者(中3の部33人中)


真の実力
ゆりん

 推薦入試とは、指導要録にもとづいた生徒の学校での学業成績や性格などを見て合否を決めるものだ。日常からコツコツと勉強していれば、本番の試験を受けなくて済むのだ。推薦入試は一般の試験と違って合否も大体検討がつくし、一発勝負という訳でもないのでメンタル面的には楽だろう。しかし、内申書はそれぞれ記入する人が同一でないために不平等になりやすい。それに、社会に出たときに求められるのは、コツコツと少しずつ実績を出すことではなく、短期間で大きな実績を出すことだ。学校を卒業して社会に出たときの事を考えると、推薦入試よりも、一般入試の方が良いと思う。だから私は、一般入試のように、いざという時に全力を出せるように生きて生きたい。

 その為の方法は第一に、真の実力をつけておくことだ。いざ全力で何かに挑戦しようとしても、それに伴うだけの実力がなければうまくいかないだろう。私は今、英語検定に向けて勉強している。三級までは難なく合格することが出来たが、準二級になると一気にレベルが上がり途端に難しくなる。問題集を買って勉強したりもしているのだが、単語の意味がわからない為手のつけようがない状態に陥っている。「英語はまず単語を覚えることから始まる」とよく言うが、その意味を初めて痛感した。やはり何事に関しても基礎が大切なのだろう。だから私は今単語を覚えている。初歩的なことだがとても大切なことだ。単語もスペルが長く覚えづらいものも多いが一生懸命覚えていきたいと思う。タイムリミットは迫っているが、全力投球する気持ちで望んでいきたいと思う。

 その為の方法は第二に、心から納得できるような目標を立てることだ。人は、本当に納得できるような目標を立てることだ。人は、本当に納得できる目標があればどんな困難でも立ち向かうことができると思う。逆に目標がしっかり定められてないと何をすれば良いかがわからず充実した日々を送れなくなってしまう。初めて動力飛行を成功させたライト兄弟は自転車店を経営しながらも空を飛びたいという夢を諦めないで研究に打ち込んだために目標を達成することが出来た。この二人のように、何かの目標に対して立ち向かった偉人は沢山いる。オリンピック選手なんてまさにその例だ。私も何か目標を立てて日々を立ち向かっていきたい。

 確かに、日常からの努力も大切だ。日々の努力の積み重ねが成功につながる場合も多い。しかし、「飽きるということも、一つの能力のあらわれである。」という名言もあるように、いざという時に備えて休むことも大切だ。ぐだぐだやっていたら飽きてしまうし、集中力も途切れてしまうだろう。長い時間やっていれば良いという訳でもないのだ。だから私は、いざという時に全力を出せるような生き方をしたい。そうすれば今後行われる定期テストや入試も難なくクリアすることが出来るだろう。休むときのメリハリがしっかりつくようにしていきたい。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1真の実力ゆりん87120854798190
2自然を尊重するメグ86179254597792
3自信を持つゆうちゃり~86131652697792
4こつこつ型」で生きるマロン86161557627687
5清書うずら85154863687084
6こつこつちな84115051717987
7私の財産きへあ84153863556686
8ポイ捨てはいけない野球小僧83107164567192
9清書 読解問題きこう82113653828989
10清書まじめさん81109549586881



※ 高社の上位の作品で、項目のキーワードをカッコ書きで入れている作品がありましたので、キーワードをはずして採点しておきました。
 清書の際は項目のキーワードは、特に入れなくて結構です。(^o^)/

1月の上位入賞者(高1高2高3社の部113人中)


民主主義(清書)
PINK

 現代の日本は民主主義の国である。もちろん世界には今も独裁政権を貫いている国が存在する。独裁政権は権力が一点に絞られるため、民主主義に比べてスピーディーに物事が決まり、与党と野党のような政権を巡る争いをしなくてすむ。こういった点において能率は良いかもしれないが、やはり我々はリスクや危険を理解したうえで本当の意味での民主主義を守るべきだ。

