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記事 1877番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/3
作文や感想文の宿題で苦労している人へ。低学年では無理をしない。中学年では書き方を知る。高学年の感想文は役に立つ。 as/1877.html
森川林 2013/07/17 07:18 



 facebook記事より。

====
 作文というのは、結果です。
 結果を直しても、もとの原因が直っていなければ、またすぐ元に戻ってしまいます。

 原因は、その子の頭の中に入っている単語と文と文章で、言い換えれば、語彙と表現の仕方とものの見方考え方です。
 だから、いい文章を書くためには、読書と対話が大切なのです。

 夏休みになると、あいかわらず読書感想文の宿題を出すところがあります。
 小学校3年生以下で感想文を書かせることには、何の教育的意義もありません。
 ましてコンクールに出すことを目的として書かせることには、弊害しかありません。

 小学校2年生のころ、読書感想文コンクールに入賞した子が、後日高学年になってから言ったことがあります。
 「自分の書いた文章じゃないようで、あまりうれしくなかった(笑)」
 そんな感想文を書いたり直したりする暇があったら、その分楽しい読書だけをしていればいいのです。


 今日は、ちょっと涼しい雨模様です。
 夏が早かった分、秋も早くなったのかと思うような気候です。
 タンポポがもう綿毛になっていました。

 やはり夏はかんかん照りの方が気持ちがいいですね。(戸外で仕事をしている人は大変だとは思いますが)
====

 言葉の森では、小学校3年生から感想文の課題があります。
 上手に書ける子はほとんどいませんが、これは、小学校高学年で本格的な感想文を書くための準備として練習しているからいいのです。

 作文でも、感想文でも、大事なことは、書いたあと直すことではなく、書く前に書き方の方法を教えることです。
 それは、例えば、こんな書き方です。

「夏休みの読書感想文の宿題への取り組み方(言葉の森新聞、言葉の森のHPより編集)」
https://www.mori7.com/index.php?e=1586

「読書感想文批判(低学年では苦しく書かせるより、楽しく読ませることを)」
https://www.mori7.com/index.php?e=1308

「言葉の森で書いた作文を持って―合格体験記」
https://www.mori7.com/index.php?e=706
(高学年での感想文の勉強は、大学入試の小論文に役立っています)

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読書感想文(19) 

記事 1876番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/3
お父さん、お母さんとの対話によって伸びる国語の思考力 as/1876.html
森川林 2013/07/16 10:06 


 facebook記事より。

====
 ある教育相談サイトに、「国語の教科書の文章なら読めるが、抽象的な文章だと意味を読み取れない」という相談がありました。
 回答は、「わからない言葉が出てきたら、こまめに辞書で引いて調べるとよい」ということでした。

 しかし、なかなかそういう習慣はできません。
 辞書で調べるのももちろんいいのですが、基本は、近くにいるお父さんやお母さんがアドリブで説明してあげることです。

 そして、もっといいのは、その抽象的な文章を何度も音読して、意味がわかないながらも、全体像をつかむようにすることです。
 その上で、その文章をもとにして親子で雑談をするのです。

 文章の意味は、辞書を通して理解するよりも、身近な人との話の中でより深く把握できるようになります。
 そして、そういう勉強なら、ひとりで辞書を引く勉強よりもずっと楽しく続けられます。

 更にいいのは、お父さんやお母さんが、子供と抽象的な話題を共有できることです。
 特に、お父さんが子供と話題を共有できると、子供の思考力が伸びることが多いのです。
 お父さんは、理屈で喋ることが多いからです。

 国語の勉強は、机に向かってするようなものよりも、日常生活の中でしていくものなのです。
====

 関連するページです。

 対話は、記述力をつけることにも役立ちます。
「記述式問題の解き方のコツ」
https://www.mori7.com/index.php?e=1852

 帰国子女の日本語教育も、基本は対話です。
「帰国子女の日本語教育に関する記事をアップ」
https://www.mori7.com/index.php?e=1826

 低学年の国語力も、もちろん対話です。
 問題集などをやるよりも、親子で楽しく話をすることです。
「国語力、作文力のつけ方、低学年から国語力をつける意義の記事」
https://www.mori7.com/index.php?e=1825

 そして、対話によって、作文も上手に書けるようになります。
「書けない子でもすぐに書ける、対話によって作文力をつける構成図の書き方」
https://www.mori7.com/index.php?e=1785


 今の日本では、残念ながら、親子で対話をする習慣があまりありません。
 しかし、ここでいったん対話の習慣を作っておけば、今度は今の子供が親になったときも、同じように親子で対話をするようになります。
 対話は、新しい勉強の文化なのです。

