勉強の中心は家庭で行う自習ですが、子供が家庭で勉強をする場合、親が気をつけなければならないことがあります。それは、教科によって教え方が少しずつ違うということです。
まず、作文の教え方です。
子供がなかなか作文を書けないとき、あるいは書き始めてみたものの先に進まない場合、親はついそのまま子供に自力でがんばらせてしまいがちです。
しかし、作文というものは、いったん書けなくなると、時間がたてばたつほどますます書けなくなってきます。
子供が作文を書けないときの対応は、いくつかあります。
言葉の森で勉強している場合は、夜8時までであれば教室に電話をして、「続きが書けないのですが」と聞くことができます。そういう質問があった場合、教室では普段よりももっとわかりやすくかみ砕いて説明するので、大抵の子は書けるようになります。(ただし、感想文の場合はもとの長文をしっかり読んでいることが条件になります)
書けなくなってから質問するよりもいい方法は、事前の準備に時間をかけることです。感想文の場合は、長文をできるだけ毎日音読しておくことです。時間は5分もかからないので、朝ご飯の前にやっておくことをおすすめします。
長文を繰り返し読んでいると、どんな難しい文章でも全体像が頭に入ってきます。その上で、その長文の内容をお父さんやお母さんに説明し、家族で似た話をいろいろ話し合ってみるのです。この話し合いが、子供の語彙力を育てます。
そして、ほとんどの感想文は、似た例と結びつけて考えることができれば書けるようになるのです。
低中学年の生徒で、作文が書けないという場合の主な理由は、まだ書き慣れていないことです。そういうときは、無理に本人に書かせようとするのではなく、お父さんやお母さんが子供と一緒に作文に書くことを話しながらメモしてあげるという方法があります。
よく、書けない子にお母さんがつきっきりで、次に書くことをアドバイスするような教え方をする人がいますが、それでは子供に依頼心がわき、またお母さんも書いている間ずっとそばにいなければならなくなります。そういうやり方ではなく、書き出す前にたっぷり話をしてメモに書き出しておくのです。
こういう方法で取り組めば、お母さんが関わるのは最初の10分ぐらいで済みます。そして、子供もそのメモを見ながら書いていくので自立心がつきます。
子供にまだ自信がないときは、お母さんの書いたメモのとおりに書いてしまうかもしれません。しかし、それでも書いたこと自体をたくさん褒めてあげます。このようにして、次第に書くことに慣れて自信がついてくると、だんだんと自分の力で書くところが増えてきます。
最初はできるだけ楽に書けるように、親や先生が引っ張ってあげることによって、書く力をつけていくのです。
さて、算数数学の場合は、これとは反対の教え方になります。
子供が、算数数学の問題が解けないといった場合、算数数学の得意な親は、つい教えてしまうことがあります。ところが、どんなにわかりやすく教えても、人から教わって理解できたことは、なかなか自分の実力にはなりません。
わからないところを聞く前に、まず自分で答えと解法を見て、自分の力で理解しようとする必要があります。その上で理解できないことについてだけ、親や先生に聞くのです。しかし、その聞き方も、「この問題がわからない」というだけでなく、「この問題の解法の、ここからこうなるところがわからない」と焦点を絞って聞かせるようにすることです。
できない問題を理解しようとして何時間もかける必要はありませんが、あまり安易に他人に聞くと、わかった気がするだけで自分の実力にはならないのです。
国語の教えかは、また作文や算数数学とも少し違います。それは、次回に。(つづく)
今日のfacebook記事より。
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小学生のころは誰でもやるべきことは同じです。そして、それらはやれば誰でもできるようになる基礎的なことばかりです。
しかし、中学生、高校生と学年が上がるにつれて、自分なりの得意不得意が出てきます。そして、苦手なことは何度も反復して学ぶ必要が出てきます。
しかし、人に頼る勉強をしていると、みんなと同じ教材とカリキュラムで勉強するので、できることもやらなければならず、もっと力を入れたいこともそこそこにしかできなくなります。
その結果、人任せの勉強をしている子は、成績を上げるためにより長い時間をかけなければならなくなり、読書や作文などの考える力をつける勉強ができなくなってしまうのです。
家庭で子供に勉強を教えるときも同じです。
子供が小学校低学年のときは、わからないことがあればすぐに教えてあげることができます。そして、熱心な優しいお母さんほど、熱心に優しく教えてしまいます。
しかし、教えてもらう勉強に慣れてしまった子は、かえってなかなか力がつきません。
教えてもらうと、自分の力でできていないのに、できたような気がしてしまうからです。
子供が小さいときほど、そして、簡単に教えてあげることができるときほど、お母さんは、子供が自分の力で解けるように誘導してあげる必要があるのです。