 そのための方法として第一に、民主主義の話し合いや選挙などの煩わしいと思われる手続きを面倒臭がらず、皆が参加するようにすることだ。よく選挙の後に新聞で投票率を載せているが、民主主義の原則で言えば100%に達していなければいけないはずだ。しかし、現実問題50パーセントに届いていれば『国民も注目している選挙』と書かれる始末。つまり、政治に関心を持っていない人がいるということなのだ。全国民が平等な権利を持っているのが民主主義であるのだから、真の判断が出来ているのかどうか不透明な部分があるのだ。学校の生徒会選挙も、立候補人数が少なく信任投票のみで決まってしまうケースが増えているように感じる。クラスでの話し合いも、なかなか意見が出ずしらけた空気になってしまうことが多い。友達に聞くと『別にどうでもいい…』といった参加に消極的な意見が多く、少数であろうが意見が出ればそれで決まってしまうことが多々ある。参加者全員が積極的に意見交換をすることでより良い結果に結びつくのが民主主義の長所であるにもかかわらず、それを全く生かせない状況が発生してしまっている。単なる時間の無駄、と捉えず有意義なものという認識をすることで、真の民主主義を守ることが出来るのだ。

 第二の方法として、対立する勢力があるようにすることだ。日本の例で言うと自由民主党と民主党、などが分かりやすいのではないだろうか。与党と野党が常に対立しており、互いに抑制しあって均衡を保っている状態が最も理想的な民主主義の姿なのかもしれない。歴史的には、昔日本は武士と貴族が均衡を保っていた時代があった。また、戦後の日本では対抗勢力が無いために軍部の独裁に走ったこともあるそうだ。互いに拮抗する状態であることによって独裁を未然に防ぐことも出来るだろう。生徒会の選挙も、ライバルがいることでより自分の考えを有権者にアピールしたり、演説で自分の思いをより具体的に述べ、投票する側にとって非常に分かりやすい選挙になる事は間違いない。

 確かに、民主主義は決して万能ではない。能率は独裁に比べて悪い場合が多く、異なった政治体制を考えることもいずれは必要になるのかもしれない。しかし、皆の総意を生かして物事を決めていくことも大切だ。一人一人の意識向上を図り、全員による支配を実現させていかなければならない。民主主義は、有効投票数の中での多数決で決まるものではなく、少数意見も含め参加者全員で決めるものだ。(自作名言)我々は、形だけの民主主義を見直して、本当の意味での民主主義を守るべきなのである。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1民主主義(清書)PINK92123766969193
2公園のあり方についてまいう91119566959999
3叱責と責任いさせ89121462778590
4言葉の文化しんご89128469767592
5周りの視線LOLLIPOP88173258698186
6神のジレンマカエル87123159888684
7世間の中で生きるということくま王子87152461678484
8公園いすも86130657657687
9私の豊かさえひな84102557698089
10叱り方ピカチュウ84104856677593



森リンの丘

2010年01月の清書記録
2009年12月の清書記録
2009年11月の清書記録
2009年10月の清書記録
2009年09月の清書記録
2006年9月-2009年8月までの清書記録

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
森リン(103) 子供たちの作文(59) 

記事 795番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/30
教室風景 as/795.html
森川林 2010/02/20 16:17 
 暗唱がなかなかできない小3のI君。途中で退屈して、

「ぼくはお母さんとスーパーに買い物に行きました」

と読むところをふざけて、

「ぼくは死神と地獄へ買い物に行きました」

 すると、横で聞いていた、やはり小3のT君、

「何、しりがみだって?」

 真面目に黙々と書いている子がいる一方、こんなことばかり言っている子もいます。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教室の話題(26) 

記事 794番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/30
森リン90点以上は東大レベル as/794.html
森川林 2010/02/20 08:37 


 これまで言葉の森の生徒の作文を見ていて、森リンの得点で90点以上をとれる子の実力は、東大に合格した子たちと同じレベルだと思いました。もちろん東大だけが大学なのではありません^^;。わかりやすく言えばそうだということです。

 それも、勉強だけでなく、中学高校の学生生活を個性的に過ごしてしかも勉強もできるというタイプの生徒たちでした。どの子も、自分らしい趣味の世界を豊かに持っていました。ある子は化石、ある子はガン(笑)、ある子はRPG、その分野ではそれぞれ専門家なみと言ってもいいぐらいの知識や持論を持っていました。