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対話(45) 

記事 1875番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/3
中学生の勉強は、戦略や戦術を考える力を育てることも大事 as/1875.html
森川林 2013/07/12 20:27 



 中学生のころの勉強の仕方にはコツがあります。
 そのコツとは、大枠は親や先生が指示する必要があるということです。

 戦略、戦術、戦闘という区分で考えるとわかりやすいと思いますが、中学生は、戦闘レベルのことはがんばってやります。やることが決まっていれば、その方向で努力することはできるのです。
 しかし、どういうことをすればいいか決める力はまだないのが普通です。だから、戦術レベルがまだ不十分なのです。それよりも大きな戦略レベルのことは更にわかりません。
 受験の合格が目的だとすれば、過去問を分析して、自分が勉強する参考書や問題集を決めて、計画を立ててやるということまではできないのが普通なのです。

 ところが、学校の先生は、「もう小学生ではないのだから、自分で考えてやりなさい」という姿勢で臨みます。
 また、保護者の方も、「もう小学生ではないのだから、自分でやってね」と、本人に任せようとします。
 そして、本人も、「もう小学生ではないのだから、自分でやらなければ」と思うのです。
 ところが、中学生本人は、戦闘はできるものの、戦術や戦略を立てる力はまだないのです。

 そこで、塾や家庭教師が登場します。
 しかし、塾や家庭教師は、子供の成績を上げることが目的ですから、戦闘の仕方まで手取り足取り教えてしまうことが多いのです。
 その結果、確かに成績は上がります。しかし、勉強の中で試行錯誤しながら、子供が自分で戦術や戦略まで考えるように成長することはなかなかできなくなります。
 そういう勉強を続けてきた子は、高校生になっても、大学生になっても、更には社会人になっても、自分で戦略や戦術を考える姿勢が作れなくなります。
 これが、指示待ち社員という、指示されたことはきちんとできるが、自分で問題を発見して仕事をすることは苦手という社会人を生み出しているのです。
 だから、一般に、成績のよかった子ほど、指示待ち型の社会人になることが多いのです。

 したがって、中学生の勉強の仕方は、二つの方向で進める必要があります。
 ひとつは、何をどう勉強したらいいか大枠を指示してあげることです。とは言っても、親でも最初は大枠などはわかりません。しかし、年の功というもので、何度か一緒に見てあげているうちに、中学生本人が自分で考えるよりも的確な方針を出すことができるようになるのです

 もうひとつは、そういう大枠を決める力を本人が持てるように誘導することです。
 だから、何かを教えるときも、手取り足取り教えるのではなく、できるだけ本人が自分でやれるように工夫することです。
 そして、本人が勉強の戦略と戦術を身につける最もいい方法が、勉強法に関する本を読むことです。
 書店の参考書のコーナーに行くと、「中学生の勉強法」「中学生の自宅学習法」などの本が並んでいるコーナーもあります。実は、勉強そのものよりも、こういう勉強法の本を先に読んでおくことが役に立つのです。
 これは、高校生でも同じです。高校生の場合は、一般的な勉強法の本だけでなく、志望校の「○○大学合格体験記」なども参考になります。受験とは、一般的に学力をつけることではなく、ある特定の志望校に合格することが目的だからです。

▽中学生の勉強に関連するページ。
https://www.mori7.com/index.php?e=435
https://www.mori7.com/index.php?e=436
https://www.mori7.com/index.php?e=1719
https://www.mori7.com/index.php?e=1748

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勉強の仕方(119) 

記事 1874番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/3
漢字の書き取りは、すぐにはできるようにはならないと思って気長に取り組む仕組みを as/1874.html
森川林 2013/07/12 09:33 



 facebook記事より。

====
 そろそろ夏休み。学校から成績をもらってくると、苦手だったところがわかります。
 先日も、あるお母さんから、「漢字が苦手だったんですけど」と、相談がありました。

 漢字が苦手というとき、多くの場合は、書き取りが苦手ということです。
 書き取りは、勉強の量に比例します。

 読みがよくできるのに、書き取りが苦手という子は、よく本を読んでいるのに、あまり勉強をしていない子で、そういう子は、実は大きな可能性があります。
 つまり、まだ余力がたっぷりあるのです。