今日はこれから雨になるようで、少し梅雨らしい一日になりそうです。
雨の恵みと日の光の恵みで、草木も次第に夏本番に近づいてゆくようです。
近くの公園では、もうヤマモモが赤く色づき始めていました。
それでは、今日もいい一日をお過ごしください。
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5月4週の清書の中から、森リン大賞の作品を紹介します。
この作品は、冒頭に要約の文章が入っていましたが、要約以外の文章の点数が高かったので代表作品にしました。
体験実例、たとえ、ことわざの引用、一般化の主題などの項目もよく書けています。
5月の森リン大賞(小6の部152人中)
言葉とは
みおコロネ
英語というのは、外の視点とうちの視点が合作で作り上げた珍しい言語だ。逆に日本語は外の視点がなく内部の視点だけの言語で国際普及の度合いが少ない。言い換えれば、日本語は外国人によって学ばれ使われた経験がないためにとても野放図な自然な言語となっている。フランス語は以前は日本語のような野放図な言語の状態であったが今では言葉がきれいに整理された。だから日本もこれからどうやって日本語を整理すれば日本語を世界に普及できるかということを考えるべきだろう。
「なんでやねん。」
教室中にみんなの笑いが響き渡る。私は関西弁が好きだ。標準語はきっちりしているがちょっと硬くてきつい言葉に感じられる。その点関西弁は親しみが感じられるし、やさしい響きだ。例えば、標準語でいう「バカ」も関西弁だと「アホ」になる。「アホ」のほうが「バカ」よりあたたかみが感じられる。これは私が関西に引っ越してきてすぐに感じたことだ。もし、関西弁がすべて標準語にかわってしまったらどうだろう。この独特の言葉のあたたかみがなくなってしまう。面白いお笑いだって関西弁だからこそいいものもある。つまり、日本の言葉全てが完全に標準語に統一されてしまったら、地方それぞれにあった文化や雰囲気を壊してしまうことになると思う。標準語はもちろんのこと、それぞれの方言も全部含めて日本の文化だろうと思うので大切にしていきたい。
しかし今は世界全体で国際化が進んでいる時代だ。だから日本語を日本の中だけで閉じ込めるのではなく、日本のことを外国人に広く知ってもらうのは大切なことだと考える。筆者は外国人に日本を知ってもらうためにお金をかけて日本語を簡単なものにするべきだと述べている。だが、私はそうではないと思うのだ。日本語は日本の文化としてあるのだから、日本を知ってもらうためには日本語を変えるのではなくもっと別の方法を探すべきだと思う。そこで私はもっと日本語を学ぶ教材をいろいろな種類をつくってたくさん工夫をこらしたらいいと思う。英語の教材はすでにたくさんの種類があり、まるで雨後の竹の子のように次々と新しいものが出てくる。CDがついていたり赤シートがついていたりいろいろな工夫もある。日本語の教材も外の視線に合わせて作るべきだろう。そうすれば、好きな教材を選べるしもっと日本語が覚えやすくなると思う。そしてもっと日本のことを知ってもらえるにちがいない。
人間にとって言葉とはその国の文化である。だからその言葉は大切にしなければいけない。たとえそれが複雑で難しかったとしても、国際化するためにそれを簡単にしてしまったらそれはその国の言葉とは言えないのではないだろうか。「角をためて牛を殺す」ということわざがある。日本語を簡単にしてしまうことは、そうなりかねないのではないだろうか。だから、私はこれからも日本語にほこりを持って大切に使っていきたい。
順位 | 題名 | ペンネーム | 得点 | 字数 | 思考 | 知識 | 表現 | 文体 |
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1位 | ●言葉とは | みおコロネ | 88 | 1196 | 72 | 66 | 75 | 90 |
2位 | ●むずかしい日本語 | ひあう | 82 | 1136 | 49 | 70 | 79 | 86 |
3位 | ●微妙な表現 | きゅうちゃん | 80 | 906 | 51 | 64 | 74 | 92 |
4位 | ●国立科学博物館に行ったこと | はーちゃん | 79 | 918 | 44 | 82 | 96 | 84 |
5位 | ●大爆笑 | きろせ | 79 | 835 | 44 | 79 | 88 | 84 |
6位 | ●言葉が思い浮かばないワケ | ドラえもん | 79 | 755 | 43 | 82 | 86 | 84 |
7位 | ●「もじばける」の魅力 | りすっぴ | 79 | 972 | 46 | 66 | 85 | 87 |
8位 | ●古墳めぐり | はわの | 78 | 803 | 46 | 69 | 97 | 84 |
9位 | ●笑いが持っている力 | たけみ | 78 | 974 | 47 | 55 | 81 | 89 |
10位 | ●笑う門には福来たる | 彌織 | 78 | 851 | 53 | 53 | 68 | 97 |