 こういう子たちの特徴は、普通に文章が上手に書けるというだけでなく、さすがと思わせる文章が書けるという点です。共通して、書くことが好きな子たちでした。文系、理系の数は半々で、単に文章が書けるというのではなく、深く考える文章が書けるという子供たちだったのです。この子たちは、社会に出ればどこに出ても何をしても第一人者としてやっていけるはずです。

 東大のレベルは、世界の基準で言うと30何位だそうです。それは、勉強だけをして東大に入る人も多いためです。自分の言葉で考える力のある人は、世界的な基準の中でも堂々と対応できる力を持っていると思います。

 さて今、中学生以上で森リンの点数が90点以上を取れる生徒は同じレベルです。この子たちは、知識だけでなく、個性があり思考力があります。東大後期の小論文試験があれば、ほぼ確実に合格していたと思われる子供たちです。しかし、小論文の試験がなくても、考える力があるので、どの教科でもいくらでも成績を上げられる実力を持っています。

 こういう子供たちの共通点は、苦手な教科が特にないことです。普通に授業を聞いていれば、どの教科も普通にできるようになるからです。

 では、どうしたらこういう力をつけることができるのでしょうか。それは、ひとことで言えば、小学生のころから読む力、書く力、考える力を育てていくことです。小中学生のころは、その学年の勉強の成績を上げる時期ではありません。あとになって生きてくる本当の学力を育てていく時期なのです。

 そのために、言葉の森へ(笑)。というのは、冗談ではなく内心本当の話です。

※森リンは、プログラムですから、技術的に得点を上げることもできます。しかし、点数を上げるために無理な書き方をすると、人間が見てもすぐに不自然だとわかります。
 ここで言う東大合格レベルというのは、森リンがまだ開発されていなかった当時に、ソフトの採点などを意識せずに自然に書いた作文で、その子たちは90点以上になることがよくあった、ということです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
森リン(103) 

記事 793番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/30
1月の森リン大賞(中1-中2) as/793.html
森川林 2010/02/20 06:43 

 1月の清書をもとにした森リン大賞です。

 代表作品はもちろんですが、上位に入っている生徒以外の作品も力作がそろっています。


※ 中1の1位の作品は優れていましたが、項目のキーワードと要約の部分が多く含まれていたので、代表作品としては掲載しませんでした。
 次回から、清書にする際は、要約は省略するか、自分の言葉に直して説明する形にしておいてください。(^o^)/

1月の上位入賞者(中1の部77人中)


家の価値
hikari

 産業革命以来、私達は機械が、工学的なものの考え方こそが、正しいものだと信じて疑わなかった。しかし、最近になって、それが反省されつつある。生物本来の持つ良さ、生物的嗜好というあいまいなものの見方見直されてきているのだ。私も工学的な、整理された空間よりも生物的嗜好な、多少はごっちゃりとした空間の方が良いと思う。

 私がそのように思う第一の理由としては、整い過ぎた空間より、慣れ親しんだ環境の方が使い勝手が良いからである。「あたりまえだけどとても大切なこと」という本で(というより教育の世界で)有名な、ロン・クラーク先生は、本の中で、次のようなことを書かれていらした。『私の机の上は、非常に汚い(生徒が間違って机にぶつかったら、雪崩が起きてしまうらしい)が、○○を出せと言われれば、○○をすぐに取り出せる。』私は初めてこの文章を読んだ時、唖然としてしまった。自分で作り上げてしまった山の中の内、何処に何があるのかを把握しているだって?そんな馬鹿な。けれども、よくよく考えてみれば、分らない話でもない。自分のテリトリーについて熟知すれば、つまり何度も、いや何十回、何千回も利用していれば、それは造作のない事となる。よく学校の先生方は、
「整理整頓!それこそが、よい生徒の姿でなければならないのだ!」
と豪語している。けれど、それはあくまで先生方にとって模範的で素晴らしい生徒の規定である。でも、もうすこし見解を変えて、
「自分で何処に何があるのかが分るのなら、常識の範囲内で、自分のしたい様に管理してもいいかもね。」
となっても良い様な気がしてくる。まあ、とはいえ実状では、そんな器用なことをできるのは、たった一部の人に限られているのだが。

