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言葉の森を小2から始めて現在高1の生徒の勉強の推移 as/1557.html
森川林 2012/06/06 19:45 



 小学校低学年から長く続けている生徒の作文力の点数の推移を見ていると、点数が上昇する子に共通しているのは、本をよく読んでいることだとわかります。

 作文の勉強は、作文の中で力がつく部分と、作文の外で力がつく部分とがあります。作文の中で力がつくのは、字数やスピードや構成力です。作文の外、主に読書によって力がつくのは、題材力や表現力の部分です。特に、読書によって新しい語彙を覚えた生徒は、多様な語彙を使えるようになるので森リンの点数が自然に上がります。

 しかし、作文力の進歩は、決して一本調子ではありません。本もよく読んで、自習の暗唱音読もしているのに、それがなかなか作文の中に出てこないという時期はだれでもあります。教科の勉強は、勉強したことがすぐに成果として出てきますが、作文の勉強は、読書や自習の蓄積が形として出てくるまでに時間がかかることがあるのです。だから、作文の勉強のこういう特徴を知っておくことも、大事なことなのです。



 Sさんは、小2から言葉の森を始めました。

(4)小2、小3のころは学年平均と同じぐらいの字数を書いていました。字数と作文力の相関は高いので、このころは普通によく書けるという感じだったと思います。

(5)ところが、小3、小4と字数がだんだん減っています。感想文の課題などが入ってきたために書きにくくなったのでしょうが、作文はメンタルなものなので、このころは一時的なスランプがあったのだと思います。勉強をしていてスランプに陥るのは、「何のためにやっているのかわからない」「上達しているという自覚がない」というときです。こういうときは、お父さんやお母さんなどの周囲の人が、その子の作文のいいところを見て励ましてあげるといいと思います。

(6)小5の難しい課題になってから、また学年平均の字数で書けるようになり、小6から字数が急に増えます。小6以上の字数の目標は1200字ですから、小6、中1、中2、中3とほとんどその目標字数をクリアしています。作文を書く力が安定してきたことがわかります。

(7)字数だけ見ていたのでは、小6から中3にかけて、作文の内容にどんな変化があったのかわかりません。森リンの点数を見ると、小6、中1は、学年平均と同じ80点ぐらいです。しかし、中2、中3になると、この森リン点が一挙に88点、90点と上がります。森リン点が80点台後半というのは、密度の濃い文章を書いていることですから、この時期にかなり作文力がついたのだということがわかります。

 ちなみに、森リン90点がどのくらいの実力かというと、大学入試で小論文の試験があった場合、事前にそのジャンルに合わせて書き方の説明を少しすれば、どの大学の入試小論文でも合格圏内に入る文章を書くことができるというレベルです。


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朝から教室の片づけ―通学教室の今後の抱負 as/1556.html
森川林 2012/06/04 21:44 



 教室の床がへこんでいたので、3日間工事してもらった。教室がきれいになったのを機に、机の配置も普通の教室のような雰囲気にした。ここで、森林プロジェクトのモデル教室のような形の運営をして、全国の講師がいつでも見学に来られるようにする予定。

 教室を直したのでついでに、事務室の机も大移動した。電源コードや電話線やらLANケーブルがスパゲティ状態というか、カップヌードル状態で、最初は途方に暮れたが、それでも夕方には無事に片付いた。(それで今この記事を書いているところ)


 このあと、仕事の分担と年間計画を決めて、本格的にビジネスライクにやる予定。ということは、今までは、あまりビジネス的でなかったということか(笑)。


 これからいちばん力を入れていくのが、森リンテクノロジー。ちなみに、森リンとは、言葉の森の小論文自動採点システムの愛称で、「もりりん」と呼ぶ。由来は、言葉の森に棲むという七色のキリンの伝説から。というか、勝手に伝説を作った(笑)。