 反対に、書き取りはよくできるのに、読みがそれほどでもないという子は、勉強のしすぎです。
 勉強はほどほどにして、もっと本を読まなければなりません。

 ところで、書き取りは勉強の量に比例するとは言っても、その量は実はかなりあります。
 大人は、自分が既にできているので、子供の漢字もやればすぐにできると思いがちですが、そういうことはありません。
 ちょっと漢字の問題集をやったからといって、すぐにできるようにはならないのです。

 漢字の書き取りは、気長に勉強する姿勢で取り組む必要があります。
 気長にやるためのコツは、毎日の生活習慣としてやっていくことです。

 毎日の生活習慣で、私がいちばんいいと思うのは、朝起きたらすぐにやることです。
 勉強は食事の前にやるのがコツです。

 よく、朝食後に勉強したり、夕食後すぐに勉強したりする子がいますが、それは能率の悪いやり方です。
 勉強は空腹のときにやるとき、最も能率が上がるのです。


 ▽参考までに、言葉の森の漢字集。
https://www.mori7.com/kg/koku/kk.php
(google chromeでも、縦書き表示ができるようになりました。まだブラウザによって揺れがありますが。)
====

 江戸時代の書き取りの練習は、1枚の半紙が真っ黒になるまで筆でひとつの文字をなぞり書きするという方法でした。
 だから、書き取りの練習は、手で覚えたのです。

 部首の意味で覚えたり、形から覚えたり、熟語として覚えたりという方法は、補助的なものです。
 練習の基本は、繰り返し同じ文字を書くという単純な方法なのです。

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touko 20170223 77 
日本の学校では、やはり今でも書きとりがあるんですね。海外の生徒にはハードルが高いです。

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漢字(17) 

記事 1873番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/3
5月の森リン大賞(中3の部) & 今日の教室 as/1873.html
森川林 2013/07/08 20:43 



 今日は、4時ごろから教室に来た小3や小4の男の子が、たまたま騒々しい子たちばかりで、タイマーをセットして鳴らしたり、隣の子にちょっかいを出したり、楽しくやっていました。
 そういう子たちが、いつの間にかこういう立派な文章を書くようになるのです。

 一方、さっきまで教室で勉強していた高3の生徒は、頭を使いすぎたのかいつの間にか机につっぷして寝ていました(笑)。
 もうひとりの高3の生徒は、無事に書き上げて帰りましたが。

 いろいろ紆余曲折はありながら、みんな少しずつ前進していっているのだと思います。


5月の森リン大賞(中3の部66人中)
僕が楽しみたいもの
ブレイド

 僕は、しなければならないからするのではなく、やりたいからやるという気持ちを大切にする生き方をしたい。

 そのための一つ目の方法は、目標を定めて、その目標を実現させる気持ちを持つことだ。僕は、小学二年生で囲碁を始め、いままでの間、なんとか続けている。確か中学1年生の頃、祖父が中学3年の卒業時までに初段を取れたら、碁盤を買ってくれるという話があった。祖父は将棋ならできる。汚い手を使ってくるので嫌がられているが、囲碁はできないので、正直なところ、価値をよく知らなかったものと思われる。実際のところ、碁盤はとても高い。ピンからキリまでというが、折りたたみ式のものや、素材によっては、数万円で手に入る。高級なのは桂で、この木になると、五寸六寸といった分厚いものになる。このぐらいなら十分だと思ったが、母に高いものにしろと言われた。なんといっても一番は本榧で、六寸ともなると、すぐに50万円ほどの金を支払わねばならず、親に頼んでもまず買ってもらえないものだ。しかし僕は中学に入学して、これといってまとまった時間が取れず、囲碁を習いに行くこともだんだんとなくなっていった。そこで、僕はソフトを自分のパソコンにインストールして、コンピューターと対戦することにした。今でも時々作文を書いたあと、そのまま電源を切らずに打っている。しかし、こうすると碁盤の必要性があまり感じられなくなって来ることも事実で、最近はこれに満足してあまり欲しいとも思わなくなった。だが、なんとしても初段をとろうと思っていた頃の勢いは、今とは比べ物にならないものだった。

 また、二つ目の方法は、「こうしなければならない」ということに拘束されないことだ。部活動でバレーボールをやっているときは、このような拘束のせいでものすごく疲れる。この前の試合では、あまりにも負けてばかりで、そのせいで喧嘩までおこり、先生が帰りかけたため、棄権寸前の状態になった。なんというか、勝つことや結果を残すことが全てと言われているようで、毎日が苦痛になる。特にくるしかったのが、1年生で近畿大会に出る前のことだ。合同チームで望んだが、それですら人数がまともに揃うことがなく、レギュラーで出た。だが、ほとんどが一人の先輩の力で、あとに続く3人の先輩、そして1年の組み合わせであり、とても厳しい練習だった。僕はただ楽しみながらやりたかっただけだったので、退部すら考えた。それは、しなければならないからするような練習ではなく、もっと楽しんでやるべきだと思ったからだ。