 第二の理由としては、厳か、というより、一種の緊張感があると、落ち着けないからである。「女性が一人で行きづらいところ(日本経済新聞・二〇〇三年一月二十五日付)」ナンバーワンは、高級レストランだという。ちなみに二番は、海外旅行となっているそうだが、確かに、高級レストランには「おひとりさまでは行きにくいかな…」というのも分るような気がする。何故って、まだ私は大人ではないが、一般庶民にとってはお財布のヒモが、自然と締まってくることは私にだって分る。かといって、「ファミレスに一人でって…」という方は、さほど多くはないと、私は察する。いわゆる、「高級レストランは何か嫌だけど、ファミレスなら…まぁいっか」的な感じの方が、大半ではないかと思うのだ。その根拠としては、一種の緊張感が、高級レストランにはあるからだ。ファミレスとは、正式名称が「ファミリーレストラン」であるだけに、家族で気軽に行くことができる。けれど、高級レストランは、あくまで「高級」という、厳粛で心情的に負担のかかる場所だ。たまにはいつもとは少し違った風に挑戦してみたい…という方や、私には高級な方が、どうも肌に合うようで…と、少しばかり気取られた方もいるだろう。が、私には、どうやらご近所さんのファミレス辺りが、最も性に合っているようである。

 確かに、ある程度の清潔さが無いと、近年話題のゴミ屋敷にもなりかねない。しかし、「家の批評ができるのは、建築家ではなくそこに住む人である」という名言にもあるように、家の快適さこそが、そこで住む人にとって最重要であり、また、その人にとっての快適さにもつながるはずだ。人にとって大切なもの、それを日本人は、『衣・食・住』とする。その中の一つ、『住』。当たり前かもしれないが、そこには「家」が当てはまる。それくらい、家というものは、私達には無くてはならないものなのだ、と、私はつくづく思うのである。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1日本に合った生活スタイルピプリー911217627784100
2家の価値hikari90151964718592
3自分からやめようなまず大使88124958788486
4正月のあり方本因坊86139359819486
5ポイ捨てひよこ86135457848990
6地球の明日を決めるものまーくん86128458768884
7重い罪の軽い言い方えらる84127056566692
8工学的、生物学的チョコ83116454658184
9世間と個人たけたけ82131666556677
10未来の機械パダワン81111453698584



※ 中2の1位の作品は要約の部分がありましたが、分量が比較的少なく全体の得点も高かったため代表作品としました。
 次回からはできるだけ要約部分は省略するか、自分の言葉による説明に直して書いておくかしてください。(^o^)/

1月の上位入賞者(中2の部73人中)


反省と対策
ハーマイオニー

 毎年8月になると、太平洋戦争の犠牲者に捧げる慰霊祭が行われる。広島、長崎、靖国の光景がメディアに取り上げられるのを目にする。そのたびに政治家や官僚の挨拶があり、「……みなさまの尊い犠牲のうえに今の平和があることを決して忘れず……」という言い回しがよく聞かれる。犠牲がなければ今の平和がなかったというのだろうか。誰でも同胞の死を無駄だとは思いたくない。しかし、無駄と認めないのは、自分たちの愚かさを糊塗しているのにほかならない。覚悟の犠牲ではなく無念の死であったという前提から考えないかぎり、また同じことが繰り返されることにはなるまいか。

 確かに、戦争の悲惨さを後世に語り継ぎ、反省することは大切だ。慰霊祭など、パフォーマンスに過ぎないと考えることもできるが、平和を求める象徴的な意味もあろう。過去の過ちを後悔し、二度と繰り返さないと誓う心情に嘘はないであろうし、死者に対する哀悼の意も人間としてきわめて自然なものだ。加えて、政治家や官僚の表層的な言葉は別としても、実際の被爆者が体験を語る言葉には胸を打たれるものがある。可能であるなら永久に語り続けてほしいと感じるのは、恐らく私だけではないはずだ。また、それを伝え続けていくことは後に残る人間の役目であると、強く思う。