 森リンテクノロジーとは、子供たちの作文を小1から解析して、文章力や思考力の上達の度合いを科学的に表示する仕組みだ。

 今の小学生は、子供も親も、点数化される教科の成績にすぐ目を奪われてしまうので、そのような知識だけですぐに上がる点数ではなく、もっと学力の本質である思考力を数値化して対抗するという意図がある。

 今の子供たちの勉強の状況を見ると、点数化しなくてもいいようなところで点数が出るので、それに振り回されている感がある。小学校中学年までのテストの成績などは、ほとんど意味がない。むしろそれよりも、日本語の語彙の豊かさ(それがつまり思考力だが)を大事にしていく必要がある。それを追求するのが森リンテクノロジーだ。


 しかし、そのためには、作文の清書のときなどに、手書きで書いた文章をパソコン入力で清書する必要がある。

 昔は、ローマ字入力ができる小4か小5のころからパソコン入力の仕方(いわゆるブラインドタッチというかタッチタイピング)を教えてきたが、最近、日本語はひらがな入力、英語はローマ字入力と使い分けができることがわかったので、場合によっては、ひらがなが書けるようになったらすぐにパソコン入力を教えてもいいかもしれないと思っている。実際、ひらがな入力の方が、ローマ字入力よりも速い。

 私は、ひらがな入力、シフトJIS入力、ローマ字入力と三つの入力の仕方を経験している(現在はローマ字入力)。しかし、いま冷静によく考えてみると、日本人はひらがな入力がいちばんいいのではないかと思いつつある。話は変わるが、ケータイの親指入力はできない。(^^ゞ


 さて、言葉の森の通学教室運営で、森リンテクノロジーと並ぶもうひとつの柱は、作文発表会だ。作文というと、受験で作文・小論文があるから勉強するという発想を多くの人は持ちがちだが、そして、そういう対応はもちろん十分にできるが、作文を受験のための勉強と考えると味気ないものになってしまう。

 もっと、作文の勉強で、個性と知性と感性のあるいい文章を書くこと自体が目的になるような教室にしていきたい。イメージとしては、異なる学年の子供たちが、自分の書いた作文を暗唱して、みんなの前で身振り手振りを入れながら上手に発表するという形。スピーチという感じに似ているかもしれない。

 そして、日本に作文文化というようなものを作っていきたいと思っている。


 明日は、床を直した教室に、本や机を運び込む仕事がある。また、朝から力仕事だ。

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国語の勉強は生活の中から―本当の国語力は作文の中に表れる as/1555.html
森川林 2012/06/02 19:36 



 学校では、国語も算数・数学も英語も理科も社会も、同じ勉強という名前で呼ばれています。

 だから、どの教科もできるようにしようと思い、同じぐらいの時間をとって勉強しても、国語力だけはかけた時間に比例して実力がつくわけではありません。国語という教科は、勉強ではなく、国語的な生活のことだからです。

 国語の塾に行って国語の問題を毎日何時間も解いて、しかし本をあまり読まない子と、国語の勉強はしていないがよく本を読む子がいた場合、国語の成績がいいのは、勉強をしている子ではなく本を読んでいる子の方です。


 小さいころ国語の力があった子でも、学年が上がるにつれて国語力が低下することがあります。小さいころは、お母さんが読み聞かせをしてあげたので、国語的な力がついていたのですが、学年が上がり自分で本を読むようになるころ、勉強の方も忙しくなります。すると、ほとんどのお母さんは、読書よりも勉強を優先させてしまうのです。

 小学校中学年までの勉強は、できてもできなくてもその後にほとんど何の影響もありません。そのころの成績の差は、学年が上がり中学生になるころにはほとんど解消してしまいます。しかし、今の時点で点数の差がつくために、ついその勉強の方に力を入れてしまうのです。

 本当は、勉強は適当に切り上げて、その分、たっぷり本を読んだり遊んだりしなければならない年齢なのに、点数の競争状態に置かれると、親も子もその競争の方に目を奪われてしまうのです。


