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中学生の作文が高校生以降の小論文の基本――そのために読む力をつける as/2486.html
森川林 2015/12/05 11:20 


 言葉の森の中学生の作文指導は、文章を読んで意見文を書く形が中心です。題名だけの課題もたまにありますが、ほとんどは文章を読んで書く課題です。
 読む対象となる文章は、高校入試の説明文のレベルなので、しっかり読んでいれば自然に語彙力が身につきます。

 中学生の3年間で学ぶ構成が高校生以降の小論文の基本で、この書き方ができるようになれば、どういう課題が出ても対応できます。
 第一は、一つの意見について複数の理由を述べるという構成です。
 第二は、複数の意見を述べて総合化するという構成です。
 第三は、一つの意見について複数の方法を述べるという構成です。

 この中でも最もわかりにくいのが、複数の意見を述べてそれを総合化してまとめるという書き方です。
 複数の意見を述べるというのは、誰でもすぐにできます。問題は、その複数の異なる意見をどうまとめるかということです。

 考えずにまとめると、Aの意見もわかる、Bの意見もわかる、だから両方をうまく使い分けて……というようなただの折衷案になってしまいます。
 複数の意見を折衷案でまとめずに、より高い次元のCの意見としてまとめるというのが総合化の主題です。

 こういう考えは、もちろん大人にも難しいものですから、うまく考えつくときと、どうしても考えつかないときがあります。
 また、あるとき考えついた意見が、あとから自分の成長とともにもっといい意見に変わるということもあります。
 当然、人によって答えは違いますし、その答えもひとつではありません。
 こういう考え方をすることで、抽象的に物事を考える力がついてくるのです。

 抽象的に考える初歩の練習は、理由を考えることです。
 例えば、意見文で、「○○はよいか悪いか」という題名で書く場合、よいか悪いかの意見は誰でもそれなりに書けます。
 その意見の裏付けとなる実例も、多くの人が書けます。
 しかし、その実例をより一般化した理由として書くということがなかなかできない人がいるのです。
 こういう例もある、ああいう例もある。では、それらの例をまとめてひとことで言うとどうなるかということが出てこないのです。
 出てこないものは仕方がありません。そういうときは、いくら考えても出てこないものなのです。

 しかし、それは能力がないからではありません。
 人間には、もともと抽象的に考える力が備わっています。しかし、それが日常生活の中で必要とされない環境にいるので、磨かれていないだけです。

 では、どうしたら、日常生活の中で、抽象的に考えることが必要になる場面が出てくるのでしょうか。
 それは、ひとつは親子の会話によって、もうひとつは読書によってです。
 つまり、読む力、聞く力が、作文力のもとになっているのです。

 作文の欠点を注意しても上手になるわけではないのは、この理由からです。
 作文力をつけるのは、作文を直すのではなく、作文を書く土台となる読む力をつけることによってなのです。

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sizuku 20161011 51 
言葉の森の中学生用指導のエッセンスです。
この3つの書き方を習得するだけでほとんどの小論文に対応できるのではないでしょうか。
ただ、この習得というのは、課題を理解し、自分の考えを意見化し、自身の体験と照らし合わせ…という考える訓練により得られるものです。

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田舎に行ったら言葉遊び――暗唱長文集も遊びの感覚で as/2485.html
森川林 2015/12/04 09:42 


 今の子供は、意外と「いろは」や「子丑寅」を知りません。
 ところが、子供は、そういう呪文のような言葉を覚えるのが好きなのです。

 そこで、田舎に行ったときなど、おじいちゃんやおばあちゃんに、覚えていることをいろいろ聞いてみます。
 中には、百人一首や昔の歌謡曲や、更には般若心経などを教えてくれる人もいるかもしれません。

 特に、お母さんやお父さんができないことを子供ができるとなると、子供は喜んでそのことに熟達しようとします。
 そういうちょっと知的な言葉遊びを楽しんでみるといいと思います。

 話は変わりますが、今、言葉の森では新しい暗唱長文集を作成しています。
 これまでの暗唱長文集は、子供たちが作文を書くときの参考にできるように、主にその学年の課題の表現項目を入れた文章でした。

 しかし、せっかく子供たちが1000字近い文章を暗唱するのですから、その暗唱がずっと記憶に残り、大人になってもときどき思い出せるようなものにしたいと思いました。
 そうすればと、やがて覚えた文章を自分の子供にも教えていけるようになり、言葉を通して文化的な伝統も伝えていけるようになると思います。

 暗唱の方法というのは、実は簡単です。記憶力や年齢は、全く問題ではありません。正しい方法でやれば、誰でも確実にできるようになります。
 だから、暗唱という勉強法は、落ちこぼれというものがありません。また、先に進みたい人はいくらでも先に進めます。

 その方法はひとことで言えば、回数がわかる目印になるものを用意し(私がおすすめするのは紙を折る方法ですが)、できるだけ早口で100字ぐらいの文章を30回繰り返すことです。時間は10分程度で、これを毎日続けるのです。
 ただ繰り返すだけですから、シャワーを浴びながらでも、道を歩きながらでもできます。こういう方法で、誰でも簡単に暗唱ができるようになるのです。

 おじいちゃんやおばあちゃんに教えてもらった文章があったら、この方法で覚えておき、あとで聞かせてあげるといいと思います。


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