 私自身も個人的に後悔や反省をすることはもちろんある。今年度開始直後の4月、友人のクラスで放課後、携帯電話でメールをしているところを先生に見つかり、没収されてしまったことがある。私の学校では携帯電話を所持することは許可されているが、学校で使用することは禁止されている。だがそのときはつい油断してしまった。(笑)学校から自宅に連絡が行き、その日は土曜日だったので、翌週月曜日まで返却してもらえず、非常に不便な思いをするし母には叱られるしで、散々だった。もう二度と見つかるようなミスは犯すまいと決意した。

 そうなのだ。「反省」するだけでは不十分である理由の一つは、その反省のポイントが、しばしば、このように「もっと上手くやればよかった。」というところに向かいがちだからということだ。戦争の場合においても「勝つ戦争」「良き戦争」をすればよかったという「反省」になっていないだろうか。その証拠に戦勝国は「戦争をしてしまった反省」などしない。「あれは必要な戦争であった」、「我々は正義を守った」と言うのである。

 それゆえ、どうしたら戦争にならないかを歴史的検証のもとに論理的に考え、その対策を立てることがより重要だと言えるのではないか。昔話の『さるかに合戦』においても、猿の口先三寸に騙され母を失った蟹の兄弟が、協力者を得てそれぞれの特技を生かし、綿密な計画を立てたうえで猿に勝利することが出来た。これが、毎年蟹が母の死を悼んで冥福を祈り、臼も蜂も参列して追悼しましたとさ、では話にならない。具体的に行動を起こし、団結して立ち向かったからこそ、猿を戒めることができ、問題の解決に繋がったのである。(但し、これは平和的解決とは言い難いかもしれないが。苦笑)

 確かに、過去の戦争を反省することは大切である。また、それ以上に戦争を回避するための努力をすることは大事だと言える。しかし、戦争とは過去の過ちであるだけでなく、未来の脅威でもある。今私たちに最も重要なことは、「知識がはしごを作ったのではなく、二階に上がりたいという熱意がはしごを作ったのだ」という名言があるように、平和を求める強い気持ちを持ち続けることである。その精神が、相手を憎む心や征服したいという欲望に勝ることが、戦争を無くし、平和を実現するための条件となることであろう。単なる慰霊ではなく、この強い気持ちに裏付けられた現実的な行動とは何かということを考え、実行に移さなければならないときが来ているのではないか。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1反省と対策ハーマイオニー94157173899295
2戦争回避おむふ9117657210411287
3平和への道のりポチト86107461808386
4「富」と「幸」の違いファラオ86121964607484
5本当の幸福おのそ85129864617383
6物と心疾風84118256708997
7過ちを繰り返さないためにはAIRIOKA83103152717596
8一九四五年を語り継ぐマンゴーミルク83115654577189
9彷徨う個性音楽大好き少年82108853667790
10一度きりの人生嵐ちゃん81120356679084




 次回は中3以上。

森リンの丘

2010年01月の清書記録
2009年12月の清書記録
2009年11月の清書記録
2009年10月の清書記録
2009年09月の清書記録
2006年9月-2009年8月までの清書記録

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
森リン(103) 子供たちの作文(59) 
コメント1~10件
森リンベストの 森川林
じすけ君、ありがとう。 統合失調症のような、また似たような 4/21
森リンベストの じすけ
こわばんは 今日は元気一杯、体験発表をさせて頂きます。 4/20
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
テスト送信3 森川林
総合学力クラスの体験学習――能率のよい勉強で学力の基礎を作り 4/30
テスト送信 森川林
創造発表クラスの体験学習――AI時代には、知識の学力よりも 4/29
近所のローソン 森川林
毎日新聞を見たけど、記事はまだ載っていまでした。 4/25
毎日新聞に言葉 森川林
 しばらく前に、毎日新聞の人が取材に来ました。  そのとき 4/24
テスト送信 森川林
https://www.mori7.com/za2024d0 4/24
4月保護者懇談 森川林
シラン ●今後の「森からゆうびん」の学習デ 4/22
マスクにしても 森川林
マスクにしても、ワクチンにしても、消毒にしても、 自分たち 4/21
イエスも釈迦も 森川林
イエスも釈迦も、理想の社会を築きたいと思っていた。 しかし 4/21
日本復活の道筋 森川林
 工業製品を経済発展の原動力をした資本主義は終わりつつある。 4/17
メモ 森川林
https://www.mori7.com/za2024a0 4/16

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習