 確かに、今やらなければならないことを見極めることも大切だ。しかし、「知識がはしごを作ったのではなく、二回に上がりたいという熱意がはしごをつくったのだ。」という名言があるように、ぼくは、自分の熱意を大切にして物事に取り組んでいきたい。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1僕が楽しみたいものブレイド87116658839093
2オノマトペを大切にするはるりん87119156727595
3枯れた荒野の一つの芽にゃぱ86134457969487
4旅が面白いのはゆきの86107772748589
5ニーズとウォントカツ丼85113849737387
6集中するにはポケット85147663546793
7ニーズとウォントかふた82104861646587
8行間にポトリ(清書)ひらく8184653797890
9やりたいからやるクッキー8196456657387
10読書小林少年7882251726887


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作文の書き方(108) 森リン(103) 教室の話題(26) 

記事 1872番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/3
読書感想文のコツは、あらすじや感想を書くことではなく似た例を書くこと as/1872.html
森川林 2013/07/08 07:08 

 (写真は、昨日浮かんでいた雪見大福のような雲)

====facebook記事より。

 感想文のコツは、感想を書くことではありません。感想の本質は、面白かったかどうかですから、ひとことで終わってしまいます。

 だから、感想だけで長く書こうとすると、同じことを何度も書くようになります。すると、長さに比例して、密度の薄い文章になってしまいます。

 また、感想文のコツは、あらすじを書くことではありません。あらすじは、いくらでも長くかけます。

 あらすじはいくら書いても、結局あらすじでしかありません。しかし、ほとんどの子の感想文は、あらすじと感想で埋められています。

 感想文のコツは、似た例を考えることです。自分の似た例がなかったら、お父さんやお母さんに取材したり自分で調べてみたりするのです。

 また、似た例のかわりに、自分で想像してみてもいいのです。自分なりの似た例を通して、感想も個性的になっていきます。

 しかし、こういう書き方を教えてくれるところは、ほとんどありません。言葉の森の感想文のサイトを見て、初めて感想文の書き方がわかったという声をよく聞きます。
https://www.mori7.com/as/1314.html

 そして、いちばん問題なのは、小学校低学年に感想文の宿題を出す学校や塾がまだあることです。低学年は、感想文などで苦しい思いをさせるよりも、楽しく本を読んでいる方がいいのです。

 感想文が何とか書けるようになるのは、小学4年生からで、上手に書くことを目標にできるのは、小学5年生からです。できるようになってからやるから、力がつくのです。

 では、小学校低学年で感想文の宿題が出たら、どうしたらいいのでしょうか。それは、お母さんが代わりに書いてあげるといいのです(笑)。これはホント。夏休みはややこしい宿題で苦労させるよりも、楽しく遊べるようにしてください。

====

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読書感想文(19) 

記事 1871番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/3
5月の森リン大賞(中2の部) as/1871.html
森川林 2013/07/06 20:52 




5月の森リン大賞(中2の部71人中)
言葉遣い
りょうたろう

 「ちょっとピンチやから助けてぇや。」
と僕が友達のフォックスとスネークにささやいた。小学校の休み時間、僕は国語の教科書を忘れるという痛恨のミスを犯してしまった。日本語は複雑だ。同じ内容でも、相手との親密さによってそれを表現する言葉は変わる。(仮に親密さを無視して話したとしても、たいていの場合は通じるだろう。)しかし、相手がとても親密な場合は、言葉も単純なものになり、他の人には通じず、その意味を知った間柄にのみ通じる暗号のようなものになる。一方、全ての人が理解出来る様な共通語もある。この二つは対照的であるが、どちらが良いということは言いにくい。