 なぜ小学校中学年のころの成績の差が、学年が上がると解消してしまうかというと、例えば、小学校2年生のころに1時間かけてやっと覚えたようなことも、小学校5年生では10分で理解できるようになる、ということが勉強には多いからです。だから、低中学年で、勉強が人よりよくできるということはあまり意味がありません。そのころは、やればだれでもできるようになります。大事なのは、表面に表れる成績ではなく、表面に表れない考える力です。

 この考える力が、学年が上がったときの勉強の土台になってきます。そして、考える力は、主に読書や対話によって育ち、テストの成績ではなく作文の表現力の中に表れてくるのです。

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作文の実力は長く続けることでつく(1) as/1554.html
森川林 2012/06/01 18:31 



 先日、小学校低学年のころから言葉の森の勉強を始め、中学生や高校生になった生徒の点数の推移を掲載しました。

 国語や作文の勉強は、勉強を始めた最初のころはすぐに成果が上がりますが、その後長い間、実力の足踏み状態が続くことがあります。その足踏み状態の間も、音読や読書を続けることによって必ず実力はついていきます。しかし、ほかの勉強と違い、その実力が表面に出てくるまでにかなり長い時間がかかるのです。


 言葉の森で勉強する子の典型的なパターンに次のようなケースがあります。

 まず、小学校中学年のころ、国語や作文があまり得意でないことがわかり言葉の森で勉強を始めます。そこで、すぐに実力がついてきますが、高学年になると、塾の受験勉強との両立が難しくなってきます。

 塾が忙しくなると言葉の森の自習がなかなかできなくなる一方、塾でも国語の勉強があるので、いったん言葉の森はやめて塾の勉強に専念します。

 そして、中学受験は何とか終わりますが、塾の勉強では国語の力は結局つかなかったことがわかり、中学生になるとまた言葉の森を再開します。

 ここで、部活や定期試験に追われてやはりまた言葉の森を続けられなくなり、その後高校生になって再開する子もいますが、中学生時代に言葉の森の勉強を続けられるようになると、次第に国語と作文の実力がついてきます。

 その実力のつく度合いはゆっくりなので目立たない感じがしますが、やがて中学3年生ごろになると、いつの間にか国語が得意教科になっていたとわかるのです。そして、その得意な国語や小論文を大学入試でも生かせるようになるのです。


 国語や作文の実力は、長く続けることでついてくるということが、Yさんの特典推移グラフを見るとよくわかります。

 Yさんは、小1から言葉の森を始めました。

(1)そのころ書いた字数は、小1で300字、小2で469字ですから、よく書けている方です。しかし、小学校低学年から言葉の森の勉強を始める子は、作文が得意な子が多く、学年全体の平均は、小1が424字、小2が628字でした。

 グラフをよく見ると、小3のころは1293字も書いていますが、小4でいったん677字と学年の平均と同じぐらいの字数になります。もしかすると、このころにスランプがあったのかもしれません。

(2)しかし、その後、Yさんは学年が上がるにつれて実力を伸ばしていき、小6で1097字、中1で1531字の作文を書いています。このころになると、課題が難しくなるので、長く書ける子が減ってきます。そのため、学年の平均は小6で571字、中1で598字です。

(3)字数だけではわからない実力の伸びが、森リンの点数ではよくわかります。Yさんの小6までの作文は、森リン点が79点でしたが、中1になると一挙に87点になっています。森リンの字数の算入上限は小6以上で1200字としているので、これは字数が増えたからではなく、内容が高度になったから点数が高くなったということです。中1の作文で森リン点が87点というのは、言葉の森の同学年の生徒の中でベスト10に入る実力です。


 こういうグラフの推移をみると、実力の伸びに波はあるが、長く続けていれば必ず実力がついてくるということがわかります。(つづく)

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森川林 2012/05/31 10:23 
 体験学習ご希望のメールをいただきましたが、枚方市の電話番号が違っているようで連絡がつきません。
 メールにも何度か返信しましたが、やはり連絡がつきません。
 お心当たりの方は、言葉の森までご連絡くださるようお願い申し上げます。

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