 確かに、仲間内で通じる言葉を使うことで親密さは高まる。例えば、あだ名だ。僕は、小学生の頃、友達同士であだ名を付け合っていた。僕は、「ソニック」で、友達のあだ名は「フォックス」と「スネーク」だ。このあだ名は、自分の元の名前とは一切関係がないので、他のみんなは分からなかった。だから、僕達にとっては、「自分達だけ」のあだ名であり、その感覚が僕達の親密さを一層深めた。例えば、僕が国語の教科書を忘れたときは、先生が僕の方に寄って来ると、ひとりの友達が先生に質問をして、先生の行き先を変えさせた。また、ついにバレてしまった時は、もう一人の友達が、まるで僕の弁護士かのように、「休み時間まではあったんですけど、運動場から帰って来たら、りょうたろう君の教科書がなくなっていました。」と全くウソの弁護をし、僕もそれに同調することで、信ぴょう性を高め、先生の怒りを逸らした。こうして僕達は、あだ名が生み出す親密さのお陰で最強トリオとなったのだ(笑)。僕は、あだ名から来る友情は、普通の友達関係でのそれとは比べものにならない程深いのだなあと感じた。

 しかし、万人に通じる言葉でないと、多くの人々に正しく理解してもらえないという意見もある。例えば、テレビだ。今でこそ、バラエティ番組では大阪弁などの方言をよく耳にするが、ほんの25年前ぐらいまでは、大阪弁に市民権は与えられていなかった。標準語を使うことこそが正しく、大阪弁を使うことを批判されたりもしたそうだ。確かに他の地域の人にとっては、大阪弁は分かりにくい。今でこそ大阪弁は市民権を獲得したが、全国的には普及していない。バラエティで使うのはまだしも、もしニュースなどの報道番組にも大阪弁が使われ始めたとすれば、これは問題になるだろう。ニュースは、万人に正確に内容を伝えなければならい。正確性が命だ。だからこそ、親近感のわく大阪弁ではなく、全ての人に正確に伝えることができる言葉も大切だと思う。

 仲間内で通じる言葉の親密さも良い。万人に通じる正確性も良い。しかし、一番大切なのは、それぞれの場面によって適切に言葉を使い分ける臨機応変な対応だ。「悪いことそのものがあるのではない。時と場合によって悪いことがあるのである。」という名言があるように、どちらにも良い面と悪い面があり、そのどちらを引き出すかは使い手次第なのだ。これから僕は、それぞれの状況で使うべき言葉を見極め、その言葉の良い面だけが出るように心がけたい。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1言葉遣いりょうたろう86130257748381
2現代版「親父の背中」ききほ84143753808989
3一家の大黒柱としての役割を果たすためにれたす83108652647195
4Dadの現状みっくまっく82138758769586
5自分なりの行き方を見つけるために四葉のクローバー82122952818890
6生きるかこちゃん8196952788189
7「私たちの人生は、私たちが費やしたほどの価値がある。」☆Ivy*(^皿^)*v81102857587090
8個性についてゆへぬ80145954557992
9言語の特徴あよあよ80104946616390
10満足する生活にQちゃん7995148748083

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子供たちの作文(59) 森リン(103) 

記事 1870番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/3
過去問は仕上げのためではなく、作戦を立てるために取り組むことが大事 as/1870.html
森川林 2013/07/06 12:51 



====facebook記事より

 小論文の過去問を練習しに来ている高3の生徒に、「ほかの教科の過去問はどうだった」と聞くと、「まだ、やっていないいんです」という返事でした。

 聞けば、大手の予備校の先生に、過去問は最後の仕上げにやるためにまだやらない方がいいと言われたそうです。

 過去問は、仕上げのためにやるものではなく、作戦を立てるためにやるものです。
 だから、いちばんいいのは、高3になったばかりの春休みに過去問をやることです。それができなかったら連休中。

 もちろん、そのころはまだできない問題が多いので、解答を見て答えを書き込みながらやっていくのです。
 そして、「この問題ができるようになるためには、どういう勉強をしないといけないか」ということを考えるのです。

 では、なぜ塾や予備校では、過去問は最後の仕上げのためにやると言うのでしょうか。
 それは、早めに過去問に取り組む生徒が増えると、指導する内容がばらばらになってしまうからです。
 つまり、一斉指導をしやすくするために、過去問は仕上げのためにやるようにしているのです。

 入試のための勉強は、通常の学校での授業で学ぶ勉強とは違います。
 通常の勉強は自分の実力をつけるためにやるのですから、幅広く満遍なくやっていくものです。
 しかし、入試のための勉強は、実力をつけるためではなく勝負に勝つためにする勉強ですから、相手がどういう出方をするかということを第一に考える必要があります。

 こういう説明をすると、例年、高校3年生は、「なるほど」と納得してくれるのですが、しかし、実際にやる人はほとんどいないのです(笑)。
 まあ、後回しにしたいという気持ちはわかりますが……。

====

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受験作文小論文(89) 大学入試(14) 



小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
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●作文の通信教育の教材比較 